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意識をさせるために…… 2
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考えてみれば、私もコンシェルジュに頼めば遥くんの着替えを用意してくれるのに、自分の服を貸した。
あの時は自分の気持ちを理解していなかったが、本能的に他人が選んだものを遥くんに身につけさせたくないと思ってしまったのだろう。
彼の助言でそれに気がついた。
「なるほど。ではそうしよう」
あくまでも碧斗が着るものとして私が選び、その色違いのお揃いを琳くんに選ぶとしよう。
「今回は必要最低限な枚数にして、今度は息子も連れてこよう。その時にたくさん買わせてもらうよ」
「はい。ご子息がお選びになるのを楽しみしております。よろしければお洋服の代わりに、おもちゃや絵本などのご用意も幾つかございますが、ご覧になりますか?」
碧斗の年齢に合うもおもちゃや絵本は幾つかネットで注文したが、届くのは明日以降だったか。
それなら今日買って帰るのもいいかもしれない。
「ぜひ見させてもらおう」
年齢別に並べられたおもちゃや絵本の数々は実際に手に取って眺めるとそのクオリティに驚かされた。
洋服同様に素晴らしい。その中からいくつかのおもちゃと絵本を選び、購入することにした。
碧斗の服を選ぶのは容易い。
双子のような服を幾つか選び、パジャマは遥くんのと同じ素材のものを選べば家族らしく見えるかもしれない。
そんな意図でガーゼ素材のものを選んだ。
子どもたちの買い物はあっという間に終わった。
さて今度は遥くんの買い物の続きだ。
店員の彼に目を向けると、名札には<エリアマネージャー前野>との記載があった。
「ん? エリアマネージャーならこうして店舗に立つのは稀なのではないか?」
私の質問に彼は笑顔を向け、先ほどまでと同じく優しい口調で話し始めた。
「全くないと言うことではございませんが、こうして西条さまの接客ができたのは偶然ではございません。西条さまがお越しになる前に磯山さまからご連絡をいただき、今から青山店にお越しになる西条さまの接客をお願いしたいと依頼がございましたのでお引き受けさせていただきました」
磯山が……わざわざ、頼んでくれていた?
「磯山さまが十代の頃から、接客をさせていただいておりましたので西条さまのお名前もお聞きしたことがございます。この度、西条さまが贈り物をお選びになる手伝いをして欲しいとのことでしたので喜んで参上した次第です」
私の名前がどのような内容で出てきたかは気になるところだが、そこは今度磯山に聞くとしよう。
「そうか……それはどうもありがとう。前野くんがいてくれて本当に助かっている」
「いえ。私も西条さまとご縁があり大変嬉しく思っております」
その柔らかな物言いにはホッとさせられる。
ここなら遥くんを連れてきても安心させられそうだ。
「先ほど入ってきたばかりの新作がございますがご覧になりますか?」
「頼むよ」
誰の目にも触れていないものの中に遥くんが似合う服があるだろうか。
ドキドキしながら待っていると、前野くんが持ってきた服の中に光るものを見つけた。
「それ……」
「こちらのサマーニットでございますか?」
私が気になったものをすぐに見つけてくれた彼がそれを私に差し出した。
柔らかなニットは肌が弱そうな彼にも安心して着用することができる。
そして何よりこの色と襟や袖の空き具合。
このデザイナーは確実にわかっている。これを着たらどうなるかを……。
蓮見周平はさすがだなと心の中で賛辞を送りながら、これは早々に購入を決めた。
それに合う白いズボンを選び、そのほかも新作の中から数着選んだ。
次は下着だ。彼のサイズならSだろうか。
そう思った通りこの場にはSサイズの下着しか置かれていない。
安心してその中から数枚の下着を選んだ。
これで遥くんの大事な場所を守るのか……そう思うだけで興奮しそうになるが、ここは店内。
必死に自分の欲望と戦った。
そして最後はパジャマだ。
ガーゼ素材で子どもたちとお揃いになるものは必ず買おう。
「この色違いで私のサイズも欲しいのだが……」
考えてみればこの可愛らしい店に私のサイズが存在するのか?
だが私の心配を吹き飛ばすように前野くんは笑顔を浮かべた。
「パジャマに関しましてはお揃いでお召しになる方が多くいらっしゃいますのでこちらの店舗にも数多くご用意がございます。お相手のものをお選びいただきましたらお揃いのものをお持ちします」
私が遥くんのために選んだものとお揃いのものをすぐに出してくれる。
その至れり尽くせりな対応に驚くばかりだが、だからこそこの店に磯山も村山も通うのだろう。
安心して選ぶことにした私は、シルク素材のパジャマに心を奪われた。
「これは……」
「さすが西条さま。お目が高い。こちらは肌着なしでもサラサラとした着心地を楽しんでいただけますので人気がございます」
「紺色のこれをいただこう。私は……そうだな、チャコールグレーにしようか」
「すぐにご用意いたします」
持ってきてもらったパジャマは色味もサイズも私にぴったりだった。さすがだ。
「子どもたちの服と、おもちゃ。それからこちらにある服は持ち帰る。あとは配送を頼めるかな?」
「承知いたしました」
彼がさっと手を挙げると数人のスタッフが出てきてすぐに準備をしてくれる。
その間に会計を済ませると、前野くんが車まで荷物を運んでくれた。
「ありがとう。また近々寄らせてもらうよ。その時も君に接客して欲しいのだが」
「ありがとうございます。お越しの際はこちらにご連絡くださいませ」
渡された名刺には電話番号と可能な日時が添えられていた。
お礼を言って店を出ると、少し走ったところでスマホに通知が入ったのを感じた。
路肩に車を停めて確認すると相手は磯山。
前野くんから連絡が入ったのかと思い、メッセージを開けばその内容ではなかった。
<うちの事務所に寄れるなら来て欲しい。依頼された件について話がある>
簡潔なメッセージには、必ず来いという内容を含んでいるようで、私はすぐに行くと返信を送り、そのまま磯山の事務所に向かった。
あの時は自分の気持ちを理解していなかったが、本能的に他人が選んだものを遥くんに身につけさせたくないと思ってしまったのだろう。
彼の助言でそれに気がついた。
「なるほど。ではそうしよう」
あくまでも碧斗が着るものとして私が選び、その色違いのお揃いを琳くんに選ぶとしよう。
「今回は必要最低限な枚数にして、今度は息子も連れてこよう。その時にたくさん買わせてもらうよ」
「はい。ご子息がお選びになるのを楽しみしております。よろしければお洋服の代わりに、おもちゃや絵本などのご用意も幾つかございますが、ご覧になりますか?」
碧斗の年齢に合うもおもちゃや絵本は幾つかネットで注文したが、届くのは明日以降だったか。
それなら今日買って帰るのもいいかもしれない。
「ぜひ見させてもらおう」
年齢別に並べられたおもちゃや絵本の数々は実際に手に取って眺めるとそのクオリティに驚かされた。
洋服同様に素晴らしい。その中からいくつかのおもちゃと絵本を選び、購入することにした。
碧斗の服を選ぶのは容易い。
双子のような服を幾つか選び、パジャマは遥くんのと同じ素材のものを選べば家族らしく見えるかもしれない。
そんな意図でガーゼ素材のものを選んだ。
子どもたちの買い物はあっという間に終わった。
さて今度は遥くんの買い物の続きだ。
店員の彼に目を向けると、名札には<エリアマネージャー前野>との記載があった。
「ん? エリアマネージャーならこうして店舗に立つのは稀なのではないか?」
私の質問に彼は笑顔を向け、先ほどまでと同じく優しい口調で話し始めた。
「全くないと言うことではございませんが、こうして西条さまの接客ができたのは偶然ではございません。西条さまがお越しになる前に磯山さまからご連絡をいただき、今から青山店にお越しになる西条さまの接客をお願いしたいと依頼がございましたのでお引き受けさせていただきました」
磯山が……わざわざ、頼んでくれていた?
「磯山さまが十代の頃から、接客をさせていただいておりましたので西条さまのお名前もお聞きしたことがございます。この度、西条さまが贈り物をお選びになる手伝いをして欲しいとのことでしたので喜んで参上した次第です」
私の名前がどのような内容で出てきたかは気になるところだが、そこは今度磯山に聞くとしよう。
「そうか……それはどうもありがとう。前野くんがいてくれて本当に助かっている」
「いえ。私も西条さまとご縁があり大変嬉しく思っております」
その柔らかな物言いにはホッとさせられる。
ここなら遥くんを連れてきても安心させられそうだ。
「先ほど入ってきたばかりの新作がございますがご覧になりますか?」
「頼むよ」
誰の目にも触れていないものの中に遥くんが似合う服があるだろうか。
ドキドキしながら待っていると、前野くんが持ってきた服の中に光るものを見つけた。
「それ……」
「こちらのサマーニットでございますか?」
私が気になったものをすぐに見つけてくれた彼がそれを私に差し出した。
柔らかなニットは肌が弱そうな彼にも安心して着用することができる。
そして何よりこの色と襟や袖の空き具合。
このデザイナーは確実にわかっている。これを着たらどうなるかを……。
蓮見周平はさすがだなと心の中で賛辞を送りながら、これは早々に購入を決めた。
それに合う白いズボンを選び、そのほかも新作の中から数着選んだ。
次は下着だ。彼のサイズならSだろうか。
そう思った通りこの場にはSサイズの下着しか置かれていない。
安心してその中から数枚の下着を選んだ。
これで遥くんの大事な場所を守るのか……そう思うだけで興奮しそうになるが、ここは店内。
必死に自分の欲望と戦った。
そして最後はパジャマだ。
ガーゼ素材で子どもたちとお揃いになるものは必ず買おう。
「この色違いで私のサイズも欲しいのだが……」
考えてみればこの可愛らしい店に私のサイズが存在するのか?
だが私の心配を吹き飛ばすように前野くんは笑顔を浮かべた。
「パジャマに関しましてはお揃いでお召しになる方が多くいらっしゃいますのでこちらの店舗にも数多くご用意がございます。お相手のものをお選びいただきましたらお揃いのものをお持ちします」
私が遥くんのために選んだものとお揃いのものをすぐに出してくれる。
その至れり尽くせりな対応に驚くばかりだが、だからこそこの店に磯山も村山も通うのだろう。
安心して選ぶことにした私は、シルク素材のパジャマに心を奪われた。
「これは……」
「さすが西条さま。お目が高い。こちらは肌着なしでもサラサラとした着心地を楽しんでいただけますので人気がございます」
「紺色のこれをいただこう。私は……そうだな、チャコールグレーにしようか」
「すぐにご用意いたします」
持ってきてもらったパジャマは色味もサイズも私にぴったりだった。さすがだ。
「子どもたちの服と、おもちゃ。それからこちらにある服は持ち帰る。あとは配送を頼めるかな?」
「承知いたしました」
彼がさっと手を挙げると数人のスタッフが出てきてすぐに準備をしてくれる。
その間に会計を済ませると、前野くんが車まで荷物を運んでくれた。
「ありがとう。また近々寄らせてもらうよ。その時も君に接客して欲しいのだが」
「ありがとうございます。お越しの際はこちらにご連絡くださいませ」
渡された名刺には電話番号と可能な日時が添えられていた。
お礼を言って店を出ると、少し走ったところでスマホに通知が入ったのを感じた。
路肩に車を停めて確認すると相手は磯山。
前野くんから連絡が入ったのかと思い、メッセージを開けばその内容ではなかった。
<うちの事務所に寄れるなら来て欲しい。依頼された件について話がある>
簡潔なメッセージには、必ず来いという内容を含んでいるようで、私はすぐに行くと返信を送り、そのまま磯山の事務所に向かった。
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