27 / 28
動画
しおりを挟む今日は平日。
お姉ちゃんは高校へ、華は会社へ仕事に行っている。
俺と離れるのは嫌と、華が会社へ俺も連れていきたいと会社へ連れていこうとした時は苦労した。愛されているということが伝わってくるので嫌な訳じゃないが、流石に毎日のようにやられると疲れてしまう。
仕事場に行ってみたいという気持ちも多少はあるのだが、行ってみたとしてもすることがない。それに俺が男ということもあって、職場の人が仕事に集中出来なかったら申し訳無さすぎる。更に、一回許可してしまえば華のことだからその後も仕事場へ毎日のように行く事になるだろう。あの花恋さんのような人がいるかもしれないと思うと、どうしても足が遠ざかる。だから、俺はキスを何度もすることで華を仕事へ見送っている。
そんな平日だが、今日は家にかえでがいる。
平日のこの時間は家事をやっている筈だが、今日はかおりを膝に乗せてかえでと一緒にだらだらしている。
今日かおりが家に居るのは、学校の創立記念日ということで休みになっているからだ。最近は華が俺の膝を独占してるせいか、かおりは俺の膝の上を堪能するように背中に体重を掛けてきたり、左右に体を揺らしたりしている。
華ばかり構っていたから、かおりは少し寂しかったのだろうか。
心地良さそうに俺の膝の上で寛ぐかおりを見ながら、俺はかえでと向き合う時間を増やすことを考えていた。
「そういえばお兄ちゃん。お兄ちゃんの動画二千億再生回数達成してたよ?」
「え? 嘘だろ。」
かおりの口から出てきた問題発言にまさかと思いながら、かおりが見せてきたスマホの画面を見てみると、考えたくないが二千億をちょっと超えた二千二百億再生回数と書いてあった。
前世規模で見ても、流石に二千億を超えた動画なんて見たことがない。それに加えて、まさかと思いながらチャンネルの総再生回数を見てみると、たった一本の動画で俺が世界一位となっていた。
嘘だろと思っても、それは事実でしかない。
男が少ない結果、全世界の女性が男を求めた結果こういう出鱈目な数字が出たのだろうか。
コメントを見てみても、全体的に外国語が目立つ。
全て日本語で歌っていたというのに、思いの外日本人より外国人の方が多いのだ。
その英語で書かれているのは、『I'm falling love with you』や 、まだ出会ったこともないというのに『Will you marry me?』など。
アラブ語などでもそれと似たようなことが書かれていたが、この世界の女性は積極的なのだろうか。この世界は愛が軽い……いや、そんなことはないと華が証明をしている。それとも、男との出会いが極端に少ないこの世界では初対面で口説いてくるのが一般常識なのだろうか。
コメントとしようにもこのような膨大な数にコメントを返せる訳ないし、そもそも返すコメントが見つからない。ごめんなさいとコメントを返したって、気まず過ぎないかそれは。
どうすればいいのか分からず、俺は考えることを一度止めた。
「そういえばお兄ちゃん?」
「どうしたんだかえで?」
「このコメントに書いてあること真に受けたりしないよね?」
「え?」
「例えば、その英語でお兄ちゃんのことを口説きに来ている奴。お兄ちゃんはこんな女よりも私の方がいいよね?」
ん?
何か、話が変わってる気がする。
口説かれたところまでは分かるが、どうしてそこにかえでが?
少し言葉の選び方に違和感を感じたが、初対面の人よりもかおりの方が可愛いのは事実だった為首を縦に振った。
「えへへ。やっぱりお兄ちゃんは私の方がいいよね~」
「かえでは可愛いなぁ~」
かえでの機嫌が一瞬悪くなったと思ったが、この様子を見ると大丈夫らしい。 一瞬だが、何かかおりから冷たい物を感じたがそれは気のせいだったのだろうか。
俺は再び甘えて出してきたかえでの髪の毛を、猫の毛並みを整えるように優しく撫でた。
「ねぇお兄ちゃん。曲はもう出さないの?」
「曲か…… 作ろうと思ってる曲のイメージはついているんだけど、一曲目の再生回数がこれだから投稿するのに躊躇しちゃってさ。」
「大丈夫だよお兄ちゃん。お兄ちゃんの偉大さだったら、これくらいの再生回数は普通だから。……もしよかったら、私もお兄ちゃんの曲に出たいな。」
「かえでも出たいのか?」
「うん。」
かおりもやるんだったら、ラップ形式の奴はどうだろうか。
この世界男が少ないせいか、全くラップやバンドのような物が全く発展していない。前世からラップはやりたいと思っても、悲しいことに相手が居なかったので出来なかったジャンルだ。……ラップをこの世界でも聞いてみたいし、前世のラップを基にいっそのこと自分でラップを作ってみるか。
「一応聞くんだけど、かおりって早口言葉得意か?」
「早口言葉? んー 得意じゃないけど、人並みには出来ると思うよ。」
「苦手じゃないなら大丈夫だ。」
最悪加工で何とでもなると思った俺は、ラップを作ることを決意した。
……別に六十億人のチャンネル登録者の圧力を感じた訳じゃない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一狼の想像する早口言葉
「生麦」
「生米」
「生卵」
かりんの想像する早口言葉
「お兄ちゃん好き」
「お兄ちゃん好き」
「お兄ちゃん好き」
華が一狼のことを独占し過ぎた為、若干かおりはヤンデレになってます。
※治るかは不明。作者でも不明
71
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる