となりの席の変態さん

会えなくて言えなくて

心から溢れ出す

のんびり…はしてるのかな…とにかくホテルの一室
両親と久しぶりに対面している俺は…
父に話し掛けた


「何のつもりだよ？」

「私が聞きたい」

「…は？」

いや…え？ん～～？

「た、玉男さん…いったいどうゆう…」

「話せば短いことになります。」

「助かります！」

「実は今日、ご両親はお仕事でこの町に来ていたのです。」

「それなら、連絡してくれたって…」

「そのとおり…ですが、ご両親の気持ちも分かります。今さらどの面下げて…と思うのも」


「……なるほど」

納得はしたくないが理解はできる。

「そこで同行していた私が会われてはどうかと提案しましたところ…」


「ところ？」

「手紙を書いて出しに行こうとしたので手紙をぶんどり、
アキさんを誘拐しました！」



「行動力の化身！？」

「…秋兎…その…何かすまない。」

父はすごい申し訳なさそうな顔をしてから
少し頭を下げた

「父さん…頭あげてくれ」

「…っありがt「ばか野郎！」ｸﾞﾍﾞﾗｯ！」

俺は父にビンタを食らわせた


「な、何をするんだ秋兎！？」

「何をするんだじゃないだろ！？この大バカ野郎！」

「ち、父親に向かって！あれか！反抗期か！？」

「そんなもんはとっくの昔に玉男さんにぶつけ終わってるよ！」


「あの時はすこし大変でした。」

「…あのな父さん」

「何だ秋兎？」

「本当にごめんって思うなら会いに来いよ！」

「っ…」

そう、会いに来いよ…じゃないと

「俺も目を見てごめんなさいって言えないだろ！？」

そう、俺も悪かった。
兄ちゃんなのに冬花の心を支えられなくてごめんなさい。
あの時、殴ってごめんなさい。


「……本当は寂しかったんだからな！」

…口から急に出てきた言葉に俺は驚いた。
そうか…寂しかったのか…俺は


「すま…ない。」

「そこで、黙ってる母さんも！」

そう、ずっとうつ向いてなにも言わない…この人にも


「母さんが受け入れられなかったように冬花も受け入れられなかったんだ！…方法は間違ってた！でも、全部家族のために冬花は動いたんだ！それをあんたは！」


口が勝手に動く言葉がつらつら出てくる
本音や言いたいことは心から溢れ出すんだと
改めて感じた。
その後も俺は両親に色々言った。
汚い言葉も、寂しさも…何もかも


すべてを吐き終えた俺の隣に玉男さんは来てくれて

「…スッキリしましたか？」

「スッキリしました。」

「お二方は？」

「「グッタリしました。」」

本当にグッタリしていた。
…何かごめん。


「ふふ…これが貴方達が先送りにしてきた付けですよ？」

そう言ってすこし笑った玉男さんは両親の前に立ち


「もう１人分あるので覚悟してくださいね？」

と、イタズラな顔で言った。

その瞬間、ホテルのドアがスゴい音を立てて開いた