血に濡れた約束は廃墟に眠る

まちにゃ

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仲間

優しい嘘

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レヴィア視点

「たっだいまー!!」

イリナが扉を蹴破るように帰ってきた。うるせぇ声を響かせながら。
横にはいつも通り、無表情に近い顔でマチルダがくっついている。

「帰ったらまず埃を落とせ」

そう言ってもイリナは聞いてるんだかいないんだか、興奮気味に喋り始めた。

「聞いてくれよ!今日、私がマチルダを守ったんだぜ!?マジで、スゲーやつらから守った!」

ラナードがすぐ茶化す。

「お前が?マチルダを?ホントかよ」

まぁ当然だな。

だが、マチルダは一言も否定しなかった。
少しだけイザベルを見て、ふっと笑った気がした。

……なるほど。察しはついた。

マチルダが殺気を出して追い払ったのを、イリナは気づいてねぇ。

マチルダもそのまま「守られたことにしてる」。

「すげぇだろ!?兄貴!俺、守ったんだぜ!」

「……あぁ、よくやった」

頭を軽く撫でてやると、イリナは破顔してガッツポーズしてやがった。

……ガキだな、ほんとに。

少し離れた場所に目を向けると、マチルダが小さくあくびを噛み殺していた。
丸めた膝を抱えて、クッションに体を預けてる。
眠いけど、まだ完全には力を抜いてない。
ああいう小さな警戒心が、いまだ抜けねぇ。

静かに近づいて、声を落とす。

「……あのバカ、気づいてねぇな。お前が殺気で追い払ったって」

「ん、いいの。すごく喜んでるから」

微笑むその顔は、殺し屋のそれじゃなかった。ただの、“年相応”に近い子ども。

俺は少し目を伏せて、そっと頭を撫でた。
マチルダの体が、小さく安心したように揺れる。

(……このガキ、ほんとにズルい)

こんな小さな仕草で、俺を何度でも惹き戻してくる。

マチルダはそっと肩を寄せてきた。
その体温が、なんだか今日はいつもよりあったかい気がした。

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