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「今日は何しようかなぁ? スライム探し……じゃなくて、農場と別荘をまずは回ろうか!」
空の散歩と飛ぶ練習を終えたビャク達は、旅から戻った所だからか、今日は街の外に出る気分じゃないらしい。それなら農場にいるコッコやミューをはじめ、作物たちの様子を見ようと決めて朝食後に早速移動。
農場は今日も甘かったり爽やかだったりと色々な匂いが満ちている。
「みんな、おはよ~♪ ふあぁ~、コッコもミューも本当に増えたよね~」
[おはようエアさん。ここはエアさんの魔力が多いから……別荘程じゃないけれど増えやすいわね]
どうやら、魔物は魔素で個々に増える場合と、番になって増える場合とがあるらしく今回は魔素が豊富で個々に増え成長も早いそうだ。
別荘で暮らしているみんなが増えてた事には気づいてたけど、理由までは聞いてなかったから……まさかわたしの魔力が影響してたとは……。
「たしかに"通常より育ちやすい"って鑑定先生が教えてくれてたけど、こういう事だったとは……」
体調とかに異変はないって言うから安心だけど、今までと違うって聞くと心配になるよ。
「お、おいし~~!! 今までより旨味が違うよ!? コッコの卵も美味しくなってたし……どうしよう食べ過ぎちゃう!」
[そう言って貰えてうれしいよ~。どんどん使ってね~]
卵やミルクを生み出してくれる事にお礼を言って、次に別荘へ来て見れば、そこでも品質の向上したハニ―ビーのハチミツが!
それも味がアップするだけじゃなく、巣の数が増えた事で、採れる量までアップ♪
「家族や仲間が増えたのに、こんな沢山貰ってもいいの!? すっごく嬉しいけど!」
[我々に必要な分は十分に確保してあるので問題はありません。ここは周囲の花が常に豊富にあり安全なので……
神々に教えていただけて、本当に良かった]
行けば行く所で喜びの声に迎えられ、見送られ……わたしの所に来て安心出来ているのなら言う事なし♪
別荘で葛とスターピーチ、蜜花の収穫を済ませたから今度は自宅の庭♪
メープルシロップとか、したい事が一杯で大変だけど、生き物も植物も元気に成長してるのを見ると嬉しくて元気が出るね!
「ふふんふんふふ~ん♪ うふふ~、みんなとっても元気で良かった!」
「エアさん、とっても楽しそうですね?」
「カイルさん! コッコもミューもハニ―ビーもグランデシープも植物たちも、みんな元気で沢山になってるからうれしいの♪
それにこれ、ハチミツ舐めてみて?」
「ん!? これ以前の物より美味しいですよ!?」
「でしょう!? これね、卵もミルクも美味しくなってるんだよ。なんかね、別荘も農場もわたしの魔力が多いからだって。子供達が増えてるのも同じ理由だって言ってた!」
「え~? じゃあ、クロウ達も……家族が増える~?」
「これからもどんどん増えるのか?」
「……全部が大家族?」
………………え? 増えすぎは困るよね? まだ大丈夫だけど、ある程度の所で勘弁してやってください!
〔〔〔〔ここにも森があるね♪〕〕〕〕
昨日はあまり庭の探検をする時間がなかったレインボーシルクスパイダーの4兄弟が、今日は行けば行く所に森があり、その全てで何かしら良い物(美味しい物)があるので、庭の森にも期待大!
「あっちの森は果物が生ってるんだよ、向こうは甘いシロップの素が取れるの」
〔〔〔〔くだものとシロップ!? シロップ、なに? きになる~!〕〕〕〕
「ふふふ、これだよ~。この木の樹液があま~いシロップの素だよ……あれ?」
「どうした?」
「ザックさん、この樹液……前より甘い匂いがしない?」
「あ? そう言われれば……前はほとんど感じなかったぞ?」
「……すっごい甘い!」
「あっ! ライル、あなた何してるんですか!」
「そんなに甘いの~? うわっ! これって砂糖水~?」
ライルさんとアーロンさんの反応では、かなりの甘さって事だけど……おお! ガムシロップ並みの甘さだ! このまま使うのも有りか?
鑑定でも、このままなら液糖として使えるってなってる♪ 液糖って何に使えるっけ? お料理の砂糖替わりで良いよね。
そのままの液糖と煮詰めてメープルシロップに分けて……液糖を魔法で加工したら普通に見慣れた氷砂糖が作れるかも!?
「むむむっ!低温で水分蒸発、種結晶を成長さ~せ~る~………………できた~! 今度のバイシロップは2種類で作ってみよ♪」
「エアちゃん、それって前にバイシロップに使ったのの、透明バージョン!?」
「そうだよ、ちょっと待ってね~。はい小さいの、味見してみて!」
「……ちょっとあっさり?」
「「「うん美味しい!」」」
エアがザーリアの街の自宅で家族と共に、久しぶりのゆっくりとした時間を楽しんでいる頃……ある貴族の屋敷の一室で1人の人物が小さくなって震えていた……。
「たった今知らせを受けたのですけれど、これは一体どういうことなのでしょうか?
何やらザーリアの街でとても素晴らしい物が作られたとか? それも昨日今日の話ではなく、もう1カ月近く経つと言うではありませんか。
なぜそれを今頃、しかもあなたからではなくザーリアで留守番を任せているメイドからの報告で聞くのでしょうねぇ?」
「君はしばらく王都にいただろう? 予定外だったけど一緒に帰るんだから、ビックリさせようかと思って……」
「そうビックリさせようと思われたのですか、それならばそのように小さくなる必要はないのでは?
それとも……何か後ろめたい事でもおありですか?」
「い、いや? そんな事があるはずないさぁ!」
「そうですわよね? まさか私の知らなかった美容用品があるとか、飲みやすいポーションがあるなんて事……ありませんわよねぇ?」
空の散歩と飛ぶ練習を終えたビャク達は、旅から戻った所だからか、今日は街の外に出る気分じゃないらしい。それなら農場にいるコッコやミューをはじめ、作物たちの様子を見ようと決めて朝食後に早速移動。
農場は今日も甘かったり爽やかだったりと色々な匂いが満ちている。
「みんな、おはよ~♪ ふあぁ~、コッコもミューも本当に増えたよね~」
[おはようエアさん。ここはエアさんの魔力が多いから……別荘程じゃないけれど増えやすいわね]
どうやら、魔物は魔素で個々に増える場合と、番になって増える場合とがあるらしく今回は魔素が豊富で個々に増え成長も早いそうだ。
別荘で暮らしているみんなが増えてた事には気づいてたけど、理由までは聞いてなかったから……まさかわたしの魔力が影響してたとは……。
「たしかに"通常より育ちやすい"って鑑定先生が教えてくれてたけど、こういう事だったとは……」
体調とかに異変はないって言うから安心だけど、今までと違うって聞くと心配になるよ。
「お、おいし~~!! 今までより旨味が違うよ!? コッコの卵も美味しくなってたし……どうしよう食べ過ぎちゃう!」
[そう言って貰えてうれしいよ~。どんどん使ってね~]
卵やミルクを生み出してくれる事にお礼を言って、次に別荘へ来て見れば、そこでも品質の向上したハニ―ビーのハチミツが!
それも味がアップするだけじゃなく、巣の数が増えた事で、採れる量までアップ♪
「家族や仲間が増えたのに、こんな沢山貰ってもいいの!? すっごく嬉しいけど!」
[我々に必要な分は十分に確保してあるので問題はありません。ここは周囲の花が常に豊富にあり安全なので……
神々に教えていただけて、本当に良かった]
行けば行く所で喜びの声に迎えられ、見送られ……わたしの所に来て安心出来ているのなら言う事なし♪
別荘で葛とスターピーチ、蜜花の収穫を済ませたから今度は自宅の庭♪
メープルシロップとか、したい事が一杯で大変だけど、生き物も植物も元気に成長してるのを見ると嬉しくて元気が出るね!
「ふふんふんふふ~ん♪ うふふ~、みんなとっても元気で良かった!」
「エアさん、とっても楽しそうですね?」
「カイルさん! コッコもミューもハニ―ビーもグランデシープも植物たちも、みんな元気で沢山になってるからうれしいの♪
それにこれ、ハチミツ舐めてみて?」
「ん!? これ以前の物より美味しいですよ!?」
「でしょう!? これね、卵もミルクも美味しくなってるんだよ。なんかね、別荘も農場もわたしの魔力が多いからだって。子供達が増えてるのも同じ理由だって言ってた!」
「え~? じゃあ、クロウ達も……家族が増える~?」
「これからもどんどん増えるのか?」
「……全部が大家族?」
………………え? 増えすぎは困るよね? まだ大丈夫だけど、ある程度の所で勘弁してやってください!
〔〔〔〔ここにも森があるね♪〕〕〕〕
昨日はあまり庭の探検をする時間がなかったレインボーシルクスパイダーの4兄弟が、今日は行けば行く所に森があり、その全てで何かしら良い物(美味しい物)があるので、庭の森にも期待大!
「あっちの森は果物が生ってるんだよ、向こうは甘いシロップの素が取れるの」
〔〔〔〔くだものとシロップ!? シロップ、なに? きになる~!〕〕〕〕
「ふふふ、これだよ~。この木の樹液があま~いシロップの素だよ……あれ?」
「どうした?」
「ザックさん、この樹液……前より甘い匂いがしない?」
「あ? そう言われれば……前はほとんど感じなかったぞ?」
「……すっごい甘い!」
「あっ! ライル、あなた何してるんですか!」
「そんなに甘いの~? うわっ! これって砂糖水~?」
ライルさんとアーロンさんの反応では、かなりの甘さって事だけど……おお! ガムシロップ並みの甘さだ! このまま使うのも有りか?
鑑定でも、このままなら液糖として使えるってなってる♪ 液糖って何に使えるっけ? お料理の砂糖替わりで良いよね。
そのままの液糖と煮詰めてメープルシロップに分けて……液糖を魔法で加工したら普通に見慣れた氷砂糖が作れるかも!?
「むむむっ!低温で水分蒸発、種結晶を成長さ~せ~る~………………できた~! 今度のバイシロップは2種類で作ってみよ♪」
「エアちゃん、それって前にバイシロップに使ったのの、透明バージョン!?」
「そうだよ、ちょっと待ってね~。はい小さいの、味見してみて!」
「……ちょっとあっさり?」
「「「うん美味しい!」」」
エアがザーリアの街の自宅で家族と共に、久しぶりのゆっくりとした時間を楽しんでいる頃……ある貴族の屋敷の一室で1人の人物が小さくなって震えていた……。
「たった今知らせを受けたのですけれど、これは一体どういうことなのでしょうか?
何やらザーリアの街でとても素晴らしい物が作られたとか? それも昨日今日の話ではなく、もう1カ月近く経つと言うではありませんか。
なぜそれを今頃、しかもあなたからではなくザーリアで留守番を任せているメイドからの報告で聞くのでしょうねぇ?」
「君はしばらく王都にいただろう? 予定外だったけど一緒に帰るんだから、ビックリさせようかと思って……」
「そうビックリさせようと思われたのですか、それならばそのように小さくなる必要はないのでは?
それとも……何か後ろめたい事でもおありですか?」
「い、いや? そんな事があるはずないさぁ!」
「そうですわよね? まさか私の知らなかった美容用品があるとか、飲みやすいポーションがあるなんて事……ありませんわよねぇ?」
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