ベビーシッター先でラブラブな家族生活はじまりました

波木真帆

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番外編

買い物の後は……

「すごーい! はるかちゃんだー!」

琳が抱っこしていたウサギより一回り大きなウサギ。

「りんがだっこするー! あおとくんはりんのウサギちゃんをだっこしてー!」

「わかったー!」

身体の大きさを考えれば碧斗が大きなウサギを抱っこしたほうがよさそうだが、遥にそっくりなウサギを碧斗が抱っこするというのもなんとなくもやっとしてたから琳の提案は私にはありがたかった。
碧斗にしても琳にそっくりなウサギを抱っこできて喜んでいるのだからいいのだろう。

もしかして、琳はそこまで考えてああ言ってくれたのだろうか……?
賢い琳のことだからついそんなことを考えてしまう。

「ねー、ぱぱー」

大きなウサギを抱っこして私の指を可愛らしく掴んでくる。

「ん? どうした?」

「あのね、このウサギちゃんとおうちのくまさんにも、りんたちみたいにおきがえほしいなって……」

確かにこれ一枚だけなのは可哀想だ。
可愛い提案をしてくれた琳の前にしゃがみ込み頭を撫でる。

「そうだな。この子たちと家のクマたちの分も着替えを買って行こう」

「わぁー! ぱぱ、ありがとー! だいすきー!」

琳がウサギを抱っこしたまま私に抱きついてくる。
その勢いは強かったが琳の力では私がよろめくことはない。
ギュッと抱きしめたまま体勢を崩すことなかったが、ウサギのおかげで直接琳を真正面から抱っこすることにならなかった。碧斗の嫉妬は最小限にとどめられたようだ。

チラリと遥に視線を向けるが、さすがに琳が私に抱きついても嫉妬はしないか……

もし、碧斗が遥に真正面から抱きつきにいったら私は少し嫉妬してしまうだろうがな。
そのあたりの温度差は仕方がないのかもしれない。

「あおとくん。ウサギちゃんとクマさんのおきがえ、いっしょにえらんでー!」

「うん、いーよー」

碧斗は琳に誘われて一気に機嫌を直したみたいだ。
手を繋いで二人で着替えを選びに行く。
その間、ウサギたちはスタッフくんたちが棚の上で寄り添うように飾ってくれていた。

「前野くん。この間に碧斗たちの洋服の買い物分もまとめておいてくれ」

「承知いたしました」

今回は、碧斗が選んだ琳の夏物と秋冬物の服。琳が選んだ碧斗の夏物と秋冬物の服。そして子どもたちの揃いのパジャマと下着。子どもたち用の冬用のコート。

そして私が選んだ遥の夏物と秋冬物の服。遥が選んでくれた私の夏物と秋冬物の服。そして遥が選んでくれた服に合わせた遥の服。私と遥の揃いのパジャマと下着。それにバスローブ。遥の冬用のコート。

これにぬいぐるみたちの着替えが加わる。

今回はたくさん買ったが、まだ十分とはいえない。
これから新作も出るだろうからその時にまた家族で伺うとしよう。

遥が、琳たちがぬいぐるみの着替えを選んでいるのを見ている間に、さっと支払いを済ませた。
四桁は軽く超えていたが、家族のために使うものだから大した金額ではない。

むしろこんなものかと思ったくらいだ。

私がいる日に全て届くように配送を手配し、ぬいぐるみたちの着替えだけ持ち帰ることにした。
きっと帰ったらすぐにクマたちの着替えもさせたいだろうからな。

「お買い上げいただきありがとうございます」

「こちらこそ、子どもたちを見てもらって助かったよ。また家族で寄らせてもらおう。その時は前もって連絡を入れておくから前野くんにお願いしたい」

「はい。喜んでお手伝いさせていただきます」

前野くんの的確なアドバイスのおかげで楽しい買い物になってよかった。

「ぱぱー。えらんだー!」

「そうか、じゃあ袋に入れてもらおうか」

「ウサギちゃんは、だっこしてかえっていーい?」

「構わないよ。そのほうがウサギも喜ぶだろう」

「わーい、やったー!」

車に戻り、子どもたちをチャイルドシートに座らせる。
ウサギたちはもちろん二人の腕の中だ。

私と遥も車に乗りこんで、この後どうするかを尋ねた。

「どこかでお茶でもしようか?」

その問いかけに一番先に声を上げたのは琳だった。

「りん。おじーちゃんたちにウサギちゃんみせたーい!」

「あ! あおともー!」

琳の言葉にすぐに碧斗も賛同するが、流石に急に行くわけにはいかない。

「いや、それはちょっと……」

「でもおじーちゃん、いつでもきていいっていってたよー!」

確かにそう言ってくださっていたがあまりにも急すぎる。

「とりあえず、磯山に連絡をしてみよう」

そうして私はスマホを取り出した。
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