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離婚そして再出発
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マンションを出て駅に向かって歩いていると、急に眩暈がしてフラフラとその場にしゃがみ込んだ。指先の震えが止まらず、拳を握って止めようとしてもなかなか止まらない。
昨夜から自分の身に降りかかったとんでもない出来事の連続で必死に奮い立たせていた俺の身体が悲鳴を上げているようだ。そのまま立ち上がることもできず、どうしようかと思っていると背後からタッタッタと駆け寄ってくる足音と
「巧巳くん! 大丈夫か?」
とお義兄さんの声が聞こえた。
「えっ? な、なんで……?」
「君が心配で追いかけてきたんだ。あいつらのことはもう気にしなくていい。俺の友達の弁護士に全て任せておいたから」
いつの間にそんなことまで手配してくれたんだろう。でも、身体が悲鳴をあげ限界を超えていた俺には、追いかけてきてくれたお義兄さんの優しさが嬉しかった。
「一緒に帰ろう」
そう優しく声をかけられ、俺が頷くとお義兄さんはにっこりと笑ってすぐにタクシーに乗せてくれた。力が抜け、歩けなくなっていた俺はお義兄さんに軽々と抱きかかえられ、つい数時間前までいたお義兄さんの部屋へ舞い戻ってきた。
「すみません。迷惑をかけてしまって……」
「気にすることはない。巧巳くんは何も悪いことはしてないんだから。新しい家が見つかるまでここにいてくれていいよ」
「でも、そこまでお世話になるわけには……」
「いや、そうしてくれないか? それとも私では迷惑だろうか?」
「そんなことは……」
と言うより、かなり居心地がいい。言ってみれば由夏と過ごしていたあの家よりお義兄さんとの生活はなぜか心が落ち着く。でもこれ以上迷惑をかけるのは忍びない。
そう思ったが、
「なら、ここにいてくれ。頼む」
そんなふうに頭を下げ頼まれては、これ以上固辞するのも気が引ける。どうせ家を探すまでいくところもないし。
「なら……すみません、少しの間お世話になります」
「そうか、よかった」
心底ホッとしたという表情で俺を見つめるお義兄さんの姿にほんの少しドキッとした。なんだかお義兄さんといると俺の心が騒つく時がある。それがなぜなのか、何もわからないけど。
それから3日が経って、仕事の昼休憩中、お義兄さんが頼んでくれたという弁護士さんから連絡があった。
ようやく由夏が離婚を了承したという。お義父さんたちに説得され、渋々だが慰謝料の支払いも認めたらしい。
とはいえ、結婚生活はまだ2年。慰謝料は微々たるものだったが、由夏だけでなくあの男からも一括で支払ってもらえることになったし気休め程度にはなった。俺が要求した通り引っ越し費用と家具の購入費用もプラスで支払ってもらえることになったからすぐにでも引っ越し先を決めないとな。佑介さんとの同居はかなり楽しかったけど、いつまでもお世話になるわけにもいかないし。
弁護士さんのおかげでもうこのまま由夏には会わずに終わらすことができそうだ。それでいい。もうあいつの顔は一生見たくない。
俺は上司に理由を説明して早退することにした。結婚したばかりの俺の修羅場っぷりに大層驚いてゆっくり休めといってくれた。いつもはブラック企業並みに忙しくて辞めたいと思ってしまいたくなるような職場だが、こうやって社員の大事には親身になってくれる頼れる上司がいるのは本当に嬉しい。
弁護士さんが役所に由夏の記入済みの離婚届を持ってきてくれたのでそのまま提出した。受理された瞬間、肩に重くのしかかっていた荷物が取り除かれたような気がした。と、同時にあんな薄っぺらい紙一枚でこの2年の結婚生活が呆気なく終わってしまったことにこんなもんかと思った。
妻だった女があっという間に他人に戻る。もう他人になった女のことでグジグジと悩む必要はないし、そんな時間も勿体無い。まだ細々とした手続きはあるらしいが、とりあえず離婚届を出すことができて俺の心はスッと軽くなった。
弁護士さんにお礼を言い、役所を出ると見計らったようにスマホが鳴り出した。見ると、お義兄さんの名前だった。
ーもしもし。
ーああ、巧巳くん。まだ役所かな?
ーいえ、今、ちょうど出てきたところです。
ーそうか、無事に離婚届提出できたんだな。
ーはい。色々とありがとうございました。家の方はこれからすぐに探して近いうちに出ていくので……
ーそんな急がなくていいよ。変な物件に当たっても困るし。
確かにそうだけど……でもあいつと離婚した今、俺とお義兄さんの間にはなんの関係もなくなったわけだしな。
ーでも……
ーねぇ、今日これから食事にでも行かないか?
ーえっ?
これ以上迷惑をかけられないと言おうと思っていた矢先に唐突な食事の誘いに驚いた。お義兄さんは一体どういうつもりなんだろう……。
ー美味しいもの食べて嫌なことを全部忘れよう。ねっ! 巧巳くんの再出発のために私に食事を奢らせてくれないか。
まぁ、最後の晩餐ってことでいいか。これを断るのも変だし。
ーわかりました。でも奢りは困ります。俺の方が迷惑かけてるんで俺に奢らせてください。
ー巧巳くんは真面目だな。まあ、いいや。とりあえず待ち合わせ場所の地図送るからそこに向かって。
ーわかりました。
電話を切ると、すぐに地図が送られてきた。俺はそれを確認して急いでその場所へと向かった。
指定された待ち合わせ場所はなぜか超高級ホテルのラウンジ。こんなところ滅多に足を踏み入れることもないからドキドキする。
お義兄さんどこだろう? とキョロキョロしていると
「巧巳くん、こっち!」
と俺を呼ぶ声が聞こえた。
その声に目を向けると、ロビーラウンジの豪華なソファーに腰をかけ、笑顔で俺に手を振っているお義兄さんの姿があった。
うわぁ、なんだ。めっちゃ似合ってる……。
あまりにも格好よく馴染んでいる姿にぼーっと立ち尽くしていると、
「どうした?」
と俺の元に駆け寄ってきてくれた。
格好良すぎて見惚れてました……なんて言えるわけもなくただ笑って誤魔化した。
「疲れたかな? お店、予約してるから中に入って休もうか」
「は、はい」
俺の返事ににっこりと笑って、案内されるがままにエレベーターへと乗り込んだ。
着いたのは15階の鉄板焼きのお店。ここ、めっちゃ高そうだけど……。奢らせてくださいなんて言ったはいいけどお金足りるかな……。いざとなったらカードで……うん。
それが表情に出てしまっていたのか、
「私が誘ったんだから気にしないでくれ」
と笑顔で言われてしまった。
中に入り、店員さんに案内された席は大きな窓から綺麗な景色が見える個室。
「うわっ、すごくいい眺め」
「だろう? 再出発にはもってこいの場所だよ」
本当なら目の前でシェフさんに焼いてもらうらしいけど、話が話だけにゆっくりしたいだろうと言うことで、厨房の方で焼いて持ってきてもらえることになった。
目の前に豪華な鉄板焼きのフルコースが並べられると、お義兄さんが高そうなシャンパンを注いでくれた。
「さぁ、嫌なことは今日で全て忘れて、これからの新しい人生を楽しもう。乾杯!」「乾杯」
ごくっとシャンパンを飲み込むと、爽やかな刺激が身体に染み渡っていく。今までに飲んだことのない美味しい味わいに頬が緩んだ。
「美味しいです」
「よかった。食事もゆっくり食べてくれ」
「はい。いただきます」
そこからは仕事の話や趣味の話。今までに行ったことのある海外での話。話題は尽きることなく楽しい時間を過ごした。
そういえば、いつもは由夏の話を一方的に聞くだけで、たまに俺の話をしてもあいつはつまらなさそうに聞くだけだったな。お義兄さんは俺の話も聞いてくれるし、彼の話も面白くて、実のところこんなに話が合うとは思わなかった。
こんなに仲良くなれたのに、もう俺たち姻戚でもなんでもないんだよな。もっと早くから知ってればよかったな。
「どうした?」
「いえ、お義兄さん……いや佑介さんとこんなに話が合うなんて思わなかったから、お義兄さんじゃなくなって寂しいなって……」
「私は姻戚関係じゃなくなっても、巧巳くんとこれから先も一緒にいたいって思ってるんだけど……どうかな?」
「えっ? いいんですか?」
由夏との縁が切れた今、お義兄さんとも終わりだと思ってた。それなのに、思いがけないお義兄さん……いや、佑介さんからの提案に驚いてしまった。
「もちろん!! これからも一緒にいてくれるかい?」
「はい。こちらこそ喜んで!」
「そうか。嬉しいよ」
食後のデザートまで食べ終え、結局ここはご馳走になってしまった。
「巧巳くん、一緒に上に行かないか?」
えっ、上? ああ、バーラウンジか。正直、まだ話し足りないし、それにバーなら俺でも奢れるな。
よし。
「はい。行きます」
にっこりと笑う佑介さんに案内され、最上階へと向かった。最上階のバーラウンジか。すごいな。
佑介さんがエレベーターを降りた目の前にある豪奢な扉を内ポケットから取り出したカードキーでピッと開ける。すごいな、もしかして会員制のバーとか?
「さぁ、どうぞ」
腰に手を回され中へと案内されると、そこはバーラウンジではなくとてつもなく豪華で広いリビングがあった。
「えっ? ここって?」
「今日私たちが宿泊する部屋だよ」
「ええーっ?」
宿泊?? どういうこと? ここに佑介さんと泊まる?
別にここ数日佑介さんの部屋で泊まらせてもらってるんだから、同じといえば同じだけど……こんなスイートに泊まるって意味が違くない???
昨夜から自分の身に降りかかったとんでもない出来事の連続で必死に奮い立たせていた俺の身体が悲鳴を上げているようだ。そのまま立ち上がることもできず、どうしようかと思っていると背後からタッタッタと駆け寄ってくる足音と
「巧巳くん! 大丈夫か?」
とお義兄さんの声が聞こえた。
「えっ? な、なんで……?」
「君が心配で追いかけてきたんだ。あいつらのことはもう気にしなくていい。俺の友達の弁護士に全て任せておいたから」
いつの間にそんなことまで手配してくれたんだろう。でも、身体が悲鳴をあげ限界を超えていた俺には、追いかけてきてくれたお義兄さんの優しさが嬉しかった。
「一緒に帰ろう」
そう優しく声をかけられ、俺が頷くとお義兄さんはにっこりと笑ってすぐにタクシーに乗せてくれた。力が抜け、歩けなくなっていた俺はお義兄さんに軽々と抱きかかえられ、つい数時間前までいたお義兄さんの部屋へ舞い戻ってきた。
「すみません。迷惑をかけてしまって……」
「気にすることはない。巧巳くんは何も悪いことはしてないんだから。新しい家が見つかるまでここにいてくれていいよ」
「でも、そこまでお世話になるわけには……」
「いや、そうしてくれないか? それとも私では迷惑だろうか?」
「そんなことは……」
と言うより、かなり居心地がいい。言ってみれば由夏と過ごしていたあの家よりお義兄さんとの生活はなぜか心が落ち着く。でもこれ以上迷惑をかけるのは忍びない。
そう思ったが、
「なら、ここにいてくれ。頼む」
そんなふうに頭を下げ頼まれては、これ以上固辞するのも気が引ける。どうせ家を探すまでいくところもないし。
「なら……すみません、少しの間お世話になります」
「そうか、よかった」
心底ホッとしたという表情で俺を見つめるお義兄さんの姿にほんの少しドキッとした。なんだかお義兄さんといると俺の心が騒つく時がある。それがなぜなのか、何もわからないけど。
それから3日が経って、仕事の昼休憩中、お義兄さんが頼んでくれたという弁護士さんから連絡があった。
ようやく由夏が離婚を了承したという。お義父さんたちに説得され、渋々だが慰謝料の支払いも認めたらしい。
とはいえ、結婚生活はまだ2年。慰謝料は微々たるものだったが、由夏だけでなくあの男からも一括で支払ってもらえることになったし気休め程度にはなった。俺が要求した通り引っ越し費用と家具の購入費用もプラスで支払ってもらえることになったからすぐにでも引っ越し先を決めないとな。佑介さんとの同居はかなり楽しかったけど、いつまでもお世話になるわけにもいかないし。
弁護士さんのおかげでもうこのまま由夏には会わずに終わらすことができそうだ。それでいい。もうあいつの顔は一生見たくない。
俺は上司に理由を説明して早退することにした。結婚したばかりの俺の修羅場っぷりに大層驚いてゆっくり休めといってくれた。いつもはブラック企業並みに忙しくて辞めたいと思ってしまいたくなるような職場だが、こうやって社員の大事には親身になってくれる頼れる上司がいるのは本当に嬉しい。
弁護士さんが役所に由夏の記入済みの離婚届を持ってきてくれたのでそのまま提出した。受理された瞬間、肩に重くのしかかっていた荷物が取り除かれたような気がした。と、同時にあんな薄っぺらい紙一枚でこの2年の結婚生活が呆気なく終わってしまったことにこんなもんかと思った。
妻だった女があっという間に他人に戻る。もう他人になった女のことでグジグジと悩む必要はないし、そんな時間も勿体無い。まだ細々とした手続きはあるらしいが、とりあえず離婚届を出すことができて俺の心はスッと軽くなった。
弁護士さんにお礼を言い、役所を出ると見計らったようにスマホが鳴り出した。見ると、お義兄さんの名前だった。
ーもしもし。
ーああ、巧巳くん。まだ役所かな?
ーいえ、今、ちょうど出てきたところです。
ーそうか、無事に離婚届提出できたんだな。
ーはい。色々とありがとうございました。家の方はこれからすぐに探して近いうちに出ていくので……
ーそんな急がなくていいよ。変な物件に当たっても困るし。
確かにそうだけど……でもあいつと離婚した今、俺とお義兄さんの間にはなんの関係もなくなったわけだしな。
ーでも……
ーねぇ、今日これから食事にでも行かないか?
ーえっ?
これ以上迷惑をかけられないと言おうと思っていた矢先に唐突な食事の誘いに驚いた。お義兄さんは一体どういうつもりなんだろう……。
ー美味しいもの食べて嫌なことを全部忘れよう。ねっ! 巧巳くんの再出発のために私に食事を奢らせてくれないか。
まぁ、最後の晩餐ってことでいいか。これを断るのも変だし。
ーわかりました。でも奢りは困ります。俺の方が迷惑かけてるんで俺に奢らせてください。
ー巧巳くんは真面目だな。まあ、いいや。とりあえず待ち合わせ場所の地図送るからそこに向かって。
ーわかりました。
電話を切ると、すぐに地図が送られてきた。俺はそれを確認して急いでその場所へと向かった。
指定された待ち合わせ場所はなぜか超高級ホテルのラウンジ。こんなところ滅多に足を踏み入れることもないからドキドキする。
お義兄さんどこだろう? とキョロキョロしていると
「巧巳くん、こっち!」
と俺を呼ぶ声が聞こえた。
その声に目を向けると、ロビーラウンジの豪華なソファーに腰をかけ、笑顔で俺に手を振っているお義兄さんの姿があった。
うわぁ、なんだ。めっちゃ似合ってる……。
あまりにも格好よく馴染んでいる姿にぼーっと立ち尽くしていると、
「どうした?」
と俺の元に駆け寄ってきてくれた。
格好良すぎて見惚れてました……なんて言えるわけもなくただ笑って誤魔化した。
「疲れたかな? お店、予約してるから中に入って休もうか」
「は、はい」
俺の返事ににっこりと笑って、案内されるがままにエレベーターへと乗り込んだ。
着いたのは15階の鉄板焼きのお店。ここ、めっちゃ高そうだけど……。奢らせてくださいなんて言ったはいいけどお金足りるかな……。いざとなったらカードで……うん。
それが表情に出てしまっていたのか、
「私が誘ったんだから気にしないでくれ」
と笑顔で言われてしまった。
中に入り、店員さんに案内された席は大きな窓から綺麗な景色が見える個室。
「うわっ、すごくいい眺め」
「だろう? 再出発にはもってこいの場所だよ」
本当なら目の前でシェフさんに焼いてもらうらしいけど、話が話だけにゆっくりしたいだろうと言うことで、厨房の方で焼いて持ってきてもらえることになった。
目の前に豪華な鉄板焼きのフルコースが並べられると、お義兄さんが高そうなシャンパンを注いでくれた。
「さぁ、嫌なことは今日で全て忘れて、これからの新しい人生を楽しもう。乾杯!」「乾杯」
ごくっとシャンパンを飲み込むと、爽やかな刺激が身体に染み渡っていく。今までに飲んだことのない美味しい味わいに頬が緩んだ。
「美味しいです」
「よかった。食事もゆっくり食べてくれ」
「はい。いただきます」
そこからは仕事の話や趣味の話。今までに行ったことのある海外での話。話題は尽きることなく楽しい時間を過ごした。
そういえば、いつもは由夏の話を一方的に聞くだけで、たまに俺の話をしてもあいつはつまらなさそうに聞くだけだったな。お義兄さんは俺の話も聞いてくれるし、彼の話も面白くて、実のところこんなに話が合うとは思わなかった。
こんなに仲良くなれたのに、もう俺たち姻戚でもなんでもないんだよな。もっと早くから知ってればよかったな。
「どうした?」
「いえ、お義兄さん……いや佑介さんとこんなに話が合うなんて思わなかったから、お義兄さんじゃなくなって寂しいなって……」
「私は姻戚関係じゃなくなっても、巧巳くんとこれから先も一緒にいたいって思ってるんだけど……どうかな?」
「えっ? いいんですか?」
由夏との縁が切れた今、お義兄さんとも終わりだと思ってた。それなのに、思いがけないお義兄さん……いや、佑介さんからの提案に驚いてしまった。
「もちろん!! これからも一緒にいてくれるかい?」
「はい。こちらこそ喜んで!」
「そうか。嬉しいよ」
食後のデザートまで食べ終え、結局ここはご馳走になってしまった。
「巧巳くん、一緒に上に行かないか?」
えっ、上? ああ、バーラウンジか。正直、まだ話し足りないし、それにバーなら俺でも奢れるな。
よし。
「はい。行きます」
にっこりと笑う佑介さんに案内され、最上階へと向かった。最上階のバーラウンジか。すごいな。
佑介さんがエレベーターを降りた目の前にある豪奢な扉を内ポケットから取り出したカードキーでピッと開ける。すごいな、もしかして会員制のバーとか?
「さぁ、どうぞ」
腰に手を回され中へと案内されると、そこはバーラウンジではなくとてつもなく豪華で広いリビングがあった。
「えっ? ここって?」
「今日私たちが宿泊する部屋だよ」
「ええーっ?」
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