シロワニの花嫁

水野あめんぼ

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本編

第十四話:収まらぬ疼きと怒り *

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ベッドに縫い付けられそうになって明澄は必死で抵抗する。

「あー、もう……煩いな」

トラウマを呼び起こされて取り乱している明澄を見て八重波は鬱陶しく思い、自分の尾びれの針を明澄の喉元にぎりぎり刺さるか刺さらないかの距離で突き立てる。

「――!?」
「あんま煩いと毒針を刺すよ? アカエイの毒がどれだけタチが悪いかあんたも知らないわけないんでしょ?」

いきなり針を肌に刺さるか刺さらないかぎりぎりに突き立てられ、明澄は恐怖で息を呑む。
八重波は自身がアカエイの人魚だということを明かし、大人しくなければアカエイの尾ひれの毒針で明澄の喉元を突き刺すと脅した。

アカエイの毒は八重波の言う通り、質が悪いのは海洋生物学を専攻している明澄も知っている。
 アカエイの毒針にはタンパク質毒という毒を持ち、下手をすればスズメバチに刺された時同様最悪の場合、アナフィラキシーショックにより死に至る代物なのだ。しかも、刺された部分の細胞は壊死すると言われているのだから余計に質が悪い。

「~~っ」

明澄は恐怖で声が出なくなった、八重波の脅す目が本気だったのもあり下手に抵抗すれば自分は毒針に刺されて殺されるかもしれない。抵抗する気がしたくても出来なくなった。

「だから、大人しくしててね? アスミ様。」
「本当、相変わらずお前の脅し方尋常じゃねえよなぁ……」
「脅しは相手を恐怖に陥れてこそでしょ?

明澄を脅す八重波のやり方に波座は少し怖気づくものの、効果は抜群なため脅しのうまさを褒める。
波座は明澄の腕を頭上で縛り上げ、服を脱がせた。

「おう、準備済ませましたよ?」

すると砕波がいつの間にか人の姿に成り代わっており、波座は人間の姿になっていた砕波の姿を見つけていつでも明澄を犯す準備が出来ていると合図を送る。クレミオは少し面白くなさそうに明澄の方を妬ましく見下ろす。

「たく、妬くなよ……お前も後で相手してやるよ。」
「――本当?」

砕波はふてくされた顔をしているクレミオに耳元でそう囁く、クレミオはそれを聞いて少しうれしそうな顔をした。

「さて、明澄……楽しませてもらうか」

「――っ」

(嫌だ、来ないで! 触らないで、止めて……!)

砕波がベッドに上がり込んできた瞬間、そう叫びたくてたまらないがトラウマのせいか上手く声に出せない。

「おい、八重波……例のもの」
「――はい。」

砕波が八重波にある物を取り出すよう指示し、八重波はそれを取り出す。

(なっ、なにそれ……!?)

砕波が瓶に収められたある物を取り出し、明澄の顔は恐怖と緊張で歪む。砕波はその瓶に入った液体を口に含み、明澄の顔を押さえると……、

「――んっ!? んぅ―っ ん~~っ!」

明澄にいきなり口づけをかました後、口に含めていた液体を口移しで無理矢理飲ませた。
砕波の舌が入り込んでくる。

「んーっ、んうーっ」

明澄は砕波の口から離れようにも砕波の力が強くて振り払えない、砕波は明澄の舌を絡めたり、明澄の口内と味を堪能する。

――ごくっ

 息苦しさに敵わず流し込まれた液体を飲んでしまった、砕波は明澄が液体を飲んだことを見越すと漸く明澄を解放する。

「――はぁっ、はぁっ……」

――ドクン

「――なっ、何!?」

飲み込んだ瞬間体が熱くなり、何故か疼き始めてきた……。

「ひっ、やっ、これ……何……!?」

「この薬、お前と相当相性がいいみたいだな。媚薬だよ……しかも“処女殺し”と言われるかなりのヤバいやつな」

淫靡な疼きが襲ってきて明澄は戸惑いを隠せずにいると、砕波はその様子にほくそ笑み、明澄は薬の効果が出やすかったらしいと明澄に飲ませたものの正体はかなりの効果が期待される媚薬だと教えた。

「我慢できない顔しちゃって……まぁ、いやらしいなぁ。」

するっ……

「んひぃ……!」

 波座は明澄の横で腰を掛けながら悪戯するかのように明澄の胸を撫でまわし、勃っている肉芽を摘まんで弄ぶ。思わず摘ままれた反動で体が飛び上がる。心の中ではトラウマを引き起こさせるような行為に嫌悪で一杯なはずなのに、なぜか疼いてちょっとやそっと触れられるだけで感じてしまう身体に明澄は嫌になる。

「触って欲しくてたまらないだろ……?」
「だ、誰が……」

「へぇ、そうかよ……」

砕波がそう聞くと、明澄は疼く身体を叱咤しキッと睨み返して反論すると砕波が反論した明澄の反応に面白くなかったようで、一瞬冷めた声に戻る。そして八重波の方を見て砕波は……、

「おい、あれ……まだあるよな? 脚を広げさせて押さえろ……下も脱がせろ」
「「――了解。」」

「!? やっ、止めて……!」

逆に明澄の反抗的な反応に怒った様で二人に明澄の足を広げさせて閉じれぬように押さえつけるよう命令し、二人はそれを了承して明澄の足を取り、下着を無理矢理降ろして脚を押さえつける。

「――やっ!」

恥部を砕波に見せつけるように広げられ恥ずかしくて閉じたくても、脚を押さえつけられている為足を閉じる事出来ず開帳させられる。

「ひっ、ぅ……うっ……!」

「あーぁ……アンタが悪いんだよ? 砕波様を怒らせるから」

恥ずかしい格好をされ、その姿を嫌う男に見せつけるような形になり、恥ずかしさとトラウマを呼び起こすような恐怖と嫌悪感で生理的な涙が流れ出てくる。クレミオは同乗もせず呆れるような声を出す。

「これ……下の口の方にも飲ませてやるよ、イキ殺してやる。」
「いやっ、止めて……! それだけは……!」

怒りを含めた声で砕波は先程明澄に飲ませた媚薬を取り出し、明澄の秘部に塗り込むことを宣言する。
そんなことされたら自分は正気じゃなくなる、明澄はそれを聞いた瞬間青ざめて懇願する。

――トロリッ

「~~っ」

びくびくびくっ!

無慈悲にもそれは拒否されて媚薬は明澄の秘部へ垂らし込まれた、薬の冷たい温度に身体が反応してまな板に乗った生きのいい魚のように明澄の身体は飛び跳ねる。

「――やっ! やめ……」

――ドクドクドク!

「ひっ、あっ……! やっ……!」

甘い疼きが明澄をさらに襲ってきた。

「やめ、やめて……」

「何がやめて欲しいんだ? なぁ……こんなに蜜を溢れさせておいてよ?」
「やっ……!」

クチュクチュクチュ……

脚を閉じようにも抑えられている為、抵抗が出来ずに砕波の指の挿入を容易く許してしまう。

ゴク……

「すげ……」

波座もその淫靡な光景に目を見張って扇情的な興奮に煽られて喉を鳴らす。
指で内部を掻き回していやらしい蜜音を砕波はわざとらしく音を立てて明澄のナカを指で犯す。

「あっ、イャ……お願い、やめ、…ひぁ……!」

――こんな男に内部を掻き回されても身体は自分を裏切るかのように敏感に感じてしまう……。

それが憎くて、悔しくて明澄にはたまらなかった。

上にも下にも薬を飲まされて、その上こんな風に身体を弄ばれ、本心ではこんな男に挿入いれられたくないのに秘部の最奥を突き立てられたいと言うように明澄の身体は限界だった。

クチュクチュ……

「助け! い、や……! お願、い……」

呂律のまわらない声で明澄は助けを呼ぶ、その瞬間――。

――ドン!

「――明澄ぃっ!」

「いっ! ……王子!?」

蹴破るように大きく開く扉の音とともに詠寿が駆け付けた。
すぐばれると思わなかったのか波座は突然の詠寿の訪問に驚愕し、八重波とクレミオも詠寿が来たことに驚愕の表情を浮かべていた。

「あっ、せ……ぱい」

明澄は詠寿の姿が見えて詠寿に助けを求める声を出そうとするが呂律が回らなくて声が上手く出せない。
明澄の姿を見た彼は、何かがはじけたように怒りに顔を歪ませた。

――バキッ!

「――っ」

砕波を思い切り殴りつけ、砕波はその反動でベッドから吹っ飛ばされる。

「――砕波、貴様!! よくもこんな真似を!」

「――ひぃっ!」
「――っ」

 明澄を辱めた行為をした砕波に酷い剣幕を見せている詠寿に、波座も八重波もクレミオも驚愕して委縮している。詠寿の怒りの興奮は収まる気配を見せようとせずもう一度殴りつけようとする。

「――不味い、王子!」
「――王子、明澄様……!」

 アリヴと厳生が慌てて駆けつけアリヴが怒り狂う詠寿を取り押さえようとし、厳生はベッドに転がされていた明澄に駆けつける。

「――ちっ、詠寿。もっと遅くこればよかったのにな」
「――貴様っ!」

――ガッ!

「――詠寿様、殴るのはもうお止めに! もう今日は薬のストックがないのでしょう!? 悪癖が出てしまったら困ります!」

殴られても悪びれもしない態度を取る砕波の言葉に詠寿は馬乗りになった状態でもう一度殴ろうとしたが、アリヴは殴り掛かろうとする詠寿の腕を押さえて怒りを鎮めるように説得する。厳生は、タオルを見つけるとそれを取り出してそれで明澄の身体をを隠す様に覆う。

「――明澄様、明澄様! 大丈夫ですか!? ――あぁ、なんてひどい!」

少し遅れてクリアも駆けつけ、明澄の変わり果てた姿を見てクリアは胸を痛めて明澄の元に駆けつける。

「どうし、よう……止ま、らない……身体が、痺れ……」

びくびくと痺れ、疼く身体に戸惑いを隠せず明澄は目の前にいるクリアにそれを訴えた。

「……お前、明澄に何を飲ませた!?」

その様子を見て詠寿は不審に思い、砕波を問い詰める。しかし、砕波はそっぽを向いたまま何も答えようとしない……。

――ドン!

「――答えろ!」

答えようとしない砕波の様子に痺れを切らして詠寿は、床に砕波の頭を叩きつける。

「催淫剤……しかも、セックスしない限り収まらねえタイプのだ」
「!? なんてことを……!」

砕波は面白くなさそうに観念し明澄に媚薬を飲ませたこと、しかもかなり質の悪い媚薬を飲ませたことを詠寿に教える。それを聞いた厳生達は驚愕し、明澄にそれ以上の酷いことをしようとしたのは一目瞭然だった。

「――明澄……すまない!」

 砕波に酷い物を飲まされて辱めを受けるような真似まで至ってしまったことに詠寿は不甲斐なさを感じ、明澄に詫びる。

「痺れる、助けて……奥が痒い……」
「あぁ、明澄様……ごめんなさい。僕がもう少し早く駆けつければ!」

 クリアは自分がお茶をもっと早く運んでくればこんなことにはならなかったかもしれないと、自責を感じ明澄に謝る。

「――ふん、まだやってねえよ」
「これからだったのに……」

――ザン!

「――!?」

「口には気をつけろ、馬鹿ども……。王家の跡継ぎになられるお方の大事な人に手を出そうとしたこと、このままで済むと思うな」

 波座と八重波はまだ明澄に挿入行為までは至っていないことを詰るように呟くと、アリヴは二人の顔の横に矛を突き立ててドスの利いた声で二人を詰め寄り砕波に加担した二人に重い罰が下ることを覚悟するよう警告する。二人は面白くなさそうにアリヴを睨み返す。

「明澄、もう行こう……本当にすまない」

詠寿は砕波に好き勝手させて辱めるような行為まで許してしまったことを謝りながら明澄を両腕に抱える。詠寿は明澄を抱きかかえながら砕波を睨み……、

「砕波、このままで済むと思うな……!」

静かで怒りの含んだ声で砕波にこの件は必ず罰を受けさせることを誓い、明澄を抱えながら砕波の部屋から立ち去って行った。

「せんぱ、痒、い……痺れる……」

明澄は抑えられない身体の痺れと疼きに涙を流しながら詠寿の胸で助けを請う、明澄の秘部から淫液とともに媚薬が漏れていることに詠寿は気付いていた。

「――クソッ、砕波め!」

媚薬の甘い匂いと明澄の妖艶な姿に、自分も酔ってしまいそうで自分を抑えるので精一杯だった。
そして詠寿は……、

「明澄……、すまないが今日は俺の部屋で過ごすことになると思う」
「……?」

明澄に今夜は自分の部屋で過ごす形になると告げる。

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