イケメンスパダリ弁護士に助け出されて運命が変わりました

波木真帆

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会いに行きたい!

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「わぁーっ!! すごいっ!!」

俺の目の前に運ばれてきたのは、ご飯の上に大きなカツがドーンと乗せられた、お肉がゴロゴロ入ったカレー。
こんなの見たことない!!

「ふふっ。喜んでくれて嬉しいよ。さぁ、食べようか」

そう言われたけれど、凄すぎてどこから手をつけたらいいのかもわからない。
悩みに悩んでカレーに入っている大きなお肉をスプーンで掬った。

目の前に近づいてくるお肉がキラキラと輝いているように見えてゴクリと喉が鳴る。
思い切って口に入れると、あんなに大きなお肉がほろほろと口の中でほぐれていく。

「わっ、なに、これっ!! お肉がすっごく柔らかい!!」

お肉ってこんなに美味しいんだ! 
施設ではお肉なんて食べたこともなかったけど、給食では確かに食べてた。
でも全然違う!!

こんな食感始めてだ!

「カツも美味しいよ。食べてごらん」

そう言われて、フォークで綺麗なカツを刺したらサクッと美味しそうな音が響いた。
もうそれだけでよだれが出そうになる。

中が少しピンク色をしている大きな大きなカツに齧り付くと、びっくりするほど簡単に切れた。

「美味しっ!! 何これ、すごいっ!!」

「ふふっ。これは牛カツ。トンカツもいいけど、牛カツも最高なんだ」

すごい、これが牛カツ……っていうものなんだ……。
生まれて初めて食べた。

カツ自体初めてでずっと食べてみたいって思ってたけど、まさか夢が叶うなんて!
すごく美味しい!!
ああ、俺……幸せだな。

大きなお皿に盛られたカレーと牛カツはあっという間に俺のお腹の中に入っていき、俺の目の前には跡形もなく綺麗さっぱりなくなった空のお皿だけになっていた。

ああ、なくなっちゃった……。

美味しいものってなんでこんなに早くなくなっちゃうんだろうな……。

俺が未練がましく空のお皿を見つめていると、

「ふふっ。美味しかったか? 食べられるならもう一つ注文しようか?」

と凌也さんは言ってくれたけれど、さすがにもう一皿は入りそうにない。

「でも、残しちゃったら勿体無いから……」

「そうか、じゃあまた今度食べに来ような」

また今度……その言葉が俺にとってどれだけ嬉しいか……。
次の約束があるって本当に幸せなことなんだな。

食事を終え、凌也さんの家へと戻るとすぐに買い揃えてくれた教科書を本棚に並べ、パソコンをセットしてくれた。

「よし、これでいい。後で使い方はゆっくり教えるから」

「わぁーっ!」

こんなすごいパソコンが俺のだなんて!!
信じられないっ!

「いきなり根詰めて勉強すると疲れるから、少しずつやるんだぞ。まずはこの教科書からゆっくりみてみるといい」

「はーい」

「じゃあ、私は仕事してくるから」

そう言って凌也さんは俺のおでこにちゅっとキスをして部屋を出ていった。

凌也さんの唇が当たったところが熱い……。
ああ、もう本当に俺……凌也さんが好きなんだ……。



久しぶりに広げてみた教科書はまっさらでインクの良い匂いがした。
勉強できるって幸せだ。

俺は机に座って教科書を必死に読み続けた。
自分の頭の中に新しい知識が増えていくのが面白くて楽しくてたまらなかった。

「……お、理央」

「わぁっ!!」

「おっとっ!」

突然トンと肩に手を置かれてあまりの驚きに椅子から落ちそうになったのを受け止めてくれたのは凌也さんだった。

「ごめん、驚かせたな」

「いえ、俺の方こそ大きな声出しちゃってごめんなさい。それよりも凌也さん……何か忘れ物ですか?」

「んっ? いや、今日の仕事が終わったから上がってきたんだ」

「えっ? もうっ? ついさっき下にいったばかりですよ??」

「えっ? 理央、ほらみてごらん。さっきから3時間は経ってるよ」

「えーっ!!」

凌也さんの言葉に驚きすぎて、見せてくれた腕時計をもう一度確かめてみたけれど、本当に3時間半近く経ってる……。

「すごいな、それほど集中してたのか」

「久しぶりの教科書が楽しくてつい……」

「そうか。楽しかったならいいが、あまり無理はするなよ。父さんも言ってたぞ、理央は少し身体が弱ってるって。慢性的な睡眠不足に栄養不足、成長期の身体には相当の無理がかかってる。理央はもう慣れすぎて平気だと思っていても、身体が悲鳴を上げてるんだ。だから、少しずつゆっくり勉強していこう。それだけの集中力があれば、短期間でも十分学力はつくはずだよ」

凌也さんは俺の身体を心配して、こんなにも真剣に言ってくれるんだ。
俺のことこんなに心配してくれる人なんて今までどこにもいなかったな。

「はい。わかりました。俺、無理はしないように……でも精一杯頑張ります」

「ああ、理央。いい子だ」

そう言ってギュッと抱きしめてくれる凌也さんの温もりに俺はいつでもほっとするんだ。

「理央、明日の夜……父さんと母さんが理央に会いたいって言ってるんだけどいいか?」

「えっ! 明日の夜……」

「理央の気が進まないなら他の日にしようか?」

「――っ、ちが――っ! 会いたいです! 凌也さんのお父さんとお母さんにご挨拶したいです!」

「そうか、そう言ってくれて嬉しいけど……ちょっと違う」

「えっ?」

違う……ってどういうこと?

「本当の家族になろうって言ったろう? 私のじゃなくて、理央の父さんと母さんでもあるんだよ」

そう言い直されてじわじわとあったかいものが心に広がっていく。

「俺の……お父さんとお母さんに、会いに行きたいです……」

「ふふっ。よく言えたな。よし、じゃあ明日は家族で外食だな。美味しいものを食べにいこう。
理央は何食べたい?」

「えっ……俺、何も知らないから……」

「そうか、じゃあ肉と魚はどっちがいい?」

「えっ、どう、しよう……えっと、お、魚……食べてみたいです」

「わかった。魚だな。父さんに言っておけば、美味しいところ用意してくれるよ。
明日楽しみにしててくれ」

凌也さんはにっこりと笑って嬉しそうに俺を抱きしめてくれた。
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