19 / 44
契の指輪
19
しおりを挟む
それから時は少し経ち、春の陽気が訪れた頃。
「妙だと思わないか?」
「んー?」
鷹使は、週に一度の大野宅への訪問が終わった帰り道、車を運転しながら言う。緋嶺は車の中の心地良さに欠伸をしながら返事をすると、もっと警戒しろ、と鷹使に睨まれた。
「豪鬼を殺したのに、何の音沙汰もない」
「あー……そう言えばそうだな」
言われてみればそうだ。もっとも、豪鬼たちを返り討ちにしたので、攻撃しあぐねているという可能性もあるが、それにしても静かだ。
そんな事をボーッと考えていたら、また欠伸が出た。やたら眠いな、と目を擦る。
「おい、もう着くぞ」
鷹使がそう言った通り、車は自宅の庭に入った。緋嶺は頭を振って眠気を覚まし、車を降りる。
するとツツジの生垣の上に、ハンカチが乗っている事に気付く。
「なぁ、このハンカチ……何だろ?」
それはタオル生地でできたハンカチで、小ぶりの大きさの、よく見るものだった。白色で、角にワンポイントの刺繍があって、よく見るとレーシングカーらしい車が施されている。
レーシングカーと言えば、と緋嶺はすぐにセナを思い出す。彼に聞けば分かるだろうか、とそれを手に取ると、おい、と鷹使の咎める声がした。
「放っておけ。落し物で、分かるように置いたのかもしれない」
「それなら、俺心当たりある」
届けてくる、と言うと、鷹使はダメだ、と緋嶺を鋭い目付きで見る。
「何で? すぐそこだよ? アンタも付いてこればいいじゃん」
緋嶺がそう言うと、鷹使は一層表情を鋭くして、胸ぐらを掴む。
「お前は許可なく俺の結界から出るな」
「じゃあ許可をく……、んん……っ」
許可をくれと言おうとした緋嶺は、鷹使に唇を塞がれてくぐもった声を上げる。しかも塞いだのは鷹使の唇で、何でここでキスなんだ、と緋嶺は抵抗した。
しかし鷹使の唇は遠慮なしに緋嶺のそれを啄む。僅かに開いた唇を舌でこじ開けられ、深いキスに変わると緋嶺の身体の奥で小さな火が着くのが分かった。
すると鷹使の唇から蜜の味が流れ込んでくる。それを舌で感じた途端、緋嶺は一切抵抗できなくなり、足の力が抜けてよろけ、鷹使にしがみついてしまった。
その様子に満足したのか、鷹使は緋嶺を抱きとめると家に入るぞ、と言う。
「……あんた、俺を軟禁するつもりか?」
「ああ。最初からそのつもりだが?」
しかしちっとも俺の言う事聞かないな、と呆れた声がしたので、緋嶺は顔が熱くなる。この反応はおかしいぞと慌てていると、鷹使はクスクスと笑った。
「……伯父さんに抱きしめられている気分はどうだ?」
「はぁ? そんなの、嫌に決まってるだろ」
「じゃあなぜ離れない?」
足の力が抜けたんだよ! と緋嶺は鷹使の肩を叩く。鷹使は声を上げて笑い、今度こそ家に入るぞ、とそのまま緋嶺の膝を掬った。
「ちょっ! これはさすがに嫌だ! 降ろせ!」
いわゆるお姫様抱っこをされて、緋嶺は思わず鷹使の首にしがみつく。暴れると落とされるのは目に見えているので、抵抗するのは口だけだ。しかし鷹使はどこか楽しそうにしていて、そんな彼を見て何だか面映ゆい気分になる。
「……お前はまだ自覚してないようだからな」
ゆっくりいくぞ、と言われて緋嶺は何の話だと思う。家に入り玄関にそっと降ろされると、あのハンカチどうするんだよ、と口を尖らせると、あそこにあれば気付くだろう、と返ってきた。
「あのー……、もしかして俺が他の奴と話すのが嫌だとか言う……?」
緋嶺が恐る恐るその質問をすると、鷹使は真顔でそうだな、と言う。過保護にも程があるぞと文句を言うと、なんとでも言えという態度だったので呆れた。
すると、鷹使のスマホが鳴る。すぐに電話に出た彼は外を指さす。どうやら今から出掛けるぞ、と言いたいらしい。緋嶺は靴を脱ぐのをやめて、再び外に出た。
車に乗り込もうとしたところで、セナが通りかかった事に気付く。慌てて彼に声を掛けると、セナは笑顔で振り向いた。
「このハンカチ、セナの?」
生垣に置いてあったハンカチを見せると、彼は更に笑みを深くする。
「ああそれ。うん、よく分かったね」
「だってレーシングカーの刺繍が付いてるから」
緋嶺はそう言うと、それもそうか、とセナは笑った。しかし次には浮かない顔をするので、緋嶺はどうした? と彼の顔を覗き込む。
「あ、いや……ちょっとね……」
苦笑したセナは、明るかった彼のイメージには無い雰囲気だ。思い詰めたような顔をした彼は、緋嶺の何とかしてやりたいという心を動かした。
「何? 話だけでも聞くぞ?」
緋嶺はそう言うと、セナはまた苦笑してありがとうと言う。
「……そのうちね」
そう言って、彼は緋嶺からハンカチを受け取り去っていった。
「緋嶺、待たせたすぐ出るぞ」
電話を終えたらしい鷹使が家から出てきた。すると車に乗っていない緋嶺に、なぜか眉を寄せる。
「……誰かいたのか?」
「あ、うん。セナ……印旛さんが……」
ハンカチを渡したんだ、と緋嶺は言うと、鷹使は何か考えた素振りを見せた。もしかしてまた嫉妬したとか? と考えていると、まさかお前から声を掛けていないだろうな、と意外な事を言われる。
「あ、ハンカチ渡さなきゃと思って、俺が声掛けた……」
「……」
すると鷹使は額に手を当てて、大きなため息をついた。あからさまに呆れた態度に緋嶺はムッとすると、いいか、と理由を説明してくれる。
「安易に見つからない結界を張ったとは言ったが、盲まし程度で、こちらから声を掛ければ分かるんだ」
だからあまり他人と話すなと言っているのに、と言われ、そんな説明しなかったじゃないか、と口を尖らせる。しかしそれよりも、と緋嶺は話題を逸らした。
「セナ、何か悩んでるようだった」
「そんなの、知ったことか」
二人は車に乗り込むと、話を続ける。
何でも屋なら、困っている人を助けないのか、と緋嶺が言うと、慈善事業じゃないんだから、依頼がない限り動かない、と取り付く島もない。改めて鷹使が優しいのは、身内に対してだけなんだと思い知らされる。それでも、優しい方だとコハクは言っていたが。
「とりあえず、今から依頼人の所に行く。ざっくり説明するぞ」
新しい車になってから、乗り心地はかなり改善されたけれど、ゆっくり助手席に乗せてくれない鷹使は、いつも何か話しかけてくる。
一度でいいから寝て移動したい、と欠伸を噛み殺す緋嶺だった。
「妙だと思わないか?」
「んー?」
鷹使は、週に一度の大野宅への訪問が終わった帰り道、車を運転しながら言う。緋嶺は車の中の心地良さに欠伸をしながら返事をすると、もっと警戒しろ、と鷹使に睨まれた。
「豪鬼を殺したのに、何の音沙汰もない」
「あー……そう言えばそうだな」
言われてみればそうだ。もっとも、豪鬼たちを返り討ちにしたので、攻撃しあぐねているという可能性もあるが、それにしても静かだ。
そんな事をボーッと考えていたら、また欠伸が出た。やたら眠いな、と目を擦る。
「おい、もう着くぞ」
鷹使がそう言った通り、車は自宅の庭に入った。緋嶺は頭を振って眠気を覚まし、車を降りる。
するとツツジの生垣の上に、ハンカチが乗っている事に気付く。
「なぁ、このハンカチ……何だろ?」
それはタオル生地でできたハンカチで、小ぶりの大きさの、よく見るものだった。白色で、角にワンポイントの刺繍があって、よく見るとレーシングカーらしい車が施されている。
レーシングカーと言えば、と緋嶺はすぐにセナを思い出す。彼に聞けば分かるだろうか、とそれを手に取ると、おい、と鷹使の咎める声がした。
「放っておけ。落し物で、分かるように置いたのかもしれない」
「それなら、俺心当たりある」
届けてくる、と言うと、鷹使はダメだ、と緋嶺を鋭い目付きで見る。
「何で? すぐそこだよ? アンタも付いてこればいいじゃん」
緋嶺がそう言うと、鷹使は一層表情を鋭くして、胸ぐらを掴む。
「お前は許可なく俺の結界から出るな」
「じゃあ許可をく……、んん……っ」
許可をくれと言おうとした緋嶺は、鷹使に唇を塞がれてくぐもった声を上げる。しかも塞いだのは鷹使の唇で、何でここでキスなんだ、と緋嶺は抵抗した。
しかし鷹使の唇は遠慮なしに緋嶺のそれを啄む。僅かに開いた唇を舌でこじ開けられ、深いキスに変わると緋嶺の身体の奥で小さな火が着くのが分かった。
すると鷹使の唇から蜜の味が流れ込んでくる。それを舌で感じた途端、緋嶺は一切抵抗できなくなり、足の力が抜けてよろけ、鷹使にしがみついてしまった。
その様子に満足したのか、鷹使は緋嶺を抱きとめると家に入るぞ、と言う。
「……あんた、俺を軟禁するつもりか?」
「ああ。最初からそのつもりだが?」
しかしちっとも俺の言う事聞かないな、と呆れた声がしたので、緋嶺は顔が熱くなる。この反応はおかしいぞと慌てていると、鷹使はクスクスと笑った。
「……伯父さんに抱きしめられている気分はどうだ?」
「はぁ? そんなの、嫌に決まってるだろ」
「じゃあなぜ離れない?」
足の力が抜けたんだよ! と緋嶺は鷹使の肩を叩く。鷹使は声を上げて笑い、今度こそ家に入るぞ、とそのまま緋嶺の膝を掬った。
「ちょっ! これはさすがに嫌だ! 降ろせ!」
いわゆるお姫様抱っこをされて、緋嶺は思わず鷹使の首にしがみつく。暴れると落とされるのは目に見えているので、抵抗するのは口だけだ。しかし鷹使はどこか楽しそうにしていて、そんな彼を見て何だか面映ゆい気分になる。
「……お前はまだ自覚してないようだからな」
ゆっくりいくぞ、と言われて緋嶺は何の話だと思う。家に入り玄関にそっと降ろされると、あのハンカチどうするんだよ、と口を尖らせると、あそこにあれば気付くだろう、と返ってきた。
「あのー……、もしかして俺が他の奴と話すのが嫌だとか言う……?」
緋嶺が恐る恐るその質問をすると、鷹使は真顔でそうだな、と言う。過保護にも程があるぞと文句を言うと、なんとでも言えという態度だったので呆れた。
すると、鷹使のスマホが鳴る。すぐに電話に出た彼は外を指さす。どうやら今から出掛けるぞ、と言いたいらしい。緋嶺は靴を脱ぐのをやめて、再び外に出た。
車に乗り込もうとしたところで、セナが通りかかった事に気付く。慌てて彼に声を掛けると、セナは笑顔で振り向いた。
「このハンカチ、セナの?」
生垣に置いてあったハンカチを見せると、彼は更に笑みを深くする。
「ああそれ。うん、よく分かったね」
「だってレーシングカーの刺繍が付いてるから」
緋嶺はそう言うと、それもそうか、とセナは笑った。しかし次には浮かない顔をするので、緋嶺はどうした? と彼の顔を覗き込む。
「あ、いや……ちょっとね……」
苦笑したセナは、明るかった彼のイメージには無い雰囲気だ。思い詰めたような顔をした彼は、緋嶺の何とかしてやりたいという心を動かした。
「何? 話だけでも聞くぞ?」
緋嶺はそう言うと、セナはまた苦笑してありがとうと言う。
「……そのうちね」
そう言って、彼は緋嶺からハンカチを受け取り去っていった。
「緋嶺、待たせたすぐ出るぞ」
電話を終えたらしい鷹使が家から出てきた。すると車に乗っていない緋嶺に、なぜか眉を寄せる。
「……誰かいたのか?」
「あ、うん。セナ……印旛さんが……」
ハンカチを渡したんだ、と緋嶺は言うと、鷹使は何か考えた素振りを見せた。もしかしてまた嫉妬したとか? と考えていると、まさかお前から声を掛けていないだろうな、と意外な事を言われる。
「あ、ハンカチ渡さなきゃと思って、俺が声掛けた……」
「……」
すると鷹使は額に手を当てて、大きなため息をついた。あからさまに呆れた態度に緋嶺はムッとすると、いいか、と理由を説明してくれる。
「安易に見つからない結界を張ったとは言ったが、盲まし程度で、こちらから声を掛ければ分かるんだ」
だからあまり他人と話すなと言っているのに、と言われ、そんな説明しなかったじゃないか、と口を尖らせる。しかしそれよりも、と緋嶺は話題を逸らした。
「セナ、何か悩んでるようだった」
「そんなの、知ったことか」
二人は車に乗り込むと、話を続ける。
何でも屋なら、困っている人を助けないのか、と緋嶺が言うと、慈善事業じゃないんだから、依頼がない限り動かない、と取り付く島もない。改めて鷹使が優しいのは、身内に対してだけなんだと思い知らされる。それでも、優しい方だとコハクは言っていたが。
「とりあえず、今から依頼人の所に行く。ざっくり説明するぞ」
新しい車になってから、乗り心地はかなり改善されたけれど、ゆっくり助手席に乗せてくれない鷹使は、いつも何か話しかけてくる。
一度でいいから寝て移動したい、と欠伸を噛み殺す緋嶺だった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
望まれなかった代役婚ですが、投資で村を救っていたら旦那様に溺愛されました。
ivy
BL
⭐︎毎朝更新⭐︎
兄の身代わりで望まれぬ結婚を押しつけられたライネル。
冷たく「帰れ」と言われても、帰る家なんてない!
仕方なく寂れた村をもらい受け、前世の記憶を活かして“投資”で村おこしに挑戦することに。
宝石をぽりぽり食べるマスコット少年や、クセの強い職人たちに囲まれて、にぎやかな日々が始まる。
一方、彼を追い出したはずの旦那様は、いつの間にかライネルのがんばりに心を奪われていき──?
「村おこしと恋愛、どっちも想定外!?」
コミカルだけど甘い、投資×BLラブコメディ。
勇者様への片思いを拗らせていた僕は勇者様から溺愛される
八朔バニラ
BL
蓮とリアムは共に孤児院育ちの幼馴染。
蓮とリアムは切磋琢磨しながら成長し、リアムは村の勇者として祭り上げられた。
リアムは勇者として村に入ってくる魔物退治をしていたが、だんだんと疲れが見えてきた。
ある日、蓮は何者かに誘拐されてしまい……
スパダリ勇者×ツンデレ陰陽師(忘却の術熟練者)
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる