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ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)
16 (テストの公平性)
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8月11日月曜日…。
軍政経学園は、その名の通り軍事、政治、経済を学ぶ学校だ。
授業はリモートで良く 講義の見逃し配信もやっている為、家から一歩も出ずに通う事も出来る。
ただ セキュリティの問題から、最後のテストだけは 学校に来て行わなくてはならない。
さて、1週間も学校に行っていなかったナオ達は見逃し配信のログから 講義は聞いていたと言う扱いで 各科目のテストを行う事になった。
場所は教室だが 外部との通信が遮断され、インターネットにアクセスする事は出来ない。
使えるのは事前にデバイスに入れた記録だけだ。
椅子に座るナオ達にタブレットPC風の端末が配られる。
タブレット端末はA4サイズのデバイスでタッチペンが付いている。
無線の類は搭載されておらず、有線でテスト内容の抽出《ちゅうしゅつ》とデバイスの充電する為の端子が付いているだけだ。
「では始め…。」
講師が教卓から言い、電子黒板に残り時間が大きく表示される。
残り時間は45分…。
テストは自前のデバイスが許可されている前提の問題で、難易度が高い。
計算問題も手計算は まず不可能で関数電卓が必須だ。
さらに問題の最後には『何々についてのレポートを書きなさい』など点数配分が分からない問題も出る。
なので、このテストで合格するには 暗記する力では無く、正しい情報を短時間で引っぱって来れるかが重要になって来る。
そう言った面では 事前準備がバッチリであり、問題が出されてもデバイスを使って解決方法を出せる位には 理解している。
義体化のお陰《かげ》だろうか?
さっきから関数電卓を使わず数式が計算出来ていて、思った資料がすぐにARウィンドウに出てくる。
あー人外に足を突っ込み始めたな…。
そんな事を思いつつ オレは問題を解いていく。
テスト中にチラッとトヨカズ、レナを見るが、共に問題無く、クオリアは勿論、問題無い…。
時間が過ぎ、タブレット端末を回収し、講師が採点を行う…。
が、クオリアの採点で手が止まった…。
「え?まさか…そんな…あり得ない。」
講師は青ざめている。
クオリア…どんな回答をしたんだ?
「あり得ないなんて事は、それこそ あり得ない。」
『何をした?』
ナオはクオリアに内緒話通信で話しかける。
テストも終わっているから良いだろう。
『いや…ただ間違っている所を正して、厳密解を回答しただけだが…。』
『それだよ…この都市では知らない方程式を持ち込んだのか…。』
『だが、正しい回答をするのがテストだろう』
講師は散々唸ったが×にも○にも出来ず、無視された。
結果は、ナオ、トヨカズ、レナ共に100点…クオリアは90点だった。
さて、45分のテストに15分の休憩を挟み、また45分のテストと繰り返し、窓の外の空が赤く染まって来た頃でやっと終わった。
「ふうやっと終わった。」
結果はクオリア以外、全部100点だった。
オレ達は寮に戻り、それぞれが自室に戻る為 別れ オレとクオリアが残った。
「なんか反則技を使ってる感じがするな…。
そもそもデバイスありでカンニングが合法化されている時点である程度の点数は確実に取れるだろう…。」
ナオが言う。
「私からするなら 実際の問題に遭遇する時では必ず、デバイスを持っているのだから、デバイス禁止のルールは 想定として不適格だと思う。
実際、都市の外でサバイバルする時 位しか役に立たないだろうからな…。
それに そうなると私達は頭自体がデバイスなのだから、存在自体が反則になる。」
自分の頭を指で差してクオリアが言う…。
「分かっては いるんだけどな」
結局デバイスなどの端末を禁止した所で、スパコン並の処理能力の脳を持つ オレとクオリアが圧倒的に有利なのは間違いない…。
しかも人でも頭の処理能力が高い奴、低い奴がいる訳だから、オレらも物凄く頭が良い人になるだけだろう。
少なくともここでは、人と道具をセットで本人の能力として扱う社会だ。
結局、自分の頭ですべて解決しようとする考え方は古いんだな…。
これは、オレの身体も含め慣《な》れて行くしかない。
「そうだ…帰ったらVRでトレーニングしたいんだが、付き合ってくれるか?」
ナオがクオリアに言う。
「時間は空けられるが、訓練は量子フライトユニットだろうか?」
「ああ…次にワームが来る時までには何とかしたいからな…。」
「なら6時に私のパブリックスペースに来て欲しい」
「分かった…じゃあ6時に」
ナオがクオリアと別れ自室に戻る。
ナオは義体を入れ替えたはずなのに身体への適応力が異様に高い。
義体操作時間が1ヵ月半程度のナオが、しっかりと自分を確立しつつ、自分を機械として使う事も普通に行っている。
なんだろうな…この義体化に慣れているような違和感は…。
クオリアは歩きながらそう思い、自室に戻って行った。
軍政経学園は、その名の通り軍事、政治、経済を学ぶ学校だ。
授業はリモートで良く 講義の見逃し配信もやっている為、家から一歩も出ずに通う事も出来る。
ただ セキュリティの問題から、最後のテストだけは 学校に来て行わなくてはならない。
さて、1週間も学校に行っていなかったナオ達は見逃し配信のログから 講義は聞いていたと言う扱いで 各科目のテストを行う事になった。
場所は教室だが 外部との通信が遮断され、インターネットにアクセスする事は出来ない。
使えるのは事前にデバイスに入れた記録だけだ。
椅子に座るナオ達にタブレットPC風の端末が配られる。
タブレット端末はA4サイズのデバイスでタッチペンが付いている。
無線の類は搭載されておらず、有線でテスト内容の抽出《ちゅうしゅつ》とデバイスの充電する為の端子が付いているだけだ。
「では始め…。」
講師が教卓から言い、電子黒板に残り時間が大きく表示される。
残り時間は45分…。
テストは自前のデバイスが許可されている前提の問題で、難易度が高い。
計算問題も手計算は まず不可能で関数電卓が必須だ。
さらに問題の最後には『何々についてのレポートを書きなさい』など点数配分が分からない問題も出る。
なので、このテストで合格するには 暗記する力では無く、正しい情報を短時間で引っぱって来れるかが重要になって来る。
そう言った面では 事前準備がバッチリであり、問題が出されてもデバイスを使って解決方法を出せる位には 理解している。
義体化のお陰《かげ》だろうか?
さっきから関数電卓を使わず数式が計算出来ていて、思った資料がすぐにARウィンドウに出てくる。
あー人外に足を突っ込み始めたな…。
そんな事を思いつつ オレは問題を解いていく。
テスト中にチラッとトヨカズ、レナを見るが、共に問題無く、クオリアは勿論、問題無い…。
時間が過ぎ、タブレット端末を回収し、講師が採点を行う…。
が、クオリアの採点で手が止まった…。
「え?まさか…そんな…あり得ない。」
講師は青ざめている。
クオリア…どんな回答をしたんだ?
「あり得ないなんて事は、それこそ あり得ない。」
『何をした?』
ナオはクオリアに内緒話通信で話しかける。
テストも終わっているから良いだろう。
『いや…ただ間違っている所を正して、厳密解を回答しただけだが…。』
『それだよ…この都市では知らない方程式を持ち込んだのか…。』
『だが、正しい回答をするのがテストだろう』
講師は散々唸ったが×にも○にも出来ず、無視された。
結果は、ナオ、トヨカズ、レナ共に100点…クオリアは90点だった。
さて、45分のテストに15分の休憩を挟み、また45分のテストと繰り返し、窓の外の空が赤く染まって来た頃でやっと終わった。
「ふうやっと終わった。」
結果はクオリア以外、全部100点だった。
オレ達は寮に戻り、それぞれが自室に戻る為 別れ オレとクオリアが残った。
「なんか反則技を使ってる感じがするな…。
そもそもデバイスありでカンニングが合法化されている時点である程度の点数は確実に取れるだろう…。」
ナオが言う。
「私からするなら 実際の問題に遭遇する時では必ず、デバイスを持っているのだから、デバイス禁止のルールは 想定として不適格だと思う。
実際、都市の外でサバイバルする時 位しか役に立たないだろうからな…。
それに そうなると私達は頭自体がデバイスなのだから、存在自体が反則になる。」
自分の頭を指で差してクオリアが言う…。
「分かっては いるんだけどな」
結局デバイスなどの端末を禁止した所で、スパコン並の処理能力の脳を持つ オレとクオリアが圧倒的に有利なのは間違いない…。
しかも人でも頭の処理能力が高い奴、低い奴がいる訳だから、オレらも物凄く頭が良い人になるだけだろう。
少なくともここでは、人と道具をセットで本人の能力として扱う社会だ。
結局、自分の頭ですべて解決しようとする考え方は古いんだな…。
これは、オレの身体も含め慣《な》れて行くしかない。
「そうだ…帰ったらVRでトレーニングしたいんだが、付き合ってくれるか?」
ナオがクオリアに言う。
「時間は空けられるが、訓練は量子フライトユニットだろうか?」
「ああ…次にワームが来る時までには何とかしたいからな…。」
「なら6時に私のパブリックスペースに来て欲しい」
「分かった…じゃあ6時に」
ナオがクオリアと別れ自室に戻る。
ナオは義体を入れ替えたはずなのに身体への適応力が異様に高い。
義体操作時間が1ヵ月半程度のナオが、しっかりと自分を確立しつつ、自分を機械として使う事も普通に行っている。
なんだろうな…この義体化に慣れているような違和感は…。
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