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第四章 続・十一月の受難
男の本音6
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「絵美さーん!」
キリンのアーチの向こうから、一人の女性が手を振っている。
晴天。
今日は風がそんなに強くなく、暖かさを感じるくらいだ。
「ユイカさん、久しぶり!」
自分の声も弾んだのが分かった。
乳母車を押してアーチをくぐる。
昌也と約束した通り、ユイカさんに会いにきたのだ。
私たちは、手を取り合って再会を喜んだ。
そして。
「無事に生まれたのね。
おめでとう! この子ね?」
傍らの、オシャレかつ機能的っぽいベビーカー。
ユイカさんは、下ろしていたサンバイザーを少し持ち上げた。
「ありがとう、絵美さん。
カイトです」
「あきゃっ」
ルナが、よろしくと言っている。
「カイトくんかぁ」
私は、腰をかがめてベビーカーを覗いた。
まさか、元彼の子供をしみじみと眺める日が訪れるとは。
人生なにが起こるか分からないものである。
「……!」
小さい──。
ルナと初めて会った時よりも、ずっと小さい。
心許ない細い首、柔らかそうな頭。
今にも壊れそう。
カイトくんは、ぴくりと瞼を震わせた。
動いてる。
不自然にならない程度に、ゆっくりと身体を起こした。
小鼻のあたりに冷や汗が吹き出してくるのを感じる。
ユイカさんに気づかれなかっただろうか。
てっきり、もう大丈夫だと思ってた。
いや、忘れていたのだ。
十一月の終わり。なのに。
私……アレルギー、治ってない──。
「絵美さーん!」
キリンのアーチの向こうから、一人の女性が手を振っている。
晴天。
今日は風がそんなに強くなく、暖かさを感じるくらいだ。
「ユイカさん、久しぶり!」
自分の声も弾んだのが分かった。
乳母車を押してアーチをくぐる。
昌也と約束した通り、ユイカさんに会いにきたのだ。
私たちは、手を取り合って再会を喜んだ。
そして。
「無事に生まれたのね。
おめでとう! この子ね?」
傍らの、オシャレかつ機能的っぽいベビーカー。
ユイカさんは、下ろしていたサンバイザーを少し持ち上げた。
「ありがとう、絵美さん。
カイトです」
「あきゃっ」
ルナが、よろしくと言っている。
「カイトくんかぁ」
私は、腰をかがめてベビーカーを覗いた。
まさか、元彼の子供をしみじみと眺める日が訪れるとは。
人生なにが起こるか分からないものである。
「……!」
小さい──。
ルナと初めて会った時よりも、ずっと小さい。
心許ない細い首、柔らかそうな頭。
今にも壊れそう。
カイトくんは、ぴくりと瞼を震わせた。
動いてる。
不自然にならない程度に、ゆっくりと身体を起こした。
小鼻のあたりに冷や汗が吹き出してくるのを感じる。
ユイカさんに気づかれなかっただろうか。
てっきり、もう大丈夫だと思ってた。
いや、忘れていたのだ。
十一月の終わり。なのに。
私……アレルギー、治ってない──。
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