【完結】たんぽぽ!

大竹あやめ

文字の大きさ
31 / 35

31

しおりを挟む
また長いキスが始まると、今度は少し余裕もできた。

月成がキスしか仕掛けてこないので、英は月成の気になっていた部分に服の上から触ってみる。

(あ、やっぱり硬い……)

月成の腹筋は服の上からでも分かるほど割れていた。割れ目をなぞり、筋肉の盛り上がりを確かめていると、月成がフッと笑う。

「お前もやっぱ男だな。こんなところが気になるのか?」

月成の体つきが気になってしまう辺り、英にはもともとその気があったのかもしれない。

素直に頷くと、彼はますます面白そうに笑った。

「じゃ、好きに触ってろ」

そう言って、月成はキスを再開する。英は両手で彼の腹筋を撫で、コブの一つを指で押してみる。

やはり弾力があって、うらやましいほど理想の筋肉だ。

「ん……」

ゾクリ、と腰が痺れるような感覚が走った。自分の分身が、熱を帯びていくのが分かる。

(直接、触りたい)

英は月成のシャツの下に手を潜り込ませた。お、と月成が唇を離すが、英は気付かないまま、その手触りに夢中になる。

直接触った月成の肌は予想より硬く、自分のとは全然違うことに感嘆する。少し服を捲り上げて見ると、ツルツルした肌と、割れた腹筋、厚い胸板が見えた。

「あぁ、すごい……」

思わず声に出すと、月成がニヤニヤしながら英を見ていることに気付く。

「何ですか?」

「良い表情するなぁって。悪くねぇよ」

英は一体自分がどんな表情をしていたのか、聞くのが怖かったので黙っていた。しかし、意地悪なことに月成は、そのまま視線を落とす。

「表情見なくても、どう思ってるかはここで分かるけどな」

はっきりと表れた英の欲望に、月成は視線を固定する。

「……っ、見ないでいいですっ」

隠そうと前かがみになると、「どうせ俺にも同じものが付いてんだから」とシャツを脱がされる。

月成も自らシャツを脱ぐと、英をベッドの上へと連れて行った。

月成にベッドの上で膝立ちになるように言われ、従うと、彼も同じようにベッドに乗り込んでくる。

「ああなるほど、お前は筋肉付かない感じだな。でも、体が柔らかい分、しなやかな動きができる。ダンスでは重要だろ?」

英の欠点を突いたと思ったら、これは褒められているのだろうか。再び近づいてきた唇を受け入れると、不意に脇腹を撫でられて声を上げる。

「わ……っ」

びくりと大きく体が揺れ、そのはずみで唇も離れる。

「くすぐったかったか?」

「っ、んん……」

キスの合間に尋ねられ、英は喘ぎか返事か分からない声で答える。すると月成は、さっきのソフトタッチではなく、手のひら全体で撫でるように触ってくる。

(あ、こっちの方が良いかも)

英は体の緊張が解けたのを感じ、月成の首に腕を回した。そして、自分ばかり触られているのは嫌だったので、さっきと同じように月成のお腹を撫でる。

「! んっ!」

胸の辺りを撫でられたと思ったら、その手に乳首を摘ままれ腰が跳ねる。そのまま優しく捏ねられ、ゾクゾクと背筋に何かが走った。

「あっ、……はぁ……」

「相変わらず敏感だな」

笑いを含んだ月成の声がして、悔しくて英も月成の胸を触る。硬い胸板の上に小さく出ている突起を摘まむと、月成の真似をして捏ねる。

「生憎俺はそこ、そんなに感じないんだ。触るなら、こっちにしてくれ」

月成は英の手を取ると、彼の下半身へ持っていった。

まさか、と英は月成を見ると、彼は英の耳元に唇を寄せ、「積極的なのは良いことだ」と耳を舐める。

「うあ、んんっ」

そのまま耳たぶに噛みつかれ、こんな所も感じるのか、と英は体を震わせた。
目を閉じてその快感に身を任せながら、月成の下半身へと手を伸ばす。恐る恐る撫でたそこは、ジャージの上からでも熱が伝わってきた。

形を確かめようと握ると、月成が微かに息を詰めたのが分かる。

(すごい……)

ジャージの下のそれは、英が想像していたよりも大きく、硬かった。それを意識したとたん、血が沸騰するかと思うほど、体が熱くなる。

(嘘、オレ、これで興奮してんの?)

自分でも思ってみなかった反応に、英は戸惑う。しかし欲望には勝てず、そこを撫でる手は止まらない。

「あ……っ」

月成の手が後ろからジャージの下に入り、ボクサーショーツの上から英の尻を掴む。

そのまま尻を撫でながら、時々軽く掴んで揉まれると、鼻に抜けた甘い声が漏れた。

再び耳を舐め、乳首を擦られ、内腿を指先でくすぐられるとビクビクと分身と体が震える。

月成を撫でていた手も止まり、どうしていいか分からなくなってしまった。

「んっ、やぁ、監督……っ」

「ん? 嫌か」

ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべて、月成は体を離す。

そういうことじゃなくて、と英が口ごもると、優しいキスをくれた。ズクン、と下半身がうずいて、思わず自分の手でそこを掴んでしまう。

「……ああ、いきたいのか。さっきからお預けくらってるもんなぁ」

手を離して、と月成に手をどかされると、下着ごとズボンを脱がされる。

「あ、の……監督も……」

「あ? ……そうか、お前、俺見てる方が燃えるんだよな」

分かった、と月成も服を全部脱ぎ払う。

(……すごい)

割れた腹筋で想像はついていたが、太腿もしなやかそうな筋肉が付いている。

しかしそれ以上に、英は月成の脚の間に釘付けになってしまった。自然と手が伸び、それに触れている。

クスクス笑う月成の声がした。

「お前、やっぱそっちの人か? 人の股間見て思い切り欲情した顔しやがって」

「だ、だって……」

もともとそっちの人であれ、反応するのは月成だけだと英は思う。憧れの元俳優は、体つきも憧れそのものだ。

それなら、と月成は英にもっと近づき、腰の位置を合わせた。そして互いの性器を一緒に擦り上げる。

「あ、あ、や、やだ……っ」

熱い月成が英に触れているだけで、おかしくなりそうなほど体が熱くなる。ビクビクと腰が震えて、月成にしがみついた。

「ビジュアル的にもイイだろ? ほら、先っぽ濡れてんぞ」

それを見て気分を良くしたらしい月成は、言葉でも英を苛める。自分の状態を他人の口から、しかも耳元で囁かれるなんて、恥ずかしすぎる、と英は首をふるふると振った。

「お前、面白れぇな。言葉攻めもいけるか」

おもちゃを見つけた子供みたいに、月成は笑う。しかし、その眼の光は鋭く、月成も英に欲情してることを知らせた。

「――……」

「……っ、ばかっ!」

調子に乗った月成は、卑猥な言葉を耳に吹き込んでくる。同時に胸を叩いてやろうとしたが、力が入らず、またしがみつくだけになってしまった。

「か、監督……いっちゃう、いっちゃう……」

体を震わせながら訴えると、月成は眉間に皺を作って「違う」と手の動きを緩める。

そこは英の出した先走りですべりが良くなっていて、もう限界だった。

「な、何でっ?」

「監督なんて色気ねぇ言葉、使うんじゃねぇよ」

嫌そうに言い捨てた後、月成は激しいキスを仕掛けてくる。唇を噛み、舌を絡め、吸ってくる。

ガクガクと腰が揺れたが、決定的な刺激は与えられてないので、達することができない。

そのまま言葉を訂正する間も与えられず、英は悶えた。

「んあっ、光洋、お願いっ、お願いだからいかせて……っ」

やっと唇が息継ぎのために離れると、英は月成に懇願する。やはり名前で呼ぶことが正解だったらしい、月成は手の動きを再開させ、英はあっという間に上り詰めた。

「あっ、あっ、あ、あああっ!」

お預けとじらしのせいで、強烈な快感が全身を駆ける。放出はすぐには終わらず、しばらく体を震わせていると、月成が英の精を見てからかうような声を上げた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

手紙

ドラマチカ
BL
忘れらない思い出。高校で知り合って親友になった益子と郡山。一年、二年と共に過ごし、いつの間にか郡山に恋心を抱いていた益子。カッコよく、優しい郡山と一緒にいればいるほど好きになっていく。きっと郡山も同じ気持ちなのだろうと感じながらも、告白をする勇気もなく日々が過ぎていく。 そうこうしているうちに三年になり、高校生活も終わりが見えてきた。ずっと一緒にいたいと思いながら気持ちを伝えることができない益子。そして、誰よりも益子を大切に想っている郡山。二人の想いは思い出とともに記憶の中に残り続けている……。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

有能課長のあり得ない秘密

みなみ ゆうき
BL
地方の支社から本社の有能課長のプロジェクトチームに配属された男は、ある日ミーティングルームで課長のとんでもない姿を目撃してしまう。 しかもそれを見てしまったことが課長にバレて、何故か男のほうが弱味を握られたかのようにいいなりになるはめに……。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

処理中です...