異世界でイケメン騎士団長さんに優しく見守られながらケーキ屋さんやってます

波木真帆

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番外編

転生か、転移か……どっちが幸せ?

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ただのお遊びのようなお話ですが、本編を読んでいただいた皆様にお礼の気持ちを込めて……。
楽しんでいただけると嬉しいです♡





――ヒジリ、あなたは生まれ変わるのです。幸せにおなりなさい。

超満員の駅の階段で身体を押され、落ちそうになっていた老人の腕を引っ張り助けられてよかったと喜んだのも束の間、その勢いに押し出され、自分が階段から転げ落ち、僕は22年の生涯を終えた。

真っ白な空間で、

――あなたが来るのを心待ちにしている人がいます。彼に愛され、幸せになるのですよ。

優しい声でそう言われながら、意識を取り戻した僕はオギャー、オギャーと泣きながら、美しい女性の胸の上に乗せられていた。
ああ、僕生まれ変わったんだ。
でも前の記憶があるって不思議だ……。

「ああ、可愛い。私の……本当になんて可愛らしいんでしょう。ヴァージル、来て……」

僕、今度は女の子になったんだ……。
うわぁ……変な感じ。

「ノエル、お疲れさま。私の可愛い娘を見せておくれ。ああ、なんという可愛い子だろう。
其方の名は『ヒジリ』だ。ああ、私の可愛いヒジリ。これほどまでに可愛いと嫁になどいかせたくないな」

「ふふっ。ヴァージルったら。ヒジリはまだ生まれたばかりの赤ちゃんよ。気が早いわ」

「いや、だがなんとなく嫌な予感がするのだ……何か良からぬものにこの幸せを奪われるような、そんな気が……」

「嫌だわ、ヴァージルったらそんな怖いこと言わないで」

「ああ、ごめんよ。ノエル……」

両親の仲睦まじい会話の中に何やら不思議な予感を感じながら、僕は新しい人生を始めることとなった。

僕がお母さまのお腹から出てきて、3日後。

お父さまの従兄弟だという方がお祝いに来てくれた。

「ヴァージル、おめでとう。待望の姫君が生まれたと聞いて駆けつけたよ。
本当はすぐにでも駆けつけたかったのだけど、グレイグに出産後は王妃も疲れているだろうからと言われてね、今日まで待ちかねたぞ」

「ははっ。そこまで楽しみにしていてくれて嬉しいぞ。さぁ、ランハート。私の美しいヒジリ姫を見てくれ!」

お父さまに連れられてその人が僕の寝かされているベビーベッドに顔を近づけた瞬間、ふわりと甘い花の香りが漂った。

うーん、いい香り。
なんだろう、この人……とっても好きな匂いがする。

「――っ! ま、まさか……」

「んっ? どうした、ランハート。ああ、私の姫の美しさに驚いたか? ふふっ。そうだろうな」

「ヴァージルっ!!! 彼女は私の運命だ!!!」

「えっ? い、今、なんと言ったのだ?」

「だから、この子は私の運命!!! 私の妻となるものだ!!!」

「う、うそだろう……」

喜ぶランハートさまの横で、お父さまは膝から崩れ落ち大粒の涙を流していた。

ランハートさまは僕を宝物を扱うようにそっとベッドから抱き上げ、腕の中にすっぽりと抱いた。
満面の笑みで見つめる彼の顔は慈しみと愛しさに満ちていて、僕は彼の腕の中が一番心地よく思えた。

それからすぐにでも屋敷に連れ帰りたいと言い張るランハートさまと、生まれたばかりの娘と離れたくないと泣き叫ぶお父さまとの攻防があり、結局生まれたばかりの僕にはお母さまが必要だとのお医者さまの判断で、王城に急遽僕の部屋が作られ、ランハートさまもそちらで生活をすることになった。

おっぱいが必要な時だけ、お母さまの部屋にランハートさまが僕を連れて行ってくれて、僕がおっぱいを飲んでいるところを見たいと言い張ったけれど、それは流石にお父さまがダメだと許可を出さなかった。

おっぱいを飲み終えるとすぐに部屋へと連れ帰るランハートさまに、お父さまもお母さまも、そしてまだ僕と対面していないお兄さまたちも文句を言い出した。

ランハートさまはその抗議に渋々と言った様子で1日に1度だけ僕と家族とを一緒に過ごさせる時間を作ったが、お母さま以外はほぼ抱くことは禁止。
お兄さまたちに至っては遠くから眺めるだけしか許可を出さず、僕は極力ランハートさま以外の人と接触しないまま、3歳の誕生日を迎えた。

「ヴァージル、ヒジリも3歳を迎えたことだし、もうそろそろ私の家に連れて行ってもいいだろう? グレイグもヒジリが来るのを楽しみにしているんだ」

「いや、ちょっと待ってくれ。ランハート、まだヒジリは3歳だぞ。私たちとももう少し……」

「だが、私の妻となるべく教育もしたいし、あまり他の男と関わらせたくないんだ。わかるだろう?」

「他の男って、あの子たちはヒジリの兄だぞ」

「兄と言っても男に変わりはあるまい。私のヒジリはこれから先どんどん美しくなるんだ。
そんなヒジリのそばにいて何か間違いでもおこったらどうする? 責任取れるのか?」

「いや、しかし……」

「大丈夫だ、ヒジリは私が責任持って育てる。週に1度は会わせてやるから問題無いだろう」

結局ランハートさまの意見が通り、僕はその日から公爵家のお屋敷で生活をするようになった。
と言っても、お城にいる時と全然変わらない。

ランハートさまのお部屋で一緒に生活をし、着替えも食事もトイレもお風呂も全てやってくれる。
どこにいく時も全てランハートさまに抱っこしてもらって、いつでも僕の目の前にはランハートさまの顔がある。
それこそ、24時間いつでも一緒だ。

こんなに愛されるなんて、僕は本当に幸せだ。

――あなたが来るのを心待ちにしている人がいます。彼に愛され、幸せになるのですよ。

あれはランハートさまのことだったんだな。


それから7年。
僕はランハートさまに大切に大切に育てられながら、10歳の誕生日を迎えた。
お父さまもお母さまもお兄さま方もお屋敷に来てもらい、盛大な誕生日パーティーを迎えた夜……いつものようにランハートさまのベッドに入ると、ランハートさまの様子がいつもと違く思えた。

「ランハートさま、どうしたのですか?」

「ヒジリ、其方は今日10歳の誕生日を迎えたな。これから成人までの5年、やらなければいけないことがあるのだよ」

「やらなければいけないこと? なんですか? 教えてください」

「ヒジリは15歳の成人を迎えた日に私の花嫁になるだろう? 
私の花嫁となるための練習をしておかないと、花嫁になれなくなってしまうのだよ。
ヒジリはそうなってもいいのかな?」

「えっ、そんなの嫌です!! 私はランハートさまの花嫁になりたいです!!」

「ならば、頑張って勉強しないとな」

「はい。私、頑張ります!!!」

僕がそういうと、ランハートさまは嬉しそうに微笑んだ。

「じゃあ、ヒジリ。夜着を脱いでごらん」

「今からお風呂に入るのですか?」

「ふふっ。違うよ。もっと大切なことを教えてあげるから」

「わかりました」

僕が腰紐をさっと抜き、スルリと夜着の肩を落とし脱ぐと、ランハートさまは目を輝かせながらゴクリと息を呑んだ。

「ああ、すごく綺麗だよ。ヒジリ」

「でもお風呂場以外で裸になるのは少し恥ずかしいかも」

「大丈夫。ここには私とヒジリしかいないのだから」

そう言われればそうだ。
ずっと育ててきてくれたランハートさまに見られてもちっとも嫌な気はしない。

「さぁ、そのまま横になろうか」

僕は言われた通り、夜着を全部脱いだままベッドに横たわった。

すると、ランハートさまは大きな手で僕の体を撫で始めた。

「ヒジリの胸はふっくらとして大きくなってきたのだな。柔らかくて私の手にすっぽりと入る」

「私のこの胸はランハートさまのお好みですか?」

「ああ。私の手に誂えたようにおさまるこの胸はやはり私だけのものだな」

「ふふっ。嬉しい」

その日から、ランハートさまはベッドに入るたびに僕の胸を触り時折刺激を与えていった。
1年も経つ頃にはランハートさまに触れられただけでぷっくりと乳首が立つようになり、それを見てランハートさまは目を細めて喜んでいた。

15歳の誕生日を迎える頃には、僕は挿入以外の全ての愛撫に慣らされていて、ランハートさまのそばにいるだけでキュンキュンと身体が疼くようになってしまった。

ランハートさまはそんなはしたなくなってしまった僕をただただ嬉しそうに見つめていた。

そうして15歳の誕生日。
僕たちはお父さまとお母さまに見守られながらそれはそれは盛大な結婚式を挙げ正式な夫婦となった。

その日の夜、この日まで大切にとっておいた唇へのキスから、深い交わりがはじまった。
今日までの年月、ランハートさまに開発された僕の身体は、初めての痛みなど感じることなどなく、最初から絶頂を感じることができた。

途中食事やお風呂トイレなども挟みながら1週間、僕はランハートさまに抱かれ続け、長い長い初夜が終わった。

もう1人で身体を動かすことはもちろん、声を出すこともできないほど愛された僕の身体は、ランハートさまの腕の中にすっぽりと包まれながら、僕はようやく眠りについた。




「う、うーん」

なんかすごい夢を見たな。
もし、僕が転生してたらこんな未来だったんだ……。

ランハートの深い愛情は今も変わらないけど、なんとなくお父さまたちがかわいそうな気がしたな……。
もしかしたら僕はこの未来を回避するためにあの時車に撥ねられることを無意識に選んだのかもしれないと思ってしまった。

転生か、転移かどっちが幸せだったかなんてわからないけど、でも、僕は今でよかった。
うん、今が幸せだからそれでいい。

幸せそうな表情で僕を抱きしめながら眠っているランハートの頬にそっとキスをして、僕はもう一度眠りについた。





こちらで一旦完結しますが、何かリクエストがあったら番外編として書かせていただこうと思っています♪
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