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幻獣カフェ、バズる
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もう客もあまり残っていない。新規の来店もない。
手持ち無沙汰になった征矢は、ふとさっきの名刺を見返す。
自分の携帯端末で、「ぴかりそ」と検索してみる。
大量のヒットがある。征矢はとりあえずネット事典のひとつを開いた。
『 ぴかりそ@帰還兵は日本の異世界帰還者。
いわゆる〈ヴァースドリフター〉である。
帰還後は現役女子高生異世界評論家として活動開始。
コメンテーター、ライター、ネットアイドルなど多方面に才能を見せている。
著者「ひきこもり女子高生が異世界征服してみた」は累計五十万部の大ヒット。
異世界転移に憧れる中高生世代からはカリスマ的人気が高く、
SNSフォロワー数は現在十五万人。 』
「フォロワー十五万人……?」
征矢はつぶやいた。
どうやらあの子、そのスジではなかなかの有名人らしい。
いくら流行に疎い征矢でも、その数字が意味するところは理解できる。
名刺にあったQRコードをスキャンしてみる。
SNSのページが出てきた。一分前に更新があった。
『籠目市内にできた幻獣カフェクリプティアムさんに行ってきました』
という表題が。
ついさっき撮った写真と、店の雰囲気やメニューを手際よくまとめた内容だった。もちろん、ぴかりそ本人の自撮りも添えて。
カリスマ評論家というだけあって、とてもわかりやすい。
しかも、かなり褒めている。幻獣娘たちの写真もきれいに撮れている。
ただどういうわけか、最後にわざわざ撮影した征矢の写真はなかった。ボツになったようだ。征矢もべつにネットに顔を晒したいわけでもないので、それは別にいい。
問題は、ぴかりそ@帰還兵が征矢の想像以上に社会的影響力がありそうな、いわゆるインフルエンサーであるという点だ。
征矢は自分ではSNSをやらないが、カフェ勤めの経験上、こういう記事がネットに上がると次になにが起こるかはよく知っていた。
見ている間にも、閲覧者数と「いいね」の数字が爆発的に増えていく。このペースなら三十分とかからず万単位に達するだろう。
「これは……えらいことになるな」
すぐに征矢は時計を見る。夜の閉店時間までまだたっぷりある。
冷蔵庫を開け、次いでパントリーに行き、店内の食材の在庫を正確に把握する。
「なにしてるんだなも?」
ミノンが後ろから征矢の作業をのぞき込む。
振り返った征矢の顔は、ただならぬ緊迫感を帯びていた。
「おい牛子」
「牛子!?」
「いいからウエイトレスここに全員集めてくれ。花子も起こせ」
「は、花子ってアルルちゃんのことだなも?」
「そうだよ。鳥子と馬子もな。急げ」
征矢の目はいくぶん殺気立っている。
ミノンは青くなって仲間を呼びに飛んでいった。
「なんなんですの? いきなりこわい顔して」
ポエニッサの不平を、征矢はぴしゃりと遮った。
「うるさいぞ鳥子。いいから聞け」
「と、鳥子!?」
征矢はカウンターに両手をつき、厳しい面持ちで口を開いた。
「おれの推測が正しければ、間もなくこの店は満席になる。君たちガラクタ幻獣が経験したことのないであろう仕事量がやってくるはずだ」
「満席? まさかあ」
ユニカがころころと笑う。征矢は笑わない。
「マジだぞ馬子」
「え、馬子ってわたしい? ひどいぃ」
ポエニッサは征矢に詰め寄らんばかりだ。
「ガラクタとはなんですの!? あなた、新入りのくせにちょっと態度が悪いんじゃありませんこと?」
しかし征矢の顔は岩に刻まれたみたいに硬いままだ。
「今日、わずかな時間見ただけでわかった。君たちは接客のいろはも満足に身につけていないガラクタウエイトレスだ。よって今から殊勝な後輩ヅラはやめだ。君たちのややこしい名前を覚える気もない。おれはただ全力で働く。君たちはこれから閉店まで、どんなことになっても歯を食いしばって可愛くいてくれ。なぜなら今からここに押しかける客は、君たちの可愛さにカネを払いにくるからだ。いいな?」
幻獣娘たちはまだぽかんとしていた。それでも征矢の様子から、なにかただならない事態が起ころうとしているのは本能的に悟ったようだった。
征矢はひとりひとりの目を見て告げる。
「牛子、絶対に手を乳の下にもってきて作業するな。常に手は目視できる位置! できるな?」
「は、はいだなも!」
ミノンはこくこくとうなずく。
「鳥子、ニコニコしろとは言わん。だがなにがあっても客にキレるな。君はやったらできるヤツだ。そうだな?」
「ま、まあそこまで言われたらやってさしあげますわ」
思いがけず「やったらできる」という一言が効いたらしく、ポエニッサは胸を張ってみせた。
「馬子、お前は客に好き嫌いを付けるなよ。処女だろうがそうじゃなかろうが、女だろうが男だろうが、同じ態度でサービスしろ」
「はぁい、りょーかい」
かなりしぶしぶではあるが、ユニカも敬礼ポーズを返す。
「花子は……おい目を覚ませ! なにげに君をいちばん頼りにしてるんだからな?」
アルルはなんとか立ってはいるが、目は眠たげにとろんとしたままだ。
「むにゃ……」
「ダメだなこれじゃ。コーヒーでも飲ませるか。それとも水か?」
困り顔の征矢に、眠気をこらえながらアルルが言った。
「こういうときのために、オーナーがいいもの用意しているのです……」
「いいもの?」
「あそこに」
アルルはカウンターの中に入ると、いちばん高いところにある棚を指差した。
征矢が棚の引き戸を開けると、「アルル用 救急」と書かれた小箱があった。
「なんだこりゃ」
箱を開けると、中には緑色の液体が詰まったプラスチックアンプルがぎっしりと並んでいた。アンプルには「植物活力剤 ノビルピン」とあった。農業や園芸用に使う、植物用栄養剤らしかった。
不安いっぱいの顔で征矢は説明書に目を通す。
「だ、大丈夫なのか、こんなの子供に飲ませて」
「子供じゃないのです。ちっちゃく見えてるだけなのです……」
「うっ、そうだっけ」
「アルル、今のままじゃお役に立てないのです。がんばりたいのです……」
眠気に体をゆらゆらさせながら、それでもアルルはきっぱりと言った。
多少気がかりではあったが、本人も椿もいいと言ってるならいいのだろう。それに悠長に迷っている時間はあまりない。
征矢はアンプルの口を開けてやると、アルルに差し出した。
「よし、一本きゅっと行け」
アルルはものも言わずにアンプルを受け取ると、中身を一気に飲み干した。
その途端だった。
まぶたの落ちかけた目がいきなりギンッ! と見開かれる。瞳に尋常ではない光が宿っている。
アルルは両の拳を握り、大きく身を反らせて叫んだ。
「キマッたあああああああああ! 春の目覚めええええええええ!!」
頭の上の花も今まで以上につややかに咲き誇っている。
「お、おい花子……具合はどうだ?」
征矢は身をかがめ、こわごわとアルルの顔をのぞき込む。
「ぐわい? いいよ! 絶好調だから! アルルなにすんの? なにすればいい? お仕事! お仕事ちょーだい! イヤッフゥゥゥゥゥゥッ!」
意味もなくぴょんぴょんと垂直跳びを繰り返すアルル。ガンギマリもいいところである。ちょっと効きすぎにも思えるが、とりあえず寝てしまうよりはマシだろう。
ひとまず、これで準備は整った。
征矢が大きく息を吸った。
まるでそれを合図にしたように、店のドアが開いた。
四人連れの女子高生だった。
「いらっしゃいませ。〈クリプティアム〉へようこそ」
幻獣娘たちがお出迎えする。
数秒と置かずに、また三人連れ。それにカップルが続き、七人組の団体グループもやってくる。
とにかくあとからあとから、どんどん客が入ってくるのだ。今までにない勢いだった。
幻獣娘たちが、思わず征矢の顔を見る。
征矢はカウンターから、目だけで幻獣娘たちに伝えた。
だから言っただろ? さあ、ここは戦場になるぞ。
手持ち無沙汰になった征矢は、ふとさっきの名刺を見返す。
自分の携帯端末で、「ぴかりそ」と検索してみる。
大量のヒットがある。征矢はとりあえずネット事典のひとつを開いた。
『 ぴかりそ@帰還兵は日本の異世界帰還者。
いわゆる〈ヴァースドリフター〉である。
帰還後は現役女子高生異世界評論家として活動開始。
コメンテーター、ライター、ネットアイドルなど多方面に才能を見せている。
著者「ひきこもり女子高生が異世界征服してみた」は累計五十万部の大ヒット。
異世界転移に憧れる中高生世代からはカリスマ的人気が高く、
SNSフォロワー数は現在十五万人。 』
「フォロワー十五万人……?」
征矢はつぶやいた。
どうやらあの子、そのスジではなかなかの有名人らしい。
いくら流行に疎い征矢でも、その数字が意味するところは理解できる。
名刺にあったQRコードをスキャンしてみる。
SNSのページが出てきた。一分前に更新があった。
『籠目市内にできた幻獣カフェクリプティアムさんに行ってきました』
という表題が。
ついさっき撮った写真と、店の雰囲気やメニューを手際よくまとめた内容だった。もちろん、ぴかりそ本人の自撮りも添えて。
カリスマ評論家というだけあって、とてもわかりやすい。
しかも、かなり褒めている。幻獣娘たちの写真もきれいに撮れている。
ただどういうわけか、最後にわざわざ撮影した征矢の写真はなかった。ボツになったようだ。征矢もべつにネットに顔を晒したいわけでもないので、それは別にいい。
問題は、ぴかりそ@帰還兵が征矢の想像以上に社会的影響力がありそうな、いわゆるインフルエンサーであるという点だ。
征矢は自分ではSNSをやらないが、カフェ勤めの経験上、こういう記事がネットに上がると次になにが起こるかはよく知っていた。
見ている間にも、閲覧者数と「いいね」の数字が爆発的に増えていく。このペースなら三十分とかからず万単位に達するだろう。
「これは……えらいことになるな」
すぐに征矢は時計を見る。夜の閉店時間までまだたっぷりある。
冷蔵庫を開け、次いでパントリーに行き、店内の食材の在庫を正確に把握する。
「なにしてるんだなも?」
ミノンが後ろから征矢の作業をのぞき込む。
振り返った征矢の顔は、ただならぬ緊迫感を帯びていた。
「おい牛子」
「牛子!?」
「いいからウエイトレスここに全員集めてくれ。花子も起こせ」
「は、花子ってアルルちゃんのことだなも?」
「そうだよ。鳥子と馬子もな。急げ」
征矢の目はいくぶん殺気立っている。
ミノンは青くなって仲間を呼びに飛んでいった。
「なんなんですの? いきなりこわい顔して」
ポエニッサの不平を、征矢はぴしゃりと遮った。
「うるさいぞ鳥子。いいから聞け」
「と、鳥子!?」
征矢はカウンターに両手をつき、厳しい面持ちで口を開いた。
「おれの推測が正しければ、間もなくこの店は満席になる。君たちガラクタ幻獣が経験したことのないであろう仕事量がやってくるはずだ」
「満席? まさかあ」
ユニカがころころと笑う。征矢は笑わない。
「マジだぞ馬子」
「え、馬子ってわたしい? ひどいぃ」
ポエニッサは征矢に詰め寄らんばかりだ。
「ガラクタとはなんですの!? あなた、新入りのくせにちょっと態度が悪いんじゃありませんこと?」
しかし征矢の顔は岩に刻まれたみたいに硬いままだ。
「今日、わずかな時間見ただけでわかった。君たちは接客のいろはも満足に身につけていないガラクタウエイトレスだ。よって今から殊勝な後輩ヅラはやめだ。君たちのややこしい名前を覚える気もない。おれはただ全力で働く。君たちはこれから閉店まで、どんなことになっても歯を食いしばって可愛くいてくれ。なぜなら今からここに押しかける客は、君たちの可愛さにカネを払いにくるからだ。いいな?」
幻獣娘たちはまだぽかんとしていた。それでも征矢の様子から、なにかただならない事態が起ころうとしているのは本能的に悟ったようだった。
征矢はひとりひとりの目を見て告げる。
「牛子、絶対に手を乳の下にもってきて作業するな。常に手は目視できる位置! できるな?」
「は、はいだなも!」
ミノンはこくこくとうなずく。
「鳥子、ニコニコしろとは言わん。だがなにがあっても客にキレるな。君はやったらできるヤツだ。そうだな?」
「ま、まあそこまで言われたらやってさしあげますわ」
思いがけず「やったらできる」という一言が効いたらしく、ポエニッサは胸を張ってみせた。
「馬子、お前は客に好き嫌いを付けるなよ。処女だろうがそうじゃなかろうが、女だろうが男だろうが、同じ態度でサービスしろ」
「はぁい、りょーかい」
かなりしぶしぶではあるが、ユニカも敬礼ポーズを返す。
「花子は……おい目を覚ませ! なにげに君をいちばん頼りにしてるんだからな?」
アルルはなんとか立ってはいるが、目は眠たげにとろんとしたままだ。
「むにゃ……」
「ダメだなこれじゃ。コーヒーでも飲ませるか。それとも水か?」
困り顔の征矢に、眠気をこらえながらアルルが言った。
「こういうときのために、オーナーがいいもの用意しているのです……」
「いいもの?」
「あそこに」
アルルはカウンターの中に入ると、いちばん高いところにある棚を指差した。
征矢が棚の引き戸を開けると、「アルル用 救急」と書かれた小箱があった。
「なんだこりゃ」
箱を開けると、中には緑色の液体が詰まったプラスチックアンプルがぎっしりと並んでいた。アンプルには「植物活力剤 ノビルピン」とあった。農業や園芸用に使う、植物用栄養剤らしかった。
不安いっぱいの顔で征矢は説明書に目を通す。
「だ、大丈夫なのか、こんなの子供に飲ませて」
「子供じゃないのです。ちっちゃく見えてるだけなのです……」
「うっ、そうだっけ」
「アルル、今のままじゃお役に立てないのです。がんばりたいのです……」
眠気に体をゆらゆらさせながら、それでもアルルはきっぱりと言った。
多少気がかりではあったが、本人も椿もいいと言ってるならいいのだろう。それに悠長に迷っている時間はあまりない。
征矢はアンプルの口を開けてやると、アルルに差し出した。
「よし、一本きゅっと行け」
アルルはものも言わずにアンプルを受け取ると、中身を一気に飲み干した。
その途端だった。
まぶたの落ちかけた目がいきなりギンッ! と見開かれる。瞳に尋常ではない光が宿っている。
アルルは両の拳を握り、大きく身を反らせて叫んだ。
「キマッたあああああああああ! 春の目覚めええええええええ!!」
頭の上の花も今まで以上につややかに咲き誇っている。
「お、おい花子……具合はどうだ?」
征矢は身をかがめ、こわごわとアルルの顔をのぞき込む。
「ぐわい? いいよ! 絶好調だから! アルルなにすんの? なにすればいい? お仕事! お仕事ちょーだい! イヤッフゥゥゥゥゥゥッ!」
意味もなくぴょんぴょんと垂直跳びを繰り返すアルル。ガンギマリもいいところである。ちょっと効きすぎにも思えるが、とりあえず寝てしまうよりはマシだろう。
ひとまず、これで準備は整った。
征矢が大きく息を吸った。
まるでそれを合図にしたように、店のドアが開いた。
四人連れの女子高生だった。
「いらっしゃいませ。〈クリプティアム〉へようこそ」
幻獣娘たちがお出迎えする。
数秒と置かずに、また三人連れ。それにカップルが続き、七人組の団体グループもやってくる。
とにかくあとからあとから、どんどん客が入ってくるのだ。今までにない勢いだった。
幻獣娘たちが、思わず征矢の顔を見る。
征矢はカウンターから、目だけで幻獣娘たちに伝えた。
だから言っただろ? さあ、ここは戦場になるぞ。
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