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そばにいさせて……※

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『ナツキ……頼む、答えを聞かせてくれないか?』

どうしよう……。
でも、僕……。

『何をそんなに不安にさせているんだ?』

『僕……ただの一般人ですよ。ヴィルとは住む世界が違いすぎて……』

『そんなこと関係ない。今の私はナツキを愛してやまないただの男だ。住む世界が違うだなんて言わないでくれ』

『ヴィル……』

『ナツキがシュバリエの名前が負担だというなら、捨ててもいい』

『えっ? それは……』

僕のために家族を捨てるなんて……そんなこと……。

『いいんだ。私にとっては家族よりも何よりもナツキが大切だ。ナツキさえいてくれればいいんだ。シュバリエの名前を捨てても、ナツキにひもじい思いは絶対にさせないよ。私がナツキに何不自由ない生活をさせると約束する。だから、頼む。一生私のそばで笑っていてほしい』

『ヴィル……』

『ナツキ、頼む。うんと言ってくれ!』

世界的な大富豪の御曹司であるヴィルが、僕みたいなただの大学生にこんなにも必死に付き合ってほしいと頼むなんて……。
しかも、家も家族も捨ててまで僕を選ぶなんて言われたらこれ以上断ることなんてできない。

だって、僕だってヴィルのこと……好きになってるんだもん。

『あの……僕で、良かったら……そばにいさせてください……』

『――っ、ナツキ! ああ、良かった!! ナツキ! 絶対に幸せにするよ!』

『ありがとうございます……でも、』

『でも、なんだ? 気になることがあったらなんでも言ってくれ!』

『もし、僕と付き合うことでヴィルが本当にシュバリエ家を追い出されるようなことになったら、僕がしっかり働いてヴィルを養いますから安心して下さい! 僕もヴィルを幸せにしますから!』

『ナツキっ!!! ああ、もう本当にナツキは最高だよ!!!』

「わっ――んんっ!!」

突然強く抱きしめられたかと思ったら、気づいたらヴィルの唇が重なっていた。
最初は重ねるだけのキスだったのに、そのままチュッチュッと何度も角度を変えて啄まれる。
ヴィルの肉厚で柔らかな唇が僕の唇に吸い付いてきて、おかしくなりそうなほど気持ちがいい。
キスがこんなに気持ちがいいなんて知らなかった。

初めての感覚にされるがままになっていると、ヴィルの舌先が僕の唇をトントンと叩いてくる。
その意味がわからず、わけもわからないままほんの少し唇を開いた瞬間、突然スッと口の中にヴィルの舌が入り込んできた。

なに、これ……すごく気持ちいい……っ。

ヴィルの舌が口内を優しく撫でながら、僕の舌に絡みついたり吸いついてきたり……今まで感じたことのない感覚に身体の力がどんどん抜けていく。
もう完全にヴィルと一体化しているようなそんな感覚になってしまっている。

クチュクチュと唾液の交わる音を恥ずかしいと感じながらも、それが心地よくさえ思えてしまう。

「ん……っ……んんっ」

もっとしていたかったけれど、だんだん苦しくなってきて声を上げると、ヴィルの舌が、唇が僕のから離れていった。

「あっ……」

なんだか急に寂しくなって声が漏れるとヴィルが嬉しそうな笑みを浮かべて、もう一度チュッと軽いキスをしてくれた。

『ナツキ……このまま君が欲しい。いい?』

『それって……』

『ナツキと一つになりたいんだ』

やり方は何もわからないけれど、男同士でもできるらしいという話は聞いたことがある。
でも、僕は男同士どころか、女性とのやり方だって正確にはわかってないのに……。

何も知らない僕に呆れたりしないだろうか……。

でもこのまま断ったらきっと誤解しちゃうだろうな。
そんな誤解させたくない。

やっぱりここは不安に思っていることを言うべきだろうな。

よし。

『あ、あの……ヴィル。僕……その、愛し合う方法を……何も知らなくて……それで、嫌われないか、不安で……』

必死に思いを伝えると、ヴィルの目が大きく見開いて僕を見つめていた。

ああ、やっぱり呆れられちゃったかな……。

『ごめんなさい……やっぱり僕、ヴィルとは……』

『何言ってるんだ!! ナツキっ!!』

焦ったように僕を抱きしめるヴィルに驚きながら見つめていると、

『そんなことで私がナツキを嫌いになったりするわけないだろう!』

と嬉しそうに抱きしめられた。

『ほんと?』

『ああ。もちろんだ。ナツキは気持ちいい場所を声に出して教えてくれればいい。いっぱい声を聞かせてくれ』

僕の声が聞きたい……そう言ってくれるヴィルの優しさに嬉しくなって、僕は頷いた。

ヴィルは嬉しそうに僕を抱きしめ、そのままベッドに横たわらせた。

『ナツキ……愛してる』

『んっ、僕もヴィルが好き……』

愛の囁きが愛し合う始まり。
そのままヴィルにとろけるようなキスをされて、首筋から鎖骨、胸へと唇が下りていく。
その時々でチクチクと微かな痛みを感じるけれど、それよりもヴィルの舌の感触が気持ちよくてうっとりしてしまう。

知らぬ間にバスローブの紐がはずされていて、襟の間が大きく開かれている。

『ふふっ。ナツキの乳首、小さくて赤くてかわいいな』

『ひゃあんっ!』

ピンと指で弾かれた瞬間、頭からつま先までピリピリとした刺激が走った。

何、今の?
乳首なんて身体を洗うたびに触れてるのに、何も感じたこともなかったはず。

なんでヴィルにだけこんなに感じるの?

『ふふっ。かわいいな』

『あっ……やぁ――っ、な、んで……?』

『ナツキが私を好きな証拠だよ。好きな相手に触れられると感じるんだ』

『ヴィル、を好き、だから……?』

『ああ、そうだよ。だから、いっぱい感じて声を聞かせてくれ』

『ひゃあーーっ!!』

嬉しそうにヴィルが僕の乳首を口に咥えた瞬間、さっきよりも激しい刺激が全身を襲った。
途轍もない快感におかしくなってしまいそう。

『やぁ――っ、だめぇ……っ、もぅ……イっちゃ、うぅ……っ』

カリっとヴィルの歯が乳首を軽く噛んだ瞬間、全身にビリビリとものすごい電流が流れたような快感がきて、僕はそのままイってしまった。

乳首だけでイくなんて……僕、どれだけヴィルが好きなんだろう。

あまりにも早くイってしまって、ヴィルは驚いていないかな?

はぁっ、はぁっとまだ息が荒い中でそっとヴィルを盗み見ると、ヴィルは嬉しそうに僕の出した蜜を手のひらで掬い取っていた。
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