溺愛されまくりの会長令息が財閥イケメンスパダリ御曹司に見初められました

波木真帆

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今日の記念に

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「ねぇねぇ、みてー! 可愛いぬいぐるみがいっぱーい!」

店には入ってお土産を見て回っていた一花たちだったが、真守くんの声に一花たちが一斉に振り向いた。
そこはぬいぐるみのコーナーのようでいろいろな動物のぬいぐるみが置かれている。
さすが動物園にあるだけあって、どれも精巧に作られていて本物のようだ。

「わぁー! 本当だ! 可愛い!!」

一花がたくさんのぬいぐるみが並んだ中から見つけたのは、ふれあい広場で一花が抱っこしていたのと同じミルクティ色の毛並みをした小さなウサギ。

「あ、こっちにはぼくが抱っこした真っ白ウサちゃんもいるよー!」

空良くんはさっきを思い出したようにそっと抱き上げて背中を撫でていた。

「ぼくが抱っこした子もいるー!!」

みんながそれぞれのウサギを見つけたようで、私たちは皆、顔を見合わせた。

「みんなで可愛いウサギたちをプレゼントするとしようか。いい思い出になりそうだ」

「ええ、そうですね」

隣にいたエヴァンに声をかけるとそれは嬉しそうな笑顔を浮かべて弓弦くんの元に向かう。

「一花、その可愛いウサギをプレゼントさせてくれないか?」

「せいくん、いいのー?」

「もちろんだよ。さぁ、一緒に買いに行こう」

「わぁーい! やったー!! ウサちゃん、今日から一花と一緒だよー!」

一花が嬉しそうに胸に抱くウサギに少し嫉妬しそうになるが、こんなにも喜んでくれているのだからな。

「抱っこしてお連れになりますか?」

お土産物屋のスタッフが一花の目の高さにしゃがみ込んで尋ねてくる。
一花は嬉しそうにウサギを抱きしめた。

「いいんですかー?」

「はい。もちろんです。この子も抱っこして連れて帰っていただく方が喜びますよ」

「やったー! ウサちゃん、一花が抱っこして連れて帰ってあげるね」

一花がウサギに頬擦りした瞬間、ウサギが喜んでいるように見えた。
ぬいぐるみには魂が宿るというか、こんなにも一花に可愛がってもらえるのならそれもあながち嘘ではないのかもしれない。

それぞれの小さな腕に可愛いウサギが抱かれながらお土産物店を後にする。

嬉しそうな表情をした一花を連れて動物園の入り口に戻るとすでに他の生徒たちも集まってきていた。

最後はここで全員が集まってお別れをするらしい。

「皆さーん。今日の遠足は楽しかったですかー?」

「はーーーいっ!!」

一花たちの担任である佐倉茉莉先生の声かけにみんな自分が一番だと思うような大きな声で返事をする。
それがとてつもなく可愛い。

「明日は学校はお休みです。ゆっくりと休んでまた明後日元気な姿で学校に来てくださいね」

「はーーーいっ!!」

そうか、明日は一花は休みか。
今日、我が家に泊まってものんびり過ごせるな。

午前中は一花と過ごして、午後から出社できるようにしておこう。
そっと志摩くんに視線を送ると、彼は私の考えを見抜いたように頷いていた。

本当に優秀な秘書で助かる。

そっと志摩くんの隣に移動して声をかけた。

「今日はありがとう」

「いえ、特別ボーナスもいただいていますので問題ありません。今日撮った写真と動画はそれぞれみなさまの分におわけしてご自宅にお届けします」

「そうしてくれると助かるよ」

本当に何から何までそつなくこなす。
秘書の鑑だな。

「せんせー、さよーなら。みなさん、さよーなら」

懐かしい挨拶を聞きながら、一花のもとに向かう。

「せいくん、早くせいくんのお家に行こうー!」

「一度一花の家に戻ってからだよ。着替えも必要だし、それに車も一花の家に置いてあるだろう」

「あ、そっかー。じゃあ早く行こー!!」

私の家にいくのをこんなにも楽しみにしてくれているのは嬉しいな。

みんなで駐車場に戻り、車に乗り込む。
運転手は行きと同じくジョルジュ。
そして後にはリュカが一緒に乗り込んでくれる。

彼らに守ってもらったおかげで安心して遠足を楽しむことができた。

彼らをつけてくれたエヴァンには感謝しかないな。

後部座席で一花たちはそれぞれのウサギを見せ合い、今日の動物園の話で盛り上がっている。

私たちもこの遠足が無事に終わったことを笑顔で称え合った。

「次は授業参観ですね」

「一花がどんな様子で勉強をしているのか見るのが楽しみだな」

「それは羨ましい。私もぜひ見たいものだな」

明さんの言葉にハッとする。
そういえば今日の参加はイレギュラーだったな。

「それなら撮影したものをイギリスに届けましょうか?」

「えっ? いいのか?」

「もちろんですよ。真守くんの可愛い姿をしっかりと記録してお届けしますよ」

「ありがとう! 助かるよ!!」

可愛い姿を見たいのは同じだからな。
そんな話をしながら、車は高原邸に到着した。

「真守くん、バイバーイ! また学校でね!!」

みんなに見送られて真守くんは嬉しそうに手を振り家の中に入っていった。

それから悠木くんの自宅、理央くんの自宅に進み、そうして一花の家に到着した。

「弓弦くん、今日はとっても楽しかったね」

「うん! またみんなで遊びたいね」

「そうだね!!」

確かにこの五組なら、学校以外で遊びを計画しても楽しそうだ。

エヴァンに視線を向けると、エヴァンもまた頷いている。

どうやら同じことを考えていたらしい。

「それじゃあ一花ちゃん! またね!」

私たちを降ろし、エヴァンと弓弦くんを乗せた車が帰っていく。

一花は満面の笑みで見送ると、私に抱きついてきた。

「せいくん、早くお家に行こう!」

ああ、もう一花が可愛すぎて困るな。


   *   *   *


ようやく遠足編終了です。
征哉のお家でのお泊まりの後、また新たなお話に入る予定ですのでどうぞお楽しみに♡
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