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その後
二人の友人
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ーひかりが了承してくれたよ。
ひかりが寝静まった後で、私は真壁に連絡を入れた。
ーそうか、おめでとう。よかったな。
ーああ。ありがとう。すぐに成瀬に動いてもらおうと思っている。
ただ、この時間だと成瀬には電話はかけられない。多分まだ真琴くんと二人の時間を楽しんでいるはずだから。
ーそうだな、それがいい。少しでも早く彼と両親を引き離していたほうがいいからな。
ーなんだ? その後、何かわかったことがあるのか?
真壁の態度が焦っているように感じられて、気になって尋ねた。
ーああ、実は……あの両親、彼の本当の両親じゃなかった。
想像していなかった言葉に驚きの声が漏れた。
ーえっ? 本当の両親じゃない、ってどういうことだ? 本当の両親はどこにいるんだ?
ー昔、あの工場で働いていた夫婦の子どもだそうだ。事故で二人とも亡くなっている。まだ幼いときだから彼も覚えていなかったんだろう。
ーその両親はなぜ亡くなったんだ?
ー表向きは作業中の不慮の事故だったようだが、今回成瀬が調査を入れて殺人かもしれないという情報が上がってきている。
ー殺人って、まさか……
ーああ、そのまさかだよ。彼らの保険金を受け取るために両親を殺害し、子どもを引き取ったんだろう。その金は全て奴らに使い果たされているようだ。
ーなんて奴らだ。そのせいでひかりはあんなにも酷い生活をして……
ハンバーグすら食べたことがない。痩せた身体で必死に生きていたのに。
ーだからあのとき沖野が彼を保護していてくれて本当に助かったんだよ。
ー奴らは、どうなるんだ?
ー大丈夫。殺人には時効がないから、その件でも逮捕できるように証拠をバッチリ揃えるさ。資産家の男のほうも、余罪がいくつも上がっているからそっちも今動いているところだ。これらの件を彼に全てを打ち明けるかどうかは沖野が考えてからにしたらいい。今は、そばにいてやれ。
ーああ、ありがとう。本当に真壁のおかげだよ。
そう返したところで、私はずっと気になっていた質問を真壁に投げかけた。
ーそれはそうと、あのときの部下の相談ってなんだったんだ?
ーえっ? ああ、部下の父親が健康診断で引っかかったらしいんだが、田舎の総合病院だからどうせヤブ医者の診断だと全く信じないらしい。それなら大きな病院に連れて行くと言っても行かないの一点張りでほとほと困っていて、聖ラグエル病院なら信頼度も高いだろう? だから沖野に見てもらって判断してもらおうと思ってたんだよ。
思っていたほど重要な話でなくてよかった。それならいつでも対応できる。
ーなるほど、そういうことか。今回のお礼もあるし、もし父親を連れてくるならすぐにみると部下くんには話をしておいてくれ。部下くんだけが話を聞くだけならいつ来てくれてもいいよ。
ーありがとう。そう伝えておくよ。
そう言って電話は切れた。
ひかりの実の両親が、ひかりが両親だと思っていた相手に殺されていたとはな。
そんな事実を知ったら、ひかりはどうなってしまうだろう……
だが、いつかは必ず知ることになる。
誰か知らないやつから聞くよりは私から伝えておいたほうがいいのか。
それにはもう少し時間が必要だな。
ひかりがもっと私に甘えてくれるようになったら……
そのためには早くひかりを私の籍に入れよう。
私はすぐに成瀬にメッセージを入れた。
<ひかりが私の籍に入ることを了承してくれた。ついては、ひかりの戸籍謄本を取得したいがその手続きを成瀬にお願いしたい>
ひかりの両親が今の両親でなかった以上、本籍地が違う恐れがある。
それらも成瀬にかかればすぐに調べてもらえるだろう。
すぐに返事が来るとは思ってなかったが、
<了解>と一言返ってきて、少し笑ってしまった。
真壁と成瀬、二人の友人に感謝しながら私はひかりが待つベッドに戻った。
ひかりが寝静まった後で、私は真壁に連絡を入れた。
ーそうか、おめでとう。よかったな。
ーああ。ありがとう。すぐに成瀬に動いてもらおうと思っている。
ただ、この時間だと成瀬には電話はかけられない。多分まだ真琴くんと二人の時間を楽しんでいるはずだから。
ーそうだな、それがいい。少しでも早く彼と両親を引き離していたほうがいいからな。
ーなんだ? その後、何かわかったことがあるのか?
真壁の態度が焦っているように感じられて、気になって尋ねた。
ーああ、実は……あの両親、彼の本当の両親じゃなかった。
想像していなかった言葉に驚きの声が漏れた。
ーえっ? 本当の両親じゃない、ってどういうことだ? 本当の両親はどこにいるんだ?
ー昔、あの工場で働いていた夫婦の子どもだそうだ。事故で二人とも亡くなっている。まだ幼いときだから彼も覚えていなかったんだろう。
ーその両親はなぜ亡くなったんだ?
ー表向きは作業中の不慮の事故だったようだが、今回成瀬が調査を入れて殺人かもしれないという情報が上がってきている。
ー殺人って、まさか……
ーああ、そのまさかだよ。彼らの保険金を受け取るために両親を殺害し、子どもを引き取ったんだろう。その金は全て奴らに使い果たされているようだ。
ーなんて奴らだ。そのせいでひかりはあんなにも酷い生活をして……
ハンバーグすら食べたことがない。痩せた身体で必死に生きていたのに。
ーだからあのとき沖野が彼を保護していてくれて本当に助かったんだよ。
ー奴らは、どうなるんだ?
ー大丈夫。殺人には時効がないから、その件でも逮捕できるように証拠をバッチリ揃えるさ。資産家の男のほうも、余罪がいくつも上がっているからそっちも今動いているところだ。これらの件を彼に全てを打ち明けるかどうかは沖野が考えてからにしたらいい。今は、そばにいてやれ。
ーああ、ありがとう。本当に真壁のおかげだよ。
そう返したところで、私はずっと気になっていた質問を真壁に投げかけた。
ーそれはそうと、あのときの部下の相談ってなんだったんだ?
ーえっ? ああ、部下の父親が健康診断で引っかかったらしいんだが、田舎の総合病院だからどうせヤブ医者の診断だと全く信じないらしい。それなら大きな病院に連れて行くと言っても行かないの一点張りでほとほと困っていて、聖ラグエル病院なら信頼度も高いだろう? だから沖野に見てもらって判断してもらおうと思ってたんだよ。
思っていたほど重要な話でなくてよかった。それならいつでも対応できる。
ーなるほど、そういうことか。今回のお礼もあるし、もし父親を連れてくるならすぐにみると部下くんには話をしておいてくれ。部下くんだけが話を聞くだけならいつ来てくれてもいいよ。
ーありがとう。そう伝えておくよ。
そう言って電話は切れた。
ひかりの実の両親が、ひかりが両親だと思っていた相手に殺されていたとはな。
そんな事実を知ったら、ひかりはどうなってしまうだろう……
だが、いつかは必ず知ることになる。
誰か知らないやつから聞くよりは私から伝えておいたほうがいいのか。
それにはもう少し時間が必要だな。
ひかりがもっと私に甘えてくれるようになったら……
そのためには早くひかりを私の籍に入れよう。
私はすぐに成瀬にメッセージを入れた。
<ひかりが私の籍に入ることを了承してくれた。ついては、ひかりの戸籍謄本を取得したいがその手続きを成瀬にお願いしたい>
ひかりの両親が今の両親でなかった以上、本籍地が違う恐れがある。
それらも成瀬にかかればすぐに調べてもらえるだろう。
すぐに返事が来るとは思ってなかったが、
<了解>と一言返ってきて、少し笑ってしまった。
真壁と成瀬、二人の友人に感謝しながら私はひかりが待つベッドに戻った。
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いぬぞ〜さま。コメントありがとうございます!
二人に関するものならゆーちーも喜びそうですしね。
冬貴へのお礼にも要と二人の絵を描いて部屋に飾ってもらうのもいいですよね💕
いぬぞ〜さま。コメントありがとうございます!
そうですね、どこのお墓に入れられているかはゆーちーが探したらすぐに見つかりそうなので、いつでもお参りに行きや都内のお墓にお引越ししたらいいかもですね。
四葩さま。コメントありがとうございます!
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ふふ🤭お揃いですね⭐️