イケメンスパダリシリーズ オメガバース <直己&佳都編>

波木真帆

文字の大きさ
5 / 5

運命の出会い 5※ <オメガバース>

しおりを挟む
<side直己>

「んっ……」

気づいたら俺はどこかのベッドに寝ていた。

俺は、どうしたんだったか?
思い出そうとするがぼやっと霞がかかったようでクリアにならない。

身体を動かすと脇腹にズキッと痛みが走り、ベッドに手をつくと何かに触れた。
その感触に驚いて横を見ると、天使のように可愛い子が横たわっていた。

「――っ!!」

あまりの衝撃に思わず大声を出しそうになったが、咄嗟に口を押さえた。
眠っている彼の顔を見て、俺は全てを思い出した。


あの時……観月の事務所の扉を開けた瞬間、今まで嗅いだことのない甘い匂いが一気に俺を包み込んだ。
俺がその匂いを認識するよりも前に身体は反応してしまっていたんだろう。

立っていられなくなった俺の視界に顔を真っ赤にした可愛い子が入ってきて、俺の本能が教えてくれた。
あの子が俺のつがいなのだ、と。

全身からフェロモンが出そうになったところで隣にいた悠木のおじさんが俺の服を捲る。
鋭い痛みを感じたあとは何も覚えていない。

多分、悠木のおじさんと観月が俺たちをここに運んでくれたんだろう。

ここは緊急シェルターか?

口を押さえたままあたりを見回すと、ベッド横に置かれていた小さなテーブルの上に置き手紙のようなものが見えた。

俺は寝ている彼を起こさないようにそっとその手紙をとった。
王子のような外見と完璧主義者の性格に見合った達筆な文字。それを見てこれが観月からの手紙だとわかる。

<綾城。目が覚めて彼を起こす前に必ず確認しておけ。この手紙と一緒にテーブルに置いていたのは、避妊薬と栄養剤だ。医師免許を持っているお前にはわかるだろうが、避妊薬は必ず一日に一度、そして栄養剤は三時間~五時間ごとに一度飲ませることを守るように。悠木の親父さんの話だとお前が起きて十分ほどで彼も目を覚ます。あとはたっぷりと愛してやれ。あらかじめ言っておくが、そこは政府公認の緊急シェルターじゃない。俺が理央とのヒート期間を過ごすために用意した部屋だ。いいか、これは大きな貸しだからな。俺に感謝するなら、彼を心ゆくまで満足させて幸せにしてやれ>

まさか、あの観月がつがいくんと過ごすための愛の巣を俺に貸してくれるとはな……

本当に大きな借りができた。
その借りを返すのは後でじっくり考えるとして、観月の言ったように彼との甘い時間をたっぷりと過ごすことにしよう。

目を覚ました彼を喜ばせたい。
何をしてあげたら喜ぶか、そう考えて俺はΩの習性を思い出した。
巣作りだ。

ここには俺のものは少ないが、できるだけ俺の匂いに包まれて目を覚まさせてやりたい。
そう思って俺は、着ている服を一気に脱いだ。
そうして俺のフェロモンが多くついている下着を内側にして彼の身体を包み込んだ。

どんな反応をしてくれるか、楽しみでたまらない。
俺の服に埋もれた彼の隣に横たわり、寝顔を見つめているとだんだんと頬に赤みがさしてくる。
眠っていても俺の匂いに反応してくれているということだろう。

「ん……いぃ、にぉぃ……」

可愛い声を溢し、俺の下着をクンクンと嬉しそうに嗅いでいる。
その姿がたまらなく可愛くて、見ているだけで興奮してくる。
彼の瞼が少しずつ開いていくにつれて、彼から甘い匂いがじわじわと溢れ出してきた。
そうして、パチっと彼の目が開いたと同時にブワッと途轍もない匂いを放った。

その匂いに俺も一気にラット状態に入っていく。
だが、いきなり襲いかかるわけにはいかない。
彼をまず安心させて満足させてやらないと。

初めての激しいラットに飲み込まれそうになりながらも、俺は必死に彼を抱きしめた。
確か、ケイトと呼んでいた記憶が蘇る。
優しく耳元で彼の名を呼んだ。

「ケイト、愛してるよ。俺のことは直己と呼ぶんだ」

「な、おき……?」

「そうだ。いい子だな」

優しく頭を撫でてやると心底嬉しそうな表情を見せる。それがたまらなく可愛い。

「いいにおぃ、ちゅるのー。けいとにごほーび、ちょーらい」

真っ赤な顔で少し呂律も回っていないが、おそらく俺のフェロモンに当てられているんだろう。
まず俺の蜜を飲ませたほうが満足するかもしれない。

俺はすぐにケイトを抱き上げて一気に服を脱がしベッドに座らせた。
力なく座っている彼の顔の前に自分でも見たことがないほど昂ったモノを見せた。

「ほら、ご褒美をあげるよ。好きにしていいよ」

「わぁー! けいとのー!」

嬉しそうに小さな口を開けて、俺のをパクリと咥えようとするが、小さな口は先端の張り出した部分でさえ、全部入れられない。すると、ケイトはぺろぺろと子猫のように小さな舌で舐め始めた。それがとてつもなく気持ちがいい。

「ああ、最高だ…‥」

もっと舐めて欲しいのに、もう限界を迎えそうになっている。
こんなこと今までならありえないことだが、それが運命のつがいの威力なんだろう。

「んっ、おいちぃ」

舐めている彼の口から可愛い言葉が聞こえて、俺はあっという間に限界を超えてしまった。

「くっ!」

慌てて引き抜こうとしたが、それより先に彼の口内に向かって欲望の蜜を弾けさせてしまった。
ものすごく気持ちが良かったが、ビュルビュルと大量に出してしまったせいで、ケイトは全てを飲みきれなかっただろう。
ハッと我に返って見下ろすと、飲みきれなかった俺の蜜がケイトの口から垂れて、彼の首から鎖骨、胸に向かって流れていた。

それを恍惚とした表情で。指で掬って舐めとっているケイトの姿が見えて、俺はまた昂ってしまっていた。
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

いぬぞ~
2025.11.08 いぬぞ~
ネタバレ含む
2025.11.12 波木真帆

いぬぞ〜さま。コメントありがとうございます!
舌足らずな可愛い3歳児の首から鎖骨、胸に向かって蜜がとろーり。
本当めちゃくちゃエロいですよね(笑)

パパママが帰ってきたら、あまりにも違くなりすぎてびっくりしちゃうかな。
パパはちょっとショックを受けそうですが相手が希少αなので仕方ないかな(笑)

解除
四葩(よひら)
ネタバレ含む
2025.11.12 波木真帆

四葩さま。コメントありがとうございます!
こちらはスムーズにヒートえっちへ。
可愛い佳都にもうメロメロになっちゃってますね。
ふふ🤭巣作りできない佳都のために今着ている服を脱いじゃう直己可愛いですよね。
そのおかげで目を覚ました瞬間から、可愛いΩにゃんこになっちゃってます。

このヒートが終わったらすぐに直己も二人で過ごすための愛の巣を購入しないといけないですね。
そして観月にお礼も⭐️

解除

あなたにおすすめの小説

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件

水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」 結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。 出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。 愛を期待されないのなら、失望させることもない。 契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。 ただ「役に立ちたい」という一心だった。 ――その瞬間。 冷酷騎士の情緒が崩壊した。 「君は、自分の価値を分かっていない」 開始一分で愛さない宣言は撤回。 無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。 以後、 寝室は強制統合 常時抱っこ移動 一秒ごとに更新される溺愛 妻を傷つける者には容赦なし宣言 甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。 さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――? 自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。 溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。

月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」 幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。 「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」 何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。 「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」 そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。 僕、殿下に嫌われちゃったの? 実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。

余命半年の俺を、手酷く振ったはずの元カレ二人が手を組んで逃がしてくれません

ユッキー
BL
半年以内に俺は一人寂しく死ぬ。そんな未来を視た。きっと誰も悲しむ人は居ないだろう。そう思っていたから何も怖くなかった。なのにそんな俺の元に過去手酷く振り、今では世界的スターとなった元カレ二人がやってきた。彼らは全てを知っていた。俺がどうして彼らを振ったのか、そして俺の余命も。 全てを諦めた主人公と、主人公を諦めきれないイケメンサッカー選手とシンガーソングライターの再会が導く未来は?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。