イメケンスパダリ弁護士はようやく見つけた最愛と激甘な夫夫生活始めます

波木真帆

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似たもの同士

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小さなサイズの6個のケーキを前にどれから食べるか悩んでいる理央と空良くんを微笑ましく見つめながら、悠木と二人でひっそりと話をする。

悠木は俺の同伴者があの時事務所で会った子だったとは……と驚いていたが、あの時俺が言った名前を覚えて事務所にお礼を言いにきてくれたんだというと、納得してくれたようだった。

空良君を助けたいという悠木の依頼であの事務所に乗り込んだわけだが、まさかあそこで俺の運命に会うと思っていなかったから、ある意味悠木と空良くんが俺たちのキューピッドと言っても過言ではない。

さっきは少し悠木に嫉妬してしまったが、理央と出会うきっかけになったことは感謝してるんだ。

空良くんと理央だけでなく、あの事務所にいた10人ほどの子たちもバイト代を搾取されていたのを見つけて救い出せたし、結果として大勢の子たちの人生を変えられたのは幸いだったろう。

悠木は理央の親や今の住まいについて尋ねてきたが、詳細を語るにはここは適した場所ではない。
目の前に理央もいることだし簡単に話しておいて、後でゆっくりと悠木と綾城には話しておくことにしよう。

とりあえず、理央が今まで施設にいたことと、うちで高校認定試験を受けるための勉強をしているという当たり障りのないことだけ話をしておいた。
さっき、理央と空良くんの会話で少し聞こえていたが、空良くんも高校認定試験を受けると話をしていたから、きっと話も合うだろう。
お互いの家で勉強させるのも安心かもしれないな。

まぁ、うちの場合はあの事務所に作った勉強部屋でさせておけばもっと安心か。
榊くんもいるから危険なことはしないだろう。
悠木のところに行かせるなら、あの院長室が安心だろうか。

理央にいい友達ができそうで本当によかった。
やっぱり結婚式に連れてきて正解だったな。

そう思っていると、悠木から

「お前がわざわざ空良に会わせるためだけにここに連れてきたわけじゃないだろ? お前の一生の相手だと思ったから、俺と綾城に紹介しようとしたんじゃないのか?」

と言われてしまった。

ああ、さすが親友だな。
どうやら俺がどうしてここに理央を連れてきたのかをもうとっくに理解してくれていたようだ。

綾城が佳都くんと出会ってこれから先の人生を共に歩むと決めたように……そして、悠木が空良くんを一生守ると決めたように……俺も理央を幸せにすると決めた。
その姿を悠木と綾城に見てもらいたいと思ったんだ。

俺の表情だけで理解してくれた悠木が、

「それで、お前……理央くんとはもう?」

と聞いてきたが、最後の一線はまだ越えていないというと、悠木も同じだと笑っていた。

やはりそうか。
空良くんも理央と同じ匂いがする。
きっとその手の知識がないんだ。

だが、俺も悠木もあの可愛らしいパートナーを大切にしたいからこそ、無理強いはしたくない。

恐ろしいほどモテていた俺たちも、本当の相手に出会えばこんなものだ。
愛するが故に泣かせたくない。

俺たちの思いは同じだ。
だが、それでもいい。

いつかは必ず一つになれるのだから……。

美味しそうにケーキを頬張る二人を眺めていると、突然空良くんが悠木にケーキを乗せたフォークを差し出した。

「あ~ん」

と差し出されたフォークを悠木は照れながらも、パクリと口に入れ嬉しそうに笑っていた。

ああ、悠木がこんなにも幸せそうな表情をするとは……。
運命の相手って本当にすごいんだな。

照れる悠木なんて初めて見たなと思いながらニヤニヤと見つめていると、今度は理央が俺に

「凌也さん、このケーキとっても美味しいですよ」

とフォークを差し出してきた。
見ると悠木がニヤニヤと笑いながら俺を見ている。

俺たちやっぱり似たもの同士だなと思いながら、理央の

「あ~ん」

という声に口を開け、甘い甘いケーキを食べさせてもらった。


「ふふっ。仲良いな」

「お前だってそうだろう。お互いさまだ」

「ああ、そうだな。でも空良が相手だと全然嫌な気がしない。それどころか、空良がそうやって甘えてくれることが嬉しいんだ」

「それはあるな。だけどお前も甘えてるんだろう、空良くんに」

「わかるか?」

「ああ、俺もそうだからな」

「ふっ。そうだと思った。やっぱり俺たちはとことん似ているようだな」

「多分綾城もそうだぞ」

「ははっ。綾城の場合は多分じゃない。佳都くんに甘えきってるよ」

「ははっ。違いない」

悠木とこんな会話ができるようになるとはな。


ポケットに入れていたスマホが突然震えるのを感じて取り出すと綾城からメッセージが入っていた。
見れば、悠木にもメッセージが届いているようだ。
ということは俺たち二人に向けてのメッセージということか。

開いてみると、挙式前に話がしたいから控え室に来てほしいということだった。

お祝いも言いたかったし、父さんから預かったものも渡したかったしちょうどいいが、理央と空良くんをここにおいていくわけにはいかない。
ケーキが載っていた皿は空になっているし、一緒に連れていったほうがいいだろう。

俺たちはお互いのパートナーに声をかけロビーラウンジを出た。


控え室につき、扉を開けてくれた綾城の顔を見た途端、俺も悠木も込み上げてくる笑いを抑えることができなかった。

「なんだ? お前たち、会って早々失礼だな」

と眉を顰めているが、いや、こんなにもデレデレした綾城の顔を見れば笑ってしまうのも無理はない。
佳都くんと結婚できるのがよっぽど嬉しいのだろう。
綾城の顔に笑ってしまったが、俺も多分理央と挙式するときは今の綾城よりもずっとずっとにやけている自信がある。

そんな和やかな雰囲気の中で、突然空良くんの声が響き渡った。

「あの……お友達さんと結婚するのが彼・だって言ってたから、てっきりお友達さんは女性の方だとばかり思ってて……その、男同士で結婚できるって知らなくて……それでびっくりしたっていうか……それって、僕と寛人さんも結婚できるってことですよね?」

嫌悪感も何もない無邪気な声。
悠木と結婚できるという事実にただただ喜んでいるだけの空良くんの声に悠木は昇天していた。

そんなこと言われたらそうなるだろうなと思っていたが、空良くんは悠木が何も反応しなかったことを悪い意味に捉えてしまったようだ。

あっ、バカ!
さっさと返事をしないと!

そう思った時には、時すでに遅し。

空良くんは

「えっ……? 僕たちは結婚、できない……んですか……?」

とがっかりした声で一気に涙を浮かべた。

俺は、泣き出した空良くんを支えながら悠木に食ってかかるほど興奮した理央に

「落ち着け!」

と声をかけることしかできなかった。

理央は涙を流す空良くんを悠木の手に触れさせないようにがっちりと守り離れようとしない。

一気に修羅場と化した控室で、どうしたもんかと思っていると、そこに救世主とも言える声が飛び込んできた。
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