ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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女神のように美しい

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<side卓>

絢斗が嬉しそうに直くんを衣装部屋に連れて行き、私と昇は二人の支度が終わるのを待っていたが突然絢斗たちに呼ばれ衣装部屋に向かうと、私と昇に絢斗と直くんの衣装を選んで欲しいという嬉しい頼みに喜んで了承した。

絢斗は最初から着物にしようかと言っていたが、直くんはどうやらドレスにすることにしたようだ。

昇が直くんのドレスに何を選ぶのかも興味はあるが、それ以上に絢斗にどんな着物を着せるか、それが楽しみでたまらない。
二人で着物の衣装部屋に入ると、目につく場所にファイルが置かれていて、

<こちらの画像をお着物選びの参考になさってください。上に振られた番号の場所に着物が収納されています>

と簡潔かつわかりやすく説明書きが添えてあった。
それでも絢斗には大変だっただろうから、私を呼んでくれて正解だったかもしれない。

「卓さん、どれにする?」

「そうだな。どれも絢斗には似合いそうだが……」

頭の中で絢斗が着ている想像をしながら、ファイルをめくっていると絢斗のイメージにピッタリな着物が出てきた。

「ああ、これはいいな。絢斗、どうだ?」

「わぁ! いいね、とっても綺麗!」

私が選んだものを絢斗も気に入ってくれたようだ。

「じゃあ、実際の色を見てみようか」

私はその画像に振られた番号が書かれた収納棚からたとう紙に包まれた着物を取り出した。

中を開いてみると、その鮮やかな柄と淡く美しい色に惚れ惚れする。

「いいな、これは」

「うん! 私もすごく気に入った」

「じゃあ、これにしようか」

その着物に合わせて帯と小物類もまとめて準備されていたからそれも用意して、絢斗に着物用の下着を着せようかと思っていると、扉の向こうから、ドレスを決めたという昇の声が聞こえた。

私は部屋の奥で絢斗に着物用の下着を着るように言ってから、襖を開け、私たちも絢斗の着物を決めたことを伝えた。

絢斗が下着と長襦袢を着終わったのを確認して、残りの着付けを頼んで部屋を出た。流石に絢斗の肌を着付けの人には見せたくないからな。

昇と先ほどの待機部屋に戻ってから、

「直くんにどんなドレスを選んだんだ?」

と尋ねると、

「直くんの可愛さを引き出してくれるドレスだよ」

と返してきた。

どうやら直くんがこちらに見せに来てくれるまで秘密にするようだ。まぁそれも楽しみでいいだろう。

「昇、今日は直くんと絢斗の写真と動画を撮るのがお前の役目だからな。見惚れすぎて写真や動画を撮るのを忘れたりしないようにな。お前の写真と動画を賢将さんとお前のじいさんも見るんだから責任重大だぞ!」

「えっ! それは、頑張るけど……直くんが可愛すぎたら咄嗟に忘れるかもしれないよ」

「ははっ。正直だな」

「だって仕方がないよ。可愛すぎる直くんを目の前にどうなるかなんて今から想像つかないし」

「確かにそうだな。だが、せっかくの思い出だ。あとで直くんとも思い出を見返したりしたいだろう?」

「それはそうだね……なんとか頑張るよ」

「ああ、頼むよ。私も絢斗と直くんの写真は撮るようにしておくから」

「うん! 伯父さんの写真と動画も楽しみにしてる!!」

まぁ、私たちだけでなく、征哉くんや他の人たちからも写真や映像は手に入るだろう。それも共有できるように話をしておくか。みんな自分の相手がメインだろうが、可愛い伴侶や恋人たちが戯れる姿はなんとも微笑ましいものだからな。

私と志良堂、それに伊織くんも、絢斗と鳴宮くん、それに悠真くんが戯れる姿を見るのは、一人だけの時とはまた違った幸せに包まれる。それをわかっているから、今日も絢斗と直くんが可愛い子猫たちと戯れる姿は記録に残しておくとしようか。

「ああ、直くんの支度、まだかな。待ちきれないよ」

「昇、少しは落ち着いて座って待っていろ」

「だってドレス姿だよ! 制服であんなに可愛かったのに、ドレスって……っ。俺、鼻血出すかも」

「お前、そこだけは気をつけろよ。直くんに心配かけさせるようなら今日の泊まりはお前だけ別の部屋にしてもらうぞ」

「えっ、それは勘弁してよ。伯父さん!」

昇の本気で焦った表情についつい笑ってしまう。ちょうどその時、部屋の外から

「お連れさまのお支度が整いました」

と声が聞こえて、私と昇は争うように襖を開け二人を出迎えた。

「卓さん、どう?」

「――っ!! 絢斗っ!!」

少し藤色を帯びた淡い青色の訪問着姿がこの上なく似合っている。ああ、本当に女神のように美しい。

「とてもよく似合ってるよ」

「卓さんが選んでくれたからよかった。ねぇ、直くんのドレスも見て。似合ってるよ」

絢斗の声に視線を向けると昇が直くんを見て放心しているのが見える。
そんな昇の様子に困惑している直くんが見えて、私は思わずはぁーっとため息を吐きながら、昇の背中を少し強めに叩いた。
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