⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ7巻(シャロンの扉)

22 (ローンウルフ)

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 入り口を抜け多目的ホールのロビーに入ったナオは、ジガに警備員を床に降ろさせる。
「そのままおさえてろ…。」
 警備員の背広を外してみると下には防弾チョッキ…その下にはパイロットスーツ…両脚の付け根から下が炭素繊維装甲の義足…。
「厄介だな…。」
 防弾チョッキにはセムテックスが取り付けられている…自分が殺された場合、周辺をまとめて吹っ飛ばすつもりだったのだろう…。
 ヘルメットを被って無かったので、確実に即死させられる頭をふっ飛ばそうと思ってたが…警戒していて 撃たないで良かった…。
「信管は何処どこだ?」
 セムテックスは引火で爆発をする事は無い…燃えるだけだ。
 爆発させるには信管からの電気が必要で、何処どこかに刺さっているはず…。
「あった…。
 ジガ…遠隔起爆をされる可能性がある…電波のジャミング出来るか?」
「クオリアがもうやっている…。
 観客のデバイスにも侵入している見たいだな…。」
 ガラスの扉の外では、3人はまだ空をゆっくりと飛んでいる…。
「相変わらず優秀だな…。」
 オレは両手で地面を触り、静電気を地面に逃がす…大型家電製品のオレは特に気を付けないと行けない…。
 コードが繋がっているのは首元か…多分、パイロットスーツから送られてくるバイタル情報がトリガーになって爆発するタイプか…。
 それが死亡か興奮状態か沈静状態か分からないが…信管は普通に刺さっているだけで、複雑な電子回路や映画で良くある赤青などのトラップ用のケーブル類も一切無い…。
 遊び心や主張が一切無いコスパ重視の爆弾…。
 敵組織に爆弾の専門家はいない見たいだな…。
「抜くぞ…。」
 念のため空間ハッキングで頭を防御しつつ…信管を…抜く。
「ふう…。
 次、脚…ジガ…これは爆発するか?」
 オレが警備員の脚を指して言う。
 セムテックスを分かりやすい場所に配置して、本命を隠す場合も十分にあり得る…。
「防弾チョッキのセムテックスに爆発物マーカーが付いていたから、自分では調合はしていない…。
 これも見た目は既製品だし…あーウチが外す…。」
「ああ…じゃあ抑える。」
 ジガとオレが入れ替わり、今度はオレが警備員を抑えつける…。
 ジガが工具を生成して解体に取り掛かる…早い…もうカバーが外せた。
「早いな…。」
「ああ…コイツはウチらが使っているのと違って人工筋肉を使わない油圧式…。
 神経接続もしていない 安い義足だから簡単なんだ…。」
 オレが見て見ると確かに人工筋肉とは違い中身が機械っぽい…確かこの構造…何処どこかで…。
「ああ…DLの脚か…。」
「そう、人工筋肉が出来る前のDLの脚…。」
 オレがテストパイロットをしていた最終型は人工筋肉と油圧のハイブリッドだったが、その前は油圧駆動だけだった。
 と言う事は、コレも精密操作が出来ないのか?
 まぁ…脚なら如何どうにか なるか?
「電源とバッテリーケーブルを切った。
 これで一応は安全だな…。」
「それじゃあ…っと」
 警備員の腕を後ろにまわし…ベストから出した結束バンドで2本の親指を重ねてキツく締める。
 こうすると、簡単に手の動きを封じる事が出来る…。
 炭素繊維強化プラスチック製の為、義体相手でもある程度の時間を稼げるだろう…。
 更に念の為、手首…ここは結構攻略法があるのだが…予備としては十分だ。
『クオリア…こっちはOK…。
 そっちは?』
『今の所、観客に怪しい所は無い…。
 単独犯の可能性が高い…引き続き監視をする…。』
『了解…。』
『それと後1分で私服警官が民間のエレカで来る…。』
『私服?』
『コンサートを中止させない為だ…。』
『ヒトが 殺されかけたんだぞ…。』
 セオリーならコンサートは即中止…敵が一人とは限らないからだ。
『だが、中止による損害の方が大きいと判断された…。
 カナリヤ本人も続けるつもりだ。』
『カナリアさんが?』
『ああ…彼女は大戦時、人とヒューマノイドの問題を歌で解決しようとしていた…。
 しかも、死ぬまで一度もコンサートを中止していない。』
『彼女も戦士って事か…分かった…。
 ただあくまで オレはレナの護衛だ。
 出来る限りの事はするが 死んでも責任は持てないぞ…。』
『分かっている…そこは私達だ…。』
「警察です…殺人未遂と言う事で駆けつけました。」
 リボルバーを腰のホルスターに入れた警官が2人乗務員用の裏口からロビーに入って来た。
「ああ…コイツだ…それと…コレ」
 オレはバックパックから、ケーブルを取り出し 磁石の端子を首に接続…。
 更にUSBメモリを繋ぎ、データを書き込んでいく…。
「コレが現場のログだ。
 同等品でも良いから後で返してくれ…。」
 オレはそう言うとUSBメモリを警官に渡す。
「分かりました…証拠品として受理します。
 オイ…立て!」
 警官が犯人…いやまだ容疑者か…を無理やり起こそうとする…。
「それはムリかな…義脚ぎそくの電源切ってるし…。」
 ジガが警備員を抱えて言う…。
「車まで運びますよ…。
 それとセムテックスも…電気で爆発するから気を付けて…。」
「証拠品、受理します。」
 警官は恐る恐るセムテックスを受け取りカバンに入れる…。
「後、取り調べの情報をこちらに流して貰えますか?
 こっちの要人が殺されかけたので、対策を立てたいのですが…。」
「分かりました…。
 上と掛け合う事になるでしょうが、可能な限り情報を降ろすよう伝えます。
 連絡先は?」
「ああ…ウチが…。」
 警備員をお姫様抱っこしているジガが、右手を出し握手をする。
「受け取りました。」
「連絡用のインスタントアカウントだ…。
 期限は今から30日…。」
「ええ…分かっています…ご協力ありがとうございました。」
 警官は手を組んで頭を下げる…中国の感謝のジェスチャー…。
 膝は付いていないが、そもそも中国人は日本人のように簡単に頭を下げない…。
 これは結構な感謝を表していると言う事で良いだろう…。
 警官達とジガは裏口から出て行く…。
 表では手を振るカナリアさんとレナを抱えるクオリアがガラスの扉の前に着地し、ロビーに入る。
「終わったか…。」
「ああ…希望通り続行だ…。
 警察も当てにするな…全力で警備するぞ…。」
「了解だ…。」
 雑とは言え、警備員になりすまして対象ターゲットが来るまでで待ち続け、更に最悪自爆してまで相手を殺そうとしている…。
 これは後ろに別の組織がいるはずだ…。
「はああ…退屈しないな…。
 本当に…。」
 オレはそう呟《つぶや》いた。
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