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清盛と初詣に行った後は、木全家で軽く食事をし、泊まるというのが通例だった。
いつもは春名家のおせちを持っていくのだが、今年は急だったのでコンビニの軽食だ。
不思議なことに、清盛はコンビニの弁当は嫌いだけど、お菓子やドリンク、ファストフードは食べる。
「やっぱり初詣の後のフライドポテトは美味いっ。年に一度だから美味しいんだよなぁ」
「ほら、食べたら片付ける」
いつものように寛ぎ始める清盛と、片付ける悠。
結局、今までと関係は変わらないらしい。
しかし、清盛は浮かれているのか、ニコニコしながら手伝ってくれた。
「明日は大雪だな」
「何だよそれ。……それよりさ」
「何?」
「俺、お前からちゃんとした言葉聞いてない」
「…………」
片づけを終えて再びソファーに座ると、清盛はぴたりとくっついてきた。
「昔っから、俺は触っても大丈夫なんだよなぁ。へへ、俺だけの特権」
そう言いながら、頬にキスをしてくる。
耳もとでまた言葉を催促して、腰をグッと抱かれた。
「俺は、悠が好き。お前は?」
囁かれた言葉が嬉しくて恥ずかしくて、顔が熱くなる。
ついでに目頭まで熱くなってしまって、うつむ
いて隠した。
そして、初詣に行く前、胸の中から溢れていた言葉を口にする。
「寂しかった、会いたかった……俺も好きだよ。触れても平気なの、キヨだけなん……っ」
催促しておいて、清盛は悠を抱きしめて言葉を止めてしまった。
思ったよりも高い清盛の体温は、悠を落ち着かなくさせる。
「き、キヨ?」
ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる清盛は無言で、どうしたら良いのか分からない。
「あー……くそ、こればっかりは強引にするわけにはいかねぇしなぁ……」
悠には分からない独り言を呟くと、ぽんぽん、と背中を叩かれる。
あやすようなそれは、何だか懐かしく感じた。
「取り敢えず、お風呂入ってきなよ」
悠も清盛の背中を軽く叩くと、彼の力が一気に抜けたのが分かった。
「お前なぁ……無自覚にも程があるぞ。仕方ないことだけどさぁ……」
何が無自覚で何が仕方ないのか、先程から清盛は何が言いたいのかさっぱり分からない。
この際だから、思い切って聞いてみることにする。
「なぁ、前にも藤本に、無自覚な上に無防備だって言われたんだけど、何で?」
すると清盛はがばっと音がするほど勢いよく顔を上げ、悠の肩を掴む。
「い、痛い……」
「それホントに幸太に言われたのかっ?」
若干怒ったような表情をしているが、またそれが何故かは分からない。
「う、うん……。だから気をつけろって……なぁ、どういう意味だ?」
「そうだよ、そのために俺がずっと遠ざけてきたんだからなっ。くそ、幸太の奴、余計なこと言いやがって」
「キヨ」
悠は一人で解決しようとしている清盛に、軽くチョップをした。
清盛は観念したかのように悠の肩から手を離し、ため息をついた。
「悠は考えたことないか? 接触恐怖症になったきっかけ、女が嫌いになったきっかけ」
「……きっかけ?」
そういえば、今まで何故人に触れられるのが怖いのか、何故女性を見るのも嫌いになったのか、考えたこともなかった。
気が付いたらそうなっていて、原因までは探ろうとしなかった。
しかし清盛は首を振る。
「いや、それは今いいや。でも、自分でも気付かないうちに、誰よりも意識していて、でも自分には経験がないから、対処の仕方が分かってないってことだったら?」
性やセックスに対して、と清盛は付け加えた。
確かに、今の話なら当てはまる、と納得する。
知らないからこそ怖く、強く意識してしまうのだ。
「そういうのを敏感に感じ取る奴がいるんだよ。加虐心を持つ一部の奴がな」
意識しているくせに無垢な悠の身体は、そのギャップと不安定さで人を寄せ付ける。
しかし本人は、それに気付くことができない。
だから、気をつけろということだった。
「中学のとき、下手したらいじめられてただろ」
清盛に言われて、そんなこともあったと思い出した。
でも清盛がいたおかげで、手を出していた生徒たちは、だんだん遠ざかっていったのだ。
アレがもしエスカレートしていたらと思うと、今更になってゾッとした。
清盛は、ずっと守っていてくれていたのだ。
「……キヨがいて良かった」
「だろ?」
満足気に笑う清盛は、そう言って悠の額にキスをした。
いつもは春名家のおせちを持っていくのだが、今年は急だったのでコンビニの軽食だ。
不思議なことに、清盛はコンビニの弁当は嫌いだけど、お菓子やドリンク、ファストフードは食べる。
「やっぱり初詣の後のフライドポテトは美味いっ。年に一度だから美味しいんだよなぁ」
「ほら、食べたら片付ける」
いつものように寛ぎ始める清盛と、片付ける悠。
結局、今までと関係は変わらないらしい。
しかし、清盛は浮かれているのか、ニコニコしながら手伝ってくれた。
「明日は大雪だな」
「何だよそれ。……それよりさ」
「何?」
「俺、お前からちゃんとした言葉聞いてない」
「…………」
片づけを終えて再びソファーに座ると、清盛はぴたりとくっついてきた。
「昔っから、俺は触っても大丈夫なんだよなぁ。へへ、俺だけの特権」
そう言いながら、頬にキスをしてくる。
耳もとでまた言葉を催促して、腰をグッと抱かれた。
「俺は、悠が好き。お前は?」
囁かれた言葉が嬉しくて恥ずかしくて、顔が熱くなる。
ついでに目頭まで熱くなってしまって、うつむ
いて隠した。
そして、初詣に行く前、胸の中から溢れていた言葉を口にする。
「寂しかった、会いたかった……俺も好きだよ。触れても平気なの、キヨだけなん……っ」
催促しておいて、清盛は悠を抱きしめて言葉を止めてしまった。
思ったよりも高い清盛の体温は、悠を落ち着かなくさせる。
「き、キヨ?」
ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる清盛は無言で、どうしたら良いのか分からない。
「あー……くそ、こればっかりは強引にするわけにはいかねぇしなぁ……」
悠には分からない独り言を呟くと、ぽんぽん、と背中を叩かれる。
あやすようなそれは、何だか懐かしく感じた。
「取り敢えず、お風呂入ってきなよ」
悠も清盛の背中を軽く叩くと、彼の力が一気に抜けたのが分かった。
「お前なぁ……無自覚にも程があるぞ。仕方ないことだけどさぁ……」
何が無自覚で何が仕方ないのか、先程から清盛は何が言いたいのかさっぱり分からない。
この際だから、思い切って聞いてみることにする。
「なぁ、前にも藤本に、無自覚な上に無防備だって言われたんだけど、何で?」
すると清盛はがばっと音がするほど勢いよく顔を上げ、悠の肩を掴む。
「い、痛い……」
「それホントに幸太に言われたのかっ?」
若干怒ったような表情をしているが、またそれが何故かは分からない。
「う、うん……。だから気をつけろって……なぁ、どういう意味だ?」
「そうだよ、そのために俺がずっと遠ざけてきたんだからなっ。くそ、幸太の奴、余計なこと言いやがって」
「キヨ」
悠は一人で解決しようとしている清盛に、軽くチョップをした。
清盛は観念したかのように悠の肩から手を離し、ため息をついた。
「悠は考えたことないか? 接触恐怖症になったきっかけ、女が嫌いになったきっかけ」
「……きっかけ?」
そういえば、今まで何故人に触れられるのが怖いのか、何故女性を見るのも嫌いになったのか、考えたこともなかった。
気が付いたらそうなっていて、原因までは探ろうとしなかった。
しかし清盛は首を振る。
「いや、それは今いいや。でも、自分でも気付かないうちに、誰よりも意識していて、でも自分には経験がないから、対処の仕方が分かってないってことだったら?」
性やセックスに対して、と清盛は付け加えた。
確かに、今の話なら当てはまる、と納得する。
知らないからこそ怖く、強く意識してしまうのだ。
「そういうのを敏感に感じ取る奴がいるんだよ。加虐心を持つ一部の奴がな」
意識しているくせに無垢な悠の身体は、そのギャップと不安定さで人を寄せ付ける。
しかし本人は、それに気付くことができない。
だから、気をつけろということだった。
「中学のとき、下手したらいじめられてただろ」
清盛に言われて、そんなこともあったと思い出した。
でも清盛がいたおかげで、手を出していた生徒たちは、だんだん遠ざかっていったのだ。
アレがもしエスカレートしていたらと思うと、今更になってゾッとした。
清盛は、ずっと守っていてくれていたのだ。
「……キヨがいて良かった」
「だろ?」
満足気に笑う清盛は、そう言って悠の額にキスをした。
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