⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ1巻(異世界転生したら未来でした)

10 (オートレストラン復活!! 素材は人肉)

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 歓迎会を終え、2日経ち火曜日になった。
 学食で、昼食を取りにくると自然と友人が集まり、すっかり『いつものメンバー』になっていた。

 学食には、100席程のテーブルと部屋の4分の1を占領する自動販売機がある。
 100g200g300gのパック飯、パンが数種類に、麺も一通りそろっている主食自販機コーナー。
 野菜、魚、肉、の副食にカレー、牛丼、親子丼、キムチ、麻婆豆腐などの副食自販機コーナー。
 デザート、お菓子があるデザート自販機コーナー。
 最後に飲み物の飲料品自販機コーナーがある。
 20世紀に流行り、メンテナンスコストの問題や24時間営業するコンビニが出来た事で消滅したオートレストランが、労働人口の少ない この都市で復活し、ここでは普通にあるらしい。
 ナオは、自販機コーナー入り口のトレイを取って 主食、副食と進んでいく。
 食べ物の見た目は 21世紀の物と変わらないが、料理がパウチ加工されたレトルト食品で、光遮断加工こうしゃだんかこうはされていなく、中身が見え電子レンジでの加熱を基本としている。
 電子レンジの出力が高いのと、熱が通りやすい加工がされている為、加熱時間は5秒ほどだ。
 最後に飲み物だが、これも缶ジュースではなく『スパウトパウチ』になっている。
 キャップ式の飲み口にラミネートフィルムの袋がついていてその袋の中にジュースが入っている。
 宇宙では、缶ジュースやペットボトルのように重力を利用して飲み物を飲む事が出来ないので、吸うか パックを握る圧力で押し出して飲むから…らしい。
 もちろんここは地球なので、隣には 給水機とプラスチックコップがある。

 そしてトヨカズは、人のおばちゃんが厨房で作っている 少しマニアックな食事があるコーナーに行く。
 中にいる人は おばちゃんだけだが、他にドラム型のロボットが従業員として料理をサポートしている。
 ナオは、300gパック飯、カレー、ハンバーグ、オレンジジュースを乗せ、テーブル席に着く。
 隣にはクオリア、正面にはレナ、トヨカズが座っている。
「では頂きます。」
 レナに続いてトヨカズ、クオリアが祈り、それぞれ食べ始める。
 レナは、パンに野菜と栄養バランスがいい印象。
 逆にトヨカズは、大盛のどんぶりに小麦粉を限界まで圧縮した極太麺に、どろどろの背油…。
 スープは味噌で麺を覆い隠すほどのチャーシューとその上に乗ってる山盛りの もやし。
 見た目 2000キロカロリーを超えるんじゃないかと思うそんなラーメンだ。
 クオリアは テーブルの真ん中にあるタップに首に繋いだ充電用ケーブルをし、電気を食べている。

「そう言えば、食堂のおばちゃんがいる時は 毎日注文するけど…。
 トヨカズは年上好きなの?」
 レナが唐突《とうとつ》に言い、驚いたトヨカズがラーメンのスープを気管に入ってしまい ゲホゲホと 咳込せきこむ…。
「いやいや、アイツは正真正銘《しょうしんしょうめい》のストーカーだよ…。
 むしろ付きまとわれて迷惑してるっての」
「え?あのおばちゃんが…意外~」
 あの人は40代位か?自分の年齢の半分位の男が好みなのか…。
「いつから?あの おばちゃん私がここに来た時からいるよね」
「ずっとだよ…多分生まれた時から…気に食わないが、アイツはオレの代理母だ。」
「そっか…トヨカズは加工無しの人工授精児だもんね。」
 この都市では 自然出産で男は生まれない、生まれたとしても宝くじで当たるより確率が低く、健康児で生まれるなら更に低くなる。
 なので 人工授精での出産が基本だ。
「でな、ここまでなら良いんだが…オレの父親と母親は何を思ったのか、保育士の資格と幼年学校の教員資格を取ってな。
 オレの子育てと、授業の先生をやり始めて…オレ卒業と同時に退職、親父は事前に初等部の教員資格を取って、母親は寮の管理職に就職。
 また一緒になって、10歳になって成人したら、親父は高等部の教師…母親は寮の管理と学校の食堂のおばちゃんだ…まさにストーカーだろ。」
「いやいや、十分親に愛されてるじゃん?
 普通 ここまでする人いないでしょう?」
 レナは『それで何が不満』と言った様子で言う。
「ここまでするから問題なんだよ…。
 流石にもう子離れしても いい歳だろ…。」
 この都市では親権は都市側が持つから、自分の子供を育てる事は出来ない。
 それでも育てようとアレコレ考えて 『家族』を作くろうとしたのだろう。
 だから、今でも関係を維持し続けている。
 オレは どちら側も理解出来るだけでに どちらも賛同出来ない…そして、場の空気が悪くなる…話題を変えないとダメだ。

「この都市の農業ってどうなってるんだ?
 20万人もいるんだったら 畑だらけになってもおかしく無いのに…。」
 多少ワザとらしく、クオリアに意図が通じるように話す。
 トヨカズは、農業と言う言葉に馴染みが無かったのか ARウィンドウが目の前に現れ、即座に検索をかける。
「のうぎょう?……うわ効率悪いな」
 トヨカズはARウィンドウの下をつまみ、傾けてレナとクオリアに見せる。
「1人当たり100平方メートルか…太陽光を使うなら積層化出来ないしな」
「そりゃ頑張っても食料が増えない訳だ~。」
 レナは農業を知っていたが、効率までは知らなかったみたいだな…。
「で、答えは?」
「この都市では、家庭菜園は あるかもしれないが天然物の栽培はしていない…。
 食料の主流はソイフードだ。」
 クオリアがナオの質問に答えた。
「ソイフード?大豆加工食品?」
「そうだ、加工しやすい大豆(成分上は)に味覚パウダーや栄養剤を入れて、食感も本物に似せた加工した食品だ」
「これがすべて大豆?」
 ナオは、自分のテーブルに並べられた料理を見る。
 ハンバーグはまだ理解できる。
 『豆腐ハンバーグ』があるくらいだそれも可能だろう。
 だが米や野菜まで再現するとなると別だ。
「原型残ってねぇが、成分としては全部同じ物だ」
 ナオの正面に座っているトヨカズは、高カロリ風ラーメンをズルズルすする。
「栄養の偏りなんて起きようがないって訳なんだよな、元は同じなんだし」
 明らかにギトギトで不健康そうなメニューを食べているトヨカズがこれは栄養バランスが良いと言っている。
「あとはそうだなー 人肉も含まれている位か」
 トヨカズが思い出したようにナオに言った。
「はい?」
 食事中に聞きなれないワードを聞いたナオは固まる。
 冷や汗だろうか?この義体にはそんな機能も付いているのだろうか?
 身体が急激に冷えていく感覚がする。
 流石に悪食なオレでも人肉は食べた事が無いぞ…。
「だから人肉も含まれているって」
 ナオの顔が引きつり、じっと料理を見つめる。
「はいはい 怖がらせない」
 レナが止めに入る。
「あーやっぱり嘘か…」
 ほっとしたのかナオはゆっくりと息を吐き、やけに心拍数の多い心臓を落ち着かせる。
「いや嘘じゃないけど…表現方法がね」
「!?」
 一瞬息が止まり、また複雑な顔をかもし出す。
 さすがにまずいと見たのか…クオリアが説明する。
「リサイクルシステムは知っているだろう?
 この都市で出た廃棄物《はいきぶつ》は、すべてリサイクル炉で元素レベルまで分解して、種類ごとに分けられる…必要な物があったら、そこから合成して物を作るんだ。」
「ああそこは習った。」
 この都市のリサイクルシステムはほぼ100%と言っていい効率を叩き出している。
 ただし、素材が摩耗して出来たマイクロカーボンは回収困難だし、都市の機械とは違って、人は電気駆動ではなく、食料をエネルギーにしているので消費は凄まじい。
 結局 食料素材だけは外部から供給しないと行けなくなってる。
 まぁそれでも都市の備蓄をやりくりすれば10年は快適に暮らせるらしいんだが…。
「で、その廃棄物《はいきぶつ》には 死んだ人も含まれているって事だ…人の成分的に高確率で食品になる。」
「………。」
 となると排せつ物もか…。
 まぁ食事中だから気を利かせて言わなかったのかもしれないが…。
「気分的には抵抗があるだろうが、私達に出来る事は残さず食べる事だ。
 ここでは食べ物を残す事は死者への冒涜ぼうとくになる。」
「それがここの文化か…分かったよ」
『動物は何かを殺して糧としなければ生きて行けない…俺らに出来る事はそれを無駄にしない事だ。』
 幼いオレに 狩人だったじいさんが食育として言った言葉だ。
 クオリア達がやけに食べ物に敬意を払っていると思ったが…。
 こういう事だったのか…。
 えーと こう言う時に感謝する言葉は…。
「頂《いただ》いています。」
 ナオは建前で無く、心の底から本気で食べ物に感謝した。
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