春画を売ったら王子たちに食べられた

四季

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「今は非人に関しての資料を隠されている場所を探している。私の仮定が正しいか、密偵にルデェル辺境伯領を探ってもらっている。
 だから、レイーシャ。おまえはリーナ嬢のことを諦めろ」

「ちょっと待ってください! なぜ、どうして、そのような結論がでるのですか!?」

 里奈もジョンリー陛下の言う意味が理解できないけれど、不安でいっぱいになった。

「おまえはメリーナの機嫌をとっとけ。おまえとメリーナが結婚するとなれば、次期国王をメリーナの子どもにできれば ルデェル辺境伯の望みが叶う。だから今までのようにおとなしくしておる。

 しかし、おまえがリーナ嬢と結婚すれば、ただでさえ王族の子どもを身ごもった非人は殺される可能性が高いのに、さらに油に火を注ぐつもりか?」

「私はメリーナと結婚はできません! 私が愛しているのは、リーナです!」

 心のどこかでレイーシャさまと結ばれる未来があるとは思っていた。でもこんな風に現実を突きつかれると、心が引き裂かれた。

「リーナ嬢の子どもが無事に生まれるまでだ。それまでメリーナ嬢の相手をしておけ。私もルデェル辺境伯の弱みを見つけ、彼の力を削ぐようにする。それまで我慢するのだ」

「では、シーオン兄上がリーナに魔力を補給するのですか? それは我慢できません」

 魔力補給ってエッチすることだよね?

「そうだ……仕方ないことだ」

「私がする」

「だからレイーシャ、おまえがリーナと性行為をすればメリーナ嬢にバレる」

 レイーシャさまとジョンリー陛下のイライラ声が室内の空気をさらに悪化させている。

「バレないようにリーナを愛する」

「いや、いい。リーナには俺だけで十分だ」

 里奈の気持ちなど誰も考えずに勝手に話が進んでいく。

「二人とも喧嘩をするな。我々がここで仲違いしてどうする! ここはお互いに手を取り合って、ルデェル辺境伯と戦う場合だ。

 分かった、こうしよう。リーナ嬢が無事に子どもを生むまで私の居館で面倒を見よう。子どもの父親は不明だが、魔力が高いから保護したと発表する」

 サーっと里奈の顔から血の気が下がる。

(まさか陛下とエッチするの?)

「ジョンリー兄上! リーナを抱くのですか!?」

 レイーシャさまが声を荒々しく言った。

「いや。保護するだけだ。おまえたちが交互に魔力を提供すればいい」

「っ! どうして愛しい人をシーオン兄上と共用しなければいけないのですか?」

「そうだ。レイーシャがリーナに近づくと危ない。俺一人でいい」

 もうなんでそんな話になるの? 魔力回復薬だけで赤ちゃん十分に育つのだったら、レイーシャさまもシーオンさまとも誰とも寝たくない。あばずれお母さんのように男の人の肌がないと生きていけなくなるのは嫌だ。

「二人ともお互いに仲良くしなければ、リーナ嬢を私が貰う。それでいいのか?」

「……仕方ない。受け入れる」

「……分かりました」

 シーオンさまとレイーシャさまが渋々返事をした。

「と言うことだ。リーナ嬢。もう寝たふりをしなくていいぞ」

(ぎゃー、意地悪大魔王は陛下だった)

「「っ!!」」「リーナ起きていたのか?」「目をさましいていたのか?」

 自分とエッチする人を話合っているところを盗み聞きしているなんて、恥ずかしくて今ならコミケで自分の描いた萌画と言うなの春画と言う名のエロ画を売ることができる。

 毛布をさっと頭まで被ったけれど、ジョンリー陛下が布団を取り外した。
 驚いてジョンリー陛下と目が合った。ほんと、いい笑顔でニヤニヤしていた。異世界トリップしてラスボス魔王のオモチャに確定された瞬間だった。
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