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家族になりました。
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「リーリエ様、祈りの時間です」
「祈りの時間です」
「さあ、今日も祈りましょう」
「リーリエ様、祈りましょう」
「リーリエ様の祈りに、この国は支えられているのです」
「素晴らしいリーリエ様、どうか祈ってください」
「祈ってください」
「リーリエ様が神の光を得るごとに、この国は富むのです」
「祈りの時間です」
「そんなことをする必要はないのです。リーリエ様は、祈っておられれば」
「祈るのが仕事なのです」
「祈ってください」
「雑事は我々にお任せください」
「リーリエ様は祈っていればいいのです」
「祈りの他に何も必要ありません」
「リーリエ様、どうか」
「我々のために祈ってください」
「……っ!」
リーリエは飛び起きた。
そのまま逃げるように祈りの姿勢を取ろうとして、動きを止めた。
暗く狭い部屋、窓からの月明かりで鉄格子がきらりと光っている。静けさが耳にキンと響き、ここには誰もいないのだった。
「は……」
毛布を手放す気にならず、ぎゅっと握ったまま、ずるずると水差しのところまで行った。牢番の兵士達はあいかわらず優しく、いつ飲んでもいい水をくれる。
嬉しい。
教会では好きな時に水も飲めなかった。
「ん、ぅん……」
美味しい。
喉が潤され、ほっとする。汗をかいた体にはりつく毛布をゆっくり剥がし、リーリエはしばらくぼんやりした。
(嫌な夢)
まだ胸がどきどきしている。
(ついこないだまで、そうだったのに)
毎日、毎日、侍女と司祭はひたすらリーリエに祈れと言った。それ以外のことをさせなかった。
リーリエはそれに不満を持ちながらも、毎日ただひたすらに祈り続けた。それは苦痛であっても、リーリエの日常だったのだ。
(でも今は、怖い……)
教会になど戻りたくない。
あそこに戻ればリーリエは、また祈り続ける生活をするのだ。こうして自由を知ってしまったからこそ、とても耐えられない。
(嫌だ)
リーリエは自らを抱いて震えた。
『私があの悪い教会を、やっつけてしまいます』
「マイラ様……」
それはすがりつきたくなる言葉だった。
(マイラ様が、教会をなくしてくれたら)
少なくともリーリエは、教会に戻らなくてすむのだ。
(でも)
リーリエは震えた。
マイラの視線を思い出す。
(素晴らしい方だわ。そのはず……きっと、気のせい)
だがどうしても、マイラのあの目は、教会の侍女や司祭を思い出してしまうのだ。
リーリエを見ていながら、リーリエを見ていない目だ。
(マイラ様は私を救ってくれる)
祈らせるためだけにリーリエを褒め称え、優しく脅してきた人々と同じはずがない。
(マイラ様は、違う)
けれど、やはり嫌な感じがしてならない。
「まあリーリエ様、よく眠れていないのですか?」
陽が上がり、やってきたユーファミアが、リーリエの顔を見るなりそう言った。
「えっ。……はい、少し」
気づいてくれたことにリーリエは驚き、嬉しく思った。ユーファミアはいつもリーリエに優しくしてくれる。
「やはり寝心地が悪いのかしら。もう少し厚めの毛布を用意させましょう。そのくらいなら、あのバ……殿下は気づかないでしょうから。よいしょっと」
ユーファミアがゆっくり腰を下ろすと、侍女がサッと肘置きを用意し、テーブルを用意し、その上にきらびやかなティーセットを並べた。
魔法のようにテキパキとした動きだ。
「ありがとう」
ユーファミアは満足そうに侍女に礼を言う。侍女は当然の顔をして頷き、ユーファミアの後ろに下がった。
「リーリエ様、今日はプリンを用意しましたの」
「ぷりん?」
「ええ、これは卵料理なのですが、完全に卵とは別物に進化した……あ、早めにいただきましょう。冷やしておりますから」
「はい! ……!?」
スプーンでぷるんと口にしたプリンは、最初はただ心地よい冷たさを感じた。
それから舌に甘み。意味のわからない滑らかさ。意味がわからなすぎる溶けるけれど、溶けていないこの食感。
「お……おいしいっ……? おいしい、おいしいです!」
意味がわからないが、つるつる進んだ。
「そうでしょう! 食べやすくて、山のように食べたくなってしまうでしょう」
「はひっ、飲めそうで、飲めなくて……甘くて冷たくて」
結論としておいしい。
どうしてそうなるのかわからないがおいしい。
はむはむとプリンを食べ、温かい茶を飲み、息をついてふと、リーリエはユーファミアに聞いた。
「どうしてユーファミア様は、私に良くしてくれるのですか?」
これもなにか見返りの必要なことなのだろうか。ユーファミアも、自分に祈って欲しいのだろうか。
そんな恐れを感じて聞くと、ユーファミアは大きな体を揺らしてころころと笑った。
「当然のことですわ。リーリエ様、わたくしには家族がいません。覚えてもおりません」
「あっ……私も、です……」
教会に来たばかりの頃は覚えていた。家族を恋しく思って泣いていたのだ。
けれど今となっては、もう顔も声も思い出すことができない。
「ええ、きっとそうだと思っておりました。リーリエ様はわたくしの後を継いでくださいました。わたくしと同じような経験をなさっているでしょう。だから、わたくしはリーリエ様を家族のように思うのです」
「家族……」
リーリエは胸が震えるのを感じた。
家族。
その姿をすっかり忘れてしまっても、恋しいものだという感覚がある。幸せな、暖かいものだという記憶がある。
「……お嫌かしら?」
「いいえ、ユーファミア様! とても、とても嬉しいです」
じたばたと、何かしたいような衝動にかられた。腕が行き場を探している。
「ああ、良かった! ……よければわたくしのことは、ユーファミアおばさんとお呼びになって」
「おばさま! では私のことは……どうか、リーリエとお呼びください」
「ええ、リーリエ!」
鉄格子越しでも手は届く。リーリエの手は、半端ながらしっかりユーファミアの体に回った。
「ふふっ、やっぱりおばさまは柔らかいわ」
「リーリエは少し痩せすぎね。もっと太らなきゃ」
「ええ、たくさん美味しいものが食べたいわ」
「そうね、色々持って来ましょう。……ああでも、わたくしほど食べてはだめよ」
「食べすぎたら教えてくださいませ」
「もちろん! ……何を食べてもらおうかしら。今から楽しみでいけないわ」
「私もです!」
ふたりは笑い合う。
触れ合いが温かく、リーリエは少し眠くなった。その夜はぐっすりと眠って、あまりにぐっすり眠ったので、起きた時に驚いてしまった。
「祈りの時間です」
「さあ、今日も祈りましょう」
「リーリエ様、祈りましょう」
「リーリエ様の祈りに、この国は支えられているのです」
「素晴らしいリーリエ様、どうか祈ってください」
「祈ってください」
「リーリエ様が神の光を得るごとに、この国は富むのです」
「祈りの時間です」
「そんなことをする必要はないのです。リーリエ様は、祈っておられれば」
「祈るのが仕事なのです」
「祈ってください」
「雑事は我々にお任せください」
「リーリエ様は祈っていればいいのです」
「祈りの他に何も必要ありません」
「リーリエ様、どうか」
「我々のために祈ってください」
「……っ!」
リーリエは飛び起きた。
そのまま逃げるように祈りの姿勢を取ろうとして、動きを止めた。
暗く狭い部屋、窓からの月明かりで鉄格子がきらりと光っている。静けさが耳にキンと響き、ここには誰もいないのだった。
「は……」
毛布を手放す気にならず、ぎゅっと握ったまま、ずるずると水差しのところまで行った。牢番の兵士達はあいかわらず優しく、いつ飲んでもいい水をくれる。
嬉しい。
教会では好きな時に水も飲めなかった。
「ん、ぅん……」
美味しい。
喉が潤され、ほっとする。汗をかいた体にはりつく毛布をゆっくり剥がし、リーリエはしばらくぼんやりした。
(嫌な夢)
まだ胸がどきどきしている。
(ついこないだまで、そうだったのに)
毎日、毎日、侍女と司祭はひたすらリーリエに祈れと言った。それ以外のことをさせなかった。
リーリエはそれに不満を持ちながらも、毎日ただひたすらに祈り続けた。それは苦痛であっても、リーリエの日常だったのだ。
(でも今は、怖い……)
教会になど戻りたくない。
あそこに戻ればリーリエは、また祈り続ける生活をするのだ。こうして自由を知ってしまったからこそ、とても耐えられない。
(嫌だ)
リーリエは自らを抱いて震えた。
『私があの悪い教会を、やっつけてしまいます』
「マイラ様……」
それはすがりつきたくなる言葉だった。
(マイラ様が、教会をなくしてくれたら)
少なくともリーリエは、教会に戻らなくてすむのだ。
(でも)
リーリエは震えた。
マイラの視線を思い出す。
(素晴らしい方だわ。そのはず……きっと、気のせい)
だがどうしても、マイラのあの目は、教会の侍女や司祭を思い出してしまうのだ。
リーリエを見ていながら、リーリエを見ていない目だ。
(マイラ様は私を救ってくれる)
祈らせるためだけにリーリエを褒め称え、優しく脅してきた人々と同じはずがない。
(マイラ様は、違う)
けれど、やはり嫌な感じがしてならない。
「まあリーリエ様、よく眠れていないのですか?」
陽が上がり、やってきたユーファミアが、リーリエの顔を見るなりそう言った。
「えっ。……はい、少し」
気づいてくれたことにリーリエは驚き、嬉しく思った。ユーファミアはいつもリーリエに優しくしてくれる。
「やはり寝心地が悪いのかしら。もう少し厚めの毛布を用意させましょう。そのくらいなら、あのバ……殿下は気づかないでしょうから。よいしょっと」
ユーファミアがゆっくり腰を下ろすと、侍女がサッと肘置きを用意し、テーブルを用意し、その上にきらびやかなティーセットを並べた。
魔法のようにテキパキとした動きだ。
「ありがとう」
ユーファミアは満足そうに侍女に礼を言う。侍女は当然の顔をして頷き、ユーファミアの後ろに下がった。
「リーリエ様、今日はプリンを用意しましたの」
「ぷりん?」
「ええ、これは卵料理なのですが、完全に卵とは別物に進化した……あ、早めにいただきましょう。冷やしておりますから」
「はい! ……!?」
スプーンでぷるんと口にしたプリンは、最初はただ心地よい冷たさを感じた。
それから舌に甘み。意味のわからない滑らかさ。意味がわからなすぎる溶けるけれど、溶けていないこの食感。
「お……おいしいっ……? おいしい、おいしいです!」
意味がわからないが、つるつる進んだ。
「そうでしょう! 食べやすくて、山のように食べたくなってしまうでしょう」
「はひっ、飲めそうで、飲めなくて……甘くて冷たくて」
結論としておいしい。
どうしてそうなるのかわからないがおいしい。
はむはむとプリンを食べ、温かい茶を飲み、息をついてふと、リーリエはユーファミアに聞いた。
「どうしてユーファミア様は、私に良くしてくれるのですか?」
これもなにか見返りの必要なことなのだろうか。ユーファミアも、自分に祈って欲しいのだろうか。
そんな恐れを感じて聞くと、ユーファミアは大きな体を揺らしてころころと笑った。
「当然のことですわ。リーリエ様、わたくしには家族がいません。覚えてもおりません」
「あっ……私も、です……」
教会に来たばかりの頃は覚えていた。家族を恋しく思って泣いていたのだ。
けれど今となっては、もう顔も声も思い出すことができない。
「ええ、きっとそうだと思っておりました。リーリエ様はわたくしの後を継いでくださいました。わたくしと同じような経験をなさっているでしょう。だから、わたくしはリーリエ様を家族のように思うのです」
「家族……」
リーリエは胸が震えるのを感じた。
家族。
その姿をすっかり忘れてしまっても、恋しいものだという感覚がある。幸せな、暖かいものだという記憶がある。
「……お嫌かしら?」
「いいえ、ユーファミア様! とても、とても嬉しいです」
じたばたと、何かしたいような衝動にかられた。腕が行き場を探している。
「ああ、良かった! ……よければわたくしのことは、ユーファミアおばさんとお呼びになって」
「おばさま! では私のことは……どうか、リーリエとお呼びください」
「ええ、リーリエ!」
鉄格子越しでも手は届く。リーリエの手は、半端ながらしっかりユーファミアの体に回った。
「ふふっ、やっぱりおばさまは柔らかいわ」
「リーリエは少し痩せすぎね。もっと太らなきゃ」
「ええ、たくさん美味しいものが食べたいわ」
「そうね、色々持って来ましょう。……ああでも、わたくしほど食べてはだめよ」
「食べすぎたら教えてくださいませ」
「もちろん! ……何を食べてもらおうかしら。今から楽しみでいけないわ」
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ふたりは笑い合う。
触れ合いが温かく、リーリエは少し眠くなった。その夜はぐっすりと眠って、あまりにぐっすり眠ったので、起きた時に驚いてしまった。
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