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秋の温泉
富塚君の家で
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何故、富塚君は図書館に居たのか……。答えは簡単。
茶弁当の為だったらしい。
須磨さんの仕事が最近やっと全部片付いて、富塚君から須磨さんに茶弁当の担当が変わるらしく、それで富塚君は早く家に帰れる! と思ったらしいが、須磨さんも甘いの苦手な人だったせいか、『お前、甘いの担当な?』と言われてしまったらしい。
「何で断らなかったの?」
「んー……案だけ出せば良いやつだったし、その案が採用されれば、この後の給料にプラスされるし、日下が居れば、甘いのだって平気だと思ったからね」
「え?」
それってどういう……。
富塚君はまあまあ……と言いながら、何故か私を自分のベッドの方に行かせて、そのベッドに座らせ、自分もちゃっかりその隣に座る。
何で、こうなってんだ?!
「久しぶりに……ね?」
いやいやいや!!
待って! 食べ終わったお皿はどうするの?! の前にもう、始まってしまっていた。
――言葉にするのは重く、行動でするには軽い。
富塚君とのキスはもう何度目だろう。
数えてない。
「んっ……!」
気付いた時にはベッドの上に押し倒されていて。
また、その目で見て来るの? 上から、冷静そうなその眼が嫌い。富塚君の家の中に居るのがとっても嫌になるくらい。
もっと私を見て、魅入られてほしいのに。
「日下……」
そう言って、あなたはまたするんだけど、私は気付いてしまった。
彼がこんなにも求めて来るのは、好きって言わない代わりの『コレ』だと。
今もそれは続いてる。
決して恋愛用の『好き』だとか『愛してる』って言ってくれないから、とても空しい。
けれど、コレをしてくれるという事に意義がある。
彼は抱き付いてソレで私に伝えてくれる。
肌に直接。それがいつか心にも繋がって、求めあって、求めあって。求め返せたら最高だ。
じゃなきゃ、私にしようとする人がいるだろうか。
始まってしまったものも終わりに近付いた時。
彼の顔を見たら、変化していた。
とても人間らしい。高揚感……。素敵……。
それじゃあ、私はあなたの今までの苦しみを、受け止められる心を育てたい。
だから、私はあなたと肌を重ねるの。
全てを知りたいから……。
富塚君の目がまたこちらの顔を見る。
嫌だ、やらしくなってるこの感情を、その冷静そうな視線で見つめないでほしい。
その方が私は火照ってしまうから。
「富塚君、あの……」
「もう元気になったから、する? 続き」
「いつの話?」
「この前」
「ずっと前じゃん!」
エスカレートする前に止めたかったけれど、彼の手はそれを止めてくれない。
「仁葵……」
いつもの癖。気付いてる?
調子に乗って来るとそう呼ぶの。
もう、そう呼んで良いか言わないくらいに。
ねえ、でも、言ってほしいの。言いたいの。
好き、とか。
愛してる、とか。
そういう陳腐なものほど、大切な時があるって、あなたは知ってますか。
茶弁当の為だったらしい。
須磨さんの仕事が最近やっと全部片付いて、富塚君から須磨さんに茶弁当の担当が変わるらしく、それで富塚君は早く家に帰れる! と思ったらしいが、須磨さんも甘いの苦手な人だったせいか、『お前、甘いの担当な?』と言われてしまったらしい。
「何で断らなかったの?」
「んー……案だけ出せば良いやつだったし、その案が採用されれば、この後の給料にプラスされるし、日下が居れば、甘いのだって平気だと思ったからね」
「え?」
それってどういう……。
富塚君はまあまあ……と言いながら、何故か私を自分のベッドの方に行かせて、そのベッドに座らせ、自分もちゃっかりその隣に座る。
何で、こうなってんだ?!
「久しぶりに……ね?」
いやいやいや!!
待って! 食べ終わったお皿はどうするの?! の前にもう、始まってしまっていた。
――言葉にするのは重く、行動でするには軽い。
富塚君とのキスはもう何度目だろう。
数えてない。
「んっ……!」
気付いた時にはベッドの上に押し倒されていて。
また、その目で見て来るの? 上から、冷静そうなその眼が嫌い。富塚君の家の中に居るのがとっても嫌になるくらい。
もっと私を見て、魅入られてほしいのに。
「日下……」
そう言って、あなたはまたするんだけど、私は気付いてしまった。
彼がこんなにも求めて来るのは、好きって言わない代わりの『コレ』だと。
今もそれは続いてる。
決して恋愛用の『好き』だとか『愛してる』って言ってくれないから、とても空しい。
けれど、コレをしてくれるという事に意義がある。
彼は抱き付いてソレで私に伝えてくれる。
肌に直接。それがいつか心にも繋がって、求めあって、求めあって。求め返せたら最高だ。
じゃなきゃ、私にしようとする人がいるだろうか。
始まってしまったものも終わりに近付いた時。
彼の顔を見たら、変化していた。
とても人間らしい。高揚感……。素敵……。
それじゃあ、私はあなたの今までの苦しみを、受け止められる心を育てたい。
だから、私はあなたと肌を重ねるの。
全てを知りたいから……。
富塚君の目がまたこちらの顔を見る。
嫌だ、やらしくなってるこの感情を、その冷静そうな視線で見つめないでほしい。
その方が私は火照ってしまうから。
「富塚君、あの……」
「もう元気になったから、する? 続き」
「いつの話?」
「この前」
「ずっと前じゃん!」
エスカレートする前に止めたかったけれど、彼の手はそれを止めてくれない。
「仁葵……」
いつもの癖。気付いてる?
調子に乗って来るとそう呼ぶの。
もう、そう呼んで良いか言わないくらいに。
ねえ、でも、言ってほしいの。言いたいの。
好き、とか。
愛してる、とか。
そういう陳腐なものほど、大切な時があるって、あなたは知ってますか。
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