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ヒトのキョウカイ7巻(シャロンの扉)
01 (血みどろのヒーロー)
オレが覚えている最初の記憶は 4歳の時だ…。
当時は日付の概念を知らなかったので、日にちまでは分からないが、寒く暖房が掛かっていた事から冬だと思う。
親は、養父が直樹…実母は、勝子だ。
ナオキは、毎週日曜日の朝に問題を起こす宇宙人を始末する宇宙警察並みに忙しく、ほぼ家には帰って来ない…。
一度、ナオキに『何の仕事をしているの?』と聞いてみた事があるが『特殊作戦群のグリーン』との事…。
確かに顔を隠し 日本の脅威になる外敵を倒すのはヒーローだろう…本当に上手く返したもんだ…。
ナオキは『国防戦隊特殊作戦群』の訓練や仕事で家を空ける事が多く、会えるのは週1日程…。
勝子は ナオキが帰る日には しっかりいるが、専業主婦で金使いが荒く、内心では ナオキをATMとしか思っていないらしく、食料を買い溜めし始めるとオレを放置してどっかにいなくなる…。
多分、実際に会った事が無いが実父の所だな…。
お陰で4歳児にして家事が出来るようになっていたし、幼稚園まで100m程度とは言え、一人で通っていた…。
ゴールデンウイークが過ぎ、サワーワのユーフラテス川に鯉のぼりを掛けて、子供の健康と成長を祈った事で、その後 住民による『感謝デモ』が起った。
その中で ナオキが感謝デモの中の少女を撃ち殺したシーンが テレビで大々的に報道され、オレの家の住所も特定されて、家の前に大量の記者が居座る。
テレビでは 何度も何度も少女を射殺した映像が流され、何度も何度も同じ質問…。
幼稚園では それを元にしたイジメが多発…。
幼稚園の先生も放置するし、今思えば確実にオレの対応が悪くなってた。
勝子は 1万円札をテーブルに置いて何日も家に帰らない事が増え、オレは買い物を覚えた。
カメラを持った大人達は、幼稚園に行く時も買い物に行く時も いつも ついて来て、写真に撮り報道する。
その時は気づいていなかった…マスコミからの報道…。
幼稚園の先生の言葉、周りの対応、誹謗中傷…。
オレが気にせず、平然と大きなカゴをレジに持って行く様子を見る店員の視線…。
オレは それを『普通』と思っていた…だから気づかなかったオレの異常性に…。
翌年、春…オレは 児童養護施設に入れられ、同じ年齢位の子供達との集団生活が始まった。
その頃だろう…オレの奇癖が目立ち始めたのは…。
オレは ルールには煩い…。
児童養護施設のルールは守っているのに 他の子供と対立した…。
オレは職員に、ルールにもと付き、自分の正当性を拙い言葉でアピールするが、どうやら『良い訳』らしい。
ルールを厳守しているのに何故それが『良い訳』になるのだろう?良い訳の定義は?
職員に良い訳の定義を聞いて見るが、まともな説明が返って来ない…。
当たり前だ…職員は良い訳の定義を理解せずに使っているのだから…。
この概念の解析にはかなりの時間がかかり、理解出来るようになったのは 14になってからだ…。
解析の結果として 感情で思考している人間は、理屈で正論を言われると不快感が発生するようで、理屈で相手を打ち負かせないと判断されると 大きく分けて2パターンの行動を取る…。
1…先生、職員=偉い、や、年長者=偉いの図式を持ち出し、立場を利用して言う事を聞かせるやり方…。
2…最も簡単な方法として『良い訳だ!』『屁理屈を言うな!』『ネトウヨだ!』などと相手をレッテル張りする事で、相手の発言を封じ、自分の言う事を聞かせる やり方…。
主に この2種類に分類され、オレと同じ理屈をベースにして話す人は極端に少ない…。
さて、話を戻そう…。
ナオキがイラクから緊急帰国して、裁判にかけられた…。
罪状は『業務上過失致死傷』…。
ナオキは ヒーローとして、悪人を殺して皆を守ったのだ。
そもそも自衛隊は 国民を守り、悪と戦う正義のヒーローだ…敵を殺して何が悪い?
怪人に危害を加えられている国民をヒーローが怪人を殺して救っただけだ…つまり…無罪だ。
オレは4歳児の頭をフル活用し、ナオキの無罪を確信していた…。
だが、結果は有罪…なんで?
遠くでオレ達を守ってくれたナオキに何故有罪を下すのか?
もしかして、怪人側のスパイが日本に紛れ込んでいる?
戦隊ものとしては割と定番なシチュエーションなのだが、意外な事に当時のオレはこの国の本質に気づいていた。
ただ…実際には この世界には絶対的な正義は無く、見方を変えればどちらもヒーローであり、どちらも怪人だ。
この世の中は物語のように綺麗にはなっておらず、常に混沌としている…。
さて、裁判が終わり 保釈金で済んだ事でマスコミの不満が更に過熱し、ナオキをマスコミが叩き、その空気に同調するように戦争反対派が騒ぎ始め、一般国民にもそれが伝染し…遂に直接関係の無い神崎家まで広がった…。
神崎家は 忍者の家系だ…。
記録上では、戦国時代には もう存在しており、敵の要塞攻略や敵に紛れる諜報活動、要人の暗殺といった任務を得意としていた家だ。
だが、訓練していない子供でも撃って当たれば 敵を殺せる銃が実用レベルになった事で、忍者の任務は 要人警護に重点を置く事になり、ナオキのように特殊作戦群に所属して 裏で敵と戦い、表面上、平和な世の中に見えるように維持する者もいる…。
ただ…ナオキは表に出てしまったのだが…。
しばらくして、ナオキと 勝子が離婚したと言う事を聞いた。
原因は マスコミの報道によるストレスにより、ナオキが勝子に『精神的DV』をしたと言う名目だ。
勝子は これを既成事実化する為に、マスコミに情報をリークし、日本国民全体で ナオキを批判させる事で『子供を射殺する夫を持つ妻』では無く、DVをされた被害者として振る舞い、民意も煽《あお》らせて 正しい判決をさせず、多額の慰謝料の請求が通り、ナオキは 支払う事になった。
支払いが法的に認められた翌月、勝子は めでたく、オレの本来の父親と結婚する事になったが、ナオキは 虐待をしていると言う設定なのに 親権は何故《なぜ》かナオキにあり、オレは帰る事が出来なかった。
オレは ナオキが罰金や慰謝料を払った事で、すぐにナオキの元に帰れると思っていた…。
だが『少女を射殺するような異常者の家に住めば、確実にナオキがオレを虐待し始める』と言う、訳の分からない有難迷惑で 家に帰る事も出来ず、また理屈の通らない生活を強いられる。
何だろう…この虐待は…。
赤木と言う人が施設に訪て来た…ナオキと同じ部隊にいたらしい…。
話を聞くと、ナオキが話していた『レッド』だと知る。
レッドは まぁまぁ不自然しな人だろう…。
現場の状況をグロイ所も遠慮しないで語り出す…。
ただ情報の擬装が無いその情報は オレに取ってとても有益で、こちらの質問にも機密に抵触しない範囲で答えてくれた。
ナオキが感謝デモの中の少女を撃ち殺した現場の映像を見せられる…。
テレビで何度も何度も見た映像…。
テレビの映像は撃ち殺して少女が倒れるシーンで終わっていたが、レッドの映像では その後に少女が爆発して感謝デモの住民を巻き込み、報道のカメラマンをナオキが庇って画面が黄緑色に染まり、爆発が終わって 濃い茶色から銀色になった髪を後ろで束ねているのナオキが振り向き、カメラが向くと周りの兵士の何名かが負傷していた…その中にはレッドの姿もあった…。
『怪人は死ぬと爆発するだろう』と戦隊ものの常識をぶつけるオレに対して、レッドはちゃんと反論してくれた。
現場の証拠写真や他に殺したテロリストの死体の写真を見せられる…。
通常なら子供にグロ写真を見せるのは、相当にイカれていると思うだろうが、オレはむしろ精度の良い情報と的確な反論をしてくるレッドを気に入った…。
そして、レッドは『異常者』であるナオキが『接近禁止命令』を出されて 児童養護施設に行けない代わりに、仕事の区切りの期間にはちゃんと顔を見せてくれて、オレは オレを理解してくれる友人に出会えて 毎回楽しかった…。
6歳になった…普通なら小学校に上がる所だろうが、オレは別の学校に入れられた…。
特別支援学校だ…。
ここは 障害者の為の学校で、理由は言葉の発音が年齢に比べて拙かった事と、医者に発達障害の『アスペルガー症候群』と診断された事で、当時はまだアスペルガー症候群が認知されておらず、知的障害では無いのだが、日頃の言動や生い立ちが悲惨なのに可哀想のように振る舞わず平然としているオレを見て、自分の状況を理解していないと判断されたらしい。
なので、自閉症で発達障害と言うくくりで学校に入れられた。
別段、こっちが変人と言う事もあり、学校生活に違和感は無かった…。
他の学校を知らなかったから それが普通だったし、親が中国人で中国語を話し、カタコトの日本語を喋る日本人の子供と中国語と日本語を教え合い 仲良くなった程だ。
『殺人者の子供』として孤立している施設での生活に比べ、ここは随分と快適な場所になっていた…。
小学3年生…9~10歳位になり、しぶとく残り続けていたマスコミの風評被害も自衛隊がイラク派遣の任務を終えて帰って来た事で、人々の記憶から忘れられ、オレは『殺人戦闘集団』と報道されていた神崎家に引き取られ、引っ越す事になった…。
職員は ここに入って来た時と同じメンバーなのだが、その『殺人戦闘集団』と報道されていた神崎家にオレが引き取られるのを認めるなら、何故ナオキの元に行く事を拒否した?
結局、これは のちに分かった事だが、リーマンショックによる大量失業による労働環境の悪化で、親の自殺や子供へのDVに繋がり、児童養護施設の需要が上がり、かつその状況で国が予算削減を決め込む暴挙に出たからだ…。
オレを障害者にして補助金を貰っていたメリットより、殺人者の子供で周りから厄介者扱いされている オレがいなくなるメリットが勝ったのだろう…。
理解は 出来た…結局、世の中は金で動き、人の命は金で左右される…。
神崎家は北海道の山奥の限界集落で、近くのスーパーまで 車で1時間の距離にある…。
オレの住む家は神崎家の本家で、ナオキの父親…つまり血縁関係は無いが祖父にあたる人に引き取られた…。
じいさんは 軍隊格闘のエキスパートで、オレは 毎日屋敷の道場で鍛えられた。
『神崎流総合戦闘術』…。
様々な武器と体術を使い、競技では無く相手を殺す為の戦闘術…。
特にじいさんは ナイフ戦が強い…本当に60越えなのか疑いたくなる動きだ。
結局いつも負けるので 色々と工夫してやってみる…奇襲、砂による目つぶし、ありとあらゆる卑怯は ここでは合法だ…。
ただ、流石に『銃は使うな』と言われていたので使わなかったのだが…。
そしてオレが一番得意で じいさんに勝った武器は『エンピ』と呼ばれる多機能シャベルだった…。
ただし、北海道ではスコップと呼ばれ 関東とはシャベルとスコップの意味が逆になっている…。
狩猟時期の10月1日が近づく…。
じいさんは ライフルの狩猟免許を持っていて普通の狩猟の他に、山から下りて来た害獣の始末もする…。
オレはふと思い、狩猟を見たいと言った…実際に生き物が死ぬ所を体験したかったからだ…。
危険だと言われて断られると思ったが、じいさんは 狩猟時期前に山に行き、オレにリボルバーの扱い方を教えてくれた…。
勿論ハンドガンの資格は15歳から だから11歳のオレが神崎家の私有地の山とは言え、銃を持っているのは違法だ…。
だが、獣に襲われて撃てないのも問題と言う事で、罰則覚悟で『管理から構え』『実射とリロード』を教え込まれ、リボルバーを持たせて貰っていた…。
狩猟時期に入る頃には 反動がキツイが日頃のトレーニングで鍛えていた事もあり、どうにか空き缶の的に当てる事も出来るようになり、結局 本番の狩猟では オレは一発も撃つことは無かったのだが、安心と自信を持ててパニックになる事は無かった…。
正月…なんと、連絡だけで 全く会って無かったナオキが家に来た…偉そうな議員さんを連れて…。
議員さんは 今では珍しい純血の日本人の国会議員だ。
今は政府や大企業のトップは 元中国人の子供や孫の日本人で、会社の公用語が中国語である事も珍しくない…実際に特別支援学校で出来た友達の1人にいた。
彼の話だと純血日本人だけの特別自治区を作りたい見たいだ。
日本の中に日本を作るのか?
必要性が分からない…。
ナオキが一応、分かりやすい様に噛み砕いて答えてくれる。
現在、日本の大企業のトップとメディアは 元中国人の親族で固められていて、日本のあらゆる商売で中国への依存度が高く、中国がいなければ経済が成り立たない程になっている…。
政治家も元中国人の子供や孫であり、純血の日本人政治家も中国との繋がりが非常に強い…。
その為、中国の意向には逆らえず、大企業のトップは中国から『安いから』と言った理由で、積極的に外国人労働者の中国人を雇い、言語問題から中国語を話せない純血の日本人は雇わない方針に切り替えている…。
つまり、日本なのに日本人の働き口が極端に少ないし、中国に対抗して、純血日本企業を日本国内で作ろうにも『予算を削り国民を貧困化させる』事が目的の財務省が予算を締め付けるので難しく、かつ中国人の大企業は、中国政府からの兆円単位の間接的な支援が受けられる状態なので、それも難しい…。
そして、その売国奴政治家を選挙で落とそうにも、投票人口の半分が中国関係者で構成されているし、何より純血の日本人は 軒並み低所得者であり、その日生きる為の仕事で忙しく投票率は低い…多数決で決まる民主主義の弱点だ。
つまり この国は日本と言う名前が付いているが、もはや日本では無く中国なのだ。
そんな事もあり、実質 仮想敵国の安全を保障しなくてはならない『日米安保条約』をアメリカが一方的に破棄し、中国の海上侵攻を食い止める第1次列島線の防衛ラインが事実上の破棄になり、アメリカ軍は第2次列島線の防御を強化する事で対抗した…。
もはやアメリカは同盟国では無く仮想敵国だし、近海にはアメリカの空母がいる状態だ。
その内、純血の日本人だけで構成された自衛隊も、上が中国関係者の為、第2次列島線をめぐってアメリカ軍と戦闘になるかもしれない…。
流石の世界最強のアメリカ軍でも中国、韓国、北朝鮮、日本が同時に攻められた場合、第2次列島線を破棄せざるを得ないだろう…。
そうなれば今度は、広大な北大西洋が 戦場になり、敵の艦の発見が非常に困難になってしまうし、アメリカ本土が攻撃されるリスクが高まる…。
そうなれば アメリカの次の手は、第二次世界大戦で核を3発も落としたトニー王国との同盟だろうか?
トニー王国も中国と同じく日本のつくば周辺の土地を買っていたみたいで、その買った土地を純血の日本人が租借して特別自治区にする事で、純血の日本人の安全を確保しようと言う計画が始まっていた…。
日本の土地を他国から借りるって…と、当時はそう思っていたが、他国が自国の土地を買えてしまうのが 今の日本の現状だ…。
更に、日韓トンネルを韓国、日本、中国の3ヵ国の出資で造った為…九州地方は今では 実質韓国だ…。
当時は半分も分からなかったが、今なら相当に日本人が追い詰められた事が分かる…。
2月1日…ヒグマが山から降りて来た…多分 冬眠から早く目覚めたクマだろう…。
市と警察からの要請で、オレと じいさんと数名の猟師が車に乗り込み、山を降りた。
幸いか、今後の事を考えると災難なのか…。
オレが ビデオカメラで じいさんが市の職員と警察に話している内容を撮影…。
職員と警察の現場に立ち会いのもと じいさんは 町中をうろつくヒグマの頭をライフルで撃ち抜き、クマは駆除された。
さて、これからが問題だ…。
狩猟期間は1月いっぱいまでで、2月1日からは狩猟期間から外れる。
その為に オレがビデオカメラで撮影していたのだが、どうやら女の子がクマに襲われている状態でクマの頭を撃ち抜いた事が問題になり、更にクマを貫通した弾が建物に当たった事がマズかった…。
『弾丸の到達するおそれのある人、家畜、ペットなどの動物、建物又は電車、自動車、船舶その他の乗り物に向かって、銃猟をしてはならない。』という法律…鳥獣保護管理法第38条に抵触してしまった…。
つまり この場合、射線に人がいて、人を撃ち抜く可能性があったので発砲せず、クマに襲われている女の子を見捨てて、食い殺させるのが正しい判断だった。
その後 ビデオで記録を取っていた事もあり、不起訴になるも、別の公安委員会からライフルの所持許可が取り消され、長い裁判が始まった。
法は人を救えない…食い殺されそうだった女の子を助けたヒーローに罰を与える…。
その後、視力が弱くなり初めたオレにじいさんが昔使っていたGIグラスを貰い、練馬のナオキのセーフハウスの近くの中学校に通って 国語の授業が日本語と中国語になっているのに驚き、現場の裁量により中国語の比率がとても多くなっていた…まぁ企業の公用語が中国語なのだから将来就職するには しょうがない…。
その内に、日常的に日本語を話す機会が無くなり、とっさに日本語で話せ 無くなる事も珍しくは無くなり、日本から日本語が消滅して行く事を実感した…。
車の標識などの看板の文字が中国語になり、下に小さく日本語でフリガナが書かれている光景…。
周りの人が中国語を話し、それがごく自然に日常になる光景…。
職からあぶれた純血日本人は、それなりの生活をしている純血日本人を中国に国を売った売国奴と見なし、同じ日本人なのに日本人を差別している状況…。
世界は矛盾で満ちている…理解できない…。
そして、つくばに純血日本人を集めた出来たばかりの実験都市 通称『砦学園都市』の学校に転校し、検閲が無いネット環境が当たり前になった事で、オレはパソコンで今まで疑問に思っていた何故?を調べて行った…。
どうして、オレが人のように振る舞えないのか?
そもそも人の定義は何だろう…感情は?恋愛は?
何故日本にいる日本人が日本語を話していない…看板は中国語がメインで日本語がフリガナ扱いされているのは何故?
何故?何故?何故?
政治、経済、宗教、文化…技術…軍事。
ありとあらゆる何故を理解すべく、答えを求めネットで調べた。
ナオキの言っている事を理解出来るようになったのもこの辺りからだ。
アスペルガー症候群の特徴『人の感情は理解出来ないが、興味のある事に対しては異常までの集中力と執着心を持つ』…ここに来て この障害がプラスに働いた。
すべての現象を解析し、すべての未知を既知にしてしまえば、オレは人を模倣する事が出来るようになる。
そう、オレは思考実験のラプラスの悪魔に成りたかった。
オレは神崎直人…生体脳を持つ疑似人工知能だ。
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