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番外編
思いがけない提案 <side理央>
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<side理央>
先ほど僕たちが行きたいと話していた通り、エヴァンさんは写真撮影をしに庭に行こうと誘ってくれた。
凌也さんに抱っこされて礼拝堂からお庭へ行くと、ほんのりと涼しい風を感じて気持ちがいい。
本当に今日はいい天気だな。
「理央くんはどこで撮影したの?」
同じように将臣さんに抱きかかえられて移動する秀吾さんに問いかけられた。
「このお庭と舞踏室です。お庭で、凌也さんがこのガラスの靴を履かせてくれたんですよ」
そう言って、裾を少し上げて靴を見せると秀吾さんの目が輝いた。
「わぁーっ!! 綺麗っ! さっき礼拝堂で理央くんが歩いているときに足元がキラキラしているなって思ったのはこれだったんだね。すごいっ、理央くん。本当にお姫さまだ!」
「ふふっ。僕もびっくりしました。このドレスもティアラもそれにこの靴も僕が持っているあの絵本と全く同じなんです」
「あーっ! もしかして、あの絵本かな? そういえば、確かにそっくり!!」
「えっ、秀吾さん。あの絵本持ってるんですか?」
「うん。僕も大好きであの絵本をよく読んでもらってたよ。ふふっ。それこそ、将臣にも読んでもらったこともあるし」
「えっ? 将臣さんが?」
「うん、ねぇ、そうだよね。将臣、覚えてる? 僕を寝かしつけてくれた時の本のこと」
秀吾さんが将臣さんを見上げると、この上なく甘い表情で秀吾さんを見つめているのが見えてドキドキする。
でも秀吾さんはもう慣れているみたい。
すごいな、こうやってあんな優しくて蕩けるような目で見つめられるのが、秀吾さんにはもういつものことなんだろうな。
僕は凌也さんに見つめられるだけでドキドキしちゃうどころか、興奮してきちゃう。
いつか将臣さんと秀吾さんみたいに僕たちもなれるかな。
「ああ、あれか。小学校低学年の時だったな。秀吾が熱出して、一緒にいてほしいっていうから添い寝して秀吾の大好きな本を読んであげたよな」
「そうそう。あの時実は夢に見たんだよね。こんなお城でガラスの靴履いて踊ってる王子さまとお姫さまの夢。もしかしたら、あれは理央くん達だったのかもね」
「えっ、それって……正夢、ってこと?」
「ふふっ。そうかも。だから観月さんと理央くんはもうずっと前からこうなる運命だったんだよ」
たとえ、夢の中の話でもそんなことを言われて嬉しくないわけがない。
僕たちはもうずっと前から一緒になる運命だったんだ……そう思うだけで、幸せでたまらなくなる。
考えてみたら数ヶ月前の僕から見れば、今の状況こそが夢の世界みたいなんだ。
それが現実なんだもんね。
やっぱり運命だったとしか思えない。
そう思えば、あの苦しくて大変な日々も救われる気がする。
「凌也さん……」
いろんな感情が込み上げてきて凌也さんを見上げると、嬉しそうに僕の瞼に唇を落とす。
「理央……俺たちがもう一生離れられないってわかったろ? 運命には逆らったらダメだ」
「ふふっ。はい」
嬉しそうな凌也さんに抱きしめられながら、秀吾さんに視線を向けると秀吾さんもまた同じように将臣さんに抱きしめられていた。
ああ、本当に幸せな時間だな。
ふと、僕たちの少し後ろを歩く空良くんたちに目を向けると空良くんのドレスがゆっくりとピンク色に変わる瞬間が見えた。
「わぁーっ! 空良くんのドレス! 本当にピンク色になってるー!」
僕の言葉に一斉に空良くんに視線が注がれる。
「ああ、なるほど。光をある程度浴びると色が変わるのか。悠木も粋なことするな」
「空良くん、桜の花みたい」
「そうだな。あの色、理央にも似合いそうだな」
「本当?」
「ああ、このドレスもすごく似合っていたし、今度はあの生地でドレスを作ろうか? そして日本に帰ったらもう一度結婚式をしよう」
「えっ? 結婚式? でも一度挙げたのに?」
「同じ相手なら何度だってしていいだろう? 父さんも母さんも理央のドレス姿見たがってたし。喜ぶと思うぞ」
お父さんとお母さんに凌也さんとの結婚式を見てもらえる……。
それってとっても素敵かも!!
「凌也さん! 僕、お父さんとお母さんにも見てほしい!!」
「そうか、ならそうしようか。俺もまた理央のドレス姿見られるなら嬉しいよ」
空良くんのおかげで僕はもう一度凌也さんとの幸せな時間を過ごせそうだ。
後でお礼を言っておかなくちゃ!!
先ほど僕たちが行きたいと話していた通り、エヴァンさんは写真撮影をしに庭に行こうと誘ってくれた。
凌也さんに抱っこされて礼拝堂からお庭へ行くと、ほんのりと涼しい風を感じて気持ちがいい。
本当に今日はいい天気だな。
「理央くんはどこで撮影したの?」
同じように将臣さんに抱きかかえられて移動する秀吾さんに問いかけられた。
「このお庭と舞踏室です。お庭で、凌也さんがこのガラスの靴を履かせてくれたんですよ」
そう言って、裾を少し上げて靴を見せると秀吾さんの目が輝いた。
「わぁーっ!! 綺麗っ! さっき礼拝堂で理央くんが歩いているときに足元がキラキラしているなって思ったのはこれだったんだね。すごいっ、理央くん。本当にお姫さまだ!」
「ふふっ。僕もびっくりしました。このドレスもティアラもそれにこの靴も僕が持っているあの絵本と全く同じなんです」
「あーっ! もしかして、あの絵本かな? そういえば、確かにそっくり!!」
「えっ、秀吾さん。あの絵本持ってるんですか?」
「うん。僕も大好きであの絵本をよく読んでもらってたよ。ふふっ。それこそ、将臣にも読んでもらったこともあるし」
「えっ? 将臣さんが?」
「うん、ねぇ、そうだよね。将臣、覚えてる? 僕を寝かしつけてくれた時の本のこと」
秀吾さんが将臣さんを見上げると、この上なく甘い表情で秀吾さんを見つめているのが見えてドキドキする。
でも秀吾さんはもう慣れているみたい。
すごいな、こうやってあんな優しくて蕩けるような目で見つめられるのが、秀吾さんにはもういつものことなんだろうな。
僕は凌也さんに見つめられるだけでドキドキしちゃうどころか、興奮してきちゃう。
いつか将臣さんと秀吾さんみたいに僕たちもなれるかな。
「ああ、あれか。小学校低学年の時だったな。秀吾が熱出して、一緒にいてほしいっていうから添い寝して秀吾の大好きな本を読んであげたよな」
「そうそう。あの時実は夢に見たんだよね。こんなお城でガラスの靴履いて踊ってる王子さまとお姫さまの夢。もしかしたら、あれは理央くん達だったのかもね」
「えっ、それって……正夢、ってこと?」
「ふふっ。そうかも。だから観月さんと理央くんはもうずっと前からこうなる運命だったんだよ」
たとえ、夢の中の話でもそんなことを言われて嬉しくないわけがない。
僕たちはもうずっと前から一緒になる運命だったんだ……そう思うだけで、幸せでたまらなくなる。
考えてみたら数ヶ月前の僕から見れば、今の状況こそが夢の世界みたいなんだ。
それが現実なんだもんね。
やっぱり運命だったとしか思えない。
そう思えば、あの苦しくて大変な日々も救われる気がする。
「凌也さん……」
いろんな感情が込み上げてきて凌也さんを見上げると、嬉しそうに僕の瞼に唇を落とす。
「理央……俺たちがもう一生離れられないってわかったろ? 運命には逆らったらダメだ」
「ふふっ。はい」
嬉しそうな凌也さんに抱きしめられながら、秀吾さんに視線を向けると秀吾さんもまた同じように将臣さんに抱きしめられていた。
ああ、本当に幸せな時間だな。
ふと、僕たちの少し後ろを歩く空良くんたちに目を向けると空良くんのドレスがゆっくりとピンク色に変わる瞬間が見えた。
「わぁーっ! 空良くんのドレス! 本当にピンク色になってるー!」
僕の言葉に一斉に空良くんに視線が注がれる。
「ああ、なるほど。光をある程度浴びると色が変わるのか。悠木も粋なことするな」
「空良くん、桜の花みたい」
「そうだな。あの色、理央にも似合いそうだな」
「本当?」
「ああ、このドレスもすごく似合っていたし、今度はあの生地でドレスを作ろうか? そして日本に帰ったらもう一度結婚式をしよう」
「えっ? 結婚式? でも一度挙げたのに?」
「同じ相手なら何度だってしていいだろう? 父さんも母さんも理央のドレス姿見たがってたし。喜ぶと思うぞ」
お父さんとお母さんに凌也さんとの結婚式を見てもらえる……。
それってとっても素敵かも!!
「凌也さん! 僕、お父さんとお母さんにも見てほしい!!」
「そうか、ならそうしようか。俺もまた理央のドレス姿見られるなら嬉しいよ」
空良くんのおかげで僕はもう一度凌也さんとの幸せな時間を過ごせそうだ。
後でお礼を言っておかなくちゃ!!
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