183 / 682
女神のように美しい
しおりを挟む
<side卓>
絢斗が嬉しそうに直くんを衣装部屋に連れて行き、私と昇は二人の支度が終わるのを待っていたが突然絢斗たちに呼ばれ衣装部屋に向かうと、私と昇に絢斗と直くんの衣装を選んで欲しいという嬉しい頼みに喜んで了承した。
絢斗は最初から着物にしようかと言っていたが、直くんはどうやらドレスにすることにしたようだ。
昇が直くんのドレスに何を選ぶのかも興味はあるが、それ以上に絢斗にどんな着物を着せるか、それが楽しみでたまらない。
二人で着物の衣装部屋に入ると、目につく場所にファイルが置かれていて、
<こちらの画像をお着物選びの参考になさってください。上に振られた番号の場所に着物が収納されています>
と簡潔かつわかりやすく説明書きが添えてあった。
それでも絢斗には大変だっただろうから、私を呼んでくれて正解だったかもしれない。
「卓さん、どれにする?」
「そうだな。どれも絢斗には似合いそうだが……」
頭の中で絢斗が着ている想像をしながら、ファイルをめくっていると絢斗のイメージにピッタリな着物が出てきた。
「ああ、これはいいな。絢斗、どうだ?」
「わぁ! いいね、とっても綺麗!」
私が選んだものを絢斗も気に入ってくれたようだ。
「じゃあ、実際の色を見てみようか」
私はその画像に振られた番号が書かれた収納棚からたとう紙に包まれた着物を取り出した。
中を開いてみると、その鮮やかな柄と淡く美しい色に惚れ惚れする。
「いいな、これは」
「うん! 私もすごく気に入った」
「じゃあ、これにしようか」
その着物に合わせて帯と小物類もまとめて準備されていたからそれも用意して、絢斗に着物用の下着を着せようかと思っていると、扉の向こうから、ドレスを決めたという昇の声が聞こえた。
私は部屋の奥で絢斗に着物用の下着を着るように言ってから、襖を開け、私たちも絢斗の着物を決めたことを伝えた。
絢斗が下着と長襦袢を着終わったのを確認して、残りの着付けを頼んで部屋を出た。流石に絢斗の肌を着付けの人には見せたくないからな。
昇と先ほどの待機部屋に戻ってから、
「直くんにどんなドレスを選んだんだ?」
と尋ねると、
「直くんの可愛さを引き出してくれるドレスだよ」
と返してきた。
どうやら直くんがこちらに見せに来てくれるまで秘密にするようだ。まぁそれも楽しみでいいだろう。
「昇、今日は直くんと絢斗の写真と動画を撮るのがお前の役目だからな。見惚れすぎて写真や動画を撮るのを忘れたりしないようにな。お前の写真と動画を賢将さんとお前のじいさんも見るんだから責任重大だぞ!」
「えっ! それは、頑張るけど……直くんが可愛すぎたら咄嗟に忘れるかもしれないよ」
「ははっ。正直だな」
「だって仕方がないよ。可愛すぎる直くんを目の前にどうなるかなんて今から想像つかないし」
「確かにそうだな。だが、せっかくの思い出だ。あとで直くんとも思い出を見返したりしたいだろう?」
「それはそうだね……なんとか頑張るよ」
「ああ、頼むよ。私も絢斗と直くんの写真は撮るようにしておくから」
「うん! 伯父さんの写真と動画も楽しみにしてる!!」
まぁ、私たちだけでなく、征哉くんや他の人たちからも写真や映像は手に入るだろう。それも共有できるように話をしておくか。みんな自分の相手がメインだろうが、可愛い伴侶や恋人たちが戯れる姿はなんとも微笑ましいものだからな。
私と志良堂、それに伊織くんも、絢斗と鳴宮くん、それに悠真くんが戯れる姿を見るのは、一人だけの時とはまた違った幸せに包まれる。それをわかっているから、今日も絢斗と直くんが可愛い子猫たちと戯れる姿は記録に残しておくとしようか。
「ああ、直くんの支度、まだかな。待ちきれないよ」
「昇、少しは落ち着いて座って待っていろ」
「だってドレス姿だよ! 制服であんなに可愛かったのに、ドレスって……っ。俺、鼻血出すかも」
「お前、そこだけは気をつけろよ。直くんに心配かけさせるようなら今日の泊まりはお前だけ別の部屋にしてもらうぞ」
「えっ、それは勘弁してよ。伯父さん!」
昇の本気で焦った表情についつい笑ってしまう。ちょうどその時、部屋の外から
「お連れさまのお支度が整いました」
と声が聞こえて、私と昇は争うように襖を開け二人を出迎えた。
「卓さん、どう?」
「――っ!! 絢斗っ!!」
少し藤色を帯びた淡い青色の訪問着姿がこの上なく似合っている。ああ、本当に女神のように美しい。
「とてもよく似合ってるよ」
「卓さんが選んでくれたからよかった。ねぇ、直くんのドレスも見て。似合ってるよ」
絢斗の声に視線を向けると昇が直くんを見て放心しているのが見える。
そんな昇の様子に困惑している直くんが見えて、私は思わずはぁーっとため息を吐きながら、昇の背中を少し強めに叩いた。
絢斗が嬉しそうに直くんを衣装部屋に連れて行き、私と昇は二人の支度が終わるのを待っていたが突然絢斗たちに呼ばれ衣装部屋に向かうと、私と昇に絢斗と直くんの衣装を選んで欲しいという嬉しい頼みに喜んで了承した。
絢斗は最初から着物にしようかと言っていたが、直くんはどうやらドレスにすることにしたようだ。
昇が直くんのドレスに何を選ぶのかも興味はあるが、それ以上に絢斗にどんな着物を着せるか、それが楽しみでたまらない。
二人で着物の衣装部屋に入ると、目につく場所にファイルが置かれていて、
<こちらの画像をお着物選びの参考になさってください。上に振られた番号の場所に着物が収納されています>
と簡潔かつわかりやすく説明書きが添えてあった。
それでも絢斗には大変だっただろうから、私を呼んでくれて正解だったかもしれない。
「卓さん、どれにする?」
「そうだな。どれも絢斗には似合いそうだが……」
頭の中で絢斗が着ている想像をしながら、ファイルをめくっていると絢斗のイメージにピッタリな着物が出てきた。
「ああ、これはいいな。絢斗、どうだ?」
「わぁ! いいね、とっても綺麗!」
私が選んだものを絢斗も気に入ってくれたようだ。
「じゃあ、実際の色を見てみようか」
私はその画像に振られた番号が書かれた収納棚からたとう紙に包まれた着物を取り出した。
中を開いてみると、その鮮やかな柄と淡く美しい色に惚れ惚れする。
「いいな、これは」
「うん! 私もすごく気に入った」
「じゃあ、これにしようか」
その着物に合わせて帯と小物類もまとめて準備されていたからそれも用意して、絢斗に着物用の下着を着せようかと思っていると、扉の向こうから、ドレスを決めたという昇の声が聞こえた。
私は部屋の奥で絢斗に着物用の下着を着るように言ってから、襖を開け、私たちも絢斗の着物を決めたことを伝えた。
絢斗が下着と長襦袢を着終わったのを確認して、残りの着付けを頼んで部屋を出た。流石に絢斗の肌を着付けの人には見せたくないからな。
昇と先ほどの待機部屋に戻ってから、
「直くんにどんなドレスを選んだんだ?」
と尋ねると、
「直くんの可愛さを引き出してくれるドレスだよ」
と返してきた。
どうやら直くんがこちらに見せに来てくれるまで秘密にするようだ。まぁそれも楽しみでいいだろう。
「昇、今日は直くんと絢斗の写真と動画を撮るのがお前の役目だからな。見惚れすぎて写真や動画を撮るのを忘れたりしないようにな。お前の写真と動画を賢将さんとお前のじいさんも見るんだから責任重大だぞ!」
「えっ! それは、頑張るけど……直くんが可愛すぎたら咄嗟に忘れるかもしれないよ」
「ははっ。正直だな」
「だって仕方がないよ。可愛すぎる直くんを目の前にどうなるかなんて今から想像つかないし」
「確かにそうだな。だが、せっかくの思い出だ。あとで直くんとも思い出を見返したりしたいだろう?」
「それはそうだね……なんとか頑張るよ」
「ああ、頼むよ。私も絢斗と直くんの写真は撮るようにしておくから」
「うん! 伯父さんの写真と動画も楽しみにしてる!!」
まぁ、私たちだけでなく、征哉くんや他の人たちからも写真や映像は手に入るだろう。それも共有できるように話をしておくか。みんな自分の相手がメインだろうが、可愛い伴侶や恋人たちが戯れる姿はなんとも微笑ましいものだからな。
私と志良堂、それに伊織くんも、絢斗と鳴宮くん、それに悠真くんが戯れる姿を見るのは、一人だけの時とはまた違った幸せに包まれる。それをわかっているから、今日も絢斗と直くんが可愛い子猫たちと戯れる姿は記録に残しておくとしようか。
「ああ、直くんの支度、まだかな。待ちきれないよ」
「昇、少しは落ち着いて座って待っていろ」
「だってドレス姿だよ! 制服であんなに可愛かったのに、ドレスって……っ。俺、鼻血出すかも」
「お前、そこだけは気をつけろよ。直くんに心配かけさせるようなら今日の泊まりはお前だけ別の部屋にしてもらうぞ」
「えっ、それは勘弁してよ。伯父さん!」
昇の本気で焦った表情についつい笑ってしまう。ちょうどその時、部屋の外から
「お連れさまのお支度が整いました」
と声が聞こえて、私と昇は争うように襖を開け二人を出迎えた。
「卓さん、どう?」
「――っ!! 絢斗っ!!」
少し藤色を帯びた淡い青色の訪問着姿がこの上なく似合っている。ああ、本当に女神のように美しい。
「とてもよく似合ってるよ」
「卓さんが選んでくれたからよかった。ねぇ、直くんのドレスも見て。似合ってるよ」
絢斗の声に視線を向けると昇が直くんを見て放心しているのが見える。
そんな昇の様子に困惑している直くんが見えて、私は思わずはぁーっとため息を吐きながら、昇の背中を少し強めに叩いた。
1,718
あなたにおすすめの小説
夜が明けなければいいのに(洋風)
万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。
しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。
そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。
長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。
「名誉ある生贄」。
それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。
部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。
黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。
本当は、別れが怖くてたまらない。
けれど、その弱さを見せることができない。
「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」
心にもない言葉を吐き捨てる。
カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。
だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。
「……おめでとうございます、殿下」
恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。
その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。
――おめでとうなんて、言わないでほしかった。
――本当は、行きたくなんてないのに。
和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。
お楽しみいただければ幸いです。
完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件
音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。
『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』
『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』
公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。
もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。
屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは……
*表紙絵自作
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
俺の居場所を探して
夜野
BL
小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。
そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。
そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、
このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。
シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。
遅筆なので不定期に投稿します。
初投稿です。
【本編完結】婚約者を守ろうとしたら寧ろ盾にされました。腹が立ったので記憶を失ったふりをして婚約解消を目指します。
しろねこ。
恋愛
「君との婚約を解消したい」
その言葉を聞いてエカテリーナはニコリと微笑む。
「了承しました」
ようやくこの日が来たと内心で神に感謝をする。
(わたくしを盾にし、更に記憶喪失となったのに手助けもせず、他の女性に擦り寄った婚約者なんていらないもの)
そんな者との婚約が破談となって本当に良かった。
(それに欲しいものは手に入れたわ)
壁際で沈痛な面持ちでこちらを見る人物を見て、頬が赤くなる。
(愛してくれない者よりも、自分を愛してくれる人の方がいいじゃない?)
エカテリーナはあっさりと自分を捨てた男に向けて頭を下げる。
「今までありがとうございました。殿下もお幸せに」
類まれなる美貌と十分な地位、そして魔法の珍しいこの世界で魔法を使えるエカテリーナ。
だからこそ、ここバークレイ国で第二王子の婚約者に選ばれたのだが……それも今日で終わりだ。
今後は自分の力で頑張ってもらおう。
ハピエン、自己満足、ご都合主義なお話です。
ちゃっかりとシリーズ化というか、他作品と繋がっています。
カクヨムさん、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさんでも連載中(*´ω`*)
表紙絵は猫絵師さんより(。・ω・。)ノ♡
僕を惑わせるのは素直な君
秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。
なんの不自由もない。
5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が
全てやって居た。
そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。
「俺、再婚しようと思うんだけど……」
この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。
だが、好きになってしまったになら仕方がない。
反対する事なく母親になる人と会う事に……。
そこには兄になる青年がついていて…。
いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。
だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。
自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて
いってしまうが……。
それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。
何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる