2 / 55
エンカウント:ミノタウロス
しおりを挟む
想像した通り、店内はなかなかの広さ。外観に劣らず、インテリアもクラシックなヨーロッパ風で、梁や柱、カウンター、それにテーブルも深い色合いのウォールナット。しぶい。
採光は悪くないが、窓は開放的すぎもせず、どことなく秘密めかした雰囲気もある。
(はあー。叔母さん、しゃれたお店作ったなあ)
テーブル配置はゆったりした贅沢なレイアウトだが、それでも席数はかなりある。繁忙時間にはおれ一人では回せないだろうなこれは。バイトは何人いるんだろう。
征矢は早くも働く人間の視点で店内を見ていた。
いや、ていうかだな。
店の中に、誰もいないわけだが。
客もいないし、カウンターの中にも店員がいない。どうなっているんだこの店。
「あのー。ごめんください」
声をかけてみる。
カウンターの奥にあるドアが開いた。パントリーからいそいそと女の子が一人出てくる
黒を基調にしたメイドドレス姿。丈の短いスカートが愛らしい。
おっとりした、やさしい顔立ちの女の子だった。お下げにした髪型もよく似合う。征矢を見て、すぐににっこりする。
「いらっしゃいませ、だなも」
だなも?
ちょっと気になったけれどそこは敢えてスルー。
征矢には、もっと気になる部分があったからだ。
女の子の頭の左右から、にゅっと生えているものが。
(角……!?)
大きく湾曲した白い角が、一対。間違いなく。
さらに言うと、耳は細長い木の葉型で、ときたまぱたぱた動く。
ついさっき、自称マンティコアから襲われたばかりだが、ここにもまた人外系の女子が。
征矢は緊張の面持ちで、角のあるウエイトレスさんをじっと見つめた。
ウエイトレスさんは銀色のトレイとメニューを手にカウンターから出てくる。
巨乳というにもほどがある重そうなバストが、制服の中で一歩ごとにゆっさゆっさしている。
通常ならば征矢の視線はそのゆっさゆっさする巨大質量へ釘付けだろうが、今はそれどころではなかった。
角だけでなく、ミニスカのお尻からは、先が毛の房になったしなやかなしっぽまで生えているからだ。
しっぽは明らかに生物のそれらしく、ふりっ、ふりっと不規則に左右に動いていた。さっきのマンティコア同様、どう見てもコスプレ用品のたぐいではない。
曲がった角。木の葉型の耳。房のあるしっぽ。巨乳。
なんというか、全体的に……牛だ。
唖然として突っ立っている征矢に、角のあるウエイトレスさんは笑顔を向ける。
「あの、よろしかったらこちらのお席へどうぞだなも」
どうにか、征矢は応える。視線は角と耳としっぽを何度も往復。
「いや……おれ、客じゃないんで……」
「んも? お客さまと違うんだなも?」
ようやく征矢は、言うべき言葉を思い出した。
「あの、椿さん……ここのオーナーはいますか?」
「はー、ごめんなさい。オーナーさん、ちょっとお出かけ中だなも。じきに戻ってくると思うで、そちらに座って待つといいだなも」
「え? はあ……」
「オーナーさんのお知り合いなんだなも?」
「はい。そうなんですが……」
じーっ。征矢の凝視は続く。
ぽっと頬を染めて、牛っぽい美少女はトレイで顔を半分隠す。
「な、なんだなも? なんでさっきからじろじろ見つめるんだなも?」
「いや、それ、本物かなあと思って」
ウエイトレスさんはますます顔を赤くする。
「ほ、本物だなも……やっぱり、目障りだなも?」
「い、いや、目障りってことはないけど……よかったらちょっと触ってみてもいいですか?」
角のあるウエイトレスさんは、ひどく困った顔になった。
「さ、触るのはダメだなも。当店タッチはお断りなんだなも」
「ああなるほど。それはそうですよね。失礼なこと言ってすみませんでした。少し気になったもので。作り物なのかなあと」
征矢は軽く頭を下げ、とりあえずさっき勧められた席に腰を下ろす。
落ち着かない気分ではあるが、とにかく叔母さんに会わないことには始まらない。当面、ここに座って待つしかないのである。
カウンターへ駆け戻った牛っぽい少女は、床の片隅に置いてあるミネラルウォーターの箱をじっと見おろしていた。
ガラス瓶が一ダース詰まった、かなり重い箱だ。それが五つ積んである。女の子が簡単に運べる量ではない。
「あの、よければ……」
どうせこれからここで働く身だ。手伝ってやろうと征矢が腰を上げかけたその矢先。
「よいしょだなも」
ウエイトレスさんはそれを軽々と抱え上げた。しかも、五つまとめて。全部で五十キロ近い重量のはずだ。
それを、牛少女はふらつきもせず、奥のパントリーまで楽々と運び込んでしまう。
(怪力!)
もう角に触ってみなくてもわかった。あの子も間違いなく、さっき征矢を襲い、空へと飛んで逃げた人間ならざるものの同類だ。
とはいえ見たところ、あのマンティコアみたいな厄介な手合ではなさそうだ。彼女の角と耳としっぽについては、叔母さんが帰ってきてからゆっくりと聞こう。
ウエイトレスさんはすぐにお冷を持って、また征矢のところへやってきた。
「あの……」
「はい?」
恥じらいにもじもじしながら、ウエイトレスさんは小声で言う。
「そのう、タッチはダメだけど……えと、近くで見るだけ、ならいいだなも」
「え。いや、別に無理はしてもらわなくても……」
「つ、作り物って思われるのはちょっと心外なんだなも……」
「はあ、じゃあせっかくなんで拝見します」
牛少女は、店内に誰もいないことをあらためて確認すると、いきなりメイドドレスの胸のボタンをぷちぷちと外しだした。
「は!?」
日ごろ平熱の低い征矢も、さすがに仰天する。その征矢の眼前に身をかがめ、ウエイトレスさんはブラウスの胸元を大きくはだけた。
どたっぷん。
白いブラジャーにかろうじて支えられた巨大な二つのふくらみが、重力に引っ張られてこぼれ出す。
ウエイトレスさんは、羞恥に耐えるようにぎゅーっと目を閉じている。
「ど、どうぞ見るといいだなも。ほ、本物ってわかったんだなも……?」
「いやそっちじゃないです。おれが触りたかったのは、その頭に生えてる角です」
片手で自分に目隠しした征矢は、普段より早口で説明する。
ウエイトレスさんのまぶたが、ばちんと開いた。
「角……?」
「そうです。初対面の女性に胸を触らせろとか言うわけないでしょう」
今にも爆発するんじゃないかと思うほど牛少女の顔から湯気があがる。
はだけた胸を両腕で抱えるようにして、牛っぽいウエイトレスさんは転がるようにカウンターの中へ走り込んでしまった。
「うわーーーーん、うち、またしくじったんだなもぉーーーーーっ! は、恥ずかしいーーーーー!」
採光は悪くないが、窓は開放的すぎもせず、どことなく秘密めかした雰囲気もある。
(はあー。叔母さん、しゃれたお店作ったなあ)
テーブル配置はゆったりした贅沢なレイアウトだが、それでも席数はかなりある。繁忙時間にはおれ一人では回せないだろうなこれは。バイトは何人いるんだろう。
征矢は早くも働く人間の視点で店内を見ていた。
いや、ていうかだな。
店の中に、誰もいないわけだが。
客もいないし、カウンターの中にも店員がいない。どうなっているんだこの店。
「あのー。ごめんください」
声をかけてみる。
カウンターの奥にあるドアが開いた。パントリーからいそいそと女の子が一人出てくる
黒を基調にしたメイドドレス姿。丈の短いスカートが愛らしい。
おっとりした、やさしい顔立ちの女の子だった。お下げにした髪型もよく似合う。征矢を見て、すぐににっこりする。
「いらっしゃいませ、だなも」
だなも?
ちょっと気になったけれどそこは敢えてスルー。
征矢には、もっと気になる部分があったからだ。
女の子の頭の左右から、にゅっと生えているものが。
(角……!?)
大きく湾曲した白い角が、一対。間違いなく。
さらに言うと、耳は細長い木の葉型で、ときたまぱたぱた動く。
ついさっき、自称マンティコアから襲われたばかりだが、ここにもまた人外系の女子が。
征矢は緊張の面持ちで、角のあるウエイトレスさんをじっと見つめた。
ウエイトレスさんは銀色のトレイとメニューを手にカウンターから出てくる。
巨乳というにもほどがある重そうなバストが、制服の中で一歩ごとにゆっさゆっさしている。
通常ならば征矢の視線はそのゆっさゆっさする巨大質量へ釘付けだろうが、今はそれどころではなかった。
角だけでなく、ミニスカのお尻からは、先が毛の房になったしなやかなしっぽまで生えているからだ。
しっぽは明らかに生物のそれらしく、ふりっ、ふりっと不規則に左右に動いていた。さっきのマンティコア同様、どう見てもコスプレ用品のたぐいではない。
曲がった角。木の葉型の耳。房のあるしっぽ。巨乳。
なんというか、全体的に……牛だ。
唖然として突っ立っている征矢に、角のあるウエイトレスさんは笑顔を向ける。
「あの、よろしかったらこちらのお席へどうぞだなも」
どうにか、征矢は応える。視線は角と耳としっぽを何度も往復。
「いや……おれ、客じゃないんで……」
「んも? お客さまと違うんだなも?」
ようやく征矢は、言うべき言葉を思い出した。
「あの、椿さん……ここのオーナーはいますか?」
「はー、ごめんなさい。オーナーさん、ちょっとお出かけ中だなも。じきに戻ってくると思うで、そちらに座って待つといいだなも」
「え? はあ……」
「オーナーさんのお知り合いなんだなも?」
「はい。そうなんですが……」
じーっ。征矢の凝視は続く。
ぽっと頬を染めて、牛っぽい美少女はトレイで顔を半分隠す。
「な、なんだなも? なんでさっきからじろじろ見つめるんだなも?」
「いや、それ、本物かなあと思って」
ウエイトレスさんはますます顔を赤くする。
「ほ、本物だなも……やっぱり、目障りだなも?」
「い、いや、目障りってことはないけど……よかったらちょっと触ってみてもいいですか?」
角のあるウエイトレスさんは、ひどく困った顔になった。
「さ、触るのはダメだなも。当店タッチはお断りなんだなも」
「ああなるほど。それはそうですよね。失礼なこと言ってすみませんでした。少し気になったもので。作り物なのかなあと」
征矢は軽く頭を下げ、とりあえずさっき勧められた席に腰を下ろす。
落ち着かない気分ではあるが、とにかく叔母さんに会わないことには始まらない。当面、ここに座って待つしかないのである。
カウンターへ駆け戻った牛っぽい少女は、床の片隅に置いてあるミネラルウォーターの箱をじっと見おろしていた。
ガラス瓶が一ダース詰まった、かなり重い箱だ。それが五つ積んである。女の子が簡単に運べる量ではない。
「あの、よければ……」
どうせこれからここで働く身だ。手伝ってやろうと征矢が腰を上げかけたその矢先。
「よいしょだなも」
ウエイトレスさんはそれを軽々と抱え上げた。しかも、五つまとめて。全部で五十キロ近い重量のはずだ。
それを、牛少女はふらつきもせず、奥のパントリーまで楽々と運び込んでしまう。
(怪力!)
もう角に触ってみなくてもわかった。あの子も間違いなく、さっき征矢を襲い、空へと飛んで逃げた人間ならざるものの同類だ。
とはいえ見たところ、あのマンティコアみたいな厄介な手合ではなさそうだ。彼女の角と耳としっぽについては、叔母さんが帰ってきてからゆっくりと聞こう。
ウエイトレスさんはすぐにお冷を持って、また征矢のところへやってきた。
「あの……」
「はい?」
恥じらいにもじもじしながら、ウエイトレスさんは小声で言う。
「そのう、タッチはダメだけど……えと、近くで見るだけ、ならいいだなも」
「え。いや、別に無理はしてもらわなくても……」
「つ、作り物って思われるのはちょっと心外なんだなも……」
「はあ、じゃあせっかくなんで拝見します」
牛少女は、店内に誰もいないことをあらためて確認すると、いきなりメイドドレスの胸のボタンをぷちぷちと外しだした。
「は!?」
日ごろ平熱の低い征矢も、さすがに仰天する。その征矢の眼前に身をかがめ、ウエイトレスさんはブラウスの胸元を大きくはだけた。
どたっぷん。
白いブラジャーにかろうじて支えられた巨大な二つのふくらみが、重力に引っ張られてこぼれ出す。
ウエイトレスさんは、羞恥に耐えるようにぎゅーっと目を閉じている。
「ど、どうぞ見るといいだなも。ほ、本物ってわかったんだなも……?」
「いやそっちじゃないです。おれが触りたかったのは、その頭に生えてる角です」
片手で自分に目隠しした征矢は、普段より早口で説明する。
ウエイトレスさんのまぶたが、ばちんと開いた。
「角……?」
「そうです。初対面の女性に胸を触らせろとか言うわけないでしょう」
今にも爆発するんじゃないかと思うほど牛少女の顔から湯気があがる。
はだけた胸を両腕で抱えるようにして、牛っぽいウエイトレスさんは転がるようにカウンターの中へ走り込んでしまった。
「うわーーーーん、うち、またしくじったんだなもぉーーーーーっ! は、恥ずかしいーーーーー!」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる