春画を売ったら王子たちに食べられた

四季

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 と~っても気まずい中、キラキラしたイケメン王族たちとブランチを食べた。シーオンさまとレイーシャさまの里奈と二人きりで話したいと言う願いも、ジョンリー陛下にバッサリと却下され。二人は里奈に次々と好き嫌いな食べ物から贈り物をしたいから好きな物を教えて欲しいなどの質問攻めを受けて全然食べれない。
 
 返事もする暇を与えく二人が競って話しかけてくるから、おいしいはずの豪華な料理は全然味がしなかった。
 ジョンリー陛下はニヤニヤした顔で、里奈を助けてくれなかった。でも二人に贈り物はしばらく控えるように注意してくれた。

 食後にシーオンさまとレイーシャさまにお別れの挨拶をする暇もなくジョンリー陛下の拉致、引きづられながら陛下の住む居館に行った。
 唯一の救いが、陛下の護衛らしい近衛騎士たちと側近に囲まれて移動だったから、ジョンリー陛下と腕を組んでいる里奈をあまり見られなかったかもしれない。
 なによりジョンリー陛下が廊下をすれ違う時に、みんな頭を下げて通りすがるのを待っている。

「ここは私の寝室に近い部屋だ。つまり特別な部屋だ」

 白で統一された部屋だったが、悪魔の部屋に案内されたようで恐怖で体がガチガチになった。

「あ、あの……こ、こは後宮で、ですか?」

「ん? はっはっはっはーー。異国には後宮を持つ王族も多いと言うしな。残念ながらここは後宮ではない。私の側室や妾たちは隣の建物に住んでいる。もちろん彼女たちは自由に城外に出入りできる。
 あの者たちもさっさと不貞を犯して、宿下がりを願い出て欲しいのだがな」

 今、ジョンリー陛下の言葉の意味を聞き間違いしたようだ。うん、絶対そうだ。とっても難しい言葉があったもんね!

「私には正妃は誰もいない。だからこの私の居館にいるのはリーナ嬢一人になる。もちろんお腹の子どもはある上級貴族の子どもで安全のために客としてここにしばらく住んでもらう、と周りには説明をするから安心してここにいればいい」

「……はい」

 全然安心もできないし、落ち着かない。こんな真っ白な部屋だと、汚れを気にして身動きができない。
 上級貴族は洗浄の魔法が使えるからいいけれど、里奈は汚したら一体いくらで弁償しないといけないかと考えるだけで顔が真っ青になる。
 現にジョンリー陛下をはじめ、部屋の中にいるデカくて、顔容姿すべての偏差値が高いジョンリー陛下の取り巻きたちに囲まれた身の置き場もなく、真っ白なフカフカの絨毯を見たままだ。

「みな、下がれ」

「えっ?」

 『みな』って里奈もだよね?

「しばらく彼女と二人にしてくれ」
「しかし」

「なんだ? 彼女が私になにかするとでも言うのか? 命令だ。下がれ」

 側近の人がジョンリー陛下になにか言おうとしたが、すぐに頭を下げて部屋を出た。

「扉を閉めるように」

 こちらを最後まで心配そうにして見ていた側近が部屋を出るとドアを閉めた。

「さて、おまえはなにが目的なんだ?」

 ジョンリー陛下が里奈の前まで立ち止まり、彼女の顎をクイっと上に向くように手を添えた。『顎クイ』ってエロ漫画でも必ず登場する女の子の憧れのシチュエーションなのに、恐怖しかない。

「も、もくてき?」

「ああ、弟二人をぞっこんにさせて、おまえはなにを手に入れようとしているのだ?」

「な、なにも」

 怖い。さっきまでたしかに高貴な人と言うことで目の前のジョンリー陛下が怖かったけれど。今はそれではない、得体のしない恐怖に包まれた。
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