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ドキドキが止まらない
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「んっ……」
あれ? どうしたんだっけ?
目を覚ますとすぐ近くに人肌を感じて身体を起こした。
仄暗い部屋でそっと手で触れるとその小さな身体の感触に琳だと気づいた。
スウスウと規則正しい寝息を立てながら、僕に背を向けて寝ている琳。
顔はもちろん碧斗くんに向いている。
この家に来て、よく見る光景に思わず笑みが溢れる。
と同時に、琳の成長に少しもの悲しさを感じてしまう。
二人でいた時は琳の小さな背中が見えることは一度もなかったから。
琳にとって、碧斗くんが安心する相手になったということなのかもしれない。
琳の柔らかな髪を優しく撫でているとようやく目が慣れてきて、碧斗くんの向こうに西条さんの姿を見つけた。
あっ! 一緒にここで寝ていたんだ。
そういえば、ここにきた記憶がない……。
どうしたんだっけ?
必死に記憶を呼び起こして昨夜のことを思い出した。
――碧斗は私の双子の弟の子どもなんだ
ああ、そうだ。
西条さんからそれを教えられたんだった。
不幸な出来事で両親を一度に失った碧斗くんを西条さんが引き取って、碧斗くんが寂しい思いをしないように気を配っていたことを知った。
――遥くんに来てもらえて本当に良かったよ。碧斗にとっても、私にとっても……
僕の記憶の最後にある西条さんの言葉……。
あのあと、きっと寝ちゃったんだな。
ワインが美味しすぎて飲み干してしまったのがいけなかったのかもしれない。
ここまで弱いはずじゃなかったけれど、ここ数年のアルコールなし生活ですっかり弱くなっていたのかもしれない。
ここまで運んでもらうなんて……また西条さんに迷惑かけちゃったな。
せっかく話に誘ってくれたのに。
それに碧斗くんの大事な話を聞いていたのに。
突然寝たりしてどう思われただろう。
西条さんから大事な話を聞いている最中だったのにな。
そういえば、あの最後の言葉……私にとっても……って、どういう意味だったんだろう?
僕が来たことで西条さんの負担が減ってよかったってことかな?
確かに、いきなりパパになるなんて大変だっただろう。
それは自分も経験しているからよくわかる。
仕事柄、子どもと接することも多かった僕でさえ、二十四時間子供がいる生活は想像を絶するものだった。
西条さんは社長としての仕事も抱えながら、しかも今まで子どもと関わりのない生活だったから余計に大変だったんだろうな。
最初に西条さんと碧斗くんに会った時は、少し距離があるように感じた理由がわかった気がする。
急にパパになって、どう接していいのか分からなかったんだろうな。
もしかしたら、僕が琳や碧斗くんと接している姿を見て学んだのかもしれない。
だからかな、ここ数日で西条さんのパパスキルが上がっているように感じたのは。
今まで周りに教えてくれるような人がいなかったんだろう。
同じ年の子を持つパパ同士でよかったのかもしれない。
それにしても、昨夜の西条さんの言葉にはなんだかドキドキさせられたな。
西条さん、かっこいいから男の僕でもときめいてしまいそうになる。
碧斗くんの隣で眠っている西条さんにそっと視線を向けると、寝顔すらもかっこよくて驚いてしまう。
女性がこんな姿見たら、一目惚れするだろう。
そんな姿を見ることを許されている今の環境が申し訳なく思いつつも、少し優越感を感じてしまう自分がいる。
「ん……はるか、くん……っ」
えっ?
西条さん、今なんて……?
僕の名前を呼んだ気がするけど、気のせい?
もしかして、西条さんの夢に僕が……?
そう思うだけで、一気に顔が熱くなってしまった。
きっと迷惑かけられたから、夢にも出てきたのかもしれない。
そうだ、そうに決まってる。
自分に言い聞かせつつも、なんだかドキドキが止まらなかった。
まだ起きる時間には早かったけれど、二度寝する気にもなれずそっとサークルから出た。
着替えを済ませて、朝食を作りながらもさっきのことが頭を離れない。
ぼーっとブロッコリーを茹でていると
「遥くん、おはよう」
と西条さんの声が聞こえた。
「えっ、あっ!」
顔を上げた先に笑顔の西条さんが見えて、驚いて声を上げてしまった。
「――あちっ!!」
運悪く、持っていたトングを湯の中に落としてしまい熱湯が跳ねて僕の左手の甲にかかってしまった。
「遥くん、大丈夫か?」
駆け寄ってきた西条さんはさっきの笑顔から一変して心配そうな表情をしながら僕の手を取った。
「だ、大丈夫です。これくらい平気です」
「火傷を軽く見てはいけないよ。ほら、もう赤くなっている」
赤くなった甲を見せられ、そのまま水道で冷やされる。
添えられた手と、ピッタリとくっついた身体から、西条さんの温もりを感じて鼓動が早くなっていく。
僕は、一体どうしてしまったんだろう……。
あれ? どうしたんだっけ?
目を覚ますとすぐ近くに人肌を感じて身体を起こした。
仄暗い部屋でそっと手で触れるとその小さな身体の感触に琳だと気づいた。
スウスウと規則正しい寝息を立てながら、僕に背を向けて寝ている琳。
顔はもちろん碧斗くんに向いている。
この家に来て、よく見る光景に思わず笑みが溢れる。
と同時に、琳の成長に少しもの悲しさを感じてしまう。
二人でいた時は琳の小さな背中が見えることは一度もなかったから。
琳にとって、碧斗くんが安心する相手になったということなのかもしれない。
琳の柔らかな髪を優しく撫でているとようやく目が慣れてきて、碧斗くんの向こうに西条さんの姿を見つけた。
あっ! 一緒にここで寝ていたんだ。
そういえば、ここにきた記憶がない……。
どうしたんだっけ?
必死に記憶を呼び起こして昨夜のことを思い出した。
――碧斗は私の双子の弟の子どもなんだ
ああ、そうだ。
西条さんからそれを教えられたんだった。
不幸な出来事で両親を一度に失った碧斗くんを西条さんが引き取って、碧斗くんが寂しい思いをしないように気を配っていたことを知った。
――遥くんに来てもらえて本当に良かったよ。碧斗にとっても、私にとっても……
僕の記憶の最後にある西条さんの言葉……。
あのあと、きっと寝ちゃったんだな。
ワインが美味しすぎて飲み干してしまったのがいけなかったのかもしれない。
ここまで弱いはずじゃなかったけれど、ここ数年のアルコールなし生活ですっかり弱くなっていたのかもしれない。
ここまで運んでもらうなんて……また西条さんに迷惑かけちゃったな。
せっかく話に誘ってくれたのに。
それに碧斗くんの大事な話を聞いていたのに。
突然寝たりしてどう思われただろう。
西条さんから大事な話を聞いている最中だったのにな。
そういえば、あの最後の言葉……私にとっても……って、どういう意味だったんだろう?
僕が来たことで西条さんの負担が減ってよかったってことかな?
確かに、いきなりパパになるなんて大変だっただろう。
それは自分も経験しているからよくわかる。
仕事柄、子どもと接することも多かった僕でさえ、二十四時間子供がいる生活は想像を絶するものだった。
西条さんは社長としての仕事も抱えながら、しかも今まで子どもと関わりのない生活だったから余計に大変だったんだろうな。
最初に西条さんと碧斗くんに会った時は、少し距離があるように感じた理由がわかった気がする。
急にパパになって、どう接していいのか分からなかったんだろうな。
もしかしたら、僕が琳や碧斗くんと接している姿を見て学んだのかもしれない。
だからかな、ここ数日で西条さんのパパスキルが上がっているように感じたのは。
今まで周りに教えてくれるような人がいなかったんだろう。
同じ年の子を持つパパ同士でよかったのかもしれない。
それにしても、昨夜の西条さんの言葉にはなんだかドキドキさせられたな。
西条さん、かっこいいから男の僕でもときめいてしまいそうになる。
碧斗くんの隣で眠っている西条さんにそっと視線を向けると、寝顔すらもかっこよくて驚いてしまう。
女性がこんな姿見たら、一目惚れするだろう。
そんな姿を見ることを許されている今の環境が申し訳なく思いつつも、少し優越感を感じてしまう自分がいる。
「ん……はるか、くん……っ」
えっ?
西条さん、今なんて……?
僕の名前を呼んだ気がするけど、気のせい?
もしかして、西条さんの夢に僕が……?
そう思うだけで、一気に顔が熱くなってしまった。
きっと迷惑かけられたから、夢にも出てきたのかもしれない。
そうだ、そうに決まってる。
自分に言い聞かせつつも、なんだかドキドキが止まらなかった。
まだ起きる時間には早かったけれど、二度寝する気にもなれずそっとサークルから出た。
着替えを済ませて、朝食を作りながらもさっきのことが頭を離れない。
ぼーっとブロッコリーを茹でていると
「遥くん、おはよう」
と西条さんの声が聞こえた。
「えっ、あっ!」
顔を上げた先に笑顔の西条さんが見えて、驚いて声を上げてしまった。
「――あちっ!!」
運悪く、持っていたトングを湯の中に落としてしまい熱湯が跳ねて僕の左手の甲にかかってしまった。
「遥くん、大丈夫か?」
駆け寄ってきた西条さんはさっきの笑顔から一変して心配そうな表情をしながら僕の手を取った。
「だ、大丈夫です。これくらい平気です」
「火傷を軽く見てはいけないよ。ほら、もう赤くなっている」
赤くなった甲を見せられ、そのまま水道で冷やされる。
添えられた手と、ピッタリとくっついた身体から、西条さんの温もりを感じて鼓動が早くなっていく。
僕は、一体どうしてしまったんだろう……。
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