17 / 40
番外編
転生か、転移か……どっちが幸せ?
しおりを挟む
ただのお遊びのようなお話ですが、本編を読んでいただいた皆様にお礼の気持ちを込めて……。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
――ヒジリ、あなたは生まれ変わるのです。幸せにおなりなさい。
超満員の駅の階段で身体を押され、落ちそうになっていた老人の腕を引っ張り助けられてよかったと喜んだのも束の間、その勢いに押し出され、自分が階段から転げ落ち、僕は22年の生涯を終えた。
真っ白な空間で、
――あなたが来るのを心待ちにしている人がいます。彼に愛され、幸せになるのですよ。
優しい声でそう言われながら、意識を取り戻した僕はオギャー、オギャーと泣きながら、美しい女性の胸の上に乗せられていた。
ああ、僕生まれ変わったんだ。
でも前の記憶があるって不思議だ……。
「ああ、可愛い。私の娘……本当になんて可愛らしいんでしょう。ヴァージル、来て……」
僕、今度は女の子になったんだ……。
うわぁ……変な感じ。
「ノエル、お疲れさま。私の可愛い娘を見せておくれ。ああ、なんという可愛い子だろう。
其方の名は『ヒジリ』だ。ああ、私の可愛いヒジリ。これほどまでに可愛いと嫁になどいかせたくないな」
「ふふっ。ヴァージルったら。ヒジリはまだ生まれたばかりの赤ちゃんよ。気が早いわ」
「いや、だがなんとなく嫌な予感がするのだ……何か良からぬものにこの幸せを奪われるような、そんな気が……」
「嫌だわ、ヴァージルったらそんな怖いこと言わないで」
「ああ、ごめんよ。ノエル……」
両親の仲睦まじい会話の中に何やら不思議な予感を感じながら、僕は新しい人生を始めることとなった。
僕がお母さまのお腹から出てきて、3日後。
お父さまの従兄弟だという方がお祝いに来てくれた。
「ヴァージル、おめでとう。待望の姫君が生まれたと聞いて駆けつけたよ。
本当はすぐにでも駆けつけたかったのだけど、グレイグに出産後は王妃も疲れているだろうからと言われてね、今日まで待ちかねたぞ」
「ははっ。そこまで楽しみにしていてくれて嬉しいぞ。さぁ、ランハート。私の美しいヒジリ姫を見てくれ!」
お父さまに連れられてその人が僕の寝かされているベビーベッドに顔を近づけた瞬間、ふわりと甘い花の香りが漂った。
うーん、いい香り。
なんだろう、この人……とっても好きな匂いがする。
「――っ! ま、まさか……」
「んっ? どうした、ランハート。ああ、私の姫の美しさに驚いたか? ふふっ。そうだろうな」
「ヴァージルっ!!! 彼女は私の運命だ!!!」
「えっ? い、今、なんと言ったのだ?」
「だから、この子は私の運命!!! 私の妻となるものだ!!!」
「う、うそだろう……」
喜ぶランハートさまの横で、お父さまは膝から崩れ落ち大粒の涙を流していた。
ランハートさまは僕を宝物を扱うようにそっとベッドから抱き上げ、腕の中にすっぽりと抱いた。
満面の笑みで見つめる彼の顔は慈しみと愛しさに満ちていて、僕は彼の腕の中が一番心地よく思えた。
それからすぐにでも屋敷に連れ帰りたいと言い張るランハートさまと、生まれたばかりの娘と離れたくないと泣き叫ぶお父さまとの攻防があり、結局生まれたばかりの僕にはお母さまが必要だとのお医者さまの判断で、王城に急遽僕の部屋が作られ、ランハートさまもそちらで生活をすることになった。
おっぱいが必要な時だけ、お母さまの部屋にランハートさまが僕を連れて行ってくれて、僕がおっぱいを飲んでいるところを見たいと言い張ったけれど、それは流石にお父さまがダメだと許可を出さなかった。
おっぱいを飲み終えるとすぐに部屋へと連れ帰るランハートさまに、お父さまもお母さまも、そしてまだ僕と対面していないお兄さまたちも文句を言い出した。
ランハートさまはその抗議に渋々と言った様子で1日に1度だけ僕と家族とを一緒に過ごさせる時間を作ったが、お母さま以外はほぼ抱くことは禁止。
お兄さまたちに至っては遠くから眺めるだけしか許可を出さず、僕は極力ランハートさま以外の人と接触しないまま、3歳の誕生日を迎えた。
「ヴァージル、ヒジリも3歳を迎えたことだし、もうそろそろ私の家に連れて行ってもいいだろう? グレイグもヒジリが来るのを楽しみにしているんだ」
「いや、ちょっと待ってくれ。ランハート、まだヒジリは3歳だぞ。私たちとももう少し……」
「だが、私の妻となるべく教育もしたいし、あまり他の男と関わらせたくないんだ。わかるだろう?」
「他の男って、あの子たちはヒジリの兄だぞ」
「兄と言っても男に変わりはあるまい。私のヒジリはこれから先どんどん美しくなるんだ。
そんなヒジリのそばにいて何か間違いでもおこったらどうする? 責任取れるのか?」
「いや、しかし……」
「大丈夫だ、ヒジリは私が責任持って育てる。週に1度は会わせてやるから問題無いだろう」
結局ランハートさまの意見が通り、僕はその日から公爵家のお屋敷で生活をするようになった。
と言っても、お城にいる時と全然変わらない。
ランハートさまのお部屋で一緒に生活をし、着替えも食事もトイレもお風呂も全てやってくれる。
どこにいく時も全てランハートさまに抱っこしてもらって、いつでも僕の目の前にはランハートさまの顔がある。
それこそ、24時間いつでも一緒だ。
こんなに愛されるなんて、僕は本当に幸せだ。
――あなたが来るのを心待ちにしている人がいます。彼に愛され、幸せになるのですよ。
あれはランハートさまのことだったんだな。
それから7年。
僕はランハートさまに大切に大切に育てられながら、10歳の誕生日を迎えた。
お父さまもお母さまもお兄さま方もお屋敷に来てもらい、盛大な誕生日パーティーを迎えた夜……いつものようにランハートさまのベッドに入ると、ランハートさまの様子がいつもと違く思えた。
「ランハートさま、どうしたのですか?」
「ヒジリ、其方は今日10歳の誕生日を迎えたな。これから成人までの5年、やらなければいけないことがあるのだよ」
「やらなければいけないこと? なんですか? 教えてください」
「ヒジリは15歳の成人を迎えた日に私の花嫁になるだろう?
私の花嫁となるための練習をしておかないと、花嫁になれなくなってしまうのだよ。
ヒジリはそうなってもいいのかな?」
「えっ、そんなの嫌です!! 私はランハートさまの花嫁になりたいです!!」
「ならば、頑張って勉強しないとな」
「はい。私、頑張ります!!!」
僕がそういうと、ランハートさまは嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ、ヒジリ。夜着を脱いでごらん」
「今からお風呂に入るのですか?」
「ふふっ。違うよ。もっと大切なことを教えてあげるから」
「わかりました」
僕が腰紐をさっと抜き、スルリと夜着の肩を落とし脱ぐと、ランハートさまは目を輝かせながらゴクリと息を呑んだ。
「ああ、すごく綺麗だよ。ヒジリ」
「でもお風呂場以外で裸になるのは少し恥ずかしいかも」
「大丈夫。ここには私とヒジリしかいないのだから」
そう言われればそうだ。
ずっと育ててきてくれたランハートさまに見られてもちっとも嫌な気はしない。
「さぁ、そのまま横になろうか」
僕は言われた通り、夜着を全部脱いだままベッドに横たわった。
すると、ランハートさまは大きな手で僕の体を撫で始めた。
「ヒジリの胸はふっくらとして大きくなってきたのだな。柔らかくて私の手にすっぽりと入る」
「私のこの胸はランハートさまのお好みですか?」
「ああ。私の手に誂えたようにおさまるこの胸はやはり私だけのものだな」
「ふふっ。嬉しい」
その日から、ランハートさまはベッドに入るたびに僕の胸を触り時折刺激を与えていった。
1年も経つ頃にはランハートさまに触れられただけでぷっくりと乳首が立つようになり、それを見てランハートさまは目を細めて喜んでいた。
15歳の誕生日を迎える頃には、僕は挿入以外の全ての愛撫に慣らされていて、ランハートさまのそばにいるだけでキュンキュンと身体が疼くようになってしまった。
ランハートさまはそんなはしたなくなってしまった僕をただただ嬉しそうに見つめていた。
そうして15歳の誕生日。
僕たちはお父さまとお母さまに見守られながらそれはそれは盛大な結婚式を挙げ正式な夫婦となった。
その日の夜、この日まで大切にとっておいた唇へのキスから、深い交わりがはじまった。
今日までの年月、ランハートさまに開発された僕の身体は、初めての痛みなど感じることなどなく、最初から絶頂を感じることができた。
途中食事やお風呂トイレなども挟みながら1週間、僕はランハートさまに抱かれ続け、長い長い初夜が終わった。
もう1人で身体を動かすことはもちろん、声を出すこともできないほど愛された僕の身体は、ランハートさまの腕の中にすっぽりと包まれながら、僕はようやく眠りについた。
「う、うーん」
なんかすごい夢を見たな。
もし、僕が転生してたらこんな未来だったんだ……。
ランハートの深い愛情は今も変わらないけど、なんとなくお父さまたちがかわいそうな気がしたな……。
もしかしたら僕はこの未来を回避するためにあの時車に撥ねられることを無意識に選んだのかもしれないと思ってしまった。
転生か、転移かどっちが幸せだったかなんてわからないけど、でも、僕は今でよかった。
うん、今が幸せだからそれでいい。
幸せそうな表情で僕を抱きしめながら眠っているランハートの頬にそっとキスをして、僕はもう一度眠りについた。
こちらで一旦完結しますが、何かリクエストがあったら番外編として書かせていただこうと思っています♪
楽しんでいただけると嬉しいです♡
――ヒジリ、あなたは生まれ変わるのです。幸せにおなりなさい。
超満員の駅の階段で身体を押され、落ちそうになっていた老人の腕を引っ張り助けられてよかったと喜んだのも束の間、その勢いに押し出され、自分が階段から転げ落ち、僕は22年の生涯を終えた。
真っ白な空間で、
――あなたが来るのを心待ちにしている人がいます。彼に愛され、幸せになるのですよ。
優しい声でそう言われながら、意識を取り戻した僕はオギャー、オギャーと泣きながら、美しい女性の胸の上に乗せられていた。
ああ、僕生まれ変わったんだ。
でも前の記憶があるって不思議だ……。
「ああ、可愛い。私の娘……本当になんて可愛らしいんでしょう。ヴァージル、来て……」
僕、今度は女の子になったんだ……。
うわぁ……変な感じ。
「ノエル、お疲れさま。私の可愛い娘を見せておくれ。ああ、なんという可愛い子だろう。
其方の名は『ヒジリ』だ。ああ、私の可愛いヒジリ。これほどまでに可愛いと嫁になどいかせたくないな」
「ふふっ。ヴァージルったら。ヒジリはまだ生まれたばかりの赤ちゃんよ。気が早いわ」
「いや、だがなんとなく嫌な予感がするのだ……何か良からぬものにこの幸せを奪われるような、そんな気が……」
「嫌だわ、ヴァージルったらそんな怖いこと言わないで」
「ああ、ごめんよ。ノエル……」
両親の仲睦まじい会話の中に何やら不思議な予感を感じながら、僕は新しい人生を始めることとなった。
僕がお母さまのお腹から出てきて、3日後。
お父さまの従兄弟だという方がお祝いに来てくれた。
「ヴァージル、おめでとう。待望の姫君が生まれたと聞いて駆けつけたよ。
本当はすぐにでも駆けつけたかったのだけど、グレイグに出産後は王妃も疲れているだろうからと言われてね、今日まで待ちかねたぞ」
「ははっ。そこまで楽しみにしていてくれて嬉しいぞ。さぁ、ランハート。私の美しいヒジリ姫を見てくれ!」
お父さまに連れられてその人が僕の寝かされているベビーベッドに顔を近づけた瞬間、ふわりと甘い花の香りが漂った。
うーん、いい香り。
なんだろう、この人……とっても好きな匂いがする。
「――っ! ま、まさか……」
「んっ? どうした、ランハート。ああ、私の姫の美しさに驚いたか? ふふっ。そうだろうな」
「ヴァージルっ!!! 彼女は私の運命だ!!!」
「えっ? い、今、なんと言ったのだ?」
「だから、この子は私の運命!!! 私の妻となるものだ!!!」
「う、うそだろう……」
喜ぶランハートさまの横で、お父さまは膝から崩れ落ち大粒の涙を流していた。
ランハートさまは僕を宝物を扱うようにそっとベッドから抱き上げ、腕の中にすっぽりと抱いた。
満面の笑みで見つめる彼の顔は慈しみと愛しさに満ちていて、僕は彼の腕の中が一番心地よく思えた。
それからすぐにでも屋敷に連れ帰りたいと言い張るランハートさまと、生まれたばかりの娘と離れたくないと泣き叫ぶお父さまとの攻防があり、結局生まれたばかりの僕にはお母さまが必要だとのお医者さまの判断で、王城に急遽僕の部屋が作られ、ランハートさまもそちらで生活をすることになった。
おっぱいが必要な時だけ、お母さまの部屋にランハートさまが僕を連れて行ってくれて、僕がおっぱいを飲んでいるところを見たいと言い張ったけれど、それは流石にお父さまがダメだと許可を出さなかった。
おっぱいを飲み終えるとすぐに部屋へと連れ帰るランハートさまに、お父さまもお母さまも、そしてまだ僕と対面していないお兄さまたちも文句を言い出した。
ランハートさまはその抗議に渋々と言った様子で1日に1度だけ僕と家族とを一緒に過ごさせる時間を作ったが、お母さま以外はほぼ抱くことは禁止。
お兄さまたちに至っては遠くから眺めるだけしか許可を出さず、僕は極力ランハートさま以外の人と接触しないまま、3歳の誕生日を迎えた。
「ヴァージル、ヒジリも3歳を迎えたことだし、もうそろそろ私の家に連れて行ってもいいだろう? グレイグもヒジリが来るのを楽しみにしているんだ」
「いや、ちょっと待ってくれ。ランハート、まだヒジリは3歳だぞ。私たちとももう少し……」
「だが、私の妻となるべく教育もしたいし、あまり他の男と関わらせたくないんだ。わかるだろう?」
「他の男って、あの子たちはヒジリの兄だぞ」
「兄と言っても男に変わりはあるまい。私のヒジリはこれから先どんどん美しくなるんだ。
そんなヒジリのそばにいて何か間違いでもおこったらどうする? 責任取れるのか?」
「いや、しかし……」
「大丈夫だ、ヒジリは私が責任持って育てる。週に1度は会わせてやるから問題無いだろう」
結局ランハートさまの意見が通り、僕はその日から公爵家のお屋敷で生活をするようになった。
と言っても、お城にいる時と全然変わらない。
ランハートさまのお部屋で一緒に生活をし、着替えも食事もトイレもお風呂も全てやってくれる。
どこにいく時も全てランハートさまに抱っこしてもらって、いつでも僕の目の前にはランハートさまの顔がある。
それこそ、24時間いつでも一緒だ。
こんなに愛されるなんて、僕は本当に幸せだ。
――あなたが来るのを心待ちにしている人がいます。彼に愛され、幸せになるのですよ。
あれはランハートさまのことだったんだな。
それから7年。
僕はランハートさまに大切に大切に育てられながら、10歳の誕生日を迎えた。
お父さまもお母さまもお兄さま方もお屋敷に来てもらい、盛大な誕生日パーティーを迎えた夜……いつものようにランハートさまのベッドに入ると、ランハートさまの様子がいつもと違く思えた。
「ランハートさま、どうしたのですか?」
「ヒジリ、其方は今日10歳の誕生日を迎えたな。これから成人までの5年、やらなければいけないことがあるのだよ」
「やらなければいけないこと? なんですか? 教えてください」
「ヒジリは15歳の成人を迎えた日に私の花嫁になるだろう?
私の花嫁となるための練習をしておかないと、花嫁になれなくなってしまうのだよ。
ヒジリはそうなってもいいのかな?」
「えっ、そんなの嫌です!! 私はランハートさまの花嫁になりたいです!!」
「ならば、頑張って勉強しないとな」
「はい。私、頑張ります!!!」
僕がそういうと、ランハートさまは嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ、ヒジリ。夜着を脱いでごらん」
「今からお風呂に入るのですか?」
「ふふっ。違うよ。もっと大切なことを教えてあげるから」
「わかりました」
僕が腰紐をさっと抜き、スルリと夜着の肩を落とし脱ぐと、ランハートさまは目を輝かせながらゴクリと息を呑んだ。
「ああ、すごく綺麗だよ。ヒジリ」
「でもお風呂場以外で裸になるのは少し恥ずかしいかも」
「大丈夫。ここには私とヒジリしかいないのだから」
そう言われればそうだ。
ずっと育ててきてくれたランハートさまに見られてもちっとも嫌な気はしない。
「さぁ、そのまま横になろうか」
僕は言われた通り、夜着を全部脱いだままベッドに横たわった。
すると、ランハートさまは大きな手で僕の体を撫で始めた。
「ヒジリの胸はふっくらとして大きくなってきたのだな。柔らかくて私の手にすっぽりと入る」
「私のこの胸はランハートさまのお好みですか?」
「ああ。私の手に誂えたようにおさまるこの胸はやはり私だけのものだな」
「ふふっ。嬉しい」
その日から、ランハートさまはベッドに入るたびに僕の胸を触り時折刺激を与えていった。
1年も経つ頃にはランハートさまに触れられただけでぷっくりと乳首が立つようになり、それを見てランハートさまは目を細めて喜んでいた。
15歳の誕生日を迎える頃には、僕は挿入以外の全ての愛撫に慣らされていて、ランハートさまのそばにいるだけでキュンキュンと身体が疼くようになってしまった。
ランハートさまはそんなはしたなくなってしまった僕をただただ嬉しそうに見つめていた。
そうして15歳の誕生日。
僕たちはお父さまとお母さまに見守られながらそれはそれは盛大な結婚式を挙げ正式な夫婦となった。
その日の夜、この日まで大切にとっておいた唇へのキスから、深い交わりがはじまった。
今日までの年月、ランハートさまに開発された僕の身体は、初めての痛みなど感じることなどなく、最初から絶頂を感じることができた。
途中食事やお風呂トイレなども挟みながら1週間、僕はランハートさまに抱かれ続け、長い長い初夜が終わった。
もう1人で身体を動かすことはもちろん、声を出すこともできないほど愛された僕の身体は、ランハートさまの腕の中にすっぽりと包まれながら、僕はようやく眠りについた。
「う、うーん」
なんかすごい夢を見たな。
もし、僕が転生してたらこんな未来だったんだ……。
ランハートの深い愛情は今も変わらないけど、なんとなくお父さまたちがかわいそうな気がしたな……。
もしかしたら僕はこの未来を回避するためにあの時車に撥ねられることを無意識に選んだのかもしれないと思ってしまった。
転生か、転移かどっちが幸せだったかなんてわからないけど、でも、僕は今でよかった。
うん、今が幸せだからそれでいい。
幸せそうな表情で僕を抱きしめながら眠っているランハートの頬にそっとキスをして、僕はもう一度眠りについた。
こちらで一旦完結しますが、何かリクエストがあったら番外編として書かせていただこうと思っています♪
526
あなたにおすすめの小説
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。