1 / 10
第一章、草の友達
1、転生
しおりを挟む
なんて可哀そうな魂なのじゃ。冤罪で15年刑務所に入り、しまいには家もなく凍え死んでしもうた。こんな運命を辿ったのでは申し訳ないのう。ここはちと本気を出そうかの……
神様が指を鳴らすと、光の束が魂に注がれた。
うむ、これでよかろう。じゃが少し多すぎたかの。まぁ、このくらい誤差。問題なかろう。来世は頑張るのじゃぞ。
神様はその魂を手のひらで掬い上げ、大切に地上に降ろした。
—数日後—
神様、実は俺不満があるんだ。あなたは俺にたくさんの力をくれた。とんでもない魔法もくれた。
だけど……けれど……見てくれ!俺の姿を!
全身がほっそい緑色。頭には冠のような若葉が生えて、腰から下は土に埋まってる!これは、まるで草じゃないか!
いや、実際、俺は草に転生したのだが……
うん、分かるよ?こんなやばい力を持つひ人間が地上を闊歩したら、確実に地上が滅ぶ。
でも、流石に草はないんじゃないか!?
喋れないし、この気持ちを外に吐き出すこともできない!なんて人生なんだ!いや、草生か?
周りは森。風に揺れるだけの存在。これの何が面白い?
その時、頭の中で声が響いた。
「申し訳ないのじゃ……」
この声は神様か!おい、どうなってるんだ!冤罪で牢に入っていた時より辛いぞ!
「座標ミスってしもうた……」
……は?
座標ミスった?
そんな、初歩的なミスで俺は……
「すまん……」
ミスがなければ、俺は何になっていたんだ?
「実は、お主には勇者の体を用意しておったんじゃ。すまんのぉ」
勇者って、マジかよ。
神様が本気出したら、草に転生した……は?
「じゃが、まだ望みはあるんじゃ!存在進化をするのじゃ!」
存在進化?それが、俺の望み?
「そうじゃ。存在進化を続けたら、いずれは【大きな草むら】にだって進化できるじゃろうて!」
大きな草むら……それって人間より……
「な!いいじゃろう、そうじゃろう!では頑張ってのぉ!」
直後、プツンという音がして、神様の声が聞こえなくなった。
これ、絶対逃げたな。
これからどうしよう。そういえば、体から力がなくなっている気が……
な、なんだこれ!!
頭の上を見ると、先ほどまで青々としていた若葉が、シワシワになっている。
まさか……
俺はさらに上、森の葉っぱの天井を見上げた。
ここは鬱蒼とした森の中。地面に光など届かない場所だと気がついた。
この葉っぱをなんとかしないと、死んでしまう!
作戦を考えよう!
そうだ、神様からもらった魔法を試してみよう。
頭の中に浮かぶ大量の魔法のうち、俺は【爆炎】を選んだ。
でも、これどうやって使うんだ?
俺は爆炎の文字を頭に思い浮かべた。しかし、まるで何も起こる様子はない。
どうやって使うんだよ、これ。説明書とかないのか?
「おい、お前魔法使えるのか?」
突如、声が聞こえた。
神様かと思ったけど、その様子はなかった。
誰だ?
「ここだよ。お前の左にいる!」
左?
左を見てみる。だが、そこには誰もいなかった。
「見えてるだろ?目合っているじゃないか!」
目が合ってる?一体どこにいるんだ?
その時、目の前の草が、風も吹いていないのに大きく揺れた。
「ここだよ!目の前で動いている草が、俺だよ!」
えっと……なんで草が喋ってるの?
「お前も喋ってるじゃねぇか」
あ、たしかに。
「それよりお前、魔法使えるんだろ?」
草になってしまった俺が言えることではないが、とても不気味だ。
草がしゃべるって聞いたことないぞ?
「イメージを強く持つんだ!この葉っぱを全て燃やしちまうイメージをな!」
この草、何者だ?でも、とりあえずやってみよう。
爆炎というくらいだから、熱く燃えるような炎が、勢いよくと燃え上がるような……
小さな火種が一気に燃え上がり、熱さのあまり顔を背けてしまうような……
心の中に感じる温かいもの。やがてそれが心から溢れ、全身を駆け巡った。
「す、すげぇぞお前!こんなの見たことない……」
気がつくと、2枚の若葉には力が漲っている。
上に向けた力のベクトルは真っ赤な炎へと姿を変え、葉の天井を一気に燃やしている。
小さく燃える火の玉が打ち上がり、花火のように爆発するを繰り返している。
まるで小さな火山の噴火を見ているようだ。
こんな力、俺が持っていいのだろうか……
神様が指を鳴らすと、光の束が魂に注がれた。
うむ、これでよかろう。じゃが少し多すぎたかの。まぁ、このくらい誤差。問題なかろう。来世は頑張るのじゃぞ。
神様はその魂を手のひらで掬い上げ、大切に地上に降ろした。
—数日後—
神様、実は俺不満があるんだ。あなたは俺にたくさんの力をくれた。とんでもない魔法もくれた。
だけど……けれど……見てくれ!俺の姿を!
全身がほっそい緑色。頭には冠のような若葉が生えて、腰から下は土に埋まってる!これは、まるで草じゃないか!
いや、実際、俺は草に転生したのだが……
うん、分かるよ?こんなやばい力を持つひ人間が地上を闊歩したら、確実に地上が滅ぶ。
でも、流石に草はないんじゃないか!?
喋れないし、この気持ちを外に吐き出すこともできない!なんて人生なんだ!いや、草生か?
周りは森。風に揺れるだけの存在。これの何が面白い?
その時、頭の中で声が響いた。
「申し訳ないのじゃ……」
この声は神様か!おい、どうなってるんだ!冤罪で牢に入っていた時より辛いぞ!
「座標ミスってしもうた……」
……は?
座標ミスった?
そんな、初歩的なミスで俺は……
「すまん……」
ミスがなければ、俺は何になっていたんだ?
「実は、お主には勇者の体を用意しておったんじゃ。すまんのぉ」
勇者って、マジかよ。
神様が本気出したら、草に転生した……は?
「じゃが、まだ望みはあるんじゃ!存在進化をするのじゃ!」
存在進化?それが、俺の望み?
「そうじゃ。存在進化を続けたら、いずれは【大きな草むら】にだって進化できるじゃろうて!」
大きな草むら……それって人間より……
「な!いいじゃろう、そうじゃろう!では頑張ってのぉ!」
直後、プツンという音がして、神様の声が聞こえなくなった。
これ、絶対逃げたな。
これからどうしよう。そういえば、体から力がなくなっている気が……
な、なんだこれ!!
頭の上を見ると、先ほどまで青々としていた若葉が、シワシワになっている。
まさか……
俺はさらに上、森の葉っぱの天井を見上げた。
ここは鬱蒼とした森の中。地面に光など届かない場所だと気がついた。
この葉っぱをなんとかしないと、死んでしまう!
作戦を考えよう!
そうだ、神様からもらった魔法を試してみよう。
頭の中に浮かぶ大量の魔法のうち、俺は【爆炎】を選んだ。
でも、これどうやって使うんだ?
俺は爆炎の文字を頭に思い浮かべた。しかし、まるで何も起こる様子はない。
どうやって使うんだよ、これ。説明書とかないのか?
「おい、お前魔法使えるのか?」
突如、声が聞こえた。
神様かと思ったけど、その様子はなかった。
誰だ?
「ここだよ。お前の左にいる!」
左?
左を見てみる。だが、そこには誰もいなかった。
「見えてるだろ?目合っているじゃないか!」
目が合ってる?一体どこにいるんだ?
その時、目の前の草が、風も吹いていないのに大きく揺れた。
「ここだよ!目の前で動いている草が、俺だよ!」
えっと……なんで草が喋ってるの?
「お前も喋ってるじゃねぇか」
あ、たしかに。
「それよりお前、魔法使えるんだろ?」
草になってしまった俺が言えることではないが、とても不気味だ。
草がしゃべるって聞いたことないぞ?
「イメージを強く持つんだ!この葉っぱを全て燃やしちまうイメージをな!」
この草、何者だ?でも、とりあえずやってみよう。
爆炎というくらいだから、熱く燃えるような炎が、勢いよくと燃え上がるような……
小さな火種が一気に燃え上がり、熱さのあまり顔を背けてしまうような……
心の中に感じる温かいもの。やがてそれが心から溢れ、全身を駆け巡った。
「す、すげぇぞお前!こんなの見たことない……」
気がつくと、2枚の若葉には力が漲っている。
上に向けた力のベクトルは真っ赤な炎へと姿を変え、葉の天井を一気に燃やしている。
小さく燃える火の玉が打ち上がり、花火のように爆発するを繰り返している。
まるで小さな火山の噴火を見ているようだ。
こんな力、俺が持っていいのだろうか……
0
あなたにおすすめの小説
まったく知らない世界に転生したようです
吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし?
まったく知らない世界に転生したようです。
何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?!
頼れるのは己のみ、みたいです……?
※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。
私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。
111話までは毎日更新。
それ以降は毎週金曜日20時に更新します。
カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる