甘くてほろ苦い、恋は蜜やかに。

米粉あげぱん

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ep.4

4-10 *


(あ、御堂さんのマフラー持って帰ってきちゃった)

 同じようにホテルに戻った三神峯は、ジャケットを脱ごうとすると、首元に巻かれたマフラーの存在を思い出した。あのあとホテルに戻る途中に、寒いだろうと御堂が巻いてくれたものだ。鼻をマフラーに埋めればふわりと御堂の匂いに包まれる。先ほど抱きしめられたときに鼻いっぱいに広がった彼の匂いを思い出して、首から外すのが少しだけもったいないと思ってしまう。

(御堂さん、背高かったし筋肉も程よくついてたな……)

 今日一日で本当に、色んなことが起きすぎて整理がつかない。特に最後の数時間はここ最近で一番内容が濃すぎた。切り替えには早いと自負している三神峯自身でも、まだ夢心地のような気がして仕方がない。だけど、触られるのも、キスをされるのも全部全部気持ちよかった。それに――。

(帰りにキスされたときに続きを期待した、なんて口が裂けても言えない……)

 生娘のような反応しかできなかったくせにその先だけは期待してしまう浅ましい自分に嫌気と羞恥が差し、スーツのワイシャツが皺になってしまうのも構わずベッドに倒れこんだ。

「……和樹」

 投げ出した自分の手を見ながら、御堂に手を重ねられたことを思い出す。
 御堂の手は三神峯の手よりもひと回りは大きく骨ばっていて男らしく、だが指は細長く綺麗だった。あの手で体を撫でられたら、自身を触られたら、きっと自制なんてできないだろう。

「好き、だな……」

 マフラーを手繰り寄せてぎゅうと顔を押し付ける。こんなこと、まるで恋を初めて知った少女漫画の主人公のようだ。

『好きだよ、景』

 耳元で囁かれた低い声。その声が頭の中で何度も再生され、濡れるはずのない下腹部がじわりと熱くなる。三神峯の自身は、確かにスーツのスラックスを持ち上げていた。

(嘘、そんな……)

 信じられないと思いながらもスラックスを脱いで下着に手をかける。勃ち上がった自身が外気に触れてふるりと震え、すでに先端は先走りで濡れていた。恐る恐る自身に触れれば、待ってましたと言わんばかりに先走りがくぷりと溢れてくる。

「ん……っ」

 せめて彼のマフラーを汚してしまわないようにと頭の中では思っていても、少しだけ、と本能が彼の匂いに縋り付きたくなる。
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