⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)

30 (ナイフは責任を負わない)

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 翌日の8月16日…。
『皆さんお疲れさまでした…。
 砦祭は大成功です。
 ご協力ありがとうございます。
 さて都市の経済なのですが、元の水準まで戻る事が出来ました。
 皆さんのご協力に感謝します。

 続きまして、ワームに対応する為の防衛力の強化についてです。
 先日、ワーム戦に計164機のDLを投入…生還機体は0…。
 撃墜された事による死者は4…。
 これは主に 長期戦による機体の炭素フレームの疲労が原因です。
 次に、帰還中に死亡が20…重傷者は18…その他は 軽症以下です。
 この事から S装甲のコクピットブロックの安全性は証明されましたが、帰還時のサバイバリティ能力については改善の余地があります…。
 これは 現在 対応策を検討中です。
 更に DLの素材強化による改良プランを実施中…。
 フレーム強化による炭素フレームの疲労軽減…戦闘継続時間の増加が見込まれます。
 ただ…この技術はエクスマキナ製の物で、現在は技術解析率が80%程度…。
 製造の為の機械一式をエクスマキナ都市から購入する事で、3ヵ月程度で全DLのアップグレードが終了出来ます。
 この素材は一時的なオーパーツになりますが…半年程度の研究で習得できるレベルだそうです。
 今回のオーパーツの導入は ワームの攻撃から都市を生き残らせる事を優先し、私がルールを曲げました。
 都市の理念は曲げてしましますが、次 同規模の作戦時が起こっても、今回より損耗を抑える事が可能になります。
 以上、定期報告をレナ・トニーが行いました。
 それでは皆様の快適な都市生活が送られる事を期待しています。』

「ふう」
 定期報告が終わり…次は 緊急会議だ。
 砦祭中は あちこちのパーティにアントニーと一緒に出席し、人脈の構築を行った。
 皆とのイベントはすべて参加した上で 調整を行うハードスケジュールをこなし、これで終わりかと思ったら 新たな問題だ。

「では、今回の議題に入ります…。」
 アントニーが話を進める。
「砦祭の翌日にエクスマキナ都市から、正式に通知がありました。
 ワームが生まれる巣、仮呼称『ネスト』の破壊作戦です。」
「『ネスト』の破壊だと!」
 防衛部の幹部が言う。
「ええ…今までのワームの被害があった地域は トニー王国の砦学園都市…。
 スレイブロイドファクトリー…ピースクラフトの3都市…。」
 ディスプレイが表示され、皆の視線が向く…。
 その後 世界地図が表示され、都市の位置をマーキングしていく。
「この通りすべて北大西洋の都市の海沿いです。
 なので ワームの進行ルートを逆算」
 アントニーが 戦闘があった都市を線で繋ぎ、三角形が描かれる。
「更にワームは水深が浅い地域を好んでルート選択している為、更に絞り込めます。」
 水深のマップを重ね…予測地点が赤丸で囲まれる。
「ここ、水深は約1000m…ワームの外殻が耐え、尚且なおかつ、我々のあらゆる兵器が使用不能の深海…一応大戦時のデータから魚雷は作っていますが…耐圧限界ギリギリなのです。
 おまけに数万匹はいるワームに対して魚雷による飽和攻撃も不可能です。」
「製造も開発もして無いだろうしな…」
 役員が言う。
 世界が平和になった事で海中戦も無くなり、潜水艦はあるものの、魚雷技術は大戦時のままだ。
「なので、まずは ワームを低水深の海域に誘導します。
 具体的には深度200mです。
 こうする事で DLで対応出来るようになります。」
「とは言っても…200mでのDLでの戦闘なんて まともに動かないだろう。」
「ええ…だから高機動戦闘は出来ません…。
 なのでDL1個連隊による大量の物量で固定砲台としてワームの群れを叩きます。」
「確かにコイルガンは水中でも撃てるが…威力は減衰するだろうし、飛距離も落ちる…。
 おまけに光学カメラが使えないのも問題だ…。」
 光学カメラが使えないと敵を索敵する能力が下がる。
 ソナーデータだけを頼りに射撃するのはかなり難しい。
「ええ…情報によれば、威力は電圧を上げれば解決出来ますが、有効射程が100m程度になります。」
「近いな…。」
「その為の物量です…。
 エクスマキナ都市の試算では 6個大隊が失われるとの事です。」
「半分か…。」
「ですが…パイロットに救命胴衣を着せますので、脱出時に海上に上がる事は出来ます。
 ワームの比重からして 海上は攻撃は出来ないはずなので、海面に救助部隊も配置出来ます。
 それをして死者は400人程度出るとの事です。」
「400人…多いな…それで こちらが投入する数は?」
「1個中隊以上…との事です。
 砦都市は、開発、実験、学園、リゾートの4都市なので4個中隊…。
 数としては妥当だと思いますし…都市の防衛力の減少も最低限です。
 人選をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「ええ…出し惜しみせず、帰還できる優秀なパイロットを当てましょう…。」
 防衛部の幹部が言う。
 都市を守るなら優秀なパイロットはこっちに残して置いた方が良いが ここで負ければどっち道 学園都市は生き残れない。
「ええ…お願いします。
 さて…次は、今後のワーム戦における遊撃部隊の設立がエクスマキナ都市を中心に可決されました。
 人員は、レナ、トヨカズ、ナオ、クオリア、ジガ…後1名はロウなのですが…。」
 アントニーがレナを見る。
「彼女は、DLの戦闘技術は高いのですが、基礎知識が無い為、高度な連携は取れません…。
 まずは学校で基礎知識を学んで貰うのが先かと…。」
 レナが言う。
「……確かに…。」
 5歳の子供を戦場に出させるのは問題だからと言わない辺りがレナらしい。
 その時になれば 5歳だろうが3歳だろうが 銃とナイフを持ち相手を殺すのがレナの育った環境だ。
 自分の生存を他人に握られる程 危険な物は無いからだ。
「その人選には何か意図が?」
 防衛部の幹部が言う。
 確かに、エレクトロンが2名…旧人類が2名、内1人はサイボーグ…新人類のレナに獣人のロウ…かなり多種族の構成だ。
「これはクオリアと私で決めました。
 優秀で信用の出来る私の友人達です。」
「実際…エレクトロンは 政治的に戦闘介入が難しい事もあるので、エレクトロンを投入出来ると言うのはかなりのメリットだと思いますが…ね。」
 アントニーが言う。
「確かに単体で核兵器と同等の戦力を持つ エレクトロンなら問題無いでしょう…。
 レナ次期都市長がメンバーにいるのは『責任者』だからですか?」
「ええ…クオリアとジガは 私が保有する道具扱いになります。
 道具故に私の許可なしに戦闘は出来ませんし、道具の責任は全部私が持つことになります。」
 クオリアとジガは 兵士が振るナイフに相当する。
 ナイフで人を殺してもナイフ自身の責任では無く、振った兵士の責任だ。
「こちらとしては レナ次期都市長には 危険をおかして欲しくないのですが…。」
「今の状態だと 私が正規に就任する前に地球から人類がいなくなりますからね…。
 なら危険なワームと戦って未来を勝ち取った方が良いと判断します。」
「都市長の意見は?」
「今回の件は、レナの成長に繋がると思っています…。
 都市長になれば ここから殆《ほとん》ど出られませんし、経験を積む良い機会かと…。」
「分かりました。」
「では、賛成多数と言う事でよろしいでしょうか?
 反対意見はありますか?…ありませんね。
 では次の案件です…。」

 その後、会議は順調に進み終了…。
 その日の内に、遊撃部隊のメンバーに連絡が入った。
 出発は、9月1日に決まり、残りは2週間…。
 銃の練習もしといた方が良いわね…。
 レナは トヨカズに銃を選んで貰う為、トヨカズに連絡を取った。
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