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彼のフルネーム
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一瞬、時が止まったかのような静寂が訪れたが、その静寂はあの女の能天気そうな声で霧散した。
「はるくーん、だいじょーぶぅ?」
その声にはっと我に返った彼だったが、声も出せないほどその顔色は酷く青ざめている。
そりゃそうだ、こんな高さから落ちるかもしれないなんて恐怖を感じれば。
可哀想に。
そんな彼の顔を見て俺はつい、女を怒鳴りつけた。
「大丈夫?じゃないだろ! こんな場所で腕をひっぱったり、バランス崩した人の手を離したり、君は一体何を考えてるんだ! この子に大怪我させるところだったんだぞ!」
この女が彼に言い放った『恋人になってあげる』という発言に俺は腹を立てていた。
いきなりやってきて恋人になるとか勝手なこと言いやがってふざけんなと苛立ちが隠せずにいたところに、彼がこんな危ない目に遭わされて許せるわけがない。
怒鳴りつけるくらい当然だ!
しかし、普段ならどんな状況であったとしても女性に対して強い口調で怒鳴りつけることなど紳士な俺にはあり得ないことだ。
それがどうしたことか、彼のことになると、いつものように冷静でいられない自分に俺自身が驚きを感じていた。
ああ、やっぱり俺にとって彼は特別な存在なんだ。
そんなことを思っていると、
「ひどい! 悪いのはあのサラリーマンでしょ。大体あの人がはるくんを突き飛ばしたりするから! わたし、あなたにそんなこと言われる筋合いな……あ――っ! あの、わたし、怖くなっちゃっただけなんですぅ」
俺に向かって女は大声で言い返してきたが、途中で俺と視線があうと、急に俺に媚をうるような声で擦り寄ってきた。
なんだ、この女。
急に甘ったるい声だして、擦り寄ってきたな。
それよりも彼を突き飛ばした奴はどこに行った?
俺は彼を突き飛ばしたサラリーマンを探してみたが、件のサラリーマンどころか周りの乗客たちもすでにこの騒ぎの中、みんなすでにホームからいなくなってしまっていた。
チッと心の中で舌打ちしながら、とりあえずなんとかこの女を彼から遠ざけなければと思い、彼女に向かって先ほどの怒鳴り声から一変させ、嫌な気持ちを抑えながら出来るだけ優しい声で話しかけた。
「彼も困っていたようだし、人がたくさん通るところでは危ないよ。今度から気をつけるんだよ。さぁ、もう君は行きなさい」
落ち着いた声に俺の武器である営業で見せるような特別な笑顔を合わせて言ってあげると、彼女は顔を真っ赤に染め、
「あの……すみませんでしたぁ」
と謝罪の言葉を述べたあと、走って階段を駆け抜けていった。
ようやく嵐のような女の相手を終え、俺はふぅと一息つくと、まだ静かに腕の中にいた彼をきゅっと抱きしめ、先程彼女を怒鳴った時の冷ややかな声とは実に対照的な優しい声色で彼の左耳にそっと囁きかけた。
「落ちないで本当に良かった。君、大丈夫? 足とか腕とか痛めたりしていない?」
俺の声を耳元で聞いて、
「ひゃあっっ」
と小さな声をあげ、さっと左耳に手を当てながら彼は少し赤くなった頬で振り向いた。
あー、かわいい。
ほんと良い反応するなぁ。
もっとこの可愛い声あげさせたいなぁ。
俺は心の中でにやけが止まらない。
「あ、あの大丈夫です。どこも痛く……あ、」
そういいかけると、少し顔を顰めた。
あぁ、眉をひそめるこの顔も可愛いなぁと一瞬思ってしまったが、どこか痛めさせてしまったかと焦った。
「どこか痛いところある?」
「少し足首が……」
と痛そうに右足をみる。
踏ん張ろうとした時に捻ったのだろうか。
「んっ? 右足、痛い?」
静かに頷く彼が心配になって、俺は彼をそっと横抱きに、いわゆるお姫様抱っこで抱き抱えた。
うわ、軽いな。
その辺にいる女性より軽いんじゃないか?
あー、顔、近っ。
彼が俺の腕の中にいる。
もう下ろしたくないな。
「うわぁ。あの、大丈夫です。歩けますから」
彼は急にお姫さま抱っこをされて恥ずかしかったのか、抵抗して下りようと足をばたつかせようとしていたが、そんなすぐには下ろしたくない。
「ほら、無理すると酷くなるよ」
顔を近づけて声をかけると大人しくなった。
くすっと笑って俺は辺りを見回し、近くにあった椅子に彼をそっと座らせた。
「ちょっと足見せてもらうね」
彼は顔を少し赤らめながら、小さく頷いてくれた。
ほんと仕草一つ、表情一つとってもどれも可愛いなと思いながら、俺は右足首にそっと触れた。
「あっ――っ」
「ごめん、痛かったね。でもちょっと見てみるから靴と靴下脱がすよ」
「あ、自分でやります」
「いいよ、無理してはいけないから、そのままでいて」
彼に微笑みながらそう言うと、彼はまた小さく頷いてくれた。
俺は彼に、にこっと笑いかけ出来るだけ振動を与えないように優しく靴と靴下を脱がせた。
足もちっちゃくて肌も柔らかい。
ああ、役得だな、俺。
そんなことをつい思ってしまったのは、彼に知られたくないが…。
彼の右足首はほんの少し熱を持っていて腫れていた。
「あー、ちょっと腫れてるかな。骨には異常はないようだけど早く冷やしたほうがいい。あ、君は今からどこへ行く予定だった?」
そう尋ねながら、俺はそっと足を持って靴下と靴を丁寧に履かせる。
彼は履かせてもらっている足元を気にしながら
「あ、あの、僕……この駅前にある高梨ビルに行くところだったんです」
「えっ? 高梨ビルって……もしかして君、モデルやってるの?」
「あ、いえ。僕がモデルなんてとんでもないです。でも、今日行くのはその事務所なんですけど。あのなんて言ったらいいか……」
「大丈夫。落ち着いて話してくれたら良いよ」
「あの、僕……高梨ビルの一階にあるシュパースっていうカフェでアルバイトしてるんですけど、昨日注文を取りに行った時にお客様とお話ししたんです。その人、上の階で働いている方みたいで、大事な話があるから明日の朝、事務所に来てくれないかって言われて……」
「カフェでアルバイト。そうか。それで、そのお客さんの名前聞いてもいいかな?」
「えっと、田村さんって言ってました」
そう言って、彼は鞄から小さいケースを取り出し、昨日貰ったという名刺を出して見せた。
「あぁ、田村さんか。きっと、君をモデルにスカウトする気なんだよ。彼はモデル事務所の代表でありながら、敏腕スカウトマンだからね」
「えっ、ご存知なんですか?」
「私は広告代理店に勤めてるんだ。その関係で、そこの事務所にはよく行くんだ」
「広告代理店……そうなんですか」と彼は小声で呟き、驚きつつも納得した様子で俺を見つめた。
まさか彼が高梨ビルと関わりがあるとは……思いがけない誤算だな。
しかも、高梨ビルのリヴィエラなら、うちとも繋がりがあるし。
よし。この流れで自己紹介をしてしまおう。
「あ、遅くなってしまったが、改めて自己紹介させてもらえるかな。私は早瀬隆之。よろしく」
にこりと笑って胸ポケットから名刺入れを出し、彼に名刺を渡す。
「えっ、小蘭堂……」
彼が名刺を見ながらぼそっと何かを呟いたが、よく聞こえなかった。
なにかあったかと少し気にはなったが、とりあえず先に聞きたいことを聞いておくことにしよう。
「君の名前も教えてもらえるかな」
彼は食い入るように俺の渡した名刺を見ていたが、俺の言葉に慌てて、
「あ、僕は香月晴と言います。桜城大学4年の21歳です」
少しはにかんだ表情を浮かべながら、自己紹介をしてくれた。
やった!! フルネームをゲットしたぞー! と心の中で大喜びしたがそこはトップ営業マン。
表面には出さぬよう努めた。
とはいえ、フルネームを知っただけで大喜びするなど今までの俺なら考えられないことだ。
俺は彼に対する恋しい気持ちがどんどん増えていることを身をもって感じていた。
「香月くんか。よろしく」
俺がそう言うと、彼はにこっと笑顔を向けてくれた
「はるくーん、だいじょーぶぅ?」
その声にはっと我に返った彼だったが、声も出せないほどその顔色は酷く青ざめている。
そりゃそうだ、こんな高さから落ちるかもしれないなんて恐怖を感じれば。
可哀想に。
そんな彼の顔を見て俺はつい、女を怒鳴りつけた。
「大丈夫?じゃないだろ! こんな場所で腕をひっぱったり、バランス崩した人の手を離したり、君は一体何を考えてるんだ! この子に大怪我させるところだったんだぞ!」
この女が彼に言い放った『恋人になってあげる』という発言に俺は腹を立てていた。
いきなりやってきて恋人になるとか勝手なこと言いやがってふざけんなと苛立ちが隠せずにいたところに、彼がこんな危ない目に遭わされて許せるわけがない。
怒鳴りつけるくらい当然だ!
しかし、普段ならどんな状況であったとしても女性に対して強い口調で怒鳴りつけることなど紳士な俺にはあり得ないことだ。
それがどうしたことか、彼のことになると、いつものように冷静でいられない自分に俺自身が驚きを感じていた。
ああ、やっぱり俺にとって彼は特別な存在なんだ。
そんなことを思っていると、
「ひどい! 悪いのはあのサラリーマンでしょ。大体あの人がはるくんを突き飛ばしたりするから! わたし、あなたにそんなこと言われる筋合いな……あ――っ! あの、わたし、怖くなっちゃっただけなんですぅ」
俺に向かって女は大声で言い返してきたが、途中で俺と視線があうと、急に俺に媚をうるような声で擦り寄ってきた。
なんだ、この女。
急に甘ったるい声だして、擦り寄ってきたな。
それよりも彼を突き飛ばした奴はどこに行った?
俺は彼を突き飛ばしたサラリーマンを探してみたが、件のサラリーマンどころか周りの乗客たちもすでにこの騒ぎの中、みんなすでにホームからいなくなってしまっていた。
チッと心の中で舌打ちしながら、とりあえずなんとかこの女を彼から遠ざけなければと思い、彼女に向かって先ほどの怒鳴り声から一変させ、嫌な気持ちを抑えながら出来るだけ優しい声で話しかけた。
「彼も困っていたようだし、人がたくさん通るところでは危ないよ。今度から気をつけるんだよ。さぁ、もう君は行きなさい」
落ち着いた声に俺の武器である営業で見せるような特別な笑顔を合わせて言ってあげると、彼女は顔を真っ赤に染め、
「あの……すみませんでしたぁ」
と謝罪の言葉を述べたあと、走って階段を駆け抜けていった。
ようやく嵐のような女の相手を終え、俺はふぅと一息つくと、まだ静かに腕の中にいた彼をきゅっと抱きしめ、先程彼女を怒鳴った時の冷ややかな声とは実に対照的な優しい声色で彼の左耳にそっと囁きかけた。
「落ちないで本当に良かった。君、大丈夫? 足とか腕とか痛めたりしていない?」
俺の声を耳元で聞いて、
「ひゃあっっ」
と小さな声をあげ、さっと左耳に手を当てながら彼は少し赤くなった頬で振り向いた。
あー、かわいい。
ほんと良い反応するなぁ。
もっとこの可愛い声あげさせたいなぁ。
俺は心の中でにやけが止まらない。
「あ、あの大丈夫です。どこも痛く……あ、」
そういいかけると、少し顔を顰めた。
あぁ、眉をひそめるこの顔も可愛いなぁと一瞬思ってしまったが、どこか痛めさせてしまったかと焦った。
「どこか痛いところある?」
「少し足首が……」
と痛そうに右足をみる。
踏ん張ろうとした時に捻ったのだろうか。
「んっ? 右足、痛い?」
静かに頷く彼が心配になって、俺は彼をそっと横抱きに、いわゆるお姫様抱っこで抱き抱えた。
うわ、軽いな。
その辺にいる女性より軽いんじゃないか?
あー、顔、近っ。
彼が俺の腕の中にいる。
もう下ろしたくないな。
「うわぁ。あの、大丈夫です。歩けますから」
彼は急にお姫さま抱っこをされて恥ずかしかったのか、抵抗して下りようと足をばたつかせようとしていたが、そんなすぐには下ろしたくない。
「ほら、無理すると酷くなるよ」
顔を近づけて声をかけると大人しくなった。
くすっと笑って俺は辺りを見回し、近くにあった椅子に彼をそっと座らせた。
「ちょっと足見せてもらうね」
彼は顔を少し赤らめながら、小さく頷いてくれた。
ほんと仕草一つ、表情一つとってもどれも可愛いなと思いながら、俺は右足首にそっと触れた。
「あっ――っ」
「ごめん、痛かったね。でもちょっと見てみるから靴と靴下脱がすよ」
「あ、自分でやります」
「いいよ、無理してはいけないから、そのままでいて」
彼に微笑みながらそう言うと、彼はまた小さく頷いてくれた。
俺は彼に、にこっと笑いかけ出来るだけ振動を与えないように優しく靴と靴下を脱がせた。
足もちっちゃくて肌も柔らかい。
ああ、役得だな、俺。
そんなことをつい思ってしまったのは、彼に知られたくないが…。
彼の右足首はほんの少し熱を持っていて腫れていた。
「あー、ちょっと腫れてるかな。骨には異常はないようだけど早く冷やしたほうがいい。あ、君は今からどこへ行く予定だった?」
そう尋ねながら、俺はそっと足を持って靴下と靴を丁寧に履かせる。
彼は履かせてもらっている足元を気にしながら
「あ、あの、僕……この駅前にある高梨ビルに行くところだったんです」
「えっ? 高梨ビルって……もしかして君、モデルやってるの?」
「あ、いえ。僕がモデルなんてとんでもないです。でも、今日行くのはその事務所なんですけど。あのなんて言ったらいいか……」
「大丈夫。落ち着いて話してくれたら良いよ」
「あの、僕……高梨ビルの一階にあるシュパースっていうカフェでアルバイトしてるんですけど、昨日注文を取りに行った時にお客様とお話ししたんです。その人、上の階で働いている方みたいで、大事な話があるから明日の朝、事務所に来てくれないかって言われて……」
「カフェでアルバイト。そうか。それで、そのお客さんの名前聞いてもいいかな?」
「えっと、田村さんって言ってました」
そう言って、彼は鞄から小さいケースを取り出し、昨日貰ったという名刺を出して見せた。
「あぁ、田村さんか。きっと、君をモデルにスカウトする気なんだよ。彼はモデル事務所の代表でありながら、敏腕スカウトマンだからね」
「えっ、ご存知なんですか?」
「私は広告代理店に勤めてるんだ。その関係で、そこの事務所にはよく行くんだ」
「広告代理店……そうなんですか」と彼は小声で呟き、驚きつつも納得した様子で俺を見つめた。
まさか彼が高梨ビルと関わりがあるとは……思いがけない誤算だな。
しかも、高梨ビルのリヴィエラなら、うちとも繋がりがあるし。
よし。この流れで自己紹介をしてしまおう。
「あ、遅くなってしまったが、改めて自己紹介させてもらえるかな。私は早瀬隆之。よろしく」
にこりと笑って胸ポケットから名刺入れを出し、彼に名刺を渡す。
「えっ、小蘭堂……」
彼が名刺を見ながらぼそっと何かを呟いたが、よく聞こえなかった。
なにかあったかと少し気にはなったが、とりあえず先に聞きたいことを聞いておくことにしよう。
「君の名前も教えてもらえるかな」
彼は食い入るように俺の渡した名刺を見ていたが、俺の言葉に慌てて、
「あ、僕は香月晴と言います。桜城大学4年の21歳です」
少しはにかんだ表情を浮かべながら、自己紹介をしてくれた。
やった!! フルネームをゲットしたぞー! と心の中で大喜びしたがそこはトップ営業マン。
表面には出さぬよう努めた。
とはいえ、フルネームを知っただけで大喜びするなど今までの俺なら考えられないことだ。
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