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日本旅行編
母さんの味
『旦那さま』
『どうした、ジュール』
僕がエヴァンさんに抱きしめられながら、みんなからかけられた声に涙を流していると、パピーがエヴァンさんのところにやってきて、声をかけているのが聞こえた。
『実は……』
滑らかなフランス語は僕の耳に入ってきても全く理解ができなかった。でも僕たちのすぐ近くで聞いていた秀吾さんやお母さんたち、そしてリュカたちはパピーの話していることを理解できていたんだろう。
『ええっ!!』
みんなで一斉に驚きの声をあげていた。
「エヴァンさん、どうしたの? 何があったの?」
「ユヅル、喜べ! アマネのオゾウニとやらは再現できるぞ!」
大喜びのエヴァンさんの周りで秀吾さんたちも大喜びしているのが見える。
「えっ? どういうこと?」
僕には何が一体何が何だかわからない。エヴァンさんはそんな僕にわかるようにゆっくりと説明してくれた。
「実はな、アマネが我が家で過ごしていた間に珍しい日本食が食べてみたいというニコラの要望に応えて、アマネがニコラと共にフランスの日本食材店を回り、材料を揃えてオゾウニを作ったことがあったそうだ」
「えっ、母さんが、お父さんに?」
「ああ。残念ながら私も父も出かけていて、運よくその料理を口にできたのはニコラと、そして一緒に料理を作っていたエミール、そして早めに帰宅したジュールだけだった」
「エミールさんって、あのカフェの?」
確かに、母さんがあの家にいた時のことを知っているって言ってた。
「ああ。そうだ。そして、その時にアマネが書き残したレシピを我が家とエミールがそれぞれ保管しているそうだ。だから、エミールに連絡を取れば、おそらく我々がここにいる間にアマネのレシピが手に入るだろう」
「――っ!!! すごい!!」
「だろう? ジュールがよく思い出してくれたよ。あのスープを飲んで記憶が甦ったそうだ」
『パピー、思い出してくれてありがとう!!』
僕は嬉しくてすぐ近くにいてくれたパピーの手を握ってお礼を言うと、パピーはほんのりと涙を浮かべて笑顔を見せてくれた。
「食事が終わったらすぐにエミールに連絡をとってくれるそうだから、今は食事を楽しむとしよう」
「はい!」
「弓弦くん、よかったね。レシピがあったら完璧だよ。一度一緒に作ったら自分でも作れるようになるんじゃない? ねぇ、お母さん」
「ええ。私もお手伝いできるし、みんなで作りましょう」
「僕たちも手伝うよ」
「ありがとうございます」
秀吾さんとお母さんに言われて嬉しくなってしまう。佳都さんとお母さんも手伝うと言ってくれて嬉しい。僕は本当に恵まれてる。
そこからは美味しい料理を食べながら、話がはずむ。
「んーっ! このお肉、美味しい!」
「あ、それ! パパが作ったローストビーフだよ。ねぇ、パパ」
「ああ、理央が好きなローストビーフを作ったんだ。気に入ってくれて嬉しいよ」
理央くんと観月さんのお父さん、本当の親子みたい。すごく仲がいいな。
エヴァンさんのお父さんが生きていたら、僕もこんな感じになれていたのかな?
うん、エヴァンさんのお父さんなら、優しくしてくれそう。
「こっちのも、食べたことない味だけどすっごく美味しい! エヴァンさんも食べてみて!」
「ああ、これは鹿肉のテリーヌだな。まさか、手料理で出てくるとはな。すごく美味しいよ」
「それ、お父さんが作ったんだよ。僕も大好きなんだ。ねぇ、お父さん」
「ああ。空良は私の作ったテリーヌが好きだからな」
空良くんとお父さんが笑顔で笑い合う。こっちも本当の親子みたいだ。
あれ? 悠木さんはちょっと怖そうな表情になってる気がするけど、勘違いかな?
兎にも角にも、今まで食べたことがないくらい豪華なお正月料理に、僕はすっかり大満足でお腹がいっぱいになってしまった。
「少しお腹が落ち着いたらデザートにしましょうね。特別限定の美味しいケーキを用意しているのよ」
「わぁー、ありがとうございます!」
「楽しみだね、ユヅル」
理央くんのお母さんの言葉に、僕もミシェルさんも声をあげて喜んだ。
だって、フランスのケーキも美味しいけど、日本のケーキはスポンジがふわふわですっごく美味しいんだもん。
日本を発つ前にホテルと空港で食べさせてもらったのがずっと印象に残ってたんだ。
「さぁ、食事も終わったし、片付けは旦那さまたちにお任せするとして、弓弦くんとミシェルさんとリュカさんに見せたいものがあるの。一緒に来てもらえるかしら」
そういえば奥の部屋で何か準備しているって言ってたっけ。後で必要なんだって言ってたけど、一体なんだろう?
「はい。エヴァンさん、行ってくるね」
「ああ」
エヴァンさんは少し不安そうだったけど理央くんのお家だから怖いものは何もないから大丈夫だよね。
僕たち三人は五人のお母さんたちに連れられて、奥の部屋に向かった。
『どうした、ジュール』
僕がエヴァンさんに抱きしめられながら、みんなからかけられた声に涙を流していると、パピーがエヴァンさんのところにやってきて、声をかけているのが聞こえた。
『実は……』
滑らかなフランス語は僕の耳に入ってきても全く理解ができなかった。でも僕たちのすぐ近くで聞いていた秀吾さんやお母さんたち、そしてリュカたちはパピーの話していることを理解できていたんだろう。
『ええっ!!』
みんなで一斉に驚きの声をあげていた。
「エヴァンさん、どうしたの? 何があったの?」
「ユヅル、喜べ! アマネのオゾウニとやらは再現できるぞ!」
大喜びのエヴァンさんの周りで秀吾さんたちも大喜びしているのが見える。
「えっ? どういうこと?」
僕には何が一体何が何だかわからない。エヴァンさんはそんな僕にわかるようにゆっくりと説明してくれた。
「実はな、アマネが我が家で過ごしていた間に珍しい日本食が食べてみたいというニコラの要望に応えて、アマネがニコラと共にフランスの日本食材店を回り、材料を揃えてオゾウニを作ったことがあったそうだ」
「えっ、母さんが、お父さんに?」
「ああ。残念ながら私も父も出かけていて、運よくその料理を口にできたのはニコラと、そして一緒に料理を作っていたエミール、そして早めに帰宅したジュールだけだった」
「エミールさんって、あのカフェの?」
確かに、母さんがあの家にいた時のことを知っているって言ってた。
「ああ。そうだ。そして、その時にアマネが書き残したレシピを我が家とエミールがそれぞれ保管しているそうだ。だから、エミールに連絡を取れば、おそらく我々がここにいる間にアマネのレシピが手に入るだろう」
「――っ!!! すごい!!」
「だろう? ジュールがよく思い出してくれたよ。あのスープを飲んで記憶が甦ったそうだ」
『パピー、思い出してくれてありがとう!!』
僕は嬉しくてすぐ近くにいてくれたパピーの手を握ってお礼を言うと、パピーはほんのりと涙を浮かべて笑顔を見せてくれた。
「食事が終わったらすぐにエミールに連絡をとってくれるそうだから、今は食事を楽しむとしよう」
「はい!」
「弓弦くん、よかったね。レシピがあったら完璧だよ。一度一緒に作ったら自分でも作れるようになるんじゃない? ねぇ、お母さん」
「ええ。私もお手伝いできるし、みんなで作りましょう」
「僕たちも手伝うよ」
「ありがとうございます」
秀吾さんとお母さんに言われて嬉しくなってしまう。佳都さんとお母さんも手伝うと言ってくれて嬉しい。僕は本当に恵まれてる。
そこからは美味しい料理を食べながら、話がはずむ。
「んーっ! このお肉、美味しい!」
「あ、それ! パパが作ったローストビーフだよ。ねぇ、パパ」
「ああ、理央が好きなローストビーフを作ったんだ。気に入ってくれて嬉しいよ」
理央くんと観月さんのお父さん、本当の親子みたい。すごく仲がいいな。
エヴァンさんのお父さんが生きていたら、僕もこんな感じになれていたのかな?
うん、エヴァンさんのお父さんなら、優しくしてくれそう。
「こっちのも、食べたことない味だけどすっごく美味しい! エヴァンさんも食べてみて!」
「ああ、これは鹿肉のテリーヌだな。まさか、手料理で出てくるとはな。すごく美味しいよ」
「それ、お父さんが作ったんだよ。僕も大好きなんだ。ねぇ、お父さん」
「ああ。空良は私の作ったテリーヌが好きだからな」
空良くんとお父さんが笑顔で笑い合う。こっちも本当の親子みたいだ。
あれ? 悠木さんはちょっと怖そうな表情になってる気がするけど、勘違いかな?
兎にも角にも、今まで食べたことがないくらい豪華なお正月料理に、僕はすっかり大満足でお腹がいっぱいになってしまった。
「少しお腹が落ち着いたらデザートにしましょうね。特別限定の美味しいケーキを用意しているのよ」
「わぁー、ありがとうございます!」
「楽しみだね、ユヅル」
理央くんのお母さんの言葉に、僕もミシェルさんも声をあげて喜んだ。
だって、フランスのケーキも美味しいけど、日本のケーキはスポンジがふわふわですっごく美味しいんだもん。
日本を発つ前にホテルと空港で食べさせてもらったのがずっと印象に残ってたんだ。
「さぁ、食事も終わったし、片付けは旦那さまたちにお任せするとして、弓弦くんとミシェルさんとリュカさんに見せたいものがあるの。一緒に来てもらえるかしら」
そういえば奥の部屋で何か準備しているって言ってたっけ。後で必要なんだって言ってたけど、一体なんだろう?
「はい。エヴァンさん、行ってくるね」
「ああ」
エヴァンさんは少し不安そうだったけど理央くんのお家だから怖いものは何もないから大丈夫だよね。
僕たち三人は五人のお母さんたちに連れられて、奥の部屋に向かった。
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