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日本旅行編
僕の憧れ
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理央くんが扉を開けると心配そうな表情をした観月さん。その後ろにエヴァンさんと悠木さんの姿もあった。
「あ、寛人さん!」
出かけていた悠木さんの姿を見て空良くん嬉しそう。
僕たちが気づかない間に悠木さんたちも戻ってきてたんだな。
それくらい集中していたってことなのか。編み物ってすごいな。
「ユヅル、随分と部屋にこもっていたがそんなに楽しかったか?」
「えっ? あ、うん。ふわふわのラグに座っておしゃべりしてたんだよ。ね、理央くん。空良くん」
「うん! 弓弦くんがこの部屋にいるのが楽しくてついおしゃべりが弾んじゃったね」
編み物に夢中になっていたことはまだ内緒にするんだ。完成まで内緒にできたらいいけど、やっぱりそれは難しいかな……。
「あの……ご飯食べ終わったらまた弓弦くんと空良くんとここでおしゃべりしたいんですけど、エヴァンさんと悠木さん……許してもらえますか?」
「寛人さん、僕からもお願いします!」
「エヴァンさん、僕も二人と過ごしたい……いい?」
僕たちが必死にお願いすると、エヴァンさんは観月さんと悠木さんと顔を見合わせて頷いた。
「わかった」
「本当!? よかった」
「私たちも日本滞在中の予定をしっかりと話し合おうと思っていたからな。ただ、明日は朝から出かけることになっているから夜更かしはやめたほうがいいだろう。だから、そうだな……夜の11時までなら許可しよう。ミヅキ、ユウキ。いいか?」
エヴァンさんの言葉に観月さんたちが頷くのが見えて、僕たちは手を取り合って喜んだ。
「わぁー! ありがとう、エヴァンさん! 観月さんと悠木さんもありがとうございます!」
理央くんに教えてもらいながら作れる喜びで僕はいっぱいになっていた。
「それじゃあ、夕食を食べよう」
「はーい!」
観月さんの言葉に元気よく返事をする理央くんの後ろから僕もエヴァンさんと手を繋いで下りて行った。
「ユヅル、リオの部屋はそんなに楽しかったか?」
「僕……お友だちの部屋に入るって初めてだったんです。だからなんだかすごく新鮮でした」
「ああ、そうか……そうだったんだな」
母さんと住んでいた頃は、誰かの家に遊びに行くなんてことは一度もなかった。
もちろん家に誰かが来ることもなかったけど。
だから僕たちの家に泊まりにきてくれた理央くんの家に、今度は僕が泊まれるのがものすごく嬉しいんだ。
「今度は僕の家にも遊びに来てほしいなぁ」
「わぁ! 行きたい!」
空良くんの言葉が嬉しくてつい反応してしまった。
「寛人さん……弓弦くん、お家に来てくれるって……だめ、ですか?」
「いや、うちはいつでも構わないが、この滞在の間に来れるかどうかだな。無理して時間を作ってもらうのも申し訳ないだろう?」
「あ、そうか。そうですね」
「そのことも含めて空良が理央くんの部屋でおしゃべりしている間に、しっかりと予定を立てておくさ。もし、今回無理でも次に遊びに来てもらった時でもいいんだからな」
「次……そっか、次もあるんだ……」
次もある。空良くんのその言葉が僕は何よりも嬉しかった。
みんなでダイニングルームに向かうと、もうすでに料理が並べられていた。
その品数の多さに驚いてしまう。
「さぁさぁ、座ってくれ。ロレーヌさんと弓弦くんはこっち。寛海たち家族はそこだ」
理央くんのお父さんがテキパキと指示を出して僕たちを席に案内しくれる。テーブルの上の料理はさっき食べたローストビーフもおせち料理もあるけれど、それ以外の料理がたくさん並んでいる。
「久嗣、かなり張り切ったな」
「ああ。食べてくれる人が多いとやる気が出るんだよ」
「すごく美味しそうです!」
「ははっ。ありがとう。お代わりもたくさんあるから遠慮しないで食べてくれ」
思わずこぼれ出た言葉に理央くんのお父さんが笑顔で返してくれるのが嬉しい。
これが家族ぐるみのお付き合いって言うのかな。
「さぁ、どうぞ」
「わぁ、炊き込みご飯だ!」
フランスではご飯を食べることはあっても、こういう味付きのご飯は滅多に食べられない。
きっと頼んだら作ってくれると思うけど、僕一人のためにあまりわがままは言いたくないんだ。
でも母さんもよく作ってくれてた。今思えば、炊き込みご飯があればおかずがいらなかったから節約のためだったんだろうけど。それでもすごく美味しかった。
「味がついたご飯って美味しいよね。僕も大好き!」
「わぁ、理央くんも? 同じだね!」
白米も好きだけど炊き込みご飯というだけでやっぱりテンションが上がるな。
その後運ばれてきた汁物はお餅の入っていないお雑煮。
「やっぱり麗花の雑煮も食べて欲しくてね。うちは雑煮だけは麗花の味に決めてるんだよ。お義母さん譲りで最高に美味しいんだ」
「お昼に食べたお雑煮もすっごく美味しかったけど、ママのお雑煮もすっごく美味しいんだよ!」
理央くんのお父さんと理央くんの言葉に理央くんのお母さんはすごく嬉しそう。
いいなぁ、こういう家族素敵だな、憧れる。
「あ、寛人さん!」
出かけていた悠木さんの姿を見て空良くん嬉しそう。
僕たちが気づかない間に悠木さんたちも戻ってきてたんだな。
それくらい集中していたってことなのか。編み物ってすごいな。
「ユヅル、随分と部屋にこもっていたがそんなに楽しかったか?」
「えっ? あ、うん。ふわふわのラグに座っておしゃべりしてたんだよ。ね、理央くん。空良くん」
「うん! 弓弦くんがこの部屋にいるのが楽しくてついおしゃべりが弾んじゃったね」
編み物に夢中になっていたことはまだ内緒にするんだ。完成まで内緒にできたらいいけど、やっぱりそれは難しいかな……。
「あの……ご飯食べ終わったらまた弓弦くんと空良くんとここでおしゃべりしたいんですけど、エヴァンさんと悠木さん……許してもらえますか?」
「寛人さん、僕からもお願いします!」
「エヴァンさん、僕も二人と過ごしたい……いい?」
僕たちが必死にお願いすると、エヴァンさんは観月さんと悠木さんと顔を見合わせて頷いた。
「わかった」
「本当!? よかった」
「私たちも日本滞在中の予定をしっかりと話し合おうと思っていたからな。ただ、明日は朝から出かけることになっているから夜更かしはやめたほうがいいだろう。だから、そうだな……夜の11時までなら許可しよう。ミヅキ、ユウキ。いいか?」
エヴァンさんの言葉に観月さんたちが頷くのが見えて、僕たちは手を取り合って喜んだ。
「わぁー! ありがとう、エヴァンさん! 観月さんと悠木さんもありがとうございます!」
理央くんに教えてもらいながら作れる喜びで僕はいっぱいになっていた。
「それじゃあ、夕食を食べよう」
「はーい!」
観月さんの言葉に元気よく返事をする理央くんの後ろから僕もエヴァンさんと手を繋いで下りて行った。
「ユヅル、リオの部屋はそんなに楽しかったか?」
「僕……お友だちの部屋に入るって初めてだったんです。だからなんだかすごく新鮮でした」
「ああ、そうか……そうだったんだな」
母さんと住んでいた頃は、誰かの家に遊びに行くなんてことは一度もなかった。
もちろん家に誰かが来ることもなかったけど。
だから僕たちの家に泊まりにきてくれた理央くんの家に、今度は僕が泊まれるのがものすごく嬉しいんだ。
「今度は僕の家にも遊びに来てほしいなぁ」
「わぁ! 行きたい!」
空良くんの言葉が嬉しくてつい反応してしまった。
「寛人さん……弓弦くん、お家に来てくれるって……だめ、ですか?」
「いや、うちはいつでも構わないが、この滞在の間に来れるかどうかだな。無理して時間を作ってもらうのも申し訳ないだろう?」
「あ、そうか。そうですね」
「そのことも含めて空良が理央くんの部屋でおしゃべりしている間に、しっかりと予定を立てておくさ。もし、今回無理でも次に遊びに来てもらった時でもいいんだからな」
「次……そっか、次もあるんだ……」
次もある。空良くんのその言葉が僕は何よりも嬉しかった。
みんなでダイニングルームに向かうと、もうすでに料理が並べられていた。
その品数の多さに驚いてしまう。
「さぁさぁ、座ってくれ。ロレーヌさんと弓弦くんはこっち。寛海たち家族はそこだ」
理央くんのお父さんがテキパキと指示を出して僕たちを席に案内しくれる。テーブルの上の料理はさっき食べたローストビーフもおせち料理もあるけれど、それ以外の料理がたくさん並んでいる。
「久嗣、かなり張り切ったな」
「ああ。食べてくれる人が多いとやる気が出るんだよ」
「すごく美味しそうです!」
「ははっ。ありがとう。お代わりもたくさんあるから遠慮しないで食べてくれ」
思わずこぼれ出た言葉に理央くんのお父さんが笑顔で返してくれるのが嬉しい。
これが家族ぐるみのお付き合いって言うのかな。
「さぁ、どうぞ」
「わぁ、炊き込みご飯だ!」
フランスではご飯を食べることはあっても、こういう味付きのご飯は滅多に食べられない。
きっと頼んだら作ってくれると思うけど、僕一人のためにあまりわがままは言いたくないんだ。
でも母さんもよく作ってくれてた。今思えば、炊き込みご飯があればおかずがいらなかったから節約のためだったんだろうけど。それでもすごく美味しかった。
「味がついたご飯って美味しいよね。僕も大好き!」
「わぁ、理央くんも? 同じだね!」
白米も好きだけど炊き込みご飯というだけでやっぱりテンションが上がるな。
その後運ばれてきた汁物はお餅の入っていないお雑煮。
「やっぱり麗花の雑煮も食べて欲しくてね。うちは雑煮だけは麗花の味に決めてるんだよ。お義母さん譲りで最高に美味しいんだ」
「お昼に食べたお雑煮もすっごく美味しかったけど、ママのお雑煮もすっごく美味しいんだよ!」
理央くんのお父さんと理央くんの言葉に理央くんのお母さんはすごく嬉しそう。
いいなぁ、こういう家族素敵だな、憧れる。
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