⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)

06 (エクスプロイトウイルス)

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「はぁ…まさか、また隔離されるとはな…。」
 薬局で薬の調合をしてもらっている途中でミラーシールドのフルフェイスヘルメットで顔を隠し、黒いパイロットスーツを着ている連中に拉致らちられ、部屋に閉じ込められた。
 部屋は広く豪華で通信も通じる…。
 ピースクラフト都市に閉じ込められた時に比べて数段はマシだ。
 黒服の話だとオレは 致死率の高い新型の感染症にかかっている見たいだ。
 とは言え、致死率が高いってのに熱は無いし 身体もダルくないし、正直、感染しているのが疑わしい位だ。
 ベットに座り、ARウィンドウを出す。
 とりあえず 授業は受けないとな…。

 授業が終わり 生徒が文化祭の準備に取り掛かる中、いつも通りナオは帰る。
 砦学園都市を含めた砦都市で年1で行われる文化祭の砦祭まで 残り1週間ちょい…。
 オレらの学科は 毎年DLを使った演習をやるのだが、ワーム侵攻事件で都市民の感情を考慮して中止になった…。
 そう言った事もあり 出し物が無くオレらは暇をしている。
 廊下を歩き、帰る…。
 廊下には 中止されていない サークルのメンバーが集まり、作業をしている。
 文化祭は準備が一番楽しいと言うが、1ヵ月前のワーム侵攻事件を忘れるかのように生徒が楽しそうに作業している…。
 ピースクラフト都市を中心にパンデミックが発生しているってのに、この都市は話題にも乗らず、随分ずいぶん暢気のんきだ。

 寮に戻り 階段を上がる際に談話室をチラリと見ると、ARウィンドウで何かの作業をしているクオリアを見つけ、談話室に行く。
「ナオか…。」
「あのウイルスについて調べているのか?」
「ああ、不自然おかしい流れを感じる。」
「不自然《おか》しい流れ?」
「これを見て欲しい。」
 クオリアはARウィンドウを可視化しナオに見せる。
 ピースクラフト都市を中心にウイルスの発見日時が書き込まれている。
「感染の経路だ…。
 感染元はピースクラフト都市なのは間違い無い。
 だが、元々都市にあったウイルスなら住民が抗体を持っているはずだから、ここまで酷《ひど》くはならないはず…。
 つまり自然発生した物では無く、突然にウイルスが湧いて出た事になる。」
「だから生物兵器って言われているのか?」
 オレも気になってマルチタスクの訓練も兼ねて、授業中にサブタスクでネットで情報を収集していた。
 疫病なんて今まで興味が無かったが…どんな行動を起こすにも情報が必要だ。
 疫学を学んでも損は無い。
 ただ…最低限、疫学を学んでみると 今回のウイルス『エクスプロイトウイルス』が普通のウイルスでは無いと思えてくる。
「だろうな…。
 更《さら》 にこう言った兆候ちょうこう無しの場合、事件の数日前に会った異変が原因の可能性が高い…で異変を探ってみると…。」
 オレの頭に瞬時に原因が浮かぶ。
 表向き平和だったピースクラフト都市に感染の数日前に起きた異変。
「もしかして、ミサイル型ワームの弾頭に細菌兵器でも積んでいたのか?」
 ワームが宇宙から来た生命体だと言うなら、母星のウイルスを地球に持ち込んだとしても不自然では無い。
「現時点では その可能性が高い…。
 だが いくらワームでも、現れてから1ヵ月でウイルス兵器を扱うなんて学習が早すぎるとも感じる…。
 もしかしたら、まだ何かが あるのかもしれない。」
「ならハルミは?」
 ハルミは ここに来た翌日に1日だけ観光をして 次の日の朝にはエクスマキナ都市に向けて出発していた。
「今日の昼頃に エアトラS2でエクスマキナ都市を出て 現場に向かっている…。
 エレクトロンは感染症と無縁だからな…。」
「なら良いんだけど…このままだと 砦祭が中止になりかねないぞ…。」
 感染が広まれば人々が警戒して、外に出なくなるだろう…。
 そうなれば 砦祭どころでは無い。
「分かっている…。
 せっかく経済が立ち直り掛けている状態で中止にする訳にも行かないだろう…。
 今朝からレナが対策会議で役所に行って交渉しているが…中止かどうかは そこで決まる。」
 経済が止まれば、ただでさえワームのせいで、不安になっている都市民感情が爆発し、問題行動を起こすようになるだろう…。
 そこは何としても防がないと行けない。
 クオリアと別れ、オレは階段を上がり 自室に向かって行った。
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