『ヘブン』

第27話。

　　　　　２７
　妹に電話を掛ける時間があれば、ネットの創作サイトで小説を書いて、集客する。俺はそうしている。現に、今、うちの町の新聞配達員のバイクのお兄さんが、岩崎家の前を通った。直に、池田家の前も通るだろう。俺は、この時間が好きなのである。俺が健康で、食事とか、睡眠にも気を付けているのは、実際、この四十四年間、守ってきたことなのである。俺にとって、夜間は大事な時間だ。実際、家事が終われば、睡眠導入剤を服用して、寝る。今夜も、午前六時過ぎには、寝る。俺はデカダンじゃない。昔から、小説を書くのが好きで、ずっと書いてきた。俺に、今夜あったラックは、例の広告会社の社長から、メールが来て、仕事の打ち合わせが決まったことである。これで、池田家に献金できる。俺も、香澄を思うと、涙が出る。今だって、泣きながら、この原稿を書いている。俺にとって、池田家は、かけがえのない家なのである。そう思っている。香澄は、今年の五月一日から、自動車のシート工場のお仲間と、東北に旅行に行く。俺は行っておいで、と言っておいた。今日は、俺宛の訪問看護の看護師さんも来ない。今から、お風呂に入って、午前六時過ぎには寝る。そうする。寛解は、午前九時過ぎだろう。その時に、スーパーに買い物に行く。