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「しゅごい、しゅごーい! たかーい! びゃくしゅごいね! おしょりゃをはちってりゅ!
きりぇいな あおじょりゃ しゅごいね!」
ワーワーキャーキャーと、ビャクの背中で大騒ぎの大興奮が止まりません。
結界があるとはいえ見た目には何も無いから、普通なら落ちそうな不安を感じる所なのに、ビャクのおかげで全力で楽しんでいられる。
『こんなに高い所を飛行機とかにも乗らずに飛べるなんて感激!』
〔ヒコウキとは何だ?〕
『んとね、前世の空を飛ぶ金属の塊なんだけど、数百人の人が乗れるんだよ、多いと500人とかだったはず!
魔法は無くて、代わりに化学っていうのが発達しててそんな事も出来るんだよ』
〔金属の塊が? カガクというのはすごいな、一度に500人も飛べるのか? 私の飛翔では背に乗れなければ無理だ〕
今いるのはキャンプ地のほぼ真上。周りを見渡すとかなり大きな森であることが分かる。キャンプ地から西方向に街が見えるから目指すはあそこだろう。
『ビャク、ここから街に向かうならあそこ? この森、結構大きいんだね。もしビャクに出会ってなかったらこの森を出るのに一体何日かかったんだろ?』
〔ここから一番近い人の住む場所はあれだな。エアは小さいからな、もしかしたら2週間近くかかるかもな〕
『おおー! じゃあね、ビャクなら1日?』
〔半日もかからんな〕
『ん? なんて? 半日?』
〔かからんぞ。この距離なら問題ない、すぐだな〕
『そんなにっ! すごいね~、かっこよくってモッフモフで、空も飛べるし移動も早いんだね~』
モフモフモフモフモフモフモフモフ…………
〔ち、ちょっと、ちょっと待て、こらエア待て、待って! 危ないから!!〕
「ハッ! ごめんにゃしゃい~」
「〔!?〕」
突然、強い魔力を感じた。私達に向けてではないが魔物が発しているのは分かる。
急いで気配を探ると、街とキャンプ地のだいたい中間辺りに、なかなかの強さの魔物が数匹と人が数人いるのが確認できたが、人と魔物の力の差が良く分からなかったので不安になる。
『ビャク? あれって、人が勝てると思う? 人が全員でかかれば勝てるよね?』
〔うむ、これは……ちょっと厳しいかもしれんな……人でそこそこ強いのは4人のようだ、これが全員なら勝てたろうが〕
『そんなっ、大変! 助けにいかなきゃ! ビャクお願い!』
〔わかった。だが、しばらくは様子を見る「えっ!?」当然だ! 突然の横槍は危険だ、助けを求められたら手を貸すがそれまではダメだ〕
『そうだね、ごめんね。ビャクありがとう』
思わず慌ててしまったが、ビャクの言葉で冷静な判断が必要だと気付く事が出来た。そのことに感謝の気持ちを込めてギュッと抱き着く。(モフるのは我慢しました!)
気配を消して、ギリギリ戦闘が確認できる所まで近づいてもらうと、そこにいたのは睨み合うように立つ巨大カマキリが2匹と、ちょっと前に倒したのより大きく強いオークが4匹。
その真ん中、挟まれるように人が9人いるが、この状況はいったい……。
魔物の種類から見て、2グループがそれぞれの魔物に追われて気付いた時には――前門の虎後門の狼――って感じかな?
カマキリとオークは獲物が増えて喜びつつ互いに牽制しているし、人はカマキリ側の5人はボロボロでオーク側の4人はかなり疲弊しているがまだ戦えそう。
一触即発の雰囲気を見て気になることが一つ。
『ビャク、どうやって声かけよう? ついでにあたし3歳の幼児だ……普通に考えて3歳児に助け求めないよね』
〔ふむ、エアよ。実はそれだけではない。あの5人だが良くないぞ〕
『良くない? 何が?』
〔4人は全員が助かるためにどう動くべきかを考えているが、あの5人はダメだ、押し付ける方法、自分達だけ、自分だけが助かる方法しか探しておらん〕
『そんな! こんな大変な状況で……あっ! ウソ!? ホントに逃げた!』
ビャクから情報を聞いているとカマキリ側の5人が一瞬の隙をついて逃走、それがきっかけで獲物が減った事もあり魔物が興奮して一斉に襲い掛かりる。
きりぇいな あおじょりゃ しゅごいね!」
ワーワーキャーキャーと、ビャクの背中で大騒ぎの大興奮が止まりません。
結界があるとはいえ見た目には何も無いから、普通なら落ちそうな不安を感じる所なのに、ビャクのおかげで全力で楽しんでいられる。
『こんなに高い所を飛行機とかにも乗らずに飛べるなんて感激!』
〔ヒコウキとは何だ?〕
『んとね、前世の空を飛ぶ金属の塊なんだけど、数百人の人が乗れるんだよ、多いと500人とかだったはず!
魔法は無くて、代わりに化学っていうのが発達しててそんな事も出来るんだよ』
〔金属の塊が? カガクというのはすごいな、一度に500人も飛べるのか? 私の飛翔では背に乗れなければ無理だ〕
今いるのはキャンプ地のほぼ真上。周りを見渡すとかなり大きな森であることが分かる。キャンプ地から西方向に街が見えるから目指すはあそこだろう。
『ビャク、ここから街に向かうならあそこ? この森、結構大きいんだね。もしビャクに出会ってなかったらこの森を出るのに一体何日かかったんだろ?』
〔ここから一番近い人の住む場所はあれだな。エアは小さいからな、もしかしたら2週間近くかかるかもな〕
『おおー! じゃあね、ビャクなら1日?』
〔半日もかからんな〕
『ん? なんて? 半日?』
〔かからんぞ。この距離なら問題ない、すぐだな〕
『そんなにっ! すごいね~、かっこよくってモッフモフで、空も飛べるし移動も早いんだね~』
モフモフモフモフモフモフモフモフ…………
〔ち、ちょっと、ちょっと待て、こらエア待て、待って! 危ないから!!〕
「ハッ! ごめんにゃしゃい~」
「〔!?〕」
突然、強い魔力を感じた。私達に向けてではないが魔物が発しているのは分かる。
急いで気配を探ると、街とキャンプ地のだいたい中間辺りに、なかなかの強さの魔物が数匹と人が数人いるのが確認できたが、人と魔物の力の差が良く分からなかったので不安になる。
『ビャク? あれって、人が勝てると思う? 人が全員でかかれば勝てるよね?』
〔うむ、これは……ちょっと厳しいかもしれんな……人でそこそこ強いのは4人のようだ、これが全員なら勝てたろうが〕
『そんなっ、大変! 助けにいかなきゃ! ビャクお願い!』
〔わかった。だが、しばらくは様子を見る「えっ!?」当然だ! 突然の横槍は危険だ、助けを求められたら手を貸すがそれまではダメだ〕
『そうだね、ごめんね。ビャクありがとう』
思わず慌ててしまったが、ビャクの言葉で冷静な判断が必要だと気付く事が出来た。そのことに感謝の気持ちを込めてギュッと抱き着く。(モフるのは我慢しました!)
気配を消して、ギリギリ戦闘が確認できる所まで近づいてもらうと、そこにいたのは睨み合うように立つ巨大カマキリが2匹と、ちょっと前に倒したのより大きく強いオークが4匹。
その真ん中、挟まれるように人が9人いるが、この状況はいったい……。
魔物の種類から見て、2グループがそれぞれの魔物に追われて気付いた時には――前門の虎後門の狼――って感じかな?
カマキリとオークは獲物が増えて喜びつつ互いに牽制しているし、人はカマキリ側の5人はボロボロでオーク側の4人はかなり疲弊しているがまだ戦えそう。
一触即発の雰囲気を見て気になることが一つ。
『ビャク、どうやって声かけよう? ついでにあたし3歳の幼児だ……普通に考えて3歳児に助け求めないよね』
〔ふむ、エアよ。実はそれだけではない。あの5人だが良くないぞ〕
『良くない? 何が?』
〔4人は全員が助かるためにどう動くべきかを考えているが、あの5人はダメだ、押し付ける方法、自分達だけ、自分だけが助かる方法しか探しておらん〕
『そんな! こんな大変な状況で……あっ! ウソ!? ホントに逃げた!』
ビャクから情報を聞いているとカマキリ側の5人が一瞬の隙をついて逃走、それがきっかけで獲物が減った事もあり魔物が興奮して一斉に襲い掛かりる。
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