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第一章 東に吹く風
1-11 狼王の遺児フー①
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何も語らぬ風が地平線に流れ吹く。
色褪せた赤兎旗が東へとはためく。今日もまた、アンナリーゼの隊商が廃墟の枯れ野を東へと進んでいく。
相変わらず地平線の色は変わらない。しかし春の日は確実に流れている。旅の行程も確実に進んでおり、赤の親父の根拠地であるイズマッシュにもあと数日のところまで迫っている。
〈帝国〉最東端の街を発って以降、基本的に風は静かだった。最も警戒している戦狼たちの襲撃はもちろん、野盗や山賊のような輩との接触もなく、廃墟での潜む影との戦闘を除けば流血沙汰はない。
それでも緊張が途切れることはなかった。
フーが動いた。〈東の覇王〉の直径氏族、戦狼たちを束ねる狼王の遺児がついに姿を現した──点在する地域社会の集落でその噂を聞くたび、隊商の緊張感は高まった。一方で、イズマッシュの街が目前まで近づいていることへの安堵も日に日に高まっていた。
隊商の感情が激しく起伏する一方、エミリーはずっと塞ぎ込んだままだった。馬上ではいつもどこか遠くを見ていたし、夜は焚き火のそばでずっと本を読んでいることが多かった。
潜む影と戦ったあの日、何があったのか。あの廃墟の暗闇で、何を見たのか──訊ねても、エミリーは言葉を濁すだけだった。
アンナリーゼやミラーには「今は深く追求するな」と言われた。加えて「今まで通りに接しろ」とも言われた。ただ、どうしていいかはわからなかった。出会ってから初めて、ミッコは距離を感じた。今は互いの距離感をどう取ればいいのかわからなかった。恐らく、周りも、エミリー自身も、それをわからないでいるのだろう。以前は事あるごとに二人に絡んできたアリアンナですら、今は距離を取っている。
深緑の瞳の奥には深い傷が見え隠れしていた。
ミッコ自身はこの旅にわりとすぐに順応できた。戦時中から〈嵐の旅団〉とは交流があったし、同じ騎馬民の血を受け継ぎ、似たような境遇で育ってきたがゆえ、理解し合える部分は多かった。一方、貴族の娘だったエミリーにとってここは完全に未知の世界である。出身も、社会階層も、血筋も、何もかもが違う。旅立ちこそ自ら望んだものだったとはいえ、本来なら触れることすらなかった世界である。それを思えば、その心理的負担は想像に難くなかった。
ミッコはどうにか慰めたかったが、そのやり方がわからなかった。
どんな人間であれ、ずっと戦い続けられる者はそう多くない。遅かれ早かれ、人はいつか限界を迎える。そしてそのとき、戦いは終わる。
心折れた者は何人も見てきた。一度折れた者は変わってしまった。だからこそ、エミリーにとってのそのときが今でないことを、ミッコはただ祈るしかなかった。
また風が地平線に流れ吹く──しかしそれは微かに軋んでいた。
ほんの些細な異変──ミッコは即座に黒の皿形兜を被り、弓に手をやった。直後、戦いの火蓋は唐突に切って落とされた。
隊商の周囲を哨戒する部隊から、警笛の角笛が鳴り響く。
風が哭く。矢が風を切り、空を裂く。馬蹄が大地を揺らし、騎馬が地平線を駆ける。
狼のトーテムが地平線に姿を現す。無数の戦狼たちの騎馬が、一直線に赤兎旗に迫り来る。
「戦狼たちだ! 迎え討て!」
降り注ぐ矢雨を前に、アンナリーゼが矢をつがえ、反撃の一矢を放つ。
「アリアンナ、砲撃の準備を! まずは一発ぶちかましてやりなさい!」
軽野砲が火を吹き、砲弾が大地を跳ね飛ぶ。矢が、馬蹄が、鬨の声が、廃墟の枯れ野に交錯する。
「アデーラは騎馬隊を率い敵の戦力を計れ! 主力はこのまま東へ進む! 隊列を崩すことなく進み続けろ!」
アンナリーゼの隊商はやはり軍隊と形容しても過言でないほどに統制されていた。事前の打ち合わせ通り、ミッコとエミリーはアデーラに従い敵騎へと向かった。
敵影との距離が縮まっていく。革の装具と毛皮の兜が、騎馬民の刺青が、その目が、瞬きの間にはっきりとした色を帯びていく。
敵の数は多くはない。しかし鳴り響く角笛や鏑矢は明らかに仲間を呼んでいる。隊商の護衛は五十騎、車列の人数を含めても百人。つまり、いつか数的優位はひっくり返る。それをわかっているのか、アンナリーゼは交戦よりも移動を優先させているし、敵も進路を塞ぐように機動している。
「エミリー! 俺の後ろに隠れてろ!」
「任せろ! 女の子に傷を負わせるなんざ戦士の名折れだからな!」
ミッコの声に返事をしたのはなぜかイワレンコフだった。エミリーはマスケット銃を手にぴったりと後ろについてはいたが、つば広の旅の帽子から覗く瞳はまだ戦う者の色をしてはいなかった。
相変わらずエミリーをどうしていいかはわからなかった。しかし戦いはすでに始まっている。
(ならば俺が守るしかない!)
ミッコは黒塗りの弓に矢をつがえ、迫り来る獲物に狙いを定めた。
迷えば敗れる──互いに間合いを計り、放つ。ミッコは仕留めたと思ったが、敵は体をよじって矢を躱した。一方、敵の矢は最初から必殺の軌道を逸れていた。ミッコは体を捻り、手を伸ばし、背中を掠めようとした矢を掴み取った。エミリーは驚いてはいたが、しかし未だ敵を見てはいなかった。
「馬を狙え! 移動手段を潰すんだ!」
ミラーが叫び、敵の馬を仕留める。アデーラやその部下たちもやはり馬を狙っている。しかし相手もそれは読んでいるのか、ほとんどは巧みに躱し防いでいる。
無数の騎馬が縦横を駆け、土煙が巻き上がる。打ち合う均衡の中、計りの上の赤兎旗と狼のトーテムが傾いては戻ることを繰り返す。
アデーラは優れた戦士であり指揮官だった。馬を駆りサーベルを振る姿は女のそれとは思えなかったし、その指揮能力も同じ年齢とは思えぬほどに熟達していた。
敵の動きを追うその眼光は冷静であり果断だった。押せば退き、退けば押す。決して深追いはしないが、しかし追うべきときは追う。その戦闘指揮は騎馬民らしいというよりは、軍人のそれに近かった。
指揮官の確かな手腕のおかげで、ミッコも迷いなく駆けることができた。
飛んでくる矢を弾きながら、隊の先頭をアデーラが駆ける。そのサーベルが敵の背中を捉える。そしてその刃がまさに振り下ろされようとした次の瞬間、突如として尋常でない風が土煙を薙いだ。
赤い土煙の中、首のない体が馬上で揺れていた。瞬きの間に、アデーラの首は無くなっていた。
何が起こったのか──また尋常でない風が吹く──背後に銃声が響き、微かな血の臭いが硝煙の隅で鼻を衝く。
振り返ったミッコのすぐ後ろで、何かがエミリーに襲いかかる。極彩色の兜を血で染めた、ミッコよりもさらに巨躯の大男が、エミリーの顔をまじまじと覗き込む。面妖な獣の刺青が描かれたその両腕は、エミリーの銃と体をしっかりと抑えつけている。
「てめぇ離れろ!」
ミッコは大男に向けウォーピックを振った。しかし大男は即座に偃月刀を構えると、ミッコの一撃を軽くいなし、横っ飛びながら距離を取った。
間合いは離れたが、エミリーに構う余裕はなかった──目を放せば一瞬で死ぬ──一度打ち合っただけでそれを理解してしまうほど、相手は強かった。
無言の空白が全てを物語る──狼の紋章が、狼の刺青が、何者かを物語る。筋骨隆々なる巨躯が、それを支える馬が、並外れた武勇を物語る。極彩色の兜が、整えられた髭が、力ある身分を物語る。薄汚れた小札鎧が、幾多の古傷が、その歴戦を物語る。切れ長の黒い目が、血塗れの偃月刀が、血に燃える意志を物語る。
ミッコは動けなかった。彼我の力の差は明らかだった。ゲーフェンバウアーもそれを感じたのだろう。今や完全に足を止めている。
「英雄と名高き狼王の遺児! 男の中の男たるフーよ! 俺と勝負しろ!」
しかし躊躇するミッコのそばから、イワレンコフは躊躇わず飛び出した。
イワレンコフの槍と狼王の遺児フーの偃月刀が交錯する。斬り結ぶ音は互角かと思われたが、しかし長くは続かなかった。フーはイワレンコフの攻撃をあっさりと受け流すと、がら空きになった背中を斬りつけた。
斬りつけたが、血飛沫はなかった。イワレンコフの背中の弦楽器は、持ち主の身代わりとなって壊れた。
驚愕し、そして激高するイワレンコフが再びフーに襲いかかる。ミラーも加勢し、二対一の状況になる。それでもフーの優勢は変わらない。一体となる人馬は二騎の攻撃を完全に見切っており、偃月刀は臓腑を吐かせんと唸り猛っている。
「ミッコ! アンナリーゼ様に状況を伝えろ!」
剣戟の中、ミラーが叫ぶ。
「何してる! 女を連れて早く行け!」
さらなる怒号でミッコは我に返った。ミッコはエミリーに代わってアルバレスの手綱を握ると、ゲーフェンバウアーの馬腹を蹴った。
土煙の中、赤兎旗を目指し二騎は駆けた。
風が血を求め戦場に吹き荒れる。戦いの音は止むことなく、春の枯れ野を血の色に染めていく。
色褪せた赤兎旗が東へとはためく。今日もまた、アンナリーゼの隊商が廃墟の枯れ野を東へと進んでいく。
相変わらず地平線の色は変わらない。しかし春の日は確実に流れている。旅の行程も確実に進んでおり、赤の親父の根拠地であるイズマッシュにもあと数日のところまで迫っている。
〈帝国〉最東端の街を発って以降、基本的に風は静かだった。最も警戒している戦狼たちの襲撃はもちろん、野盗や山賊のような輩との接触もなく、廃墟での潜む影との戦闘を除けば流血沙汰はない。
それでも緊張が途切れることはなかった。
フーが動いた。〈東の覇王〉の直径氏族、戦狼たちを束ねる狼王の遺児がついに姿を現した──点在する地域社会の集落でその噂を聞くたび、隊商の緊張感は高まった。一方で、イズマッシュの街が目前まで近づいていることへの安堵も日に日に高まっていた。
隊商の感情が激しく起伏する一方、エミリーはずっと塞ぎ込んだままだった。馬上ではいつもどこか遠くを見ていたし、夜は焚き火のそばでずっと本を読んでいることが多かった。
潜む影と戦ったあの日、何があったのか。あの廃墟の暗闇で、何を見たのか──訊ねても、エミリーは言葉を濁すだけだった。
アンナリーゼやミラーには「今は深く追求するな」と言われた。加えて「今まで通りに接しろ」とも言われた。ただ、どうしていいかはわからなかった。出会ってから初めて、ミッコは距離を感じた。今は互いの距離感をどう取ればいいのかわからなかった。恐らく、周りも、エミリー自身も、それをわからないでいるのだろう。以前は事あるごとに二人に絡んできたアリアンナですら、今は距離を取っている。
深緑の瞳の奥には深い傷が見え隠れしていた。
ミッコ自身はこの旅にわりとすぐに順応できた。戦時中から〈嵐の旅団〉とは交流があったし、同じ騎馬民の血を受け継ぎ、似たような境遇で育ってきたがゆえ、理解し合える部分は多かった。一方、貴族の娘だったエミリーにとってここは完全に未知の世界である。出身も、社会階層も、血筋も、何もかもが違う。旅立ちこそ自ら望んだものだったとはいえ、本来なら触れることすらなかった世界である。それを思えば、その心理的負担は想像に難くなかった。
ミッコはどうにか慰めたかったが、そのやり方がわからなかった。
どんな人間であれ、ずっと戦い続けられる者はそう多くない。遅かれ早かれ、人はいつか限界を迎える。そしてそのとき、戦いは終わる。
心折れた者は何人も見てきた。一度折れた者は変わってしまった。だからこそ、エミリーにとってのそのときが今でないことを、ミッコはただ祈るしかなかった。
また風が地平線に流れ吹く──しかしそれは微かに軋んでいた。
ほんの些細な異変──ミッコは即座に黒の皿形兜を被り、弓に手をやった。直後、戦いの火蓋は唐突に切って落とされた。
隊商の周囲を哨戒する部隊から、警笛の角笛が鳴り響く。
風が哭く。矢が風を切り、空を裂く。馬蹄が大地を揺らし、騎馬が地平線を駆ける。
狼のトーテムが地平線に姿を現す。無数の戦狼たちの騎馬が、一直線に赤兎旗に迫り来る。
「戦狼たちだ! 迎え討て!」
降り注ぐ矢雨を前に、アンナリーゼが矢をつがえ、反撃の一矢を放つ。
「アリアンナ、砲撃の準備を! まずは一発ぶちかましてやりなさい!」
軽野砲が火を吹き、砲弾が大地を跳ね飛ぶ。矢が、馬蹄が、鬨の声が、廃墟の枯れ野に交錯する。
「アデーラは騎馬隊を率い敵の戦力を計れ! 主力はこのまま東へ進む! 隊列を崩すことなく進み続けろ!」
アンナリーゼの隊商はやはり軍隊と形容しても過言でないほどに統制されていた。事前の打ち合わせ通り、ミッコとエミリーはアデーラに従い敵騎へと向かった。
敵影との距離が縮まっていく。革の装具と毛皮の兜が、騎馬民の刺青が、その目が、瞬きの間にはっきりとした色を帯びていく。
敵の数は多くはない。しかし鳴り響く角笛や鏑矢は明らかに仲間を呼んでいる。隊商の護衛は五十騎、車列の人数を含めても百人。つまり、いつか数的優位はひっくり返る。それをわかっているのか、アンナリーゼは交戦よりも移動を優先させているし、敵も進路を塞ぐように機動している。
「エミリー! 俺の後ろに隠れてろ!」
「任せろ! 女の子に傷を負わせるなんざ戦士の名折れだからな!」
ミッコの声に返事をしたのはなぜかイワレンコフだった。エミリーはマスケット銃を手にぴったりと後ろについてはいたが、つば広の旅の帽子から覗く瞳はまだ戦う者の色をしてはいなかった。
相変わらずエミリーをどうしていいかはわからなかった。しかし戦いはすでに始まっている。
(ならば俺が守るしかない!)
ミッコは黒塗りの弓に矢をつがえ、迫り来る獲物に狙いを定めた。
迷えば敗れる──互いに間合いを計り、放つ。ミッコは仕留めたと思ったが、敵は体をよじって矢を躱した。一方、敵の矢は最初から必殺の軌道を逸れていた。ミッコは体を捻り、手を伸ばし、背中を掠めようとした矢を掴み取った。エミリーは驚いてはいたが、しかし未だ敵を見てはいなかった。
「馬を狙え! 移動手段を潰すんだ!」
ミラーが叫び、敵の馬を仕留める。アデーラやその部下たちもやはり馬を狙っている。しかし相手もそれは読んでいるのか、ほとんどは巧みに躱し防いでいる。
無数の騎馬が縦横を駆け、土煙が巻き上がる。打ち合う均衡の中、計りの上の赤兎旗と狼のトーテムが傾いては戻ることを繰り返す。
アデーラは優れた戦士であり指揮官だった。馬を駆りサーベルを振る姿は女のそれとは思えなかったし、その指揮能力も同じ年齢とは思えぬほどに熟達していた。
敵の動きを追うその眼光は冷静であり果断だった。押せば退き、退けば押す。決して深追いはしないが、しかし追うべきときは追う。その戦闘指揮は騎馬民らしいというよりは、軍人のそれに近かった。
指揮官の確かな手腕のおかげで、ミッコも迷いなく駆けることができた。
飛んでくる矢を弾きながら、隊の先頭をアデーラが駆ける。そのサーベルが敵の背中を捉える。そしてその刃がまさに振り下ろされようとした次の瞬間、突如として尋常でない風が土煙を薙いだ。
赤い土煙の中、首のない体が馬上で揺れていた。瞬きの間に、アデーラの首は無くなっていた。
何が起こったのか──また尋常でない風が吹く──背後に銃声が響き、微かな血の臭いが硝煙の隅で鼻を衝く。
振り返ったミッコのすぐ後ろで、何かがエミリーに襲いかかる。極彩色の兜を血で染めた、ミッコよりもさらに巨躯の大男が、エミリーの顔をまじまじと覗き込む。面妖な獣の刺青が描かれたその両腕は、エミリーの銃と体をしっかりと抑えつけている。
「てめぇ離れろ!」
ミッコは大男に向けウォーピックを振った。しかし大男は即座に偃月刀を構えると、ミッコの一撃を軽くいなし、横っ飛びながら距離を取った。
間合いは離れたが、エミリーに構う余裕はなかった──目を放せば一瞬で死ぬ──一度打ち合っただけでそれを理解してしまうほど、相手は強かった。
無言の空白が全てを物語る──狼の紋章が、狼の刺青が、何者かを物語る。筋骨隆々なる巨躯が、それを支える馬が、並外れた武勇を物語る。極彩色の兜が、整えられた髭が、力ある身分を物語る。薄汚れた小札鎧が、幾多の古傷が、その歴戦を物語る。切れ長の黒い目が、血塗れの偃月刀が、血に燃える意志を物語る。
ミッコは動けなかった。彼我の力の差は明らかだった。ゲーフェンバウアーもそれを感じたのだろう。今や完全に足を止めている。
「英雄と名高き狼王の遺児! 男の中の男たるフーよ! 俺と勝負しろ!」
しかし躊躇するミッコのそばから、イワレンコフは躊躇わず飛び出した。
イワレンコフの槍と狼王の遺児フーの偃月刀が交錯する。斬り結ぶ音は互角かと思われたが、しかし長くは続かなかった。フーはイワレンコフの攻撃をあっさりと受け流すと、がら空きになった背中を斬りつけた。
斬りつけたが、血飛沫はなかった。イワレンコフの背中の弦楽器は、持ち主の身代わりとなって壊れた。
驚愕し、そして激高するイワレンコフが再びフーに襲いかかる。ミラーも加勢し、二対一の状況になる。それでもフーの優勢は変わらない。一体となる人馬は二騎の攻撃を完全に見切っており、偃月刀は臓腑を吐かせんと唸り猛っている。
「ミッコ! アンナリーゼ様に状況を伝えろ!」
剣戟の中、ミラーが叫ぶ。
「何してる! 女を連れて早く行け!」
さらなる怒号でミッコは我に返った。ミッコはエミリーに代わってアルバレスの手綱を握ると、ゲーフェンバウアーの馬腹を蹴った。
土煙の中、赤兎旗を目指し二騎は駆けた。
風が血を求め戦場に吹き荒れる。戦いの音は止むことなく、春の枯れ野を血の色に染めていく。
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