32 / 42
番外編
素晴らしいご夫夫 グレイグside
第二子妊娠を知らされたグレイグのその後の小話。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<sideグレイグ>
まさか、お二人目を授かろうとは……。なんという幸せなことだろう。
テオさまをご懐妊になられたのは神のお力だったが、当然最初で最後の特別なものだと思っていた。それがまさかお二人目とは……。
ヒジリさまはよほど神に愛されていらっしゃるのだろう。そんなヒジリさまが無事にご出産なさるまで、私はしっかりとお守りしよう。
そう決意を新たにしたところで、ヒジリさまがいらっしゃる寝室のベルが鳴った。どうやらお目覚めになられたようだ。
昨夜は身重のお身体だというのに旦那さまと激しい夜をお過ごしのようであったが、お薬はお身体に障る。
とりあえず、癒し効果のあるハーブティーを淹れて急いでヒジリさまの元に向かった。
「ヒジリさま。グレイグにございます」
「どうぞ」
寝室の扉を中が見えない程度にほんの少しだけ開け、ヒジリさまにお声がけするとお優しい声が聞こえてきた。
「あ、いい香り」
「はい。心を落ち着かせるハーブティーをお持ちしました。人肌にしておりますので、ご安心ください」
「ありがとう。あ、グレイグさん。少し手伝ってもらっていい?」
「はい。ただいま」
ハーブティーを乗せたトレイを一旦ベッド脇のテーブルに置きヒジリさまが身体をお起こしになるのをそっと手伝った。
背中に柔らかなクッションを当てがい。ヒジリさまの前にテーブルを置いてハーブティーを置くと、
「本当にいい香り」
と嬉しそうに笑ってくださる。
「んっ、美味しい。やっぱりグレイグさんのハーブティーは最高だね」
「そのようなお言葉を賜り、嬉しゅうございます」
「あのね、ランハートから聞いた? 赤ちゃんのこと……」
「はい。嬉しいお知らせに幸せを感じておりました。ヒジリさまはどうかご無理をなさいませんように」
「うん。ありがとう。あ、グレイグさんのハーブティー、お腹の赤ちゃんも好きみたい。ちょっと気分が悪かったけど、すごくスッキリしたみたい」
「おおっ、それはようございました。そのハーブティーには昔から悪阻を軽減する効果がございますよ」
「そうなんだ。じゃあ、これから毎日飲ませてもらえる?」
「はい。喜んでお持ちいたしますよ」
私の淹れたハーブティーをおいしそうに飲んでくださるヒジリさま、そして、お腹の御子さまがそれを喜んでくださっていると思うとただただ幸せでしかない。
「グレイグさん、僕が妊娠したって聞いてびっくりしたでしょう?」
「はい。それはもう! テオさまがお生まれになったのも奇跡だと思っておりましたので」
「この子が僕のお腹に来てくれたのは、テオとランハートのおかげなんだよ」
「えっ? テオさまと、旦那さまの?」
「うん。テオが夜寝る前に弟か妹が欲しいなって言ってたんだけど、その日の夜にまた僕、神さまのところに行ったんだ。そうしたらね、<ヒジリとテオを心から愛するランハートならもう一人授けても幸せにしてくれることでしょう>って言って、僕のお腹に赤ちゃんを宿してくれたんだよ」
「そうでございましたか……」
「テオの望みを叶えてあげられたのもランハートのおかげ。だから、昨夜は当分無理になると思って、僕からランハートに激しく愛して欲しいって頼んだんだ。ランハートにはお腹に赤ちゃんがいるのは内緒にしてたから僕の願いを叶えてくれたの。だから、ランハートは悪くないんだよ。今日はちょっと疲れちゃったけど、それは妊娠しているからで、ランハートのせいじゃないから怒らないであげて欲しいなって」
「ヒジリさま……」
それを仰りたくて私をここに……。ああ、本当にヒジリさまは旦那さまを愛していらしゃるのだ。
「承知しました。ヒジリさまのおっしゃるようにいたします」
「――っ、ありがとう! グレイグさん!」
「旦那さまとテオさまがおかえりになるまでもうしばらくお休みください」
「うん、ありがとう。ハーブティー、すごく美味しかった」
「ありがとうございます」
安心なさったヒジリさまをベッドに横にならせて、私は部屋を出た。
旦那さまがおかえりになったら、今のヒジリさまのお言葉をお伝えして謝ろう。ああ、本当にお二人は素晴らしいご夫夫だな。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<sideグレイグ>
まさか、お二人目を授かろうとは……。なんという幸せなことだろう。
テオさまをご懐妊になられたのは神のお力だったが、当然最初で最後の特別なものだと思っていた。それがまさかお二人目とは……。
ヒジリさまはよほど神に愛されていらっしゃるのだろう。そんなヒジリさまが無事にご出産なさるまで、私はしっかりとお守りしよう。
そう決意を新たにしたところで、ヒジリさまがいらっしゃる寝室のベルが鳴った。どうやらお目覚めになられたようだ。
昨夜は身重のお身体だというのに旦那さまと激しい夜をお過ごしのようであったが、お薬はお身体に障る。
とりあえず、癒し効果のあるハーブティーを淹れて急いでヒジリさまの元に向かった。
「ヒジリさま。グレイグにございます」
「どうぞ」
寝室の扉を中が見えない程度にほんの少しだけ開け、ヒジリさまにお声がけするとお優しい声が聞こえてきた。
「あ、いい香り」
「はい。心を落ち着かせるハーブティーをお持ちしました。人肌にしておりますので、ご安心ください」
「ありがとう。あ、グレイグさん。少し手伝ってもらっていい?」
「はい。ただいま」
ハーブティーを乗せたトレイを一旦ベッド脇のテーブルに置きヒジリさまが身体をお起こしになるのをそっと手伝った。
背中に柔らかなクッションを当てがい。ヒジリさまの前にテーブルを置いてハーブティーを置くと、
「本当にいい香り」
と嬉しそうに笑ってくださる。
「んっ、美味しい。やっぱりグレイグさんのハーブティーは最高だね」
「そのようなお言葉を賜り、嬉しゅうございます」
「あのね、ランハートから聞いた? 赤ちゃんのこと……」
「はい。嬉しいお知らせに幸せを感じておりました。ヒジリさまはどうかご無理をなさいませんように」
「うん。ありがとう。あ、グレイグさんのハーブティー、お腹の赤ちゃんも好きみたい。ちょっと気分が悪かったけど、すごくスッキリしたみたい」
「おおっ、それはようございました。そのハーブティーには昔から悪阻を軽減する効果がございますよ」
「そうなんだ。じゃあ、これから毎日飲ませてもらえる?」
「はい。喜んでお持ちいたしますよ」
私の淹れたハーブティーをおいしそうに飲んでくださるヒジリさま、そして、お腹の御子さまがそれを喜んでくださっていると思うとただただ幸せでしかない。
「グレイグさん、僕が妊娠したって聞いてびっくりしたでしょう?」
「はい。それはもう! テオさまがお生まれになったのも奇跡だと思っておりましたので」
「この子が僕のお腹に来てくれたのは、テオとランハートのおかげなんだよ」
「えっ? テオさまと、旦那さまの?」
「うん。テオが夜寝る前に弟か妹が欲しいなって言ってたんだけど、その日の夜にまた僕、神さまのところに行ったんだ。そうしたらね、<ヒジリとテオを心から愛するランハートならもう一人授けても幸せにしてくれることでしょう>って言って、僕のお腹に赤ちゃんを宿してくれたんだよ」
「そうでございましたか……」
「テオの望みを叶えてあげられたのもランハートのおかげ。だから、昨夜は当分無理になると思って、僕からランハートに激しく愛して欲しいって頼んだんだ。ランハートにはお腹に赤ちゃんがいるのは内緒にしてたから僕の願いを叶えてくれたの。だから、ランハートは悪くないんだよ。今日はちょっと疲れちゃったけど、それは妊娠しているからで、ランハートのせいじゃないから怒らないであげて欲しいなって」
「ヒジリさま……」
それを仰りたくて私をここに……。ああ、本当にヒジリさまは旦那さまを愛していらしゃるのだ。
「承知しました。ヒジリさまのおっしゃるようにいたします」
「――っ、ありがとう! グレイグさん!」
「旦那さまとテオさまがおかえりになるまでもうしばらくお休みください」
「うん、ありがとう。ハーブティー、すごく美味しかった」
「ありがとうございます」
安心なさったヒジリさまをベッドに横にならせて、私は部屋を出た。
旦那さまがおかえりになったら、今のヒジリさまのお言葉をお伝えして謝ろう。ああ、本当にお二人は素晴らしいご夫夫だな。
あなたにおすすめの小説
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
炊き出しをしていただけなのに、大公閣下に溺愛されています
ぽんちゃん
BL
希望したのは、医療班だった。
それなのに、配属されたのはなぜか“炊事班”。
「役立たずの掃き溜め」と呼ばれるその場所で、僕は黙々と鍋をかき混ぜる。
誰にも褒められなくても、誰かが「おいしい」と笑ってくれるなら、それだけでいいと思っていた。
……けれど、婚約者に裏切られていた。
軍から逃げ出した先で、炊き出しをすることに。
そんな僕を追いかけてきたのは、王国軍の最高司令官――
“雲の上の存在”カイゼル・ルクスフォルト大公閣下だった。
「君の料理が、兵の士気を支えていた」
「君を愛している」
まさか、ただの炊事兵だった僕に、こんな言葉を向けてくるなんて……!?
さらに、裏切ったはずの元婚約者まで現れて――!?