3 / 6
俺はロラン②
俺は婚約者であるカーナをお茶会に誘う。
無論、婚約者である俺とのお茶だ。カーナは断るなんてことはせず、直ぐに了承した。………まぁ、断ろうとしても権力で脅すだけだが。
そんな風に始まったお茶会。
茶葉の入り混じった風味の良い、ほんのり紅い透き通った茶を口に挟みながら、カーナに婚約破棄のことについて話す。
「なぁなぁエレナ。」
「何ですかロラン様。」
「昔から思ってたけどさ、お前の顔タイプじゃないんだよね。胸は結構あるから妥協範囲内だけど、どうしても顔が無理。だから、婚約破棄をしてくれ。」
俺は思っていることをそのまま伝えた。
別に遠回しに婚約破棄を伝えることも出来たが、面倒臭い。それに、もう婚約者じゃなくなるんだ。変な気遣いはしなくてもいい。
もう一口お茶を挟みながら、俺はカーナのことをじっと見つめる。
数十秒経っただろうか。
カーナは少し考えるように腕を軽く組むと、一口茶でお口直しをして、口を開いた。
「えぇ。喜んで婚約破棄をして差し上げます。」
そう満面の笑みを浮かべながらそう言うと、春を舞う蝶のように軽快な足取りで部屋を出ていく。
取り残された俺は、そんなカーナを見て疑問に感じる。
どうしてカーナは、嫌そうにしなかったんだ?
俺の憶測では、俺が婚約破棄をすると言うと、カーナは反対してくると思っていた。それも、泣きながら。ただでさえタイプではない顔が、更に醜くなると思っていた。
なのに、何だあの態度は。
俺との婚約を破棄出来たことが、嬉しそうだったじゃないか。
この俺との婚約をだぞ。
あり得ない。
少し俺の頭をフル回転させて考えた後、俺は一つの結論を出す。
もしかしたら、カーナには俺以外の男が居たのではないかと。
怒りのあまり、俺は地団駄を踏む。
俺という存在がありながら、どうして彼奴は他の男を作ったりしたんだ。
この俺様が居るというのに。
俺はカーナ以外の女を抱いたりしたが、関係ない。
俺は次期王様だぞ。
俺は許されるが、彼奴は許されない。
俺は、彼奴を監視することに決めた。
そんなことする余裕なんて無いのに………
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に相応しいエンディング
無色
恋愛
月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。
ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。
さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。
ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。
だが彼らは愚かにも知らなかった。
ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。
そして、待ち受けるエンディングを。
氷の薔薇は砕け散る
柊
ファンタジー
『氷の薔薇』と呼ばれる公爵令嬢シルビア・メイソン。
彼女の人生は順風満帆といえた。
しかしルキシュ王立学園最終年最終学期に王宮に呼び出され……。
※小説になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
毒姫の婚約騒動
SHIN
恋愛
卒業式を迎え、立食パーティーの懇談会が良い意味でも悪い意味でもどことなくざわめいていた。
「卒業パーティーには一人で行ってくれ。」
「分かりました。」
そう婚約者から言われて一人で来ましたが、あら、その婚約者は何処に?
あらあら、えっと私に用ですか? 所で、お名前は?
毒姫と呼ばれる普通?の少女と常に手袋を着けている潔癖症?の男のお話し。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。