『雨天殺人事件』

第33話。

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　例の雨天殺人事件で殺害された秋吉亮太は、遺体わきにあったダガーナイフで、わき腹を刺されて、殺されていた。それが、この殺人事件の真相だ。刺したのが、通りすがりの人間の犯行だとすれば、一体誰が刺したのか？俺は、それが気になった。ただ、俺は、考えることを止めることにした。俺は、単なる新聞店の配達員で、事件を解決する刑事じゃないからだ。また、大きなことを言える立場じゃない。そう思っていた。
　俺は、その日、睡眠導入剤を服用して、それが効いたので、自宅の自室で寝てしまった。昼間寝ると、気持ちいい。夜じゃなくても、昼間でも、睡眠導入剤があれば、眠ってしまう。俺自身、眠気が来れば、ベッドに入って、寝てしまうのであって、あとは、出歩かない。俺自身、警察に全てを任せるつもりでいた。それが一番だ。俺は、刑事でも、探偵でもない。事件に首を突っ込むだけ、無駄なことだ。そう思えた。