96 / 207
ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)
06 (エクスプロイトウイルス)
しおりを挟む
「はぁ…まさか、また隔離されるとはな…。」
薬局で薬の調合をして貰っている途中でミラーシールドのフルフェイスヘルメットで顔を隠し、黒いパイロットスーツを着ている連中に拉致られ、部屋に閉じ込められた。
部屋は広く豪華で通信も通じる…。
ピースクラフト都市に閉じ込められた時に比べて数段はマシだ。
黒服の話だとオレは 致死率の高い新型の感染症にかかっている見たいだ。
とは言え、致死率が高いってのに熱は無いし 身体もダルくないし、正直、感染しているのが疑わしい位だ。
ベットに座り、ARウィンドウを出す。
とりあえず 授業は受けないとな…。
授業が終わり 生徒が文化祭の準備に取り掛かる中、いつも通りナオは帰る。
砦学園都市を含めた砦都市で年1で行われる文化祭の砦祭まで 残り1週間ちょい…。
オレらの学科は 毎年DLを使った演習をやるのだが、ワーム侵攻事件で都市民の感情を考慮して中止になった…。
そう言った事もあり 出し物が無くオレらは暇をしている。
廊下を歩き、帰る…。
廊下には 中止されていない サークルのメンバーが集まり、作業をしている。
文化祭は準備が一番楽しいと言うが、1ヵ月前のワーム侵攻事件を忘れるかのように生徒が楽しそうに作業している…。
ピースクラフト都市を中心にパンデミックが発生しているってのに、この都市は話題にも乗らず、随分と暢気だ。
寮に戻り 階段を上がる際に談話室をチラリと見ると、ARウィンドウで何かの作業をしているクオリアを見つけ、談話室に行く。
「ナオか…。」
「あのウイルスについて調べているのか?」
「ああ、不自然しい流れを感じる。」
「不自然《おか》しい流れ?」
「これを見て欲しい。」
クオリアはARウィンドウを可視化しナオに見せる。
ピースクラフト都市を中心にウイルスの発見日時が書き込まれている。
「感染の経路だ…。
感染元はピースクラフト都市なのは間違い無い。
だが、元々都市にあったウイルスなら住民が抗体を持っているはずだから、ここまで酷《ひど》くはならないはず…。
つまり自然発生した物では無く、突然にウイルスが湧いて出た事になる。」
「だから生物兵器って言われているのか?」
オレも気になってマルチタスクの訓練も兼ねて、授業中にサブタスクでネットで情報を収集していた。
疫病なんて今まで興味が無かったが…どんな行動を起こすにも情報が必要だ。
疫学を学んでも損は無い。
ただ…最低限、疫学を学んでみると 今回のウイルス『エクスプロイトウイルス』が普通のウイルスでは無いと思えてくる。
「だろうな…。
更《さら》 にこう言った兆候無しの場合、事件の数日前に会った異変が原因の可能性が高い…で異変を探ってみると…。」
オレの頭に瞬時に原因が浮かぶ。
表向き平和だったピースクラフト都市に感染の数日前に起きた異変。
「もしかして、ミサイル型ワームの弾頭に細菌兵器でも積んでいたのか?」
ワームが宇宙から来た生命体だと言うなら、母星のウイルスを地球に持ち込んだとしても不自然では無い。
「現時点では その可能性が高い…。
だが いくらワームでも、現れてから1ヵ月でウイルス兵器を扱うなんて学習が早すぎるとも感じる…。
もしかしたら、まだ何かが あるのかもしれない。」
「ならハルミは?」
ハルミは ここに来た翌日に1日だけ観光をして 次の日の朝にはエクスマキナ都市に向けて出発していた。
「今日の昼頃に エアトラS2でエクスマキナ都市を出て 現場に向かっている…。
エレクトロンは感染症と無縁だからな…。」
「なら良いんだけど…このままだと 砦祭が中止になりかねないぞ…。」
感染が広まれば人々が警戒して、外に出なくなるだろう…。
そうなれば 砦祭どころでは無い。
「分かっている…。
せっかく経済が立ち直り掛けている状態で中止にする訳にも行かないだろう…。
今朝からレナが対策会議で役所に行って交渉しているが…中止かどうかは そこで決まる。」
経済が止まれば、ただでさえワームのせいで、不安になっている都市民感情が爆発し、問題行動を起こすようになるだろう…。
そこは何としても防がないと行けない。
クオリアと別れ、オレは階段を上がり 自室に向かって行った。
薬局で薬の調合をして貰っている途中でミラーシールドのフルフェイスヘルメットで顔を隠し、黒いパイロットスーツを着ている連中に拉致られ、部屋に閉じ込められた。
部屋は広く豪華で通信も通じる…。
ピースクラフト都市に閉じ込められた時に比べて数段はマシだ。
黒服の話だとオレは 致死率の高い新型の感染症にかかっている見たいだ。
とは言え、致死率が高いってのに熱は無いし 身体もダルくないし、正直、感染しているのが疑わしい位だ。
ベットに座り、ARウィンドウを出す。
とりあえず 授業は受けないとな…。
授業が終わり 生徒が文化祭の準備に取り掛かる中、いつも通りナオは帰る。
砦学園都市を含めた砦都市で年1で行われる文化祭の砦祭まで 残り1週間ちょい…。
オレらの学科は 毎年DLを使った演習をやるのだが、ワーム侵攻事件で都市民の感情を考慮して中止になった…。
そう言った事もあり 出し物が無くオレらは暇をしている。
廊下を歩き、帰る…。
廊下には 中止されていない サークルのメンバーが集まり、作業をしている。
文化祭は準備が一番楽しいと言うが、1ヵ月前のワーム侵攻事件を忘れるかのように生徒が楽しそうに作業している…。
ピースクラフト都市を中心にパンデミックが発生しているってのに、この都市は話題にも乗らず、随分と暢気だ。
寮に戻り 階段を上がる際に談話室をチラリと見ると、ARウィンドウで何かの作業をしているクオリアを見つけ、談話室に行く。
「ナオか…。」
「あのウイルスについて調べているのか?」
「ああ、不自然しい流れを感じる。」
「不自然《おか》しい流れ?」
「これを見て欲しい。」
クオリアはARウィンドウを可視化しナオに見せる。
ピースクラフト都市を中心にウイルスの発見日時が書き込まれている。
「感染の経路だ…。
感染元はピースクラフト都市なのは間違い無い。
だが、元々都市にあったウイルスなら住民が抗体を持っているはずだから、ここまで酷《ひど》くはならないはず…。
つまり自然発生した物では無く、突然にウイルスが湧いて出た事になる。」
「だから生物兵器って言われているのか?」
オレも気になってマルチタスクの訓練も兼ねて、授業中にサブタスクでネットで情報を収集していた。
疫病なんて今まで興味が無かったが…どんな行動を起こすにも情報が必要だ。
疫学を学んでも損は無い。
ただ…最低限、疫学を学んでみると 今回のウイルス『エクスプロイトウイルス』が普通のウイルスでは無いと思えてくる。
「だろうな…。
更《さら》 にこう言った兆候無しの場合、事件の数日前に会った異変が原因の可能性が高い…で異変を探ってみると…。」
オレの頭に瞬時に原因が浮かぶ。
表向き平和だったピースクラフト都市に感染の数日前に起きた異変。
「もしかして、ミサイル型ワームの弾頭に細菌兵器でも積んでいたのか?」
ワームが宇宙から来た生命体だと言うなら、母星のウイルスを地球に持ち込んだとしても不自然では無い。
「現時点では その可能性が高い…。
だが いくらワームでも、現れてから1ヵ月でウイルス兵器を扱うなんて学習が早すぎるとも感じる…。
もしかしたら、まだ何かが あるのかもしれない。」
「ならハルミは?」
ハルミは ここに来た翌日に1日だけ観光をして 次の日の朝にはエクスマキナ都市に向けて出発していた。
「今日の昼頃に エアトラS2でエクスマキナ都市を出て 現場に向かっている…。
エレクトロンは感染症と無縁だからな…。」
「なら良いんだけど…このままだと 砦祭が中止になりかねないぞ…。」
感染が広まれば人々が警戒して、外に出なくなるだろう…。
そうなれば 砦祭どころでは無い。
「分かっている…。
せっかく経済が立ち直り掛けている状態で中止にする訳にも行かないだろう…。
今朝からレナが対策会議で役所に行って交渉しているが…中止かどうかは そこで決まる。」
経済が止まれば、ただでさえワームのせいで、不安になっている都市民感情が爆発し、問題行動を起こすようになるだろう…。
そこは何としても防がないと行けない。
クオリアと別れ、オレは階段を上がり 自室に向かって行った。
0
あなたにおすすめの小説
必ず会いに行くから、どうか待っていて
十時(如月皐)
BL
たとえ、君が覚えていなくても。たとえ、僕がすべてを忘れてしまっても。それでもまた、君に会いに行こう。きっと、きっと……
帯刀を許された武士である弥生は宴の席で美しい面差しを持ちながら人形のようである〝ゆきや〟に出会い、彼を自分の屋敷へ引き取った。
生きる事、愛されること、あらゆる感情を教え込んだ時、雪也は弥生の屋敷から出て小さな庵に住まうことになる。
そこに集まったのは、雪也と同じ人の愛情に餓えた者たちだった。
そして彼らを見守る弥生たちにも、時代の変化は襲い掛かり……。
もう一度会いに行こう。時を超え、時代を超えて。
「男子大学生たちの愉快なルームシェア」に出てくる彼らの過去のお話です。詳しくはタグをご覧くださいませ!
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
案山子の帝王
柚緒駆
SF
神魔大戦から百年。世界は『Dの民』が支配していた。そこにある日現われる、謎の存在。エリア・エージャンをパニックに陥れ、オリンポス財閥総合本社ビル『グレート・オリンポス』に迫る。迎え撃つのはジュピトル・ジュピトリス、しかし想像を超える敵に追い詰められたとき、彼が現われる。
「俺の名前は3J。デルファイの3J」
デルファイの『五人目の魔人』であり『案山子の帝王』と呼ばれる彼が現われたのは何故か。彼の目的は何か。謎が謎を呼び、世界は混沌に叩き込まれる。
永き夜の遠の睡りの皆目醒め
七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。
新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。
しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。
近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。
首はどこにあるのか。
そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。
※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~
fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。
しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。
気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。
裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。
無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった俺
島風
ファンタジー
ブラック企業で過労死した男がいた。しかし、彼は転生し、ある貴族の侯爵令嬢として再び生を受けた。そして、成長につれて前世の記憶を取り戻した。俺様、クリスティーナ・ケーニスマルク公爵令嬢七歳。あれ? 何かおかしくないか? そう、俺様は性別がおかしかった。そして、王子様の婚約者に決まり、ここが前世ではやっていた乙女ゲームの世界であることがわかった。
自分が悪役令嬢になってしまっている。主人公がハッピーエンドになると死刑になり、バットエンドになるとやっぱり死刑・・・・・・あれ、そもそも俺様、男と結婚するの嫌なんだけど!!
破滅エンド以前に、結婚したくない!!!
これは素晴らしい男性と結ばれるの事をひたすら回避しようとして・・・ドツボにハマっていく物語である。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる