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バキュラビビーの葛藤
不審者と不審者
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朝。
ちーちゃんが一人でアパートから出てくる。
鍵を閉めて駅の方に向かって歩き出す。
郵便局の角を曲がり、姿が見えなくなったことを確認。
「よし、行くか」
ここは綿久川の堤防。
ここから双眼鏡を使うと、ちーちゃんのアパートがよく見えるのだ。
別にやましい気持ちで覗きをしているわけじゃない。
今日はコーリヤマの化けの皮を剥がすための大事なミッションがあるのだ。
そのために、ちーちゃんがいない隙にアパートの中に入る必要がある。
川からアパートまで車で3分。
「ちーちゃん入るよー」
誰もいないとわかっていながらも、小声で断りを入れつつ部屋の中に入る。
遮光カーテンが閉められて薄暗い中を、僕は注意深く観察する。
(おとといちーちゃんに渡した荷物は……)
最初に置いた位置から動いていない。
さすが家ではズボラなちーちゃんだ。
荷物の中から例の物を回収する。
(何か決定的なものが出てくればいいんだけど)
あと、ちょっと気になっていたことを調査しておく。
(このwifiルーターも、ちょっとデカすぎだろ)
A4サイズのアンテナ付きの箱を触ってみる。
なんだかバランスがおかしい。
やはり筐体の中に不自然な空間があるようだ。
(このツメを外せば開きそうだな)
なんとかカバーを開けることに成功する。
中には電子部品が載っかったプリント基板があり、ビスで固定してあった。
(これはマイコンってやつか?)
これがどんな役割を果たしているのか、なんとなく予想がつく気がした。
そのとき、
「ぐふふふふ。こんな朝から抜け駆けとはいけませぬなぁ」
背後から声がした。
振り向くと、小太りで黒縁メガネをかけた男が立っていた。
「だれだお前」
僕は男を睨みつけながら凄んだ。
「おりょ? てっきり郡山氏かと思ったら違いましたな? そっちこそ何奴?」
「コーリヤマの知り合いか?」
「答える義理はありませぬな」
ニマニマとした気色悪い顔で男が答える。
それにしてもなんなんだ、この状況。
女性の部屋で不審な男が二人、お互いの素性も知らず睨み合っているとか、謎のシチュエーションすぎる。
「む?」
小太り男が僕の右手を見ながら声を上げた。
「ワタクシのかわいいブルーベリータルトちゃんに何する気ですかな?」
「ブルーベリータルト?」
ケーキなんか食ってないと言おうと思ったが、奴の視線から何を指しているのか理解した。
右手に持ったルーター。
正確には、その中のマイコンだ。
「これのことか? マイコンに変な名前つけてんじゃねーよ」
「変とは心外ですな。ブルーベリータルトちゃんは世界中で使われている有能IOTデバイスですぞ?」
「知らねーよ、そんなの」
オタクの長話に付き合う義理はない。
「ともかくブルーベリータルトちゃんは返していただきますぞ。それに茅野宮様のお住まいに不法侵入する輩を、ほっとくわけには行きませぬしな」
「てめえだって不法侵入じゃねえか」
「ほっほっほ。ワレワレは茅野宮様を監視もといお見守りする親衛隊だからいいのですよ」
「ストーカーかてめえ」
ワレワレと言ったか、コイツ?
集団ストーカーってやつなのか??
ふつふつと怒りが湧いてくる。
おそらくこのケーキみたいなマイコンも盗撮用機材だ。
「頭にきた。てめえはここでぶちのめす」
「ほっほっほ。デブを舐めては痛い目に遭いますぞ」
そういうなり、ストーカー男は僕に向かって突っ込んできた。
「グラビティプレス!!」
ストーカー男が叫びながら僕にぶつかってくる。
そんなタックル効くものか……そう思ったのが間違いだった。
「がはぁっ!」
想像以上の衝撃。
圧倒的質量の前に、僕の体は部屋の端まで吹っ飛んだ。
ルーターも僕の手から離れて部屋の隅まですっ飛んでいった。
「うほほほほほ。この肉体こそが武器なのですぞ」
脂肪の塊がなんか言ってやがる。
「うるせー。ちょっと油断しただけだ」
立ち上がると、僕は拳を構える。
「おろ? おにーさん、格闘技かじってますかな??」
「空手に柔道、ボクシングもやってる。まあ相撲は専門外だけどな」
どれも役作りのためにかじった程度だったりする。
「無駄な脂肪ほど脆いものはないって教えてやるよ」
質量があっても所詮は素人。
隙だらけのストーカー男に向かって一気に間合いを詰めると、顔面めがけて右の拳を繰り出す。
「おっと!」
声を出しながらのけぞって避けるストーカー男。
だけど、それは僕の思うツボ。
体制が崩れたところに左の拳でボディーブローを喰らわせる。
「あべしっ!」
「いちいちうるせえ奴だな!」
怯んだところにラッシュを加え壁際に追い詰める。
「ひでぶ! ひでぶ! タンマ! タンマですぞ!!」
大袈裟な声を上げ続けるストーカー男。
ロクに鍛えてないやわやわな脂肪の塊じゃ耐え切れないだろう。
「あ、茅野宮さま! 助けてくだされ! 狼藉者でござる!!」
ストーカー男が玄関を見ながら叫び出した。
殴るのに夢中でちーちゃんが帰ってきたのに気づかなかった……と思ったら、
「……いねえじゃねえか」
玄関にちーちゃんの姿など、影も形もなかった。
その瞬間、ストーカー男は僕の脇を抜けて脱兎の如く走り出した。
「ふはははは、さらばですぞー!!!」
速い。
あっという間に部屋から出て行ってしまった。
「デブの癖に逃げ足だけは早い奴だな……」
半開きのままの扉を見ながら、僕は呟いていた。
さて、こっちも撤退するとしよう。
置き忘れたものがないか確認していると、スマホがないことに気がつく。
「あ……あのとき取られたか……」
最初のタックルのときだ。
あのときすでにスマホをポケットから抜き取っていたようだ。
(まずいな、これじゃ佐山に連絡がつかない……)
ピンポイントに困ることをしてくれる。
今夜、コーリヤマと佐山の話し合いが始まる前に、佐山に連絡を取る必要があるのだ。
(家に行ってみるか?)
そう考えてもみたが、今行っても仕事に出て行ってしまってるので無駄足だと思い直した。
「ホントに困ったな……。やってくれるぜあの野郎……」
ストーカー男を今から追いかけるか。
それともスマホなしで佐山に連絡をとる方法を探すか。
(どっちが楽かな……)
僕は本気で悩んでしまった。
ちーちゃんが一人でアパートから出てくる。
鍵を閉めて駅の方に向かって歩き出す。
郵便局の角を曲がり、姿が見えなくなったことを確認。
「よし、行くか」
ここは綿久川の堤防。
ここから双眼鏡を使うと、ちーちゃんのアパートがよく見えるのだ。
別にやましい気持ちで覗きをしているわけじゃない。
今日はコーリヤマの化けの皮を剥がすための大事なミッションがあるのだ。
そのために、ちーちゃんがいない隙にアパートの中に入る必要がある。
川からアパートまで車で3分。
「ちーちゃん入るよー」
誰もいないとわかっていながらも、小声で断りを入れつつ部屋の中に入る。
遮光カーテンが閉められて薄暗い中を、僕は注意深く観察する。
(おとといちーちゃんに渡した荷物は……)
最初に置いた位置から動いていない。
さすが家ではズボラなちーちゃんだ。
荷物の中から例の物を回収する。
(何か決定的なものが出てくればいいんだけど)
あと、ちょっと気になっていたことを調査しておく。
(このwifiルーターも、ちょっとデカすぎだろ)
A4サイズのアンテナ付きの箱を触ってみる。
なんだかバランスがおかしい。
やはり筐体の中に不自然な空間があるようだ。
(このツメを外せば開きそうだな)
なんとかカバーを開けることに成功する。
中には電子部品が載っかったプリント基板があり、ビスで固定してあった。
(これはマイコンってやつか?)
これがどんな役割を果たしているのか、なんとなく予想がつく気がした。
そのとき、
「ぐふふふふ。こんな朝から抜け駆けとはいけませぬなぁ」
背後から声がした。
振り向くと、小太りで黒縁メガネをかけた男が立っていた。
「だれだお前」
僕は男を睨みつけながら凄んだ。
「おりょ? てっきり郡山氏かと思ったら違いましたな? そっちこそ何奴?」
「コーリヤマの知り合いか?」
「答える義理はありませぬな」
ニマニマとした気色悪い顔で男が答える。
それにしてもなんなんだ、この状況。
女性の部屋で不審な男が二人、お互いの素性も知らず睨み合っているとか、謎のシチュエーションすぎる。
「む?」
小太り男が僕の右手を見ながら声を上げた。
「ワタクシのかわいいブルーベリータルトちゃんに何する気ですかな?」
「ブルーベリータルト?」
ケーキなんか食ってないと言おうと思ったが、奴の視線から何を指しているのか理解した。
右手に持ったルーター。
正確には、その中のマイコンだ。
「これのことか? マイコンに変な名前つけてんじゃねーよ」
「変とは心外ですな。ブルーベリータルトちゃんは世界中で使われている有能IOTデバイスですぞ?」
「知らねーよ、そんなの」
オタクの長話に付き合う義理はない。
「ともかくブルーベリータルトちゃんは返していただきますぞ。それに茅野宮様のお住まいに不法侵入する輩を、ほっとくわけには行きませぬしな」
「てめえだって不法侵入じゃねえか」
「ほっほっほ。ワレワレは茅野宮様を監視もといお見守りする親衛隊だからいいのですよ」
「ストーカーかてめえ」
ワレワレと言ったか、コイツ?
集団ストーカーってやつなのか??
ふつふつと怒りが湧いてくる。
おそらくこのケーキみたいなマイコンも盗撮用機材だ。
「頭にきた。てめえはここでぶちのめす」
「ほっほっほ。デブを舐めては痛い目に遭いますぞ」
そういうなり、ストーカー男は僕に向かって突っ込んできた。
「グラビティプレス!!」
ストーカー男が叫びながら僕にぶつかってくる。
そんなタックル効くものか……そう思ったのが間違いだった。
「がはぁっ!」
想像以上の衝撃。
圧倒的質量の前に、僕の体は部屋の端まで吹っ飛んだ。
ルーターも僕の手から離れて部屋の隅まですっ飛んでいった。
「うほほほほほ。この肉体こそが武器なのですぞ」
脂肪の塊がなんか言ってやがる。
「うるせー。ちょっと油断しただけだ」
立ち上がると、僕は拳を構える。
「おろ? おにーさん、格闘技かじってますかな??」
「空手に柔道、ボクシングもやってる。まあ相撲は専門外だけどな」
どれも役作りのためにかじった程度だったりする。
「無駄な脂肪ほど脆いものはないって教えてやるよ」
質量があっても所詮は素人。
隙だらけのストーカー男に向かって一気に間合いを詰めると、顔面めがけて右の拳を繰り出す。
「おっと!」
声を出しながらのけぞって避けるストーカー男。
だけど、それは僕の思うツボ。
体制が崩れたところに左の拳でボディーブローを喰らわせる。
「あべしっ!」
「いちいちうるせえ奴だな!」
怯んだところにラッシュを加え壁際に追い詰める。
「ひでぶ! ひでぶ! タンマ! タンマですぞ!!」
大袈裟な声を上げ続けるストーカー男。
ロクに鍛えてないやわやわな脂肪の塊じゃ耐え切れないだろう。
「あ、茅野宮さま! 助けてくだされ! 狼藉者でござる!!」
ストーカー男が玄関を見ながら叫び出した。
殴るのに夢中でちーちゃんが帰ってきたのに気づかなかった……と思ったら、
「……いねえじゃねえか」
玄関にちーちゃんの姿など、影も形もなかった。
その瞬間、ストーカー男は僕の脇を抜けて脱兎の如く走り出した。
「ふはははは、さらばですぞー!!!」
速い。
あっという間に部屋から出て行ってしまった。
「デブの癖に逃げ足だけは早い奴だな……」
半開きのままの扉を見ながら、僕は呟いていた。
さて、こっちも撤退するとしよう。
置き忘れたものがないか確認していると、スマホがないことに気がつく。
「あ……あのとき取られたか……」
最初のタックルのときだ。
あのときすでにスマホをポケットから抜き取っていたようだ。
(まずいな、これじゃ佐山に連絡がつかない……)
ピンポイントに困ることをしてくれる。
今夜、コーリヤマと佐山の話し合いが始まる前に、佐山に連絡を取る必要があるのだ。
(家に行ってみるか?)
そう考えてもみたが、今行っても仕事に出て行ってしまってるので無駄足だと思い直した。
「ホントに困ったな……。やってくれるぜあの野郎……」
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それともスマホなしで佐山に連絡をとる方法を探すか。
(どっちが楽かな……)
僕は本気で悩んでしまった。
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