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「「院長先生! これ……」」
「アーロン、カイル……これは一体……私はおかしくなったのかしら?」
「あはは、驚くのも無理はないけど、おかしくなんかなってないよ~」
「エアさんはまだ3歳ですが、とても凄い魔法を使うんですよ。私達も教えてもらうことがあるんです」
「建物が綺麗になったのですか!?」
「よち! いいでしゅ。ちゅいてきてくだしゃい♪」
ビャクに乗った状態でどんどん孤児院の中を進んで行くが、その先々で先生達はキレイに修繕されているのを確認している。
キチンと扉が閉まり、壁が壊れておらずすきま風が入らない、暖かな布団と部屋。
「ここでしゅよ、うふふ~、みてくだしゃい♪」
「「おお~!」」
「「「な、なんで……」」」
「お風呂? 孤児院にはお風呂があったのですか?」
「とんでもありません! エアさん、これは一体どうなっているのでしょう?」
修繕を見てビックリしてたのに、増築まで見たらビックリじゃなくなるか……
「かいりゅしゃん、おにぇがい♪ ⦅代わりに伝えて? 喋りがね? ほら、ねえ?⦆」
面倒はお任せしよう、わたしって賢いね~♪
「私ですか……わかりました。
この孤児院の皆さんは、エアさんの元で働いていただくことになりますので、その皆さんの健康のために建物の修繕や、衛生面の改善をしたんです。
その全てがオーナーの意向です、もし何か気になることがあれば、エアさん……ではなく私達、蒼の剣へおっしゃってください」
「オーナーの……。エアさん、先程商業ギルドのハリスさんから伝えられましたが、農場に行かず孤児院に残っている私どもにまで賃金が支払われるそうですが、本当によろしいのでしょうか?」
「「え!? そうなの?」」
「はい。エアさんからそのように希望されましたので……ご存じ無かったのですか?」
なんか変? どこが?
「しょうじやごはん、ちてくりぇるかりゃ、ちんぱいにゃくはたりゃけりゅんでしゅ。とうじぇんにょほうしゅうでしゅ!」
「なるほど……掃除に洗濯、ご飯の用意をしてくれる人がいるから安心して働ける、確かにその通りです。
ですが、実際そこまでの事を……」
「ふちゅうに、おとにゃにゃりゃ、ちまちぇん。こんかいは、こどもでしゅかりゃね~」
家族なら親が子を守り助けるけどいないんだもん……だからこれは、ほんの少しの手助けなの。
「これこそがオーナーの意向! ご理解いただけましたか?」
「エアさん、ありがとうございます。お陰で子供達に暖かい部屋で生活がされてあげられます。こんなに良くしていただいてどうお返しすればいいのか分かりませんが、子供達と一緒に頑張ります」
「よりょちくおにぇがいちまちゅ♪」
契約を交わし孤児院で仕事をする3人に直接賃金の支払いも終わって、今は自宅の2階リビングから(万が一にも人に見られないように)別荘に出発!
「⦅じゃあ、扉はここに出しておくから、何かあったら教えてね? いってきます♪⦆」
「「「「行ってらっしゃい」」」」
『よ~し、やるか! まずは畑……畝を作って~、森で採取したこのウル草とトロ草…………』
〔ふふふ、随分と楽しそうだ……それにしても、ここは本当に気持ちいい……危険はないし良い所だ……〕
ここでハチミツ作れないかな~。さすがにハチは子供達に危険だから農場では無理だもんね~、この空間なら敵意がなくなるらしいから出来そうなんだけど……連れて来る方法がないか。
『うふふふふ~。いいね~、いいよ~、サイコーだ!』
目の前に広がる畑には青々と生い茂る薬草たち。風属性魔法で畑を作り地属性魔法で成長させた物で、今回は急いで作ったが今後も期待できるだなんてステキ♡
『えっと……まずはいやし草と魔力草、ブルート……何度見てもスゴイ色だな。他にはサポーネとヤク草とウル草でしょ~、あとは大体インベントリに入ってるかな?
ビャク~お待たせ! どうする? 試しに作ろうと思うんだけど、別荘でするか家に帰るか?』
〔しばらく別荘で!〕
『了解♪ 作業部屋に移動しよう!』
『初めては、基本のポーションからだよね~。』
回復ポーション……簡単にいえば傷薬だね。材料はいやし草と水で、錬金釜に材料を入れて加熱しながらグルグル混ぜるらしい。
加熱に関しては釜を火にかけるのかと思ったけど、釜に魔石が組み込まれていたので作業台の上で出来るようだ。良かった~重い釜を移動させなきゃいけないかとチョッピリ心配しちゃった。
それでは早速、最適な量が分からないから鑑定をしながら、レッツトライ♪
グルグル混ぜるのに合わせて、水流に乗っていやし草が回っていたのに突然ポワ~っとほのかな光を発した途端いやし草の姿がなくなり透明だった水が薄い水色に変わった……。
《HP回復ポーション 初級》 製作者 エア・ルミナード
切り傷程度の傷が治る。患部にかけても良いし飲んでも良い。
味・不味い(飲む人は少ない)
瓶に移して……錬金第一号完成~♪ 5本も出来ちゃった~。
インベントリに入ってる神様から貰ったのと同じ内容だ……製作者と初級って表示はなかったけど。製作者は、わたしだからわかるけど、でも初級って何?
インベントリ内のポーションを何個見てもそんな表示はないし……。
どうやら作業部屋に置いてあった錬金術の指南書は、すべての種類は書かれているけど基本だけで、実際は工夫次第で、中級とか上級が存在するのかも!?
すべてといっても、HP回復ポーションとMP回復ポーション、毒消し、万能薬程度で、あとは魔物除けの薬しかないけど。
何度も思うけどこの世界は工夫という物を知らないのかな? 勿体なさすぎる!
今回栽培したブルートもウル草と一緒で、どこにでもあるのに知られていないが、実は増血薬になるんだよ? 正直薬として使えるとは思えないような紫色してるけど……。
今現在HP回復ポーションで傷は治るけど流れた血は戻らないから、酷い傷の時は貧血症状に苦しむが安静にするしかない、でもこの増血薬が出来れば貧血に苦しむ時間が短くなる!
それに前世では女性に貧血の人が多いって聞いてたから、あると絶対便利だと思うんだよね~。
なんてことを考えながら一通り作ったHP・MP回復薬、万能薬、増血薬だけど全部味が不味い。
HPポーションはかければ良いけど、その他は飲まなきゃ意味がない物なのに不味いって……!?
美味しいと薬って感覚がなくなるからか? でも不味いと必要な時に覚悟がいるってのも辛いよね~、どうやって改善するか……味を付ける事も考えたけど、元々の味をせめて飲めるようにはしたい。
素材をさっきはただ水洗いしたけど、クリーンでよりキレイにしてから再度挑戦!
おお!? さっきより発光の仕方が明るい? それに、色も違うような……
《HP回復ポーション 中級》 製作者 エア・ルミナード
傷が治る。患部にかけても良いし飲んでも良い。
味・ちょっと不味い
おお~!! 良くなった♪ やり方としては間違ってないんだ!
よしよし……じゃあ次は……溶けやすく瞬間冷凍して粉砕!
お、おお! いいんじゃない?
《HP回復ポーション 上級》 製作者 エア・ルミナード
傷が治る。患部にかけても良いし飲んでも良い。
味・普通
『よっしゃ~! 普通になったぞ~。数も出来てるしみんなに渡して確認してもらおう。
いったん終了してごはん作ろうっと♪』
『ビャクもどろっか~、そろそろお昼だよ~』
〔お昼は何を食べるんだ!?〕
『一応サンドイッチをたくさん作って来たよ。足りなかった時のためにおにぎりもあるし、あとは唐揚げと卵焼き、鳥ささみフライ、簡単浅漬け、ポテイモのコロッケ、オークオオネかな~、後は温野菜だね』
〔初めて聞く名前もあるが、どれも美味しそうだ〕
唐揚げはソイ豆のから揚げなんだけど秘密です。どうしてもお肉が多いから野菜を食べないと!
「⦅ただいま~⦆」
〔⦅戻ったぞ⦆〕
「「「おかえり」」」
「おかえり、どうだ? 気に入る物が出来たか?」
「⦅ん~、まだ完全じゃないけど出来たよ。ハイこれ⦆」
「「ポーション?」」
「よく見るのとは色が違いますね」
「……いつもの……薄い色」
「⦅これを使ってみて⦆」
テーブルに出したのは、商業ギルドにも見せた鑑定魔道具。
この魔道具1つここに置いておこうかな、何か気になる物があったらいつでも使えて便利だよね、よし複製で……完璧だわ~♡
「「「「中級? 上級!? 味……普通!?」」」」
「え? ポーションにクラスがあったんですか!?」
「初めて知った~」
「じゃあ……今までのって? クラスが無いけど、味不味いってなってるぞ!」
「……確かに不味い……うえ~」
"うえ~"ってライルさんや……そんなに不味いのね……良かった~、改良出来て……でもせっかく神様から貰ったしな~、なんか考えてみよう。
「⦅お昼子供たちはどうしてるのかな? 何にもなかった?⦆」
「うん。な~んにもなかったよ?」
「行ってみましょうか?」
「⦅行こう、そんで一緒にご飯にする?⦆」
「いいな! そうしよう」
「きゃ~、これもおおきい~!」
「「「わ! すごいねえ」」」
「おいしそうな、いいにおい~」
農場に着くと、子供たちが一生懸命収穫していて、作物の出来や美味しそうな果物の匂いで盛り上がっている声がそこかしこから聞こえている。
「みんにゃ~、おひりゅのごはんたべまちたか~?」
みんなに聞こえるよう大きな声で質問すると、元気な返事が
「「「「「いまから!」」」」」
「パンを持ってきたので、いま用意してるんですよ」
「にゃりゃ、いっちょにたべよう!?」
外で食べやすい物と言えば、唐揚げ、卵焼き、コロッケとサンドイッチくらいでいいだろう。農場の一角にテーブルセットを作っていたので、そこにどんどん並べていく。
「「「「「うっわ~!! すごいたくさんある、おいしそう!」」」」」
並べている料理を見て子供達も大興奮。
「「「「絶対美味しい!!」」」」
〔⦅いい匂いだ、間違いなく美味い♪⦆〕
子供たちに負けない興奮だね……大人なのに。
「⦅孤児院にいる先生たちには、どうしようか? ビャク、急いで届けに行こうか!? 戻ってからゆっくり食べよ?⦆」
〘もちろんいいぞ!〙
「いしょいで、いんちょうしぇんしぇ~に、とどけてきましゅね~」
「「「「「じゃ、しゅうかくしてまってる!」」」」」
「大丈夫か?」
「一緒に行きましょうか?」
「びゃくちょいっちょだかりゃ、だいじょうびゅ! いってきまちゅ♪」
「しぇんしぇ~、おひりゅにょ、おとどけでしゅよ~! こどもたちも、こりぇかりゃ、おにゃじにょたべりゅんでしゅ~」
「あらまあ、いいんですか、エアさん。頂いてしまって?」
「まいんちはむりでしゅ、きょうだけにぇ? あちょ、よりゅごはんにょあちょで、こりぇみんにゃでどーじょ!」
「甘い良い匂いですね、なんですか?」
「ぷりんでしゅ! こにょいりぇもにょにょまま、おいといちぇね~。みんにゃまってりゅかりゃ、かえりましゅ」
渡すものを勝手に渡して、とっとと帰ります。お腹が減りました~
「ただいま、おまたしぇ~。たべよう!」
「「「「「わ~い、たべよう。いただきま~す!」」」」」
ぱくぱく、もぐもぐ、ごくごく
しばらくは誰一人喋ることなく、静かにただ食べたり飲んだりする音だけ……
「「「「「お・い・し・いー!! なにこれー!」」」」」
「アーロン、カイル……これは一体……私はおかしくなったのかしら?」
「あはは、驚くのも無理はないけど、おかしくなんかなってないよ~」
「エアさんはまだ3歳ですが、とても凄い魔法を使うんですよ。私達も教えてもらうことがあるんです」
「建物が綺麗になったのですか!?」
「よち! いいでしゅ。ちゅいてきてくだしゃい♪」
ビャクに乗った状態でどんどん孤児院の中を進んで行くが、その先々で先生達はキレイに修繕されているのを確認している。
キチンと扉が閉まり、壁が壊れておらずすきま風が入らない、暖かな布団と部屋。
「ここでしゅよ、うふふ~、みてくだしゃい♪」
「「おお~!」」
「「「な、なんで……」」」
「お風呂? 孤児院にはお風呂があったのですか?」
「とんでもありません! エアさん、これは一体どうなっているのでしょう?」
修繕を見てビックリしてたのに、増築まで見たらビックリじゃなくなるか……
「かいりゅしゃん、おにぇがい♪ ⦅代わりに伝えて? 喋りがね? ほら、ねえ?⦆」
面倒はお任せしよう、わたしって賢いね~♪
「私ですか……わかりました。
この孤児院の皆さんは、エアさんの元で働いていただくことになりますので、その皆さんの健康のために建物の修繕や、衛生面の改善をしたんです。
その全てがオーナーの意向です、もし何か気になることがあれば、エアさん……ではなく私達、蒼の剣へおっしゃってください」
「オーナーの……。エアさん、先程商業ギルドのハリスさんから伝えられましたが、農場に行かず孤児院に残っている私どもにまで賃金が支払われるそうですが、本当によろしいのでしょうか?」
「「え!? そうなの?」」
「はい。エアさんからそのように希望されましたので……ご存じ無かったのですか?」
なんか変? どこが?
「しょうじやごはん、ちてくりぇるかりゃ、ちんぱいにゃくはたりゃけりゅんでしゅ。とうじぇんにょほうしゅうでしゅ!」
「なるほど……掃除に洗濯、ご飯の用意をしてくれる人がいるから安心して働ける、確かにその通りです。
ですが、実際そこまでの事を……」
「ふちゅうに、おとにゃにゃりゃ、ちまちぇん。こんかいは、こどもでしゅかりゃね~」
家族なら親が子を守り助けるけどいないんだもん……だからこれは、ほんの少しの手助けなの。
「これこそがオーナーの意向! ご理解いただけましたか?」
「エアさん、ありがとうございます。お陰で子供達に暖かい部屋で生活がされてあげられます。こんなに良くしていただいてどうお返しすればいいのか分かりませんが、子供達と一緒に頑張ります」
「よりょちくおにぇがいちまちゅ♪」
契約を交わし孤児院で仕事をする3人に直接賃金の支払いも終わって、今は自宅の2階リビングから(万が一にも人に見られないように)別荘に出発!
「⦅じゃあ、扉はここに出しておくから、何かあったら教えてね? いってきます♪⦆」
「「「「行ってらっしゃい」」」」
『よ~し、やるか! まずは畑……畝を作って~、森で採取したこのウル草とトロ草…………』
〔ふふふ、随分と楽しそうだ……それにしても、ここは本当に気持ちいい……危険はないし良い所だ……〕
ここでハチミツ作れないかな~。さすがにハチは子供達に危険だから農場では無理だもんね~、この空間なら敵意がなくなるらしいから出来そうなんだけど……連れて来る方法がないか。
『うふふふふ~。いいね~、いいよ~、サイコーだ!』
目の前に広がる畑には青々と生い茂る薬草たち。風属性魔法で畑を作り地属性魔法で成長させた物で、今回は急いで作ったが今後も期待できるだなんてステキ♡
『えっと……まずはいやし草と魔力草、ブルート……何度見てもスゴイ色だな。他にはサポーネとヤク草とウル草でしょ~、あとは大体インベントリに入ってるかな?
ビャク~お待たせ! どうする? 試しに作ろうと思うんだけど、別荘でするか家に帰るか?』
〔しばらく別荘で!〕
『了解♪ 作業部屋に移動しよう!』
『初めては、基本のポーションからだよね~。』
回復ポーション……簡単にいえば傷薬だね。材料はいやし草と水で、錬金釜に材料を入れて加熱しながらグルグル混ぜるらしい。
加熱に関しては釜を火にかけるのかと思ったけど、釜に魔石が組み込まれていたので作業台の上で出来るようだ。良かった~重い釜を移動させなきゃいけないかとチョッピリ心配しちゃった。
それでは早速、最適な量が分からないから鑑定をしながら、レッツトライ♪
グルグル混ぜるのに合わせて、水流に乗っていやし草が回っていたのに突然ポワ~っとほのかな光を発した途端いやし草の姿がなくなり透明だった水が薄い水色に変わった……。
《HP回復ポーション 初級》 製作者 エア・ルミナード
切り傷程度の傷が治る。患部にかけても良いし飲んでも良い。
味・不味い(飲む人は少ない)
瓶に移して……錬金第一号完成~♪ 5本も出来ちゃった~。
インベントリに入ってる神様から貰ったのと同じ内容だ……製作者と初級って表示はなかったけど。製作者は、わたしだからわかるけど、でも初級って何?
インベントリ内のポーションを何個見てもそんな表示はないし……。
どうやら作業部屋に置いてあった錬金術の指南書は、すべての種類は書かれているけど基本だけで、実際は工夫次第で、中級とか上級が存在するのかも!?
すべてといっても、HP回復ポーションとMP回復ポーション、毒消し、万能薬程度で、あとは魔物除けの薬しかないけど。
何度も思うけどこの世界は工夫という物を知らないのかな? 勿体なさすぎる!
今回栽培したブルートもウル草と一緒で、どこにでもあるのに知られていないが、実は増血薬になるんだよ? 正直薬として使えるとは思えないような紫色してるけど……。
今現在HP回復ポーションで傷は治るけど流れた血は戻らないから、酷い傷の時は貧血症状に苦しむが安静にするしかない、でもこの増血薬が出来れば貧血に苦しむ時間が短くなる!
それに前世では女性に貧血の人が多いって聞いてたから、あると絶対便利だと思うんだよね~。
なんてことを考えながら一通り作ったHP・MP回復薬、万能薬、増血薬だけど全部味が不味い。
HPポーションはかければ良いけど、その他は飲まなきゃ意味がない物なのに不味いって……!?
美味しいと薬って感覚がなくなるからか? でも不味いと必要な時に覚悟がいるってのも辛いよね~、どうやって改善するか……味を付ける事も考えたけど、元々の味をせめて飲めるようにはしたい。
素材をさっきはただ水洗いしたけど、クリーンでよりキレイにしてから再度挑戦!
おお!? さっきより発光の仕方が明るい? それに、色も違うような……
《HP回復ポーション 中級》 製作者 エア・ルミナード
傷が治る。患部にかけても良いし飲んでも良い。
味・ちょっと不味い
おお~!! 良くなった♪ やり方としては間違ってないんだ!
よしよし……じゃあ次は……溶けやすく瞬間冷凍して粉砕!
お、おお! いいんじゃない?
《HP回復ポーション 上級》 製作者 エア・ルミナード
傷が治る。患部にかけても良いし飲んでも良い。
味・普通
『よっしゃ~! 普通になったぞ~。数も出来てるしみんなに渡して確認してもらおう。
いったん終了してごはん作ろうっと♪』
『ビャクもどろっか~、そろそろお昼だよ~』
〔お昼は何を食べるんだ!?〕
『一応サンドイッチをたくさん作って来たよ。足りなかった時のためにおにぎりもあるし、あとは唐揚げと卵焼き、鳥ささみフライ、簡単浅漬け、ポテイモのコロッケ、オークオオネかな~、後は温野菜だね』
〔初めて聞く名前もあるが、どれも美味しそうだ〕
唐揚げはソイ豆のから揚げなんだけど秘密です。どうしてもお肉が多いから野菜を食べないと!
「⦅ただいま~⦆」
〔⦅戻ったぞ⦆〕
「「「おかえり」」」
「おかえり、どうだ? 気に入る物が出来たか?」
「⦅ん~、まだ完全じゃないけど出来たよ。ハイこれ⦆」
「「ポーション?」」
「よく見るのとは色が違いますね」
「……いつもの……薄い色」
「⦅これを使ってみて⦆」
テーブルに出したのは、商業ギルドにも見せた鑑定魔道具。
この魔道具1つここに置いておこうかな、何か気になる物があったらいつでも使えて便利だよね、よし複製で……完璧だわ~♡
「「「「中級? 上級!? 味……普通!?」」」」
「え? ポーションにクラスがあったんですか!?」
「初めて知った~」
「じゃあ……今までのって? クラスが無いけど、味不味いってなってるぞ!」
「……確かに不味い……うえ~」
"うえ~"ってライルさんや……そんなに不味いのね……良かった~、改良出来て……でもせっかく神様から貰ったしな~、なんか考えてみよう。
「⦅お昼子供たちはどうしてるのかな? 何にもなかった?⦆」
「うん。な~んにもなかったよ?」
「行ってみましょうか?」
「⦅行こう、そんで一緒にご飯にする?⦆」
「いいな! そうしよう」
「きゃ~、これもおおきい~!」
「「「わ! すごいねえ」」」
「おいしそうな、いいにおい~」
農場に着くと、子供たちが一生懸命収穫していて、作物の出来や美味しそうな果物の匂いで盛り上がっている声がそこかしこから聞こえている。
「みんにゃ~、おひりゅのごはんたべまちたか~?」
みんなに聞こえるよう大きな声で質問すると、元気な返事が
「「「「「いまから!」」」」」
「パンを持ってきたので、いま用意してるんですよ」
「にゃりゃ、いっちょにたべよう!?」
外で食べやすい物と言えば、唐揚げ、卵焼き、コロッケとサンドイッチくらいでいいだろう。農場の一角にテーブルセットを作っていたので、そこにどんどん並べていく。
「「「「「うっわ~!! すごいたくさんある、おいしそう!」」」」」
並べている料理を見て子供達も大興奮。
「「「「絶対美味しい!!」」」」
〔⦅いい匂いだ、間違いなく美味い♪⦆〕
子供たちに負けない興奮だね……大人なのに。
「⦅孤児院にいる先生たちには、どうしようか? ビャク、急いで届けに行こうか!? 戻ってからゆっくり食べよ?⦆」
〘もちろんいいぞ!〙
「いしょいで、いんちょうしぇんしぇ~に、とどけてきましゅね~」
「「「「「じゃ、しゅうかくしてまってる!」」」」」
「大丈夫か?」
「一緒に行きましょうか?」
「びゃくちょいっちょだかりゃ、だいじょうびゅ! いってきまちゅ♪」
「しぇんしぇ~、おひりゅにょ、おとどけでしゅよ~! こどもたちも、こりぇかりゃ、おにゃじにょたべりゅんでしゅ~」
「あらまあ、いいんですか、エアさん。頂いてしまって?」
「まいんちはむりでしゅ、きょうだけにぇ? あちょ、よりゅごはんにょあちょで、こりぇみんにゃでどーじょ!」
「甘い良い匂いですね、なんですか?」
「ぷりんでしゅ! こにょいりぇもにょにょまま、おいといちぇね~。みんにゃまってりゅかりゃ、かえりましゅ」
渡すものを勝手に渡して、とっとと帰ります。お腹が減りました~
「ただいま、おまたしぇ~。たべよう!」
「「「「「わ~い、たべよう。いただきま~す!」」」」」
ぱくぱく、もぐもぐ、ごくごく
しばらくは誰一人喋ることなく、静かにただ食べたり飲んだりする音だけ……
「「「「「お・い・し・いー!! なにこれー!」」」」」
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理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
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