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俺はロラン③
しおりを挟む国内のあらゆる貴族や、優れた技術と頭脳を持つ平民が集まる、国の中で断トツのレベルを誇る王立バイトハル学園。このバイトハル学園は、俺の祖父の糞爺が建てた学園で、他国の貴族も留学でやって来る程レベルの高い授業や先生が特徴で、エリート学園としてあらゆる国に名を広めている。
そんなバイトハル学園。
勿論、この俺も通っている。
高度な試験の為に必死に努力しても報われなかった平民が居る中で、俺は国王の息子というだけで入学出来た。他の貴族でさえも一応は試験を受けるというのに、俺は努力や勉強なんて何もせずに入学することが出来た。
これが、次期国王と他者の間にある圧倒的な格の違いだ。
本当に可哀想な奴等だと思う。
特に、平民は。
試験を受ける為に必要な金を得るため、わざわざ借金を負う奴も居るといういうのに、その借金も虚しく試験に受からない者や、毎月支払う高い授業料を払えずに、自ら退学していく者。
そんな奴等を見て、俺は馬鹿にするように鼻で笑う。
王族の息子に生まれたら、そんなことにはならなかったのになと。
次は誰が授業料を払えなくて自主退学していくのか、俺は周りを一度見渡して笑みを浮かべた。
■■■■■
和気あいあいと、楽しそうな明るい声が響く教室。そこに、貴族や平民という身分の差はない。身分の差なんて忘れて、同じ屋根の下で学んでいく仲間として、楽しそうに生活している。
戸を開けて、俺は明るい声が響く教室に入る。
その途端、明るい声は急に止まって、俺の方を貴族から平民を含む全員が見て頭を下げる……………はずだった。
可笑しい。
いつもは頭を下げるこいつらが、全く俺に頭を下げない。
しかも、いつも俺の前で媚を売りまくってくる平民供までが、俺が来たことに気が付かないかのように談笑を続けている。
頭を下げて来ない愚民供にイラッと来たので、俺は声を荒立てる。
「偉大なる次期国王のご登場だぞ!!挨拶は無いのか!!」
俺が声を荒立てた瞬間、一度だけ俺を全員がこちらを向いたか思うと、再びこいつらは楽しそうに談笑をし始めた。こいつらは俺が来たことに気が付いている。なのに、どうして俺に声を返さない!!
つい昨日までは、俺に頭を下げて挨拶をするというのが普通だったこいつらに何があったのかと考えるが、何も浮かんでこない。
糞が!!お前等の顔、全員覚えたからな。
国王の次期息子は、バックから取り出した小さなメモ帳を取り出すと、子供に書かせた方がマシと言えるような字で、必死に名前を書き込んでいく。そんな様子を貴族含むクラスメイト達は「新しい言語の練習をしてるよ」と言って、クスクスと笑っていた。
でもただ一人。
そんな彼を、談笑の輪に入らず一人だけ皆とは違った笑みを向ける生徒が居た。
それは、元婚約者の聖女だった
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