俺の天使に触れないで  〜隆之と晴の物語〜

波木真帆

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食後のデザート※

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シュパースから出て、駐車場へと向かう。

「俺はこの後、一度社に戻るが晴はどうする?」

「僕、夜ご飯の買い物をして帰ろうかな」

「そうか、なら家の近くのスーパーまで送るよ」

本当は一緒に行動したかったが、今日の晴は休みモードだし、連れて行ったとしても桜木部長に晴をとられるだけだ。
それなら、家で待っていてもらったほうがいい。

晴を助手席に乗せ、家の近くにあるスーパーへと車を走らせた。

「今日の試食、うまくいったみたいで良かったな」

「うん。長谷川さんが今回の試食に合わせて、あのライ麦パンを特別に作ってて、そのパンがテオさんも折原さんも気に入ったみたいだったよ。だから、僕の感想がとかじゃなくて、フェリーチェのあのパンが凄かったんだよ。あのパンを焼きたてで食べられただけで今日行って良かったって思ったんだもん」

目を輝かせながら話す晴を見て、本当にパンが美味しかったんだなと思った。
それにしても、前は敬語混じりだった俺への話し方が晴が俺への恋愛感情を意識してからというものくだけた話し方に変わってきたのがすごく嬉しい。

きっと晴は無意識なんだろうが、以前より晴との距離が近くなった気がする。

そんなことに喜びを感じながら晴の話を聞いていた。

「そういえば、今日マンション出る時に高木さんと金曜日のことを話したんだ。それでその時は完全プライベートだから、僕にはタメ口でお願いします! って頼んじゃった」

ふふっと可愛らしい笑顔を浮かべながら、そんなことを言う。

「そうか、それは良いな」

と返しては見たものの、きっと頼まれた高木は驚いたに違いない。
あいつはきっちりしているから、いくら完全プライベートとはいえ、常駐するマンションの住人をタメ口などできないだろうに。
まぁ、こんな可愛らしい笑顔で頼まれれば、断ることなどできないだろうな。

困った高木の気持ちが手にとるようにわかる。
今頃どうしようかと悩んでいることだろう。
帰りに少し話して、気にせずタメ口にしてやってくれと俺からも頼んでやったほうが良いだろうな。

スーパーの駐車場に着くと、晴は嬉しそうに

「今日は時間がたっぷりあるから隆之さんの食べたい料理を作って待ってるね。今日は何が食べたい?」

と聞いてきた。

なんだ、この会話……。
新婚みたいじゃないか。
まずい、顔がニヤける。

こういう時、なんでもいいはダメなんだよな。

えーっと、食べたいもの、食べたいもの……。

俺はすぐにでも晴が食べたいが、そんなことを言ったら流石の晴も怒りそうだ。

「そうだな、ビーフシチューかな」

さっきシュパースへ向かう途中、信号待ちで止まった洋食屋のメニュー写真で美味しそうだなと思ったんだよな。

「ビーフシチュー……うん、わかった! 楽しみにしててね。隆之さん、気をつけて!」

晴は少し考えた様子だったが、柔かな表情でスーパーへと入って行った。

今日は晴のビーフシチューか……。
帰るのが楽しみだな。

「ただいま戻りました」

「「おつかれさまでーす」」

オフィスに入ると、今日は直帰が多いせいかいつもより少なく感じた。

俺は桜木部長の元へと行き、今日打ち合わせしてきたことの報告がてら、
フェリーチェと【Cheminée en chocolat】とのコラボ案件がうまく行きそうなことを伝えておいた。

「状況は若干変わったようですが、二社のコラボはほぼ確定かと」

「おお、そうか。それなら、その広告はうちに任せてもらうようにな」

「はい。もちろんです。こちらには香月くんもいるので、大丈夫ですよ」

そう、うちには晴がいる。
長谷川さんも折原さんも一様に晴のおかげだと言ってるくらいだ。
それに、元々晴はフェリーチェのCMを担当する予定になってるのだから、広告をするとしたらうちしか有り得ない。

「香月くんがまたやってくれたのか?」

「はい。詳しくは長谷川さんからお話があると思いますが……」

「そうか。楽しみだな」

俺は今日の他社の案件の打ち合わせをまとめ、定時になったのを確認して早々にオフィスを出た。

「おっ、早瀬。もう帰るのか?」

エレベーターが来るのを待っていると、後ろから声をかけられた。
この声は橘か? 

振り返ると、やはり声の主は橘だった。

「ああ、報告と打ち合わせの資料置きに戻っただけだからな」

「そうか、お疲れさん。どうだ、今日呑みにいかないか?」

「いや、晴が待ってるから帰るよ。また今度な」

と言ったあと後悔した。
橘のことだ、家に行きたいなんて言い出すかも……。

そう思ったが、

「そうか、じゃあまたにするか」

と意外とあっさり引いてきて驚いた。

「なんだ?」

驚いた俺の表情が気になったのか、怪訝な顔で聞いてきたから思った通り言ってやると、

「邪魔したら悪いからな」

とニヤリと不敵な笑みを浮かべて俺を見てきた。

どうやら何もかもお見通しらしい。
まぁ、別にバレても俺は構わないし。

ちょうどやってきたエレベーターに乗って、

「じゃあな」

と手を振ると、橘は背中を向けながら手を振り返した。


車に乗り込み、晴の待つマンションへと向かう。
今頃エプロンでも付けて俺のリクエストしたビーフシチューを作ってるんだろうか。

ふふっ。楽しみだな。

マンションの駐車場に車を止め、そのまま部屋に行こうとして晴の話を思い出した。

そうだ、高木に話をしておくんだったか。

エレベーターをコンシェルジュのいるロビー階で止めると、ちょうど扉の開いた場所に高木が立っていた。

「早瀬さま、お帰りなさいませ」

「ああっ、ちょうどよかった」

「何かございましたか?」

「いや、晴のことなんだが……」

晴から聞いた今日の朝の話をしてみると、高木は少し困った顔をしながら答えた。

「タメ口でと仰られて、早瀬さまがどう仰るかとお断りしようとしたんですが、大丈夫、気にしないからと仰られて……」

「ははっ。晴らしいな。だが、晴の言う通りだ。その日は完全プライベートなんだし、気にしないでいい。晴は君より年下だし、プライベートでずっと丁寧にされても困るんじゃないか?」

そういうと、高木は少し考えてから

「わかりました」

と答えた。

「じゃあ、金曜日楽しみにしてるから」

「はい。わたくしも楽しみにしております」

エレベーターが閉まり、今度こそ晴の待つ部屋へと向かった。

ピンポーン

自分の家なのだから、もちろん鍵は持っているが晴に開けてもらいたくて、わざとチャイムを鳴らしてみた。
食事を作っていて手が離せないかもしれないが、これくらいのわがままをしてみても良いだろう?
『もう! ご飯作りの邪魔しないで自分で入ってきてください』なんて晴に怒られるのもそれはそれで嬉しいかもしれないなどと思ってしまっている。

結局のところ、俺は晴にどんな対応をされたとしても嬉しいのだ。

さて、晴の第一声は何と言って俺を迎えてくれるだろうか。

そっと耳を澄ますとパタパタと駆け寄ってくる音が微かに聞こえる。
もうそろそろで扉が開きそうだ。

ガチャリと少し重ための扉が開いた瞬間、

「隆之さん、お帰りなさい!」

満面の笑みで嬉しそうに迎え入れられた。
ただいまと言おうとして驚いた。

なぜなら、目の前の晴が俺のエプロンをつけてくれている。
しかも、エプロンから覗く手足は素肌……。

もしかして、これは…………

男の憧れ! 裸エプロンというやつじゃ???

もしかして、晴が俺のことを誘ってるのか?

「は、晴。ただいま」

あまりの感動につい声がうわずってしまった。

「ふふっ。ビーフシチュー、もうちょっとだけかかるので、隆之さん先にお風呂入っちゃいますか?」

『ぐぅっっっ』

可愛らしい笑顔でそう言われて、我慢できるはずがない。
だってこんなに可愛くお風呂に誘われてるんだぞ。

「晴……晴が先に欲しいな」

「えっ?」

驚く晴にすっと近づいて、晴の可愛らしい唇に重ね合わせた。
晴を感じさせるつもりが甘くて柔らかな唇の感触に俺の方がどんどん酔いしれていく。

「……んっ……ふぅ……」

晴の吐息を耳元で堪能しながらも玄関でこれ以上はダメかと名残惜しく思いながらゆっくりと唇を離すと、
晴はキスですっかり力の抜けてしまった身体を俺に預けてきた。

ああ、晴が可愛い。

ぎゅっと抱きしめると、背中に服の感触を感じた。

「あれっ?」

思わず声が出てしまった。

「……ど、うかした、の?」

まだぐったりとした様子で聞いてきた晴に服のことを尋ねてみると、
どうやらビーフシチューを作っていたら服に飛んでしまい、慌ててシャツを脱ぎインナーシャツの上にエプロンを羽織ったらしい。
俺用のエプロンは長くて、部屋着の短パンが隠れていただけで裸エプロンではなかったのだ。

それを俺は晴が俺のことを誘っていると思って勘違いして……ああ、恥ずかしい。

晴にそれを悟られるのが恥ずかしくて、俺は晴を抱きかかえて部屋の中へと入った。

ゆっくりと晴をソファーに下ろして改めて
『ただいま』というと、
晴はさっきのキスでちょっと火照った顔を見せながら『お帰りなさい』と言ってくれた。

このままだとそのまま晴を押し倒してしまいそうだ。

先に晴が欲しいと言ったのは嘘ではないけれど、部屋中に漂うビーフシチューの美味しそうな匂いを嗅いでいると、晴が俺のことを思って一生懸命作ってくれたのを無下にはしたくないという気持ちにさせられる。

せっかくの手料理を味わってから、甘いデザートはゆっくりと食べることにしよう。

「美味しそうな匂いがするな」

俺がそういうと、晴はその言葉が嬉しかったのか、準備しておくから着替えてきてねと言ってキッチンにスタスタと戻っていった。

その後ろ姿は確かに服を着ているのがわかる。

でも、前から見るとやっぱり裸エプロンにしか見えないんだよな……。

寝室で着替えながらも、思い出すのはエプロンから伸びた何も身に着けていない晴の長い手足。

少し屈めた時にエプロンの隙間から晴の可愛い乳首が見えたりしたら……
後ろを向いた時にプリッとしたあの丸くて可愛いお尻が見えたりしたら……
それはもう誘っているとしか思えないよな。

あのエプロンをつけたまま後ろから挿入いれたら……
エプロンの隙間からあのプクリと膨らんだ乳首を弄ったら……
ああ、考えるだけで滾ってしまいそうだ。

晴がキッチンで待っているというのに妄想が捗りすぎて困る。

『ふぅ』と深呼吸して、なんとか愚息を落ち着かせてから部屋着に着替えて寝室を出た。

「隆之さん、準備できましたよ」

ダイニングから声をかけられ、急いで向かうとテーブルの上には美味しそうなビーフシチューと焼き立てのバゲット。
そして、カプレーゼサラダとほうれん草のキッシュが並んでいた。

「美味しそうだな!」

「ふふっ。どうぞ召し上がれ」

まずはビーフシチューからだなと、ほかほかと湯気が立ち昇るそれにスプーンを入れ口に運ぶと口の中で肉がほろほろと溶けていった。

「この肉柔らかくて味が染みてて美味しいな」

「スーパーに美味しそうなすね肉があったら、この前、アパートから持ってきた圧力鍋で煮込んだんですよ。
久しぶりだったから心配だったけどうまくできて良かった」

晴は安心したようにビーフシチューを口にした。

「うん。美味しい」

自画自賛だけど……と言いながら笑顔を見せる晴はすごく可愛かった。

焼き立てのバゲットもビーフシチューとよく合っていて、どれも美味しくて大満足の夕食だった。
料理を作ってくれたから俺が洗うよと言ったけれど、食洗機に入れるだけであっという間に終わってしまう。
だから、食器を食洗機に入れ終わった後で、俺は美味しいコーヒーを淹れることにした。

俺がコーヒーを用意していると、晴が冷蔵庫から何かを取り出している。
見ると、チーズケーキだった。

どうやら食後のデザートも作っておいてくれたらしい。

俺には食後のデザートがふたつになったな。
甘さ控えめのチーズケーキは甘い甘い晴を味わうのにぴったりだな。


リビングにコーヒーを持って行くと、晴も綺麗に切り分けたチーズケーキを持ってきた。

紅茶が好きな晴は、コーヒーにはミルクだけを入れるのを知っているので、コーヒーに少しだけミルクを入れておいた。

晴はそれを見て微笑みながら、コーヒーを一口啜った。

「美味しい」

晴は俺の淹れたコーヒーが一番美味しいと言ってくれる。
晴の方が上手なのにと思うが、やはりお互いが相手のために想って淹れたものが一番美味しく感じるのだろう。

俺は晴の作ってくれたチーズケーキにフォークを入れた。
滑らかなベイクドチーズケーキの下は定番のタルト生地ではなく、チョコクッキー? のようだ。
色のコントラストが綺麗で食べるのを躊躇ってしまうほどだが、せっかく晴が作ってくれたものだ。
パクリと口に入れると、滑らかなチーズのコクとほんのり苦いチョコクッキーが見事に調和してとても美味しい。
これは俺の淹れたさっぱり目のコーヒーとも相性は良さそうだ。

チーズケーキを堪能して、食器を片付けてから俺は晴の座るソファーのすぐ隣にくっつくように座って、腰に手を回した。

相変わらず細くて華奢な腰をしている。
少し力を入れたら折れてしまいそうなほどだ。
その腰を優しく撫でていると、『んっ……』と晴が小さく声を上げた。

俺が触れた腰は薄いインナーシャツと短パンしか覆っていないのだから、
俺の熱が直に届いたのだろう。

晴の艶かしい声を聞くとさっきまでの妄想が甦ってきて、つい気持ちが昂ってしまう。
まぁ、昂ってしまっているのはすでに気持ちだけではないのだが……。

「晴、一緒に風呂に入らないか?」

いつもならこう直球に聞くと少し恥じらいを見せるのだが、今日の晴はすぐに
『うん』と言ってくれた。

やはり、晴は俺を誘っていたのだろうか?
晴は俺を誘うつもりだったけれど、裸エプロンは流石に恥ずかしくてシャツと短パンを着ていたとか?
そう思うと俺も緊張してきた。

晴の誘惑に気づかないふりをしてあげた方がいいんだろうか?

どうしようかと考えている間にも足はバスルームへと進んでいた。

「隆之さん、どうしたの? お風呂入るのやめておく?」

俺が突っ立ったまま、服を脱ごうともしないから気になったんだろう。
気づいたら、晴はエプロンを外しシャツと短パンだけになっている。

ああ、もうエプロン脱いじゃったのか……。
少し残念に思いながら、見つめていると

「本当にどうしたの?」

と聞いてきたので、つい

「エプロン脱いじゃったんだな」

と言ってしまった。

「お風呂入るんだから脱ぐでしょう?」

「えっ、いや……そうなんだが……」

本当に何もわかっていない晴の様子にやっぱり晴が知るわけなかったか……と少し残念に思ってしまった。

「隆之さん、何かあるの?」

本当に何も知らないのか……。
もしかしたら、何も知らないからこそ言ったら躊躇うことなくやってくれるのではないか?
という邪な思いが湧き上がってきた。

エプロンは寝室のクローゼットにもう一枚あったはずだし、頼んだら素直な晴のことだからやってくれるかもしれない。

うん、そうだな。
そうと決まれば、すぐに風呂に入るか。

「晴、今日は仕事が忙しくて疲れたから晴に癒してもらいたんだ。だめか?」

「いいですよ!! 僕が隆之さんの力になれるならなんでもやります!」

なんでも……か。
よし、俄然楽しみになってきたな。

じゃあすぐに風呂に入ってのんびりしようと声をかけ、今日は2人でシャワーだけで済ませた。
もちろん、晴の身体は念入りに洗ってやったが。

ほかほかになった晴を大きなバスタオルで包み込み、さっとドライヤーで髪を乾かしてから
ヒョイっと抱きかかえて寝室へと連れて行った。

「疲れている隆之さんを癒すのに、僕が抱き抱えられてるっておかしくないですか?」

そう言われたけれど、下ろすつもりはさらさらない。
晴を抱き抱えて寝室に連れて行くのも俺の癒しの一つなんだからな。

寝室のベッドに晴を下ろし、俺はエプロンを探すためにクローゼットを開けた。

確かここに昔何かでもらったエプロンを置いてた気がする……。
ボックスを開けてみると、中から淡いピンク色のエプロンが出てきた。

ああ、これだ!

俺はエプロンを取り出し、晴に広げて見せてみた。

「晴、このエプロンなんだけど……着て見せてもらえないか?」

「えっ? エプロンを? 今?」

「ああ、今」

俺の圧に押されたのか、なぜ寝室でエプロンを着ないといけないのかという理由もわからずに、晴はバスタオルに包まれたままそれをつけようとした。

中のバスタオルは今外さなくてもすぐに取れるからいいかとそのままにしておいた。

晴が身につけたエプロンは淡いピンク色のエプロンに胸元と裾にレースが施されていて、パッと見、新婚さんへの贈り物のように見える。
広げてみて思い出した。あれは2、3年前に広告を手がけた会社にもらったやつだ。

流石に俺が使うのも憚られて、かといって捨てることもできずに置いていたんだが、まさかこんなところで役に立つとは。
びっくりだな。

「隆之さん、つけてみたけどこれで、いい?」


色白の肌に淡いピンク色のエプロンがよく映えて、こんなに似合う20歳過ぎの男がいるのが不思議なくらいだ。

「ああ、よく似合ってる。近くでみていいか?」

俺は晴の返事も聞かないうちに晴が座っているベッドのすぐ隣に腰を下ろした。
あまりの可愛さに笑顔が止まらない俺の横で、晴は少し浮かない顔をしている。

「晴、どうした? エプロンが嫌だったか?」

「ううん。違うんだけど……その……」

「どうした? 気になる事があるなら言ってくれ」

「このエプロン、誰のなのかなって……」

悲しそうな顔でそんなことを言う晴の表情を見てわかった。
もしかして、このエプロンが俺の元カノのものだと思って嫉妬してるんじゃ……?
まずい、ものすごく嬉しい……。

それでも誤解は解いておかないとな。

「これは前に広告を手がけた会社にもらったんだ。俺には可愛すぎて仕舞っていたのを思い出して晴に着てもらったんだ。だから、新品だぞ」

「あっ、そうなんだ……新品……」

「誰のだと思ったんだ?」

「ううん、違うの。ごめんなさい」

恥ずかしそうに俯く晴を見てこれ以上追求するのはやめておこうと思った。
嫉妬は嬉しいが、悪戯もすぎると喧嘩の元だからな。

「似合う?」

「ああ、よく似合ってるな。ちょっと立ってもらえるか?」

晴は俺のいうことを素直に聞いて、すぐに立ち上がった。
俺はエプロンの隙間に手を入れ、さっとバスタオルを剥ぎ取った。

「わっ」

晴は驚いてはいたものの、自分がいかにそそる格好をしているのか全く気づいていないようだ。

料理を作るときに着ていた私のエプロンと違って、このピンクのエプロンは丈も短い。
晴の細くて長い足が裾からスラリと伸びている。

ああ、なんでこんなに綺麗な足をしているんだろうな。

思わず晴の太ももに手を這わせた。
すべすべとした肌に手が吸い付くようで気持ちがいい。

「ふふっ。くすぐったいよ」

俺がどれだけ不埒な目で見ながら晴の太ももに触れているかも気づかずに可愛らしい笑顔を向けるとは……。
その可愛らしい笑顔に俺の理性はもはや吹き飛んでしまったようだ。

「くすぐったいか? それならこっちはどうかな?」

エプロンの横から手を入れ、ぷくりと膨らんだ乳首を軽く摘んでみた。

「……ひゃ……ぁん」

流石に晴もこの悪戯に俺の意図を感じたらしい。

「……たかゆき、さん……もし、かして……さいしょ、から……そのつもり、で……?」

「ああ、晴が可愛い格好をして出迎えてくれた時から、食べたくてたまらなかったよ」

正直に気持ちを話すと、

「……いってくれたらよかったのに」

と小さくつぶやいた。

「えっ?」

聞き間違いかと思って聞き直してみたが晴の真っ赤な顔を見ていたらそれが晴の本心だということに気づいた。

「晴も俺を欲しいと思ってくれてたのか?」

そう尋ねると、晴は俺にぎゅっと抱きついてコクンと頷いた。

それが可愛くて、嬉しくて、晴の顎に手を当てて上を向かせると晴の唇を奪った。

重なり合った唇から晴の吐息とクチュクチュと唾液の混じる甘い水音が漏れ聞こえる。
それにまた興奮して、深く深くキスを続けた。

キスをしながら、エプロンの隙間から差し込んだ手のひらで胸を弄ると、晴はより一層甘い声を上げ身体を捩らせた。

ああ、可愛い。
なんでこんなに可愛いんだろう。

甘く長いキスに晴が立っていられなくなったようで、俺にもたれかかってきた。
晴を抱き上げてベッドに優しく横たわらせると、昂った晴の可愛いモノがエプロンを押し上げているのに気づいた。

晴が感じてくれている事が嬉しくてそっとエプロンの中に手を差し入れ、晴のモノを掴んだ。

「……ふぁ……っああっ……んっ……んっ」

気持ちよさそうな声をあげる晴が可愛くて、俺の片手にすっぽり入ってしまう晴のモノを上下に扱いてやった。
その度に晴は甘い声をあげ続ける。

真っ裸より、エプロンに少し隠されている方がそそられるのはなぜなんだろう。
晴が身を捩るたびにエプロンの隙間から可愛らしい乳首が顔を覗かせるだけで俺のモノがどんどん大きくなっていくのがわかる。

ああ……本当に可愛い。

すると、晴が快感に溺れながら、

「ちゅー、して……」

と強請ってきた。

俺は手の動きを止めることなく、晴の唇に重ね合わせた。
さっきから与え続けている快感にずっと喘いでいたせいか、声が掠れていたようだったが
舌を絡め合わせると俺の唾液と混ざり合ってクチュクチュと淫靡な音を立てている。

晴は俺の唾液を全て飲み尽くすように舌先で吸い付いてくる。
その気持ちいい感触に俺のモノは限界を超えて昂ってしまっていた。

俺の昂ったモノが晴の太ももを擦っていることに気づいたのか、
晴はゆっくりと手を伸ばしてきた。
晴の指の感触で電流が走ったような快感が身体中を通り抜ける。

「晴、最初は後ろからのほうが楽だからそうしようか」

本当なら顔を見ながらやりたいけれど、晴が辛いのも嫌だし、それにせっかくエプロンを身につけているのだから後ろから挿入いれたい。
正直にそういうと、晴は頷いてくれた。

ベッドのサイドテーブルに仕舞っておいたローションを取り出し、手に纏わらせた。
そして、ベッドに四つん這いになった晴の後孔をゆっくりと擦ると指がゆっくりと入っていった。

「……ああっ……ん」

「ゆっくり挿入いれるからな」

痛みを感じないようにゆっくりと後孔を拡げながら、前も一緒に弄ってやるとよほど気持ちがいいらしい。
3本入るようになったのを確認して、俺は限界まで昂った自分のモノを後孔にあてがった。
晴のそこは俺のを待ち侘びていたかのように、先端がじゅぷっと音を立てて挿入はいっていった。

そこからはあっという間だった。
力の抜けた晴の身体はズブズブと根元まで俺のを受け入れてくれたのだ。

俺は晴の白くてシミひとつない綺麗な背中にいくつもの所有印を刻み込みながら、抱きついた。
そして、大きく腰を動かしながらエプロンの隙間から乳首を弄ると晴は気持ちよさそうに声をあげていた。

ああ……可愛い。可愛すぎる……。

パンパンと腰を打ちつける音と晴の喘ぎ声が寝室中に響いて、晴も俺も絶頂を迎えた。
ズルリと中から引き抜くと、大量の白濁が晴の後孔から流れ落ちて、それがさらに情欲をそそった。

力無くそのままベッドにうつ伏せに落ちた晴を抱き上げ、風呂場へと連れて行き、
2人の白濁でドロドロになったエプロンを脱がしてから身体を清めた。

膝に抱いたまま湯船に浸かり、まだ気を失っている晴を膝に抱きながら今回の裸エプロンについて考えていた。

ただでさえ、いつでも抱きたいと思っている晴に裸エプロンなど着せたら箍が外れてしまう。
晴との体力差も考えないといけないな。

本当なら初めてのHはもっとじっくりと優しくしてあげたかったのに、自分の欲に負けて晴に無理をさせてしまったことを反省しながら、寝室へと戻った。
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