⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

文字の大きさ
55 / 207
ヒトのキョウカイ2巻(エンゲージネジを渡そう)

24 (ロボットアニメ教)

しおりを挟む
 エクスマキナに来て2日目…。
 ナオは時間を持て余していた。
 単純に暇なのだ。
 部屋にはネット用の高速回線があり、無線でならVRにもアクセスが可能だが、この義体の特性なのか VRゲームをやっても現実にしか感じない為、敵の頭を吹っ飛ばして得点を稼いで楽しむサイコゲームに見え無く、かと言って訓練と割り切り、仕事モードでVRをやる気にもなれない。
 こんな時 いつもなら外に出かけるのだが、あいにく、ここはネットに繋がって自室に引きこもる文化を持つエレクトロンの都市だ。
 娯楽施設がある訳も無く、ワームの対策会議は明日の午後…。
 今日一日は 丸々暇なのだ。
 という訳でナオは エレクトロンが普段何をやっているのかが気になり、暇つぶしに訪ねて見る事にした。
 ナオがジガの部屋に着きノックをしようとすると警備システムがジガに連絡を入れたのだろう。
 スピーカーから『どうぞ』の声がしてドアのロックが外れる。
 ナオは少し慣れない手つきでドアノブをつかみ 回して中に入る。

 部屋と言うものは その人の性格で出ると言われている。
 さて、ジガの部屋はどうかと言うと…。
 ギリギリ見た事があるブラウン管ディスプレイにVHSのビデオデッキ…大型の液晶ディスプレイにBlu-rayレコーダー…棚にはDVDのディスクが仕舞われている。
 更に見て見ると小型のプロジェクターに旧式の大型スピーカーが揃《そろ》っていて、スピーカーから殴りつけるように音が放たれている…。
 完全にムービーオタクの部屋だ…スプリングと会わせて見たら気が合うだろう…。
「よう、よく来たな…今トヨカズとアニメを見ているんだ。」
 液晶ディスプレイを見たまま、ソファーに座るジガがナオに話しかける。
 その隣に座っているのはトヨカズだが こちらも画面に集中している。
 ジガとトヨカズの座るソファーの後ろから、テレビを見て見る…。
 ロボット物のアニメで しかも相当に古いんだろう…まだ4:3比率だ。
 しばらく立ったままアニメを見て ナオがふと言う。
「これ可動パーツが多すぎじゃないか?
 DLと同じで平時は新幹線や輸送機、掘削機?をやってるんだと思うんだが…」
「は?」
『何言ってんの?』と言った感じでトヨカズが後ろを向く。
「いや、だってパトカーに救急車とか緊急車両が多いし、後はトレーラーにクレーン車にダンプカー…土木車両だし…。
 コンセプトは分かるんだけど…こんなに合体するなら、合体用の部品を外して組み立てた方がコスト的にも…。」
「いや…コンセプトって…」
 トヨカズが微笑《えみ》を浮かべながらジガを見て「そりゃあ、カッコイイからだろう。」とジガが言う。
「見た目がカッコイイ事に何のアドバンテージが?」
 DLは身体が大きく 高機動戦闘をする為、機体を迷彩にしても意味が無く、むしろ仲間からの連係れんけいが容易になるからと派手な塗装をする事もある。
 だが塗装ならまだしも、胸にロボライオンを装着する事に何の効果が?
 まさか威嚇いかくって訳でもないだろうし…。
「そりゃあ(おもちゃが)よく売れるからだろう。」
 トヨカズが笑いながら言う。
「見た目より整備性と安いコストに 扱いやすさだ…。
 どんな高性能機体だろうが、数がそろわなければ意味が無い。」
 ナオはリアルの視点から言う。
 どんなエース機だろうが 1個中隊で包囲されれば、確実に撃墜される。
 だから数を用意し物量で攻めるんだ…。
 そうすれば 結果的に味方の損害は少なくなるし、数で包囲した方が高度な操縦スキルも必要無く、遥《はる》かに安全で簡単だ。
「よーし…そんなオマエにこれらを解決させる便利な言葉を教えてやろう…。
 それは、ロマンだ!!」
 トヨカズが堂々と叫ぶ。

「……トヨカズ…キミはその信頼性の低い機体をロマンだからと言う理由で、戦場に行くのか?」
 トヨカズにナオが言う。
「いや……あ~そうだよな…何せコイツ射撃武器が一切ないし…基本素手で殴るし…」
 遠距離攻撃にロケットパンチがあるが 戻ってくるとしても一時的に腕が無くなるし…。
 と言うか、腕を質量弾にするならコイルガンで亜光速でぶっ放した方が効果的だろう…てか、よく このパイロットは文句を言わずに戦ってたよな。
 確かに現実的に考えるならオレは乗りたくない…。

「おいおい言い負かされてどうするんだよ…。
 なら、どんなロボットが良いんだ?」
 ジガがそう言い、色々なロボットの機体の画像をARウィンドウに一覧で表示し、ナオに投げる。
「ん…あーこれに、これに、これ?」
 ナオは気に入った機体をタップし次々と黄色い枠線で表示されて行く。
「さて…結果はと」
 卵型の装甲を持つカエルを想起させるロボ、戦闘機に手足が生えたロボ、緑色の装甲に三つ目のカメラが特徴のロボ…。
「完璧にリアルロボットの量産機だなぁ…。」
 ジガがトヨカズと一緒にARウィンドウを見る。
「オレは、ほどんど見た事が無いんだがな…。」
 ナオはロボットアニメは あまり見ない…見ると仕事を思いだし、リラックスなんて出来ないからだ。
 なのでナオが見るのはファンタジー系のアニメや漫画、ラノベが多い。
「じゃあもう少しで終わるから…見て見るか?
 カナリアが好きな映画なんだが…。」
 液晶ディスプレイの画面ではバニーガールが宇宙を生身で疾走し巨大なクリスタルを叩き割る。
 あの人は生身で推力を発生させているのか?
「となると歌か…。」
「そうそう、でさっきの足が生えた戦闘機…『タンク・スラスター・レッグ方式』って言うんだが…ハルミの戦闘機もこれを参考にして作られたんだ」
「へぇ」
 ナオの興味をいたようだ。
 タンク・スラスター・レッグだから…燃料タンクとスラスターが一体化してそれを足のように動かせるようにしたのか?
 戦闘機のスラスターが足のように動かせれば垂直離陸が楽になるだろう…。
 特にまともな滑走路が無い この世界では…。
「暇だし…見て行くか…。」
「よーし信者をゲットだ。」
「いやいや…布教して気に入るかどうかは別問題だろ」
 ジガに対してトヨカズが言う。
「リアルロボマニアなら これで行けるって…。」
 布教?信者?ロボアニメは宗教の域に達しているのか?

 それから3人で昼過ぎまでアニメ鑑賞をした…。
 確かに効率を突き詰めた兵器としてのロボットより、だいぶ娯楽よりだが…楽しめた。
 まぁDLの『突然変異機』だと思えば行けるのか?
 さすがに入信する気は無いが…。

 午後、トヨカズとジガとのアニメ鑑賞が終り、昼食を取った。
 1人の少女が歌で巨人族と人との戦争を止める話だ。
 CGが無い時代にセル画だけであのクオリティを出す何て、流石文化遺産に登録された作品。
 ジガによると この作画技術は失われたしまい…ロストテクノロジーになっているとの事。
 まぁ今の技術だったら、この作品の数百倍リアルな物が作れるんだが…。
 映画を見終わった後、トヨカズとジガが 高レベルのアニメ会話をし出し、午後もアニメを見るとの事で退出した…。
 さすがに12話を一気に見る気力は無い…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

処理中です...